薄毛予防

つむじハゲの特徴とは?つむじハゲの基準や症状、治し方を解説

監修者 阿部有寛(院長)

「最近抜け毛がどんどん増えていてつむじ周辺が薄くなってきた気がする」「つむじが大きくなってきており、このまま進行してハゲになってしまったらどうしよう」と、つむじの薄毛が目立っておりこのまま薄毛になってしまわないかと不安になっている方はいませんか?

つむじハゲとは、つむじを中心として薄毛の症状が現れている状態のことを指し、薄毛が進行すると頭頂部の薄毛としてじわじわとその範囲を広げていきます。

今はまだ気になっている程度だけれど、このまま範囲が広がって頭頂部がハゲてしまったらと考えると何か対策をしなければという気持ちになりますよね。また、このつむじハゲは本当に薄毛が進行しているのか、それとも元のつむじが目立っているだけの思い込みなのかとつむじハゲかどうかの判断ができずに悩んでいる方も多いです。

また、つむじハゲは10代の高校生20代の若い世代でも発症することがあります。さらに、男性でも女性でもつむじハゲになる可能性はあるため、どなたでも発症する可能性のある薄毛として認識しておきましょう。

この記事では、つむじハゲの症状の特徴や原因を解説、それを踏まえて改善するにはどのような対策法があるのか、また、つむじハゲを目立たなくするにはどうしたら良いのかを詳しく解説していきます。

つむじハゲの悩みを持っている方、これからつむじハゲになってしまったらどうしようと思っている方はぜひ参考にしてください!

 

つむじハゲとは「つむじ周辺に起きる薄毛」のことを指す

つむじハゲとは、つむじ周辺に引き起こされる薄毛のことを指します。つむじを中心に薄毛になっていく症状が特徴で、生え際から進行する薄毛と異なり自分で気付きにくく思っているよりも薄毛が進行してしまったというケースも少なくありません。

つむじハゲには明確な薄毛の基準があるわけではなく、つむじを中心に起きる髪質の変化や頭皮の透け具合によって薄毛が進行しているかを判断するものとなります。

つむじの大きさや髪の太さには個人差があるため、生まれつきつむじが大きく薄毛を疑ってしまう方もいらっしゃいますが、髪の変化を確認しつむじ周辺の髪の状態を確認することでつむじハゲの可能性が高いかを判断することができます。つむじハゲの初期症状から、進行の過程を見ていきましょう。

上記の画像は、同一人物の経過ではありませんが、進行している度合いに合わせて経過が分かるように比較下画像です。様々なつむじの形、毛流れがありますが、薄毛が進行するにつれてつむじを中心に薄毛部分が広がっているのがわかります。

つむじハゲは男女関係なく発症する可能性があり、その発症率は年齢に比例して上がっていくとされています。20代の方でも所謂「若ハゲ」といった形で発症する確率は0とは言えないです。まだ薄毛の症状が出ておらず今後薄毛になりたくないという方は、早めに薄毛予防や対策を取っていくことをおすすめします。

 

つむじハゲかを判断する4つの特徴

つむじハゲには特徴があり、透け方や頭皮の色、周りの髪と比べた時の髪の太さ、つむじ周辺の毛流れなど、4つの判断基準があります。

つむじの部分は自分では確認しにくく、実際に薄毛になっているかがわかりにくい箇所です。さらに、髪型や生まれつきの髪質やつむじの大きさによってつむじの見え方はそれぞれ異なるため、つむじハゲかどうかの判断基準が難しいと感じる箇所ですが、つむじハゲの特徴を知っておくことで症状に早く気付くことができ、薄毛が悪化する前に対処することが可能になります。

ここでは自分がつむじハゲかどうか判断できる4つの方法をご紹介します。

つむじ周りの地肌が透けて見える

正常なつむじは、渦の中央部分のみの頭皮が透けて見えていますが、つむじハゲの症状が出始めているつむじは中央部分だけではなく、その周辺も薄っすらと頭皮が透けています。つむじ周辺の髪の毛が細くもろくなって、短い毛しか生えにくくなり、抜け毛が増えることによって、髪の毛の厚みで頭皮が隠れていない状態です。

つむじ周辺の頭皮が広範囲に渡って透けているわけではなくても、直径2~3cm程度の小さな円状に透けて見える場合は、思い込みではなく薄毛が進行している可能性が高くなります。
以下の通常のつむじと、地肌が透けて見え始めた初期段階のつむじをご覧ください。

頭皮の色が赤い、もしくは茶色い

通常、健康な頭皮は白色か肌色をしていますが、頭皮が全体的に赤っぽい or 茶色っぽい色になっている場合には頭皮トラブルの発生が疑われます。

乾燥や日焼けによって起こる頭皮環境の悪化は薄毛を招く原因とされており、つむじ周辺の頭皮が赤いもしくは茶色い場合、つむじハゲの前段階にあるか初期症状が出始めていることが想定されます。

頭皮の乾燥や紫外線による日焼けのダメージ、炎症は全て抜け毛が増加する原因です。紫外線を避けるために帽子をかぶる、スカルプケアをして頭皮を清潔に保つなどの対策を行いましょう。

 

つむじ周りの髪質が細い

つむじ周りの髪が細くなっていたり、髪のボリュームが減っていたりするのもつむじハゲの特徴です。

血行不良や栄養不足、ヘアサイクルの乱れによる髪の成長不足によって、髪は細くもろく変化します。
特に後頭部や耳の横の側頭部近くの髪の毛は薄毛の影響を受けないとされているので、つむじ周辺の髪の毛と後頭部・側頭部の髪の毛の太さを比較して太さを見てみると良いでしょう。

つむじ周りの髪が細いまたはボリュームがないように感じる場合には、つむじハゲが進行してきている可能性が高いです。

つむじの毛流れがぼやけている

正常なつむじは渦を巻いて髪が生えているので、毛流れがはっきりとわかります。

しかし、つむじはげが進行してくると髪が細くなって毛量が減少し、毛流れはぼやけて見えてきます。また、毛流れがぼやける以外にも、毛の流れ自体が直線上になってくるパターンが見受けられます。

つむじハゲの原因と仕組み

つむじハゲの原因は主に男性ホルモンと遺伝の影響が大きいとされています。

悪玉男性ホルモンであるDHTは、男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼが結合することで発生します。発生したDHTが男性ホルモンレセプターに取り込まれることで、髪の毛の成長を抑制させてつむじの抜け毛が増えてしまうのです。

男性ホルモンのテストステロンは、人間に元々存在する男性ホルモンで、女性の身体にも存在するため、女性でも薄毛を引き起こしてしまいます。

そして抜け毛を引き起こす男性ホルモン、DHTの生成には遺伝の要素を強く持つ5αリダクターゼが必要になります。5αリダクターゼの活性度は遺伝するとされており、活性度が高いほどDHTの生成が行われてしまいます。

これらの症状から、男性のつむじハゲは主にAGA(男性型脱毛症)、女性のつむじハゲはFAGA(女性男性型脱毛症)を発症している可能性が高いとされています。

 

つむじハゲの治し方

ではどうしたらつむじハゲは治すことができるのでしょうか。
育毛剤や生活習慣の改善など、薄毛の改善方法として様々な物が挙げられると思いますが、AGAやFAGAといった進行性の脱毛症からつむじハゲを発症している場合、薄毛治療やAGA治療といった治療で改善しない限りつむじハゲを改善し、元の髪の状態に戻すのは難しいです。

つむじハゲは正しい方法で治療を行えば、これ以上髪が抜けるのを抑えたり、髪の毛を生やしたりすることが可能です。

どんな治療も効果には個人差があるので、一概に絶対に薄毛が改善できますとは言えませんが、薄毛治療を行うことで高い薄毛改善効果が見込めることは証明されています。

参考文献:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

 

「つむじハゲかも?」と思った段階で病院に行くのが改善の近道

つむじハゲのお悩みがある方で「ハゲたくない」と思っている方は、早めに病院に行くことをおすすめしたいです。
「この程度で」「まだ薄毛の確信が持てない段階で」病院に行ってもいいのか悩む方は多いと思います。少しくらいなら育毛剤やドラックストアに売っているスカルプ商品でも良いのではないかと思われる方も多いと思いますが、これらの商品は今ある髪の毛を元気にしたり、頭皮環境を整える目的のもののため、気になるつむじハゲ改善に直接アプローチすることはできません。

つむじハゲは、抜け毛が増えてつむじを中心にO字に範囲を広げていき、だんだんと薄毛になってきてしまいます。
生活習慣の改善や育毛剤の使用も、今ある髪を元気にする育毛の観点からは重要といえますが、早めに病院で専門医に見てもらうことが大切といえるでしょう。

「病院」と聞くと何か重大な病気のようで気が引ける、恥ずかしいと思ってしまう方もいると思いますが、病院には薄毛予防で通っている人もいるため、何より早めに正しい治療を始めていくことが大切と言えるでしょう。

 

つむじハゲの治療には、薄毛治療・AGA治療が診療科目にある皮膚科や、AGA治療専門クリニックに行きましょう。
髪の毛が生えるための土台になる頭皮は、皮膚の一部になので皮膚科での受診が可能です。
特にストレスで部分的に髪の毛が抜ける円形脱毛症や、過剰な皮脂の分泌によって、フケかゆみが出る脂漏性脱毛症などの薄毛は、まずは頭皮の状態を正常に戻すことが重要なので特に皮膚科の受診をおすすめしますが、特に頭皮などに炎症が見られないつむじハゲであれば、皮膚科ではなくAGA治療クリニックなどに行くことをおすすめします。

AGA治療クリニックはつむじの薄毛で多いAGA(男性型脱毛症)の治療を専門で行っているクリニックです。治療薬や治療プランが豊富で症例も多いため、自分に合った処方をしてもらえるでしょう。女性のつむじハゲはFAGA治療が診療科目にある、女性専用のクリニックに行きましょう。

つむじハゲを加速させる「生活習慣の乱れ」を改善するのは必須

つむじハゲは男性ホルモンや遺伝の影響を受けて発症しますが、バランスの悪い食事や睡眠不足、運動不足、ストレスによる自律神経の乱れなどといった乱れた生活習慣などが複雑に絡み合って、発症したつむじハゲをさらに加速させてしまう可能性が考えられます。 また、過度なヘアカラーブリーチ髪に負担のかかるような髪型は、つむじハゲを改善するには避けたほうが無難でしょう。

生活習慣の乱れを改善しただけでつむじハゲが治ることはありませんが、つむじハゲをこれ以上加速させないためには、生活習慣の改善は必須です。

髪が元気に育つ栄養となるバランスの良い食事や、ヘアサイクルを正常に保つために血行不良にならないための十分な睡眠適度な運動を意識し、抜け毛の原因となるストレスなどを生活から遠ざけることがつむじハゲを改善するためには重要になります。

全てを改善していくことは難しいかもしれませんが、毎日の生活で意識できるものから始めてみてください。治療と並行して日常からつむじハゲの改善にアプローチすることで、より改善の可能性を高めることができるのです。

 

つむじハゲを隠すために効果的な4つの髪型

つむじハゲの治療は即効性のあるものではなく、ある程度時間をかけて付き合っていく必要のある治療です。そのため、せっかく治療をしていても、しばらくは薄毛の悩みを抱えたまま生活する必要があるのです。

見た目の変化が出るまでに時間のかかるつむじハゲの治療をしている間、気になってしまうのは他人からの見え方だと思います。今は部分ウィッグなども販売されているので、治療をしながら見た目が改善されるまで気になる部分だけ部分ウィッグを使用している方や、増毛などで部分的に髪を生やす対策を取っている方もいらっしゃいます。

他人の目がストレスになって治療をしているにも関わらず効果が出なかったら本末転倒なので、なるべく周りの人から見てつむじハゲを隠すような髪型にするのも1つの手です。ここでは、つむじハゲの方におすすめの、つむじハゲを目立たなくさせる4つの髪型をご紹介します。

七三オールバックツーブロック

七三オールバックツーブロックは、頭頂部の髪の毛を後ろに流すことでつむじをしっかり隠せる髪型です。完全にオールバックにするのではなく、前髪を七三に分けて軽く流すことで、ふんわりとしたボリューム感が出て、自然な形でつむじをカバーできます。

また、サイドと襟足を刈り上げることで全体的にメリハリが出て、どこから見られても薄毛っぽく見えることはないでしょう。スタイリング剤でしっかり固めれば、風で乱れてつむじが見えてしまう心配もありません。

マンバンヘア

マンバンヘアは、おだんごに結ぶことでつむじ部分を完全に見えないようにできる髪型です。
近年流行っている髪型なので、つむじを隠すだけではなく、おしゃれさも出すことができます。髪の毛を結べる程度の長さに伸ばす必要がありますが、結んでいればつむじが薄毛だと気が付かれる心配はありません。

頭皮が透けている部分が広範囲になっている方や、髪の毛が生えていない部分がある方にも向いている髪型です。

ツーブロックパーマスタイル

ツーブロックパーマスタイルは、パーマで全体的にボリューム感を出すことで、つむじ部分の薄毛をカバーできる髪型です。
カールがついた髪の毛同士が重なり合うことで、頭皮の透けを隠しながら頭頂部に厚みを出すことができます。また、ツーブロックにすることでパーマをかけても重たくなりすぎず、清潔感があるように見えます。

髪の毛が細く柔らかい方や、くせ毛の方にも向いている髪型です。

 

長さ1㎜程度の坊主

1mmの坊主にすると、だいぶ髪の毛の黒さが薄くなるため、つむじの薄毛部分と馴染みやすくなって、つむじハゲかどうか分かりにくくなります。
特に髪の毛が太く丈夫な方は、坊主にしても髪の毛の黒さが分かることがあるので、坊主にする場合は1mmにするのが良いでしょう。一方で、6mm以上の坊主にすると、髪の毛の黒さをつむじの薄毛部分の肌色が目立ち、つむじハゲがかえってわかりやすくなる可能性があるので注意が必要です。

つむじハゲを目立たなくするのが目的で坊主にするのであれば、坊主でも髪の長さに気をつけておきましょう。

 

さいごに

つむじハゲの特徴から原因、改善方法までを解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
つむじハゲは治療で改善することのできる可能性が高い脱毛症です。しかし、まだ気のせいだろうと放置をしてしまうと、症状はどんどん進行し、薄毛の範囲を広げていきます。

特につむじハゲは自分で見辛い範囲の薄毛なので、対処が遅れてしまいがちですが、つむじが薄いと感じたら早めに気付いて治療を行うことで元通りの髪に戻すことができる可能性は格段に上がります。

つむじハゲの特徴を理解し、なるべく早めに対応できるようにしていきましょう。また、日常的に髪を労わる生活をすることも重要です。つむじハゲを加速させてしまうような乱れた生活習慣にならないように気をつけて、元気な髪を育てる生活を意識してみてください。

 

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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