薄毛予防

どうして抜ける?ストレスと抜け毛の関係性とは

監修者 阿部有寛(院長)

 

「ストレスがすごすぎて抜け毛がとまらない」「ストレスで円形脱毛症ができた」という話を耳にしたことがある方は多くいらっしゃると思います。

しかし、実際のところ本当にストレスで抜け毛が増えてしまうことなどあるのでしょうか?

まず結論からお伝えすると、ストレスによって抜け毛が起こる可能性は十分に考えられます。

ストレスによって抜け毛が起こる原因には、自律神経の乱れとホルモンバランスの乱れが深く関係しています。人は過度なストレスを感じると、自律神経やホルモンバランスに異常な反応が起こり、その結果、抜け毛として症状が現れてしまうのです。
つまり、ストレスが直接的に抜け毛を起こすわけではありませんが、過度なストレスの蓄積によって間接的に抜け毛の原因へと繋がる可能性はあります。

この記事では、そんなストレスと抜け毛の関係性について詳しく解説をしていきます。

ストレス社会と呼ばれる現代は、大人も子どもも関係なく、誰しもが様々なストレスを感じながら生活しています。ストレスによる抜け毛を防ぐためには、抜け毛が起こるまでのメカニズムを理解し、上手にストレスと向き合っていくことが大切です。日ごろ強いストレスを感じている方やストレスによる抜け毛が気になっている方は、ぜひ最後までお読みください!

ストレスによって髪の毛が抜ける理由

ストレスは抜け毛にとって直接の原因ではないとされています。しかし、過度なストレスの蓄積により自律神経やホルモンバランスが崩れてしまうと、血液の流れやヘアサイクルに乱れが生じて抜け毛の原因へと繋がります。
このようにストレスと抜け毛には直接的な関りがないものの、ストレスを強く感じることで抜け毛のきっかけとなる可能性があるため、ストレスの溜め込み過ぎには注意が必要です。

ここからは、自律神経の乱れとホルモンバランスの乱れがどのようにして抜け毛へと発展していくのかを詳しく確認していきましょう。
 
 

自律神経の乱れ

自律神経には、内臓や代謝、体温などの機能をコントロールして心や身体の調子を整えてくれる働きがあり、交感神経と副交感神経という2つの神経が交互に入れ替わることでバランスを保っています。

【交感神経】
活動、興奮、ストレス、緊張、恐怖時などの状態で活発に働く神経
 
【副交感神経】
休息、睡眠、食事、リラックス時などの状態で活発に働く神経

過度なストレスや不規則な生活などが原因となり、自律神経のバランスが崩れて身体に様々な症状が現れる状態を「自律神経失調症」と言います。
自律神経失調症の症状は倦怠感、不眠、頭痛、めまい、下痢や便秘、情緒不安定、うつなど多岐にわたりますが、抜け毛もまた代表的な症状の1つとして挙げられます。

自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて交感神経が優位に働き続けてしまうため、心と身体は常に緊張状態となります。その結果、睡眠不足や血行不良が起き、頭皮に十分な栄養や血液が行き届かなくなるため、抜け毛は増えていってしまうのです。
 
※参考:厚生労働省『自律神経失調症|e-ヘルスネット』
 
 
自律神経と抜け毛の関係について詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=2315″]
 
 

ホルモンバランスの乱れ

過度なストレスの蓄積により性ホルモンの分泌量が減少すると、ホルモンバランスが乱れて抜け毛の原因に繋がります。ホルモンバランスの乱れは女性のみならず男性の体内でも起こり得るため、ホルモンバランスの乱れによって抜け毛が発生する可能性は男女共にあると言えるでしょう。
 

エストロゲン(女性ホルモン)の減少

女性の場合、過度なストレスが蓄積すると「エストロゲン(女性ホルモン)」の分泌量が減少して抜け毛の原因へと繋がります。エストロゲンは髪の毛の成長に深く関わっており、ハリやコシ、ボリュームなどを与えて髪を美しく育てる働きがあります。

しかし、強いストレスによってエストロゲンの分泌量が減りホルモンバランスが乱れてしまうと、髪の毛のハリやコシ、ボリュームなどは失われて傷んだ髪の毛は抜け落ちていきます。

ホルモンバランスの乱れによる女性の抜け毛は、男性のように局所的な脱毛ではなく、全体的に髪の毛のボリュームが減って分け目などが目立ってくるのが特徴です。
 

テストステロン(男性ホルモン)の減少

男性の場合、「テストステロン(男性ホルモン)」の分泌量が減少することで自律神経が乱れ、自律神経失調症による睡眠不足や血行不良などの影響から抜け毛が起こってしまいます。
テストステロンの減少は通常であれば20代をピークに少しずつ進行していくため、加齢や老化による変化と認識されている方が多いようです。

しかし、人間関係などの精神的なストレスによってもテストステロンは急激に減少する可能性があり、年齢を問わず誰しもに抜け毛が起こることが考えられます。そのため、若年層であってもストレスの溜め込み過ぎには注意が必要です。
 
 
自律神経とホルモンバランスにはそれぞれ相互関係があり、自律神経の乱れによってホルモンバランスが崩れて抜け毛が起こる場合や、ホルモンバランスの乱れによって自律神経のバランスが崩れて抜け毛が起こる場合があります。
 
 
関連記事↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=67″]
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=361″]
 
 
 

髪の毛に影響を与えるストレスの種類

髪の毛の成長に影響を与えるストレスの原因には、大きく分けて3つの「ストレッサー」が存在します。
ストレッサーとは、心や身体にかかる外部からの刺激のことを指し、様々な刺激に対するストレス反応として自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れが起こります。

2019年に行われた厚生労働省の調査では、12歳以上の47.9%が日常生活で悩みやストレスを感じていると回答しました。ストレスの原因は多岐にわたるため、日ごろ日常生活を行う中でも気づかないうちにストレスが蓄積しているかもしれません。まずは様々なストレスの原因を知ることで、少しでも心や身体、そして髪の毛への負担を減らせるように心がけていくことが大切です。
 
※参考:厚生労働省 『2019年国民生活基礎調査の概要/世帯員の健康状況』
 
 

心理・社会的ストレッサー

心理・社会的ストレッサーには、人間関係や仕事上の問題、家庭問題などが挙げられます。普段私たちがストレスと認識しているものの多くは心理・社会的ストレッサーであり、精神的なストレスの代表格と言えるでしょう。
社会生活を行う中で人間関係を完全に切り離すことはなかなか難しいですが、自分なりのストレス発散方法を作っておくことで日ごろからストレスを溜め込み過ぎないようにしていくことが大切です。
 
 

物理的ストレッサー

物理的ストレッサーには、暑さや寒さ、騒音、光のまぶしさといった物理的な環境刺激が挙げられます。最近では、パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトの光も問題視されているため、スマホ依存に該当する方は特に注意が必要かもしれません。

また、物理的ストレッサーは精神面だけでなく身体に直接ストレスを与える場合もあります。例えば夏場の強い紫外線や冬場の空気の乾燥によって頭皮がストレスを感じると、頭皮環境の悪化を招き抜け毛の原因に繋がります。生活環境を改善することで防げるストレスもありますので、まずは出来る範囲で環境変化に対応する工夫をしていきましょう。
 
 

化学的ストレッサー

化学的ストレッサーは、公害物質、薬物、酸素の欠乏や過剰などが挙げられます。具体的には、化学物質や金属、お酒、たばこ、食品添加物といったものが含まれるほか、室内の空気環境なども化学的ストレッサーに該当します。
例えば、電車内など狭い空間でのきつい香水の香りや刺激臭は化学的ストレッサーであり、身の回りの予期せぬところで日常的にストレスを感じている可能性があります。強い化学的ストレッサーを受け続けることは、自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れを誘発するだけでなく、体内器官の働きへ影響を与えて抜け毛の原因に繋がる可能性も考えられるため、他のストレッサーと同様に注意が必要です。
 
※参考:厚生労働省 『1 ストレスとは:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト』
 
 
 

ストレスによる抜け毛の兆候

高いストレスレベルが継続すると、自律神経やホルモンバランスを乱して抜け毛や薄毛を引き起こす可能性があります。以下で紹介する症状に心当たりのある方は、ストレスの蓄積により頭皮に異常が現れている可能性があるため注意が必要です。
 
 

1日に100本以上の抜け毛

通常、1日に約50~100本の髪の毛が抜けるのはごく自然なことです。しかし、それ以上に抜け毛が増えたり、枕やシャンプー時に大量の抜け毛が見受けられたりする場合には、ストレスからくる抜け毛の可能性が考えられます。

 
 
1日の抜け毛量について詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=135″]
 
 

頭皮の乾燥、ベタつき、かゆみ、フケ

頭皮に乾燥、ベタつき、かゆみ、フケ、赤みといった症状が見られる場合、ストレスが引き金となり頭皮の健康状態が悪化している可能性があります。
 
 

髪のボリューム低下

髪の量やボリュームが明らかに減少したり、特定の部分が薄くなったりする場合もストレスによる影響を受けているかもしれません。これらは、自律神経やホルモンバランスの乱れによって毛髪の成長サイクル(ヘアサイクル)が乱れ、髪の毛の成長を妨げてしまうために起こります。
 
 

細毛、枝毛、切れ毛

ストレスによって血流が悪くなり、頭部への栄養供給が滞ると髪の毛の質が変わることもあります。髪が細くなったり、弱くなったり、枝毛や切れ毛が増えたりしている場合、ストレスによる影響が考えられます。
 
 
 

ストレスがきっかけで発症する脱毛症

脱毛症とは、様々な原因によって異常な抜け毛が起こっている状態のことを指します。
ストレスがきっかけで発症する脱毛症にはいくつか種類がありますが、中でも特に代表的な3つをご紹介いたします。
 
 

休止期脱毛症


「休止期」とは、髪の毛の成長が完全にストップする時期のことを指します。
ヘアサイクル(一定期間で髪の毛が生え変わる周期)には、成長期、退行期、休止期と呼ばれる3つの時期があり、1サイクルで成長期が約2~6年、退行期が約2~3週間、休止期が約3~4ヶ月続くとされています。

「休止期脱毛症」は、成長期の髪の毛が何らかの原因よって休止期に入り、普段よりも抜け毛の量が増えてしまうことで起こる脱毛症です。成長期の期間が早まり、髪の毛が十分に成長しきれないまま休止期に入るため、短期間で抜け落ちてボリュームダウンしてしまうなどの症状が見られます。
発症の原因は様々ですが、ストレスによる自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れも影響すると言われており、過度なストレス状態から抜け出すことで改善されるケースが多くあります。
 
※参考:『毛と毛包の解剖・毛髪異常(AGA)』
 
 

びまん性脱毛症


「びまん性脱毛症」は女性に多く見られる脱毛症の1つで、全体的に薄くなりボリュームがなくなっていくのが特徴です。また、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)と同様に進行性の脱毛症であるため、症状の変化に気づきづらく、気づいた時にはかなり進行しているケースも目立ちます。

発症の原因には、ストレスによる自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れが大きく影響していると言われており、早期の治療であれば改善の可能性も高まります。以下のような症状を感じている方は、出来るだけ早めのケアを行っていきましょう。

<びまん性脱毛症の症状>
●最近抜け毛が増えた
●ハリやコシがなくなった
●地肌が目立つようになった
●全体的にボリュームが減った
●分け目が薄くなった
●髪が細くなった

 
 
びまん性脱毛症について詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=1267″]
 
 

円形脱毛症

「円形脱毛症」にはいくつかの段階があり、代表的な症状として知られる10円玉サイズの部分的な脱毛は軽症に分類されます。重度の症状になると、頭髪だけでなく眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜けてしまうこともあるためできるだけ早めの改善が必要です。
現在すでに症状があり治療を希望される場合には、お近くの皮膚科を受診するようにしてください。

円形脱毛症の原因は様々な説が提唱されていますが、近年では「自己免疫疾患」が原因である可能性が有力と言われています。しかし、明確な原因はいまだに解明されておらず、過度なストレスの蓄積によって発症する可能性も十分に考えられるため、日ごろからのストレスケアも大事な予防方法と言えるでしょう。
 
 
 

ストレスと抜け毛に関するQ&A

 

Q.10代や20代でもストレスで抜け毛になりますか?

年齢に関係なく、誰しもストレスがきっかけで抜け毛が増える可能性はあります。10代や20代は思春期による心と体の変化や将来に対する不安、人間関係の広がりなどからストレスを感じる方も非常に多く、過度なストレス状態によって自律神経が乱れ、抜け毛に発展してしまうケースが考えられます。
 
 
こちらもチェック↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=309″]
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=2730″]
 
 

Q.ストレスによる抜け毛は回復可能ですか?

症状によっても変わりますが、ストレスを緩和してあげることで抜け毛が自然に治まるケースはあります。しかし、進行性の脱毛症であるAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)、びまん性脱毛症などがすでに進行している場合には、自力で改善することが難しい状態にあると言えるでしょう。ただし、AGA(FAGA)治療薬を使用することで回復は十分可能ですので、抜け毛や薄毛治療を行っているクリニックへ一度相談することをおすすめします。
 
 

Q.ストレスによる抜け毛は更年期にも起こりますか?

更年期からくる不安やイライラの症状により、ふとしたことでストレスを溜め込んでしまう場合があります。ストレスを溜め込み過ぎると、自律神経が乱れて睡眠の質の低下や血行不良を招き、頭皮が栄養不足になることで抜け毛が増えてしまう可能性が考えられます。
 
 
更年期の抜け毛について詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=147″]
 
 

Q.妊娠中や出産後の抜け毛はストレスと関係がありますか?

妊娠中や出産後はホルモンバランスが乱れやすいだけでなく、ストレスも強く感じやすい時期と言われています。妊娠中のつわりや頭痛、ホルモンバランスの乱れからくる情緒不安定、出産後の育児ストレスなど、様々なストレスが長期間続くことにより、自律神経は大きく乱れて抜け毛が起こりやすくなります。
 
 

Q.ストレスの抜け毛は3ヶ月後にくると聞きますが本当ですか?

休止期脱毛症の場合、ストレスを受けてから実際に抜け毛が起こるまでの期間は、一般的に3ヶ月程度と言われています。これにはヘアサイクルが関係しており、ストレスを受けて成長途中で休止期に入った髪の毛は、約3ヶ月の休止期間を経て抜け落ちていきます。そのため、ストレスを感じてから約3ヶ月後に抜け毛症状が現れると考えられています。
 
 

Q.ストレスによる抜け毛の予防方法を教えてください。

ストレスによる抜け毛の予防方法は、とにかくストレスを溜め込まないようにすることです。ストレス社会と呼ばれる現代で、ストレスを一切感じずに過ごすことは限りなく不可能に近いですが、自分なりのストレス発散法を見つけておくことで蓄積を抑えることは可能です。
ただし、抜け毛はストレスだけでなく他の原因が絡んでいる可能性も大いにありますので、多方面から事前に予防や対策を行っておくことが大切です。
 
 
詳しい抜け毛の予防方法はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=200″]
 
 

Q.ストレスで抜け毛がひどいです。何科を受診すればよいでしょうか?

抜け毛は症状によって治療方法が変わってきます。円形脱毛症や脂漏性脱毛症が疑われる方は皮膚科、休止期脱毛症やびまん性脱毛症、AGA(FAGA)などが疑われる方は、薄毛治療を専門に行っているクリニックを受診するようにしましょう。
 
 
脂漏性脱毛症についてはこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=232″]
 
 

Q.ミノキシジルはストレスによる抜け毛に効果がありますか?

休止期脱毛症やびまん性脱毛症、AGA、FAGAといった脱毛症が疑われる場合には、ミノキシジルなどの治療薬が有効と考えられます。円形脱毛症が疑われる場合には皮膚科を受診するようにしましょう。
ミノキシジルなどのAGA(FAGA)治療薬を検討されている方は、抜け毛や薄毛治療を行っているクリニックへ一度相談することをおすすめします。

 

さいごに

ストレスによる抜け毛を防ぐためには、日常で感じるストレスをしっかりと把握し、溜め込み過ぎないことはもちろん、僅かなストレスサインを見逃さないことも大切です。

心や身体が過度なストレスを感じている場合、疲労感、頭痛、肩こり、疲れ目、めまい、不眠など様々な症状が現れ始めます。これらのサインを放置しておくと、自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れを誘発して抜け毛へと繋がる可能性が高まりますので、ストレスを強く感じる時にはあまり無理をせず、ストレスを溜め込み過ぎない生活を心がけていきましょう!
 
 
こちらもあわせてチェック↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=260″]
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=275″]
 
 
 
 

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
Recommend
こんな記事も読まれています!
記事URLをコピーしました