「ストレスが多く、以前と比べて飲酒量が増えている」「仕事の付き合いで、どうしても飲酒する機会が多い」ことはありませんか?飲み過ぎだと自覚がしながらも、どうしても飲酒してしまう方も多いでしょう。
結論から申し上げますと、過度な飲酒が髪や頭皮に悪影響を与えることはあります。しかし、飲酒だけが原因となって、抜け毛に直接的に作用しているわけではないと言えます。
カッコイイ株式会社が「薄毛の男性と薄毛ではない男性218名に行った調査」によると、ほぼ毎日飲酒する人は薄毛の男性で約31%、薄毛ではない男性は約26%。まったく飲まない人は薄毛の男性で約14%、薄毛ではない男性で約18%となり、大きな差はないことがわかりました。
この結果では、飲酒する・飲酒しないによる薄毛の関係性は深くはないと言えるでしょう。
一方で、過度な飲酒は血行不良や抜け毛ホルモンの増加などによって、もろく抜けやすい毛になる可能性があります。とはいえ、抜け毛を阻止するために禁酒しなければならないわけではなく、髪の健康のためには適度な飲酒を守ることが大切です。少しの飲酒であれば、リラックス効果によって髪への悪影響となるストレス緩和にも繋がります。
今回は、過度な飲酒が抜け毛を加速させる可能性がある4つの理由や、抜け毛予防として1日の飲酒量の目安について詳しく解説していきます。飲酒はしたいけれど薄毛になりたくない方の参考になる記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
参考:薄毛になる男性とならない男性では何が違う?218名にアンケート調査を行った結果、ある生活習慣の違いが明らかに! | カッコイイ株式会社のプレスリリース
過度な飲酒が抜け毛を加速させる可能性がある4つの理由
過度な飲酒は、間接的に抜け毛を加速させる要因を作る可能性があります。
アルコールによって、血行不良を起こすことや抜け毛ホルモンの増加、髪の栄養不足や睡眠の質の低下に繋がり、結果的に抜け毛を起こす場合が考えられるのです。
ここでは、過度な飲酒が抜け毛を加速させる可能性がある4つの理由を詳しく解説していきます。抜け毛をこれ以上増やさないためにも、飲酒と抜け毛の関係性をしっかりと把握しましょう。
血行不良により髪に栄養が行き渡らなくなる
過度な飲酒をすると、血行不良により髪まで栄養が行きにくくなり、抜け毛が起きてしまう可能性があります。その理由としては飲酒によってアセトアルデヒドという物質が増加してしまい、血管を収縮させることによって栄養を運びにくくなってしまうためです。
私たちの髪は食事で摂った栄養が血液となって頭皮に運ばれることで作られているため、健康な髪を育てる上では血行が良くなければなりません。
しかし、飲酒によってアセトアルデヒドが増加すると、頭痛や二日酔いなどの症状が現れるように、血管を収縮させてるのです。
また、アルコールには利尿作用があるため、血液中の水分が低下して血行不良になることもあります。
このようにして血行不良が起こると十分な栄養が髪に届かなくなり、細く柔らかい毛しか育たずに抜け毛となる場合もあります。
飲酒は少量であれば血管を拡張する作用があるものの、過度な飲酒をすると血行不良となって、抜け毛が起こる場合もあるため、飲み過ぎには気を付けて飲酒はほどほどにすることが大切です。
抜け毛の原因ジヒドロテストステロンを増加させる
過度な飲酒によって、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンを増加させる可能性があります。過度な飲酒することで毒性の高いアセトアルデヒドが増加・体内に滞留することによって、結果的に抜け毛を引き起こすジヒドロテストステロンを増やし、髪に悪影響を与えるとされています。
アルコールは肝臓で分解されてアセトアルデヒドとなり、血液となって体全身をめぐります。少量のアルコールであれば尿となって体外に排出されますが、過度な飲酒をすると体内に残る時間が長くなり、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンを増加させる可能性が考えられるのです。
ジヒドロテストステロンは強力な男性ホルモンであり、毛根にある男性ホルモンレセプターによって過剰に取り込まれると抜け毛が起こります。このジヒドロテストステロンは、生え際や頭頂部の薄毛に多いAGA(男性型脱毛症)の原因のひとつでもあります。
毒性の高いアセトアルデヒドを増加させないためには、過度な飲酒を控えることが重要です。
参考:毒素・薬毒物と中毒
髪の成長に必要な栄養素をアルコール分解に使われてしまう
過度な飲酒をすると、髪の成長に必要な栄養素であるケラチンの成分をアルコール分解に使われてしまうことがあります。
髪の主成分であるケラチンは、シスチンとメチオニンなどの成分で構成されており、髪の硬さやハリツヤ、ボリュームを維持したり髪の成長をサポートしたりするために欠かせない存在です。
しかし、過度な飲酒をすると、肝臓でアルコールを分解する際に、シスチンとメチオニンが消費されてしまい、髪に必要な成分が足りなくなる可能性があります。そうすると、ハリやコシのない弱い髪となって、抜け毛が増える場合もあります。
シスチンとメチオニンを補うためには、肉類や魚介類、卵などのタンパク質を積極的に摂ることが大切です。また、ケラチンの合成を助ける牡蠣や豚レバーなどに含まれる亜鉛、野菜やフルーツなどに含めれるビタミン類を摂るのも効果的です。食事だけで補えるか心配な方は、サプリメントを活用するのも良いでしょう。
睡眠の質が低下し十分に髪が成長・修復できなくなる
過度な飲酒をすると、睡眠の質が低下して十分に髪が成長・修復できなくなる可能性があります。睡眠は髪の成長や補修に必要不可欠であり、特に睡眠の質が悪いと髪が十分に成長しなくなってしまうことがあります。そのため、過度な飲酒を続けているとどんどん睡眠の質が落ち、抜け毛が増えていく可能性が高いです。
中には、お酒を飲むと眠くなる方や、眠れないから寝酒をしている方もいるかもしれません。眠り始めは熟睡しやすいのですが、徐々に体内からアルコールが抜けることで眠りが浅くなり睡眠の質が低下します。さらに、アルコールによる利尿作用で、夜中にトイレに行きたくなり起きてしまうこともあります。
このようにして睡眠の質が悪化すると、髪の成長に重要な役割を持つ成長ホルモンの分泌が低下することや、髪を作る毛母細胞が分裂しにくくなるのです。そうすると、弱いもろい毛となって、抜け毛となりやすい場合もあります。
アルコールが分解されてから眠りにつけるよう、なるべく寝酒は避けて、就寝の3時間前までに飲酒を終えるようにしましょう。温かい飲み物を飲んだり、軽いストレッチをしたりすると眠りにつきやすくなります。
抜け毛が気になる方は純アルコール20gが1日の飲酒量の目安
抜け毛は気になるけれど好きなお酒は飲みたい方は、1日の飲酒量を純アルコール20gを目安にしましょう。この数値は、節度ある適度な飲酒として、厚生労働省がさまざまな研究を元に検討した結果になります。
純アルコール20gの目安量は、以下のようになります。
【純アルコール20gの目安】
ビール(5%):ロング缶1本
缶チューハイ(5%):ロング缶1本
日本酒(15%):1合
焼酎(35%):0.5合
ワイン(14%):ワイングラス1.5杯
ウイスキー・ブランデー(43%):ダブル1杯
商品によってもアルコール濃度は異なるため、この飲酒量はあくまでも目安として考えましょう。
中でも、近年流行っているストロング系缶チューハイのアルコール濃度は9%程度で、純アルコールが350ml25g、500ml36gとなっています。1缶飲むと1日の飲酒量の目安を超えるので、飲む際は量を少なめにするなど工夫しましょう。
また、少量の飲酒で顔が赤くなるなどアルコール代謝機能が低い人は、アルコールが分解されにくく体内に長時間残る場合もあります。アルコールがなかなか代謝されないことで、抜け毛を加速させる可能性もあるので、このような方は目安よりも少量のお酒にすると髪を労わることができます。
適度な飲酒量を守りつつ、週1~2日は休肝日をつくると良いでしょう。
参考:アルコール|厚生労働省
さいごに
今回は、飲酒と抜け毛の関係性について解説しましたがいかがでしたか?
飲酒が直接的に抜け毛を起こしているわけではありませんが、過度な飲酒は血行不良や髪に必要な栄養の消費などを起こし、間接的に髪や頭皮に悪影響を与えてしまいます。
とはいえ、髪のために絶対に禁酒が必要というわけではなく、あくまでも適度な飲酒である1日の飲酒量を20gを目安にすると髪や頭皮を労わることができるでしょう。抜け毛のために日々の飲酒の際にぜひ意識してみてください!