薄毛予防

朝シャン=ハゲるは嘘。髪を労わる朝シャン方法をAGAクリニックが伝授!

監修者 阿部有寛(院長)

 

「朝シャンをするとスッキリして1日を始められる」
「寝ぐせが酷いので朝シャンをするしかない」

このような理由で朝からシャンプーをされている方は多くいらっしゃると思います。
特に夏場は寝ている間に汗をたくさんかくため、不快感から朝シャワーや朝風呂に入るという方は多いのではないでしょうか?

しかし、そこで1つ気になるのが「朝シャンをするとハゲる」という噂。
結論からお伝えすると、朝シャンをしたからと言ってそれだけでハゲてしまうことはありません。

ただし、その一方で間違った方法による朝シャンを続けた場合、髪や頭皮にダメージを与える可能性があるというのも事実です。髪や頭皮のダメージが蓄積すると、健康な髪が育たなくなり抜け毛の原因に繋がります。
こうした理由から「朝シャン=ハゲる」という噂が広まったと考えられているため、朝シャンをする際にはダメージを極力抑えられるように正しい洗い方などを知っておく必要があるでしょう。

この記事では、朝シャン派の方に向けた正しいシャンプーのやり方や髪と頭皮のダメージを極力抑えられる方法を詳しくお話していきます! 現在朝シャンをする習慣がある方は、薄毛に繋がってしまうNG行動をしていないかご自身の行動を振り返りながらお読みください。

「朝シャン=ハゲる」は間違い。朝シャンがハゲると噂される4つの要因

朝シャンではげるという根拠はなく、朝に洗髪をするだけで薄毛になるというのは単なる噂に過ぎないでしょう。ではなぜ、朝シャンが薄毛を引き起こすという噂が広まったのでしょうか?

これは朝シャンに限った話ではないですが、間違ったヘアケアや洗髪を繰り返していると、髪や頭皮がダメージを受けて髪の毛の成長を阻害してしまい、結果的に抜け毛や薄毛といった症状を招く可能性があるからです。

つまり、朝シャンそのものが抜け毛の直接的原因ではないものの、朝シャンをする方が何気なく行っている行動の中に髪や頭皮ダメージへと繋がる要因が隠されているのです。
そこで、まずは朝シャンがハゲるという噂の所以ともなっている4つの要因についてお話していきます。

 

1日の汚れが頭皮に付着したまま就寝している

あなたは髪がいつ成長しているかご存知でしょうか?
髪の成長には睡眠中に分泌される「成長ホルモン」が深く関係しており、成長ホルモンは日中に負った髪や頭皮のダメージを補修したり、髪の成長を促したりしています。

夜に洗髪をせず朝シャンをしている方は、皮脂やホコリといった1日の汚れが頭皮や髪の毛に付着したまま就寝することになります。毛穴や髪の汚れが落とせていないまま就寝すると、雑菌が繁殖して頭皮環境を悪化させるだけでなく、毛穴に汚れが溜まって髪の補修や成長を阻害し、髪が細く弱々しい状態に陥ってしまう可能性があります。

 

朝晩2回のシャンプーが頭皮に必要な皮脂まで洗い流す

朝シャンをしている方は、夜にも同じくシャンプーをしていますか?
汗をかきやすい方などは、頭皮のべたつきや臭いを気にして朝と夜の2回シャンプーをしている場合が多いと思います。しかし、皮脂には紫外線による頭皮ダメージや乾燥を防ぐ役割があります。

過度な洗髪は必要な皮脂までも洗い流してしまい、頭皮がダイレクトに紫外線のダメージを受けることで抜け毛や薄毛が起こる可能性を高めます。また、頭皮や髪が乾燥すると、乾燥を防ぐためにたくさん皮脂が分泌されて、洗う前よりも頭皮がベタついてしまうという悪循環に陥ります。

紫外線による頭皮ダメージや頭皮の乾燥を防ぐためにも、シャンプーは1日1回を目安に行いましょう!

 

時間がない朝はすすぎが不十分になる可能性が高い

仕事前の朝は時間に余裕がなく、バタつきながらシャワーを浴びていませんか?
シャンプーは髪や頭皮についた皮脂汚れを落として清潔に保つことが目的ですが、誤ったシャンプーのやり方を繰り返していると、髪や頭皮に悪影響を与えて薄毛を引き起こす場合があります。

その誤ったやり方とは、ずばり「シャンプーのすすぎ残し」です。
すすぎが不十分で頭皮にぬるつきや泡を残したままにしてしまうと、頭皮に炎症が起きてかゆみやフケといった頭皮環境の悪化に繋がり、抜け毛の症状を引き起こす可能性があります。

 

自然乾燥が髪のダメージを倍増させる

時間がない朝、特に男性は「短髪だからすぐに乾くだろう」と自然乾燥を選択してしまいがちですが、自然乾燥は髪を美しく保つためのキューティクルが開きっぱなしになってしまい、髪内部の水分流失によるパサつきや枝毛・切れ毛などの髪のダメージに繋がる可能性があります。

また、髪の自然乾燥は頭皮に雑菌が繁殖しやすくなるとも言われています。
雑菌が増えることで頭皮の臭いやフケの原因にも繋がるため注意が必要です。他にも、濡れた髪の毛を放置することで頭皮の常在菌(マラセチア菌)が増殖すると、脂漏性脱毛症やひこう性脱毛症といった頭皮の炎症によって発症する脱毛症状に陥ってしまう危険性もあります。
手間ではありますが、面倒な気持ちを抑えて、髪の毛は必ずドライヤーで乾かすようにしましょう!

 

朝シャンルーティンを崩したくない方へ!頭皮を労わる朝シャン方法4選

あなたはどのような目的で朝シャンをしているでしょうか?
「スッキリした気持ちで仕事に向かいたいから」「汗っかきで頭皮のべたつきやにおいが気になるから」など、朝に洗髪をする理由は様々かと思います。

中でも以下のような項目に該当する方は、朝シャンで不快感を取り除きスッキリした状態から1日を始められるため、朝にシャンプーをするのは間違いではないでしょう。

・朝起きると寝汗で頭皮や髪がベタついている
・朝起きると体臭が気になる
・清潔感を保ちたい

しかし、朝シャン時のNG行動を毎日繰り返し行っていると、髪や頭皮にダメージを与える可能性が高まり、薄毛を引き起こす確率は上がってしまうことも事実です。そのため、もし改善が可能であれば、シャンプーは夜の時間帯だけ行う方が良いでしょう。

ここからは、どうしても朝シャンのルーティンを崩したくない方へ向けて、薄毛に繋がってしまわないために気をつけたい朝シャン方法4選をお伝えしていきます。

 

洗いすぎは厳禁!朝晩2回のシャンプーをやめる

朝のみシャンプーをしている方には関係ありませんが、寝汗などによる頭皮のベタつきを理由に朝と夜の2回シャンプーをしている方は、必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性が高く、このことが原因で髪や頭皮にダメージを与えてしまう場合があります。

どうしても頭皮のベタつきや臭いが気になる方は、以下の2つを取り入れてみると良いでしょう。

 

①ドライシャンプー

ベタつきを無くすためにシャンプーをたくさん使用しても、頭皮の乾燥を補おうとさらに皮脂が分泌されてしまっては本末転倒ですよね。そこでシャンプーは1日1回にしつつ、ベタつきを抑えるためにはドライシャンプーの使用をおすすめします!

ドライシャンプーとは、水やお湯を使わずに頭皮の臭いを抑え、清潔に保つことができる商品です。災害時や入院時などの入浴ができない場面で使用するイメージがありますが、寝汗や運動後といった髪の毛がベタついて不快に感じる時にも使用することができます。

種類はミストタイプやスプレータイプ、パウダータイプなど様々あり、ご自身のお悩みに合わせて選択するのが良いでしょう。

お悩み タイプ
べたつきが気になる場合 スプレータイプ
頭皮の匂いが気になる場合 パウダータイプ
ミスとタイプ

この記事を読む方は、おそらく「頭皮のベタつき」と「頭皮の臭い」のどちらか、もしくは両方の悩みがあり朝シャンをされていると思います。ベタつきと臭いどちらも気になる場合には、スプレータイプがおすすめです!
スプレータイプは微粒子のパウダーを含んでおり、頭皮のさらっと感が強く、気になるベタつきを抑えてくれます。スッキリとする商品が多く、香りも無香料のものからほのかに香るものまで様々です。

頭皮の臭いのみが気になる場合はパウダータイプを使用すると良いでしょう。パウダータイプは慣れるまで少し大変ですが、汗や皮脂を吸着して気になる臭いをほとんど抑えることができると言われているため、朝の頭皮臭だけが気になっている方は一度試してみると良いかもしれません。
また、もしパウダータイプが苦手な方は、少し臭いを抑える力が劣りますがミストタイプの使用もおすすめです。

 

②自分に合ったシャンプーを選択

ご自身の髪質や肌質に合ったシャンプーを選択していくことも大切です。高価なシャンプーはなかなか手が出しづらいですが、安さだけを求めて安易に適当なシャンプーを使用してはいないでしょうか?
もしかすると、いま悩んでいる髪のベタつきや臭いは、自分の頭皮に合わないシャンプーを使用していることが原因かもしれません。

皮脂が多い脂性肌タイプの方やキープ力の高いスタイリング剤などをお使いの方は、高級アルコール系シャンプーの使用がおすすめです。「頭皮スッキリ」などのキャッチコピーで販売されており、洗浄力の高さからスッキリとした洗いあがりになります。

成分表記
・ラキレス硫酸○○
・アルキル硫酸○○
・硫酸エステル○○

裏面を確認していただき、上記ような成分が入っている場合は洗浄力が高いシャンプーです。ただし、乾燥肌の方が洗浄力の高いシャンプーを使用すると、乾燥を悪化させてしまう可能性があるため気をつけましょう。乾燥肌の方は、頭皮をソフトに洗浄できる低刺激なアミノ酸系シャンプーがおすすめです。

 

早期対策で差をつける!今日から始める5つの抜け毛予防方法

 

すすぎ残しに注意!正しいシャンプーのやり方

朝は時間がなく慌ててシャワーを浴びる方も多いと思います。しかし、急いで洗髪を行うとすすぎが不十分になり、頭皮にシャンプーや汚れが残って頭皮環境を悪化させてしまう恐れがあります。
まずはできるだけ時間に余裕を持ち、万が一時間のない場合でも、特にすすぎは念入りに行うことを心がけましょう。すすぎの際は、シャンプーを使用する時間の1.5~2倍程度時間をかけて丁寧に流すことが大切です。

 

自然乾燥NG!髪のダメージを抑えた正しい乾かし方

髪や頭皮のダメージを最大限抑えるため自然乾燥は厳禁です。
ドライヤーの熱が髪に悪いという説もありますが、AGA治療の観点からお話すると、自然乾燥は雑菌が繁殖しやすくなり頭皮環境のトラブルを招きます。また、髪を綺麗に保つためのキューティクルが開いて枝毛や切れ毛が増えてしまう可能性もあるため注意が必要です。

 

正しい髪の乾かし方

まずはタオルでしっかり髪の水分を取っていきます。髪が濡れた状態のままドライヤーを使用すると、乾かす時間が長くなり髪のダメージはどんどん蓄積してしまいます。なるべくドライヤーによるダメージを減らすためには、タオルドライで可能な限り水分を拭き取ってからドライヤーを使用するようにしましょう。

また、短髪の方はタオルドライである程度乾いたと思い、ドライヤーを使用せずそのまま自然乾燥で終わらせがちです。しかし、実際には頭皮付近の生乾きが長時間続き、雑菌の繁殖や臭いの原因に繋がってしまいます。そのため、少しの時間であっても必ずドライヤーは使用する習慣をつけましょう。

 

寝ぐせ直しの場合は湯シャンに切り替える

洗いすぎは髪や頭皮にダメージを与えるためシャンプーは1日1回にしたいところですが、どうしても朝髪を洗わないと髪型が決まらないという方には湯シャンをおすすめします。

湯シャンとは、その名の通りシャンプーなどを使わずお湯のみで洗い流す方法です。湯シャンをする際は、熱すぎるお湯だと髪にダメージを与えてしまう可能性があるので、38~40℃くらいの温度で優しく流してあげましょう。
湯シャンは洗浄成分を使用するわけではないため、洗いすぎる心配がありません。また、お湯で髪を温めることで寝ぐせがリセットされ、ヘアスタイリングも容易に行うことができます。ただし、湯シャンの場合は髪がパサついたり、指通りが悪くなったりする可能性があるので、髪を乾かす際にはヘアオイルや洗い流さないトリートメントで潤いを与えてあげると良いでしょう。

 

さいごに

「朝シャン=はげる」というわけではありませんが、間違った方法で朝シャンを続けていると、髪や頭皮にダメージが蓄積して薄毛の原因に繋がってしまう可能性は十分にあります。

朝シャンや朝風呂は気持ち的にもすっきりしますし、日々のルーティンになっている場合、これがないと気持ちよく1日を過ごせないという方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、ぜひこの記事でお話した朝シャンの際に気をつけるべき対策方法を実施して、薄毛にならないように髪や頭皮を労わってあげてくださいね!

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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