育毛・増毛

運動で髪が生えたって本当?薄毛に運動が良いとされる真実を解説!

監修者 阿部有寛(院長)

「運動すると髪が生える」「運動で抜け毛が減る」といったように、運動することで気にしていた抜け毛が減ることや、育毛効果があるという噂を耳にしたことはありませんか?

運動で髪が生えるのが本当であれば、髪に良い運動をして、薄毛を改善していきたい!と思う方も多いと思います。

結論から申し上げますと、運動習慣は元気な髪を育てるうえで大切なので、是非積極的に取り入れていただきたいです。

しかし残念ながら、運動のみで「すぐに髪が生えてくる」「抜け毛が全然なくなった」というような発毛・抜け毛抑制の効果はありません。なぜなら抜け毛や薄毛などの脱毛症は、さまざまな要因が重なり合うことで髪が抜けていくので、運動だけしたら髪が生えてくるとは言い難いです。

一方で、運動は血行促進やストレス発散効果から、元気な髪を育てたり、髪自体を健康に保ったりする効果があるので運動は日常的に取り入れたほうが良いといえるでしょう。

そこで今回は、髪を生やしたい人・薄毛を予防したい人に運動が効果的な理由や髪のために良いとされる運動方法について詳しく解説していきます。

運動習慣が全くない人とある人に分けて具体的な運動方法をご紹介していますので、抜け毛や薄毛でお悩みの方はぜひ参考にしてください!

髪を生やしたい人・薄毛予防したい人に運動は効果的です

髪を生やしたい人や薄毛予防をしたい人にとって、運動は効果的と言えます。なぜなら、運動には丈夫な髪が育つために重要な血行促進効果や、髪に悪影響を与えるストレスを発散する効果があるからです。

一方、スポーツ選手にも薄毛の方がいるように、運動をしたから必ず髪が生えるわけではありません。運動が髪にとって良い効果があるのは事実であり、適度な運動を習慣的に続けていくことで、太く丈夫な髪へと育むことは期待できます。

ただし、AGA(男性型脱毛症)の場合は、運動だけしたからと言って髪が生えてくるわけではないので、頭皮がかなり透けていたり、薄毛が広範囲に渡っていたりするなど薄毛の症状が進行している方は、一度クリニックを受診して医師に相談しましょう。

ここでは、髪を生やしたいと考えている方や、薄毛を予防したい人に運動が効果的な2つの理由について具体的に解説してきます。

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ヘアサイクルを正常に保つ血行促進効果がある

運動で体を動かすと、ヘアサイクルを正常に保つための血行促進効果が期待できます。

ヘアサイクルとは、髪が新しく生えてから自然に抜けていく周期のことで、髪を健康に保つために必要な現象です。

しかし、ヘアサイクルが乱れてしまうと、髪の成長が途中で止まり、十分に育ち切らないうちに髪が抜けてしまうことがあるのです。このようにして異常なヘアサイクルになると、抜け毛が増えることに加えて、髪が細くもろくなったり髪が短いまま伸びにくくなったりして薄毛になります。

運動習慣を身に付けると筋肉がつき、血行を良くするポンプ機能が良く働いて血液を流しやすくします。髪の毛根部分の毛細血管へと栄養や酸素を運びやすくなると、健康的な髪が育ちやすくなるのです。

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髪に悪影響を与えるストレスを発散できる

運動することで、髪に悪影響を与えるストレスを発散することができます。ストレスが体に悪いのと同様に、ストレスは髪の成長にも良くないのです。

過剰なストレスを感じ続けると、血圧や呼吸を司る自律神経のバランスが乱れて、体が活動モードになり交感神経が優位な状態が続いてしまいます。通常、自律神経は交感神経と副交感神経のバランスを取ることで、体の機能を正常に保ちますが、交感神経が優位になると血管が収縮してしまい、毛根部分の毛細血管まで酸素や栄養が運ばれにくくなるのです。

さらに、髪が元気に育つための司令塔である毛母細胞の働きが悪くなって、細く弱い髪になることもあります。そこで運動をすると、幸福感を感じられるセロトニンやドーパミンが分泌されるので、体だけでなく心までもリフレッシュしてストレスを発散でき、髪にも良い影響を与えることができるのです。

 

運動習慣が全くない方向けの髪に効果的なストレッチ・簡単な筋トレ

運動で体を動かすことが髪に良いことはご理解いただけたと思いますが、「どの程度が運動に入るのだろう」と疑問に感じる方もいると思います。

下記の項目に複数当てはまる方は、運動習慣があまりないと考えた方がよいでしょう。

・デスクワーク
・車や電車通勤で歩かない
・休日は家で過ごす
・1日15分以上のウォーキングをしていない

髪のためとはいえ、いきなり運動を始めようすると重い腰がなかなか上がらないかもしれません。そういった方は、まずは簡単なストレッチや筋トレから始めるのがおすすめです。

ここでは、運動習慣が全くない方向けの髪に効果的なストレッチや筋トレをご紹介します。

 

上半身のストレッチ

スマートフォンの長時間の使用やデスクワークによって、上半身の筋肉が凝り固まっている方は多いのではないでしょうか。

上半身は頭部に近いこともあり、血行が悪くなると髪にも悪影響になるといわれています。

【胸部のストレッチ】
胸のストレッチで筋肉を柔らかくすると猫背解消につながり、呼吸がしやすくなることで頭部に血液を送りやすくなります。

【肩回りのストレッチ】
肩回りの筋肉は、血液を首から頭部へと送るために大切な筋肉です。肩回りの筋肉をほぐすことで肩こり解消にもつながります。

 

下半身のストレッチ

歩く習慣がないことや、座りっぱなしでいる時間が長いことで、下半身の筋肉が硬い方が多いかもしれません。

下半身は心臓より低い位置にあるため、自然と血液が下がりやすいですが、ストレッチで筋肉をやわらかくすることで、頭部に血液を送りやすくなります。

【股関節のストレッチ】
股関節の筋肉をほぐすことで、むくみを解消して老廃物を排出しやすくすると、頭皮環境を整えることにもつながります。

1. 仰向けに寝て片足の膝を胸の前で抱える
2. 曲げている足を床側に開き、膝を曲げたまま足を回す
3. 反対足も同じように回す

【腸腰筋のストレッチ】
腸腰筋とは、上半身と下半身をつなぐ筋肉のことです。ここの筋肉をやわらかくすることで、上半身に血液を送りやすくなります。

 

【もう少し頑張れそうな方向き】 スクワット

スクワットは太もも、ふくらはぎ、お尻などの大きな筋肉を鍛えることができます。下半身の筋トレを行うことで、血液を上半身に戻しやすくなります。

10~15回を2~3セットを目安に行います。スクワットは筋トレになり、ダメージを受けた筋肉には回復までの期間が必要なので、週2~3回を目安に行いましょう。

 

運動に慣れている方は、髪のために有酸素運動を意識して

通勤時などに15分以上歩いている方や、筋トレなど無酸素運動をしている方は、髪のために有酸素運動を取り入れるのもおすすめです。

ウォーキング・ジョギング・サイクリング・スイミングなどの有酸素運動は、頭皮環境を整えたり、健康な髪を育てるために大切です。

ここでは有酸素運動が髪に良い理由や、どのくらいの運動時間、頻度が必要なのかについて解説していきます。

 

髪に効果的な有酸素運動

運動は有酸素運動と無酸素運動の2つがあり、髪のためには有酸素運動が良いとされています。なぜなら有酸素運動は、酸素を体に取り込みながら時間をかけて運動するので、体全体の血管が広がって血中酸素濃度が上がりやすくなります。

結果的に体全身の血液の流れが良くなって、髪や頭皮に必要な栄養や酸素が届きやすくなり、元気な髪が育ちやすくなるのです。

 

運動時間や頻度

髪のために有酸素運動をする場合は、毎日20~30分程度を目安に運動するのがおすすめです。WHOのガイドラインでは健康のために、成人で週150分以上の有酸素系の身体活動を推奨しています。

一方、毎日運動できないからと言って、休日にまとめて長時間運動することは髪にとって良くありません。なぜなら1時間以上の運動をすると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されやすくなり、本来外部から体を守る免疫機能が異常をきたし、頭皮環境を悪くすることや髪の成長を妨げることがあるからです。

そのため、のために有酸素運動をするのであれば、毎日20~30分程度運動し、難しいようであれば1日おきに30~40分程度運動するようにしましょう。

 

さいごに

抜け毛や薄毛にはさまざまな要因が重なっているので、運動ですぐに髪が生えたり抜け毛が減ったりするわけではありませんが、運動をすることで血行促進したり、ストレス発散になったりなど、髪に良い影響を与えることは間違いありません。

運動習慣が全くない人はストレッチや筋トレから、通勤で15分以上歩いている人はジョギングなどの有酸素運動を毎日20~30分程度行うと、抜け毛予防や育毛に良いといえます。

ぜひ運動習慣を身に付けて健康的な髪を育てていきましょう。

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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