薄毛予防

ニット帽はハゲる?頭皮環境を悪化させる被り方と対処法をご紹介

監修者 阿部有寛(院長)

 

「ニット帽を被るとハゲる」という噂を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?

結論から申し上げると、ニット帽を被るだけでハゲてしまうことはありません。しかしながら、ニット帽は寒い時期でも長時間被ると蒸れやすく、雑菌などが湧いて頭皮環境に悪影響を及ぼす可能性は大いにあります。

薄毛は、遺伝による男性ホルモンの影響を強く受けて発症するので、頭皮環境の悪化だけが原因でハゲてしまうことは極めて低いです。しかし、頭皮環境が悪化するとフケや痒みなどの炎症が起き、最悪の場合、脱毛を伴う状態にまで発展する可能性があります。

また、既に薄毛が進行している方の頭皮環境が悪化すると、薄毛の範囲をさらに広げてしまう危険性も考えられます。

この記事では、ニット帽の誤った被り方で薄毛を加速させないように、薄毛との関係性からニット帽の被り方、ケアの仕方まで詳しくお話していきます!

ニット帽を被るだけでハゲる可能性は極めて低い

ニット帽を長時間被ることによって蒸れが生じます。蒸れによって皮脂や汗がついたニット帽を被り続けていると雑菌が繁殖し、やがてかゆみやフケといった頭皮環境の悪化に繋がってしまう可能性が考えられます。

しかし、薄毛の原因として大部分を占めるのが、男性ホルモンの影響によるものです。生活習慣の悪化や頭皮環境の悪化も薄毛の要因の1つとされますが、ニット帽を被っただけでハゲるという可能性は極めて低いと言えるでしょう。

また、薄毛を気にしている人がハゲ隠しとしてキャップやニット帽を被っていることも多いため、自然と「帽子を被る=ハゲる」といったイメージを持ってしまっている方も多いのかもしれません。

 

ただし誤った被り方を続けると頭皮環境は悪化する

ただし、ニット帽を誤った被り方で被り続けていると、頭皮や髪に悪影響を及ぼすことは間違いありません。

直接的に薄毛の原因にはならなくとも、頭皮環境の悪化によって起きる炎症をそのまま放置してしまうと、最悪の場合抜け毛が増えてハゲてしまう可能性が考えられます。

ここでは、誤った被り方によりニット帽が起こす頭皮環境悪化の原因についてお話していきます。

 

ニット帽は寒い時期でも頭皮の蒸れが起きやすい

汗をかきやすい人は、冬などの寒い時期に被るニット帽でも蒸れを起こします。

特にニット帽は、普通の帽子よりも一度被ると被りっぱなしのことが多く、こまめに脱いで通気する機会が少ないので蒸れやすくなっている可能性が高いです。

また、ニット帽は熱がこもりやすいのも特徴です。ニット帽の帽子の素材や編み方によって通気性の良さが異なりますが、帽子と皮膚との間に通気できる隙間が少ないニット帽は、汗の蒸発が妨げられて帽子内の湿度・温度が上昇し蒸れてしまい、熱がこもっている状態が常に作り出されています。

こうした蒸れている状態は、ニット帽の臭いの原因になるのに加えて、頭皮の炎症を引き起こしやすくさせてしまいます。

参考文献:「帽子・ヘルメット着用の温熱生理学」

頭のできものは頭皮環境の悪化が原因!ハゲないためにできる対処法5選

 

雑菌が湧く可能性が高い

蒸れている状態は帽子内に不快感が生じるだけではなく、細菌を繁殖しやすい環境になっています。ニット帽の素材はウールやアクリル生地で作られていることが多いですが、ウールやアクリル素材は特性上雑菌が非常に繁殖しやすく、長時間の着用で皮脂や汗を吸収して雑菌の温床になってしまう可能性が高いとされています。

また、ニット帽は「手入れの方法がわからない」「洗濯したら縮んでしまいそう…」といった理由で、被った後に何もお手入れせずに放置してしまう方が多いです。

皮脂や汗がついたまま放置し雑菌が繁殖したニット帽を被り続けてしまうと、頭皮に悪影響を与えます。

マラセチア菌というカビが繁殖してしまった場合、脂漏性皮膚炎を発症してしまう危険性があります。脂漏性皮膚炎は大量のフケが発生し毛穴を塞ぎ、悪化していくと抜け毛が起きてしまう脂漏性脱毛症を引き起こす可能性も。

目に見えない菌だからこそニット帽を清潔に保つことをさぼってしまいがちかもしれませんが、ハゲたくないのであればニット帽を被った後のケアはしっかりしていきましょう。

放置は厳禁!誰もがなり得る脂漏性脱毛症を徹底解説

そのフケと脱毛症状、ひこう性脱毛症の可能性大!対処方法を今すぐ確認

 

ニット帽を被る際に注意したい3つのポイント

誤った被り方を続けていると頭皮環境は悪化し、最悪の場合薄毛の要因になってしまう可能性があるとお話しましたが、ニット帽を被って頭皮環境を悪化させないためにはどうしたら良いのでしょうか?

ここではニット帽を被る際に意識してほしいポイントと、帽子・頭皮のケアの仕方についてお話していきます。

 

蒸れを起こさないようにこまめに帽子を取る

頭皮環境を悪化させる原因となる「蒸れ」を起こさないためには、熱がこもらないように定期的に通気をすることが重要です。被りっぱなしではなく、何時間かごとに帽子を取って髪をとかしたり、汗を拭いたりしましょう。

寒くない時期はドライシャンプーなどの清涼感の感じられるものを使用することも、蒸れ防止になるのでおすすめです。

 

ハゲに繋がらないためにニット帽のケアをする

ニット帽の汚れは見た目ではわからなくても、皮脂や汗が染みこんで思っている以上に汚れている可能性が高いです。頭皮環境を悪化させないためには雑菌をいかに増やさないかが大切なので、ニット帽自体のケアも必要と言えるでしょう。

毎回洗濯するのはニット帽の傷みなどに繋がるので、普段のケアとしては、ニット帽を裏返し、除菌抗菌スプレーなどを吹きかけて風通しの良いところで乾かしましょう。

また、よく同じニット帽を被る方は、何か月かに1回手洗いか洗濯機のおしゃれ着洗いで洗濯をすることをおすすめします。素材などによって洗濯できるかは変わるので、商品を確認してください。

服をクリーニングに出すついでにニット帽をクリーニングに出すこともおすすめです。少し面倒だと思うかもしれませんが、クリーニングに出すことによって清潔に保てるだけではなく、プロに任せることによって型崩れを防ぐことができますし、洗濯によっての傷みが気になる方にも非常におすすめです。

ニット帽をハゲの要因にしないためには、雑菌を繁殖させないよう、こまめなケアが必要です。薄毛にならないためにも、ニット帽を綺麗に使っていくためにも、こまめに手入れをして使っていきましょう!

 

毎日洗髪して髪や頭皮を清潔に保つ

ニット帽を被る時は、綺麗な頭皮と髪の状態で被ることをおすすめします。

ただでさえニット帽を被るだけで頭皮環境を悪化させてしまう可能性があるのに加え、洗髪をしていない皮脂や汚れのついたままの頭皮でニット帽を被ってしまうと、より頭皮環境を悪化させてしまう可能性が高いです。

頭皮のかゆみやべたつきといった頭皮環境を乱す原因となってしまうので、しっかり洗髪をして綺麗な状態でニット帽を被りましょう。

 

まとめ

おしゃれのワンポイントとしてニット帽を被る方はたくさんいらっしゃると思いますが、清潔ではない雑菌が繁殖したままのニット帽を長期間被っていると、頭皮環境の炎症に繋がります。

かゆみやフケ、赤み、べたつき、できものといった頭皮の炎症が悪化してしまうと、やがて毛穴を塞いで髪に栄養が届くのを阻害していきます。栄養が届かない髪は細くもろい髪に変化し、やがて抜けてしまう危険性があるのです。

ニット帽を被るだけで直接的にハゲることはなくとも、薄毛が起きてしまう要因になる可能性は0ではないので、ニット帽をよく被るという方はこの記事を参考に、被り方やケアの仕方を実践して対処してみてくださいね!

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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