薄毛予防

DHT(ジヒドロテストステロン)を抑制する5つの方法

監修者 阿部有寛(院長)

 

AGA(男性型脱毛症)発症の大きな原因の1つである「DHT(ジヒドロテストロン)」。

ご存知の方もいる通り、男性ホルモンの一種であるDHTが過剰に分泌されると、抜け毛や薄毛の進行を加速させる恐れがあります。
DHTの過剰分泌を抑制するためにはAGA治療薬の使用が最も有効と言われていますが、その他にも食事や生活習慣を改善することで分泌量を抑えることが可能です。

この記事では、「DHT」の抑制方法を5つに厳選してお伝えしていきます。
DHTの抑制方法を理解し実践いただくことは、抜け毛や薄毛の予防にも繋がりますので、ぜひ参考にしてください。

DHT抑制の鍵を握る「5αリダクターゼ」

DHTは代表的な男性ホルモンであるテストステロンと頭部に存在する酵素の5αリダクターゼが結合することにより生成されます。5αリダクターゼの働きによってDHTが過剰に生成されると、毛乳頭細胞(髪の毛の成長をコントロールしている細胞)へ脱毛指令が送られ、抜け毛を増加させてしまうのです。

つまり、AGA発症の大きな原因の1つとされるDHTの過剰分泌を抑制するためには、5αリダクターゼの働きを抑えることが何よりも大切です。

 

DHTを抑制する5つの方法

DHTは外生殖器の形成や筋肉の発達など、男性が男性らしい身体に成長していく過程で欠かせない存在であり、人体にとって必ずしも「悪」というわけではありません。
しかし、DHTの関与によりAGAが進行してしまうのもまた確かであるため、薄毛対策においては5αリダクターゼの働きやDHTの過剰分泌を抑制することが非常に重要と言えるでしょう。

ここからは、いますぐ始められる生活習慣の改善から医学的な治療方法までを5つに厳選してお伝えします。

 

亜鉛、イソフラボンを摂取する

亜鉛とイソフラボンには、5αリダクターゼの働きを抑制する効果が期待されています。
また、亜鉛はケラチン(髪の毛の主成分)を合成する際に必要な栄養素でもあるため、抜け毛や薄毛予防を行ううえで欠かすことができません。

亜鉛やイソフラボンを豊富に含む代表的な食材を下記表にまとめました。
日ごろ亜鉛やイソフラボンをあまり摂れていないと感じる方は、積極的な摂取を心がけましょう。

【亜鉛、イソフラボンを豊富に含む代表的な食材】

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禁煙する

タバコは「百害あって一利なし」と言われる通り、体内の臓器や身体機能へのダメージはもちろん、血管収縮作用により髪の毛の成長にまで悪影響をもたらします。また、アメリカで行われた研究によると、喫煙者は非喫煙者と比較してDHTの血清レベルが14%増加したとも報告されています。

禁煙そのものがDHTの分泌量を抑制するわけではありませんが、DHTの増加に喫煙が関与しているのもまた確かであるため、抜け毛や薄毛を予防したいとお考えの方は禁煙することをおすすめします。

※参考:The relation of smoking, age, relative weight, and dietary intake to serum adrenal steroids, sex hormones, and sex hormone-binding globulin in middle-aged men
※参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「ニコチン」

 

飲酒を控える

アルコールは胃や小腸で吸収され肝臓にて代謝が行われますが、その際に5αリダクターゼの抑制物質でもある亜鉛を多量に消費します。体内の亜鉛が極端に減少すると、5αリダクターゼの抑制力が弱まり、結果的にDHTの分泌量を増加させてしまう可能性があるのです。

禁酒も禁煙と同様にDHTの分泌量を抑制するわけではありませんが、抜け毛や薄毛予防の観点からみればできる限り控えた方が良いと言えるでしょう。

 

運動を行う

DHTは汗や尿により体外へ排出されます。つまり、適度な運動によって汗をしっかりかくことで、過剰に増えてしまった DHTを減少させる効果が期待でき、結果的に過剰分泌の抑制にも繋がります。

ただし、運動を行う際は水分補給に注意しましょう。体内の水分が不足している状態で運動を行っても、汗をかく量が少なくDHTを十分に体外へ排出することができません。
また、水分をしっかり摂ることにより尿の排泄も促すことができますので、運動中に限らず日ごろから積極的な水分補給を心がけましょう。

 

治療薬を使う

DHTを抑制する方法の中で、最も効果的なのはAGA治療薬の使用です。
DHTの過剰分泌を抑制する治療薬として代表的なものには「フィナステリド」と「デュタステリド」があり、これらは5αリダクターゼに対して直接作用することで高い効果を発揮します。

どちらの薬も医師の処方箋が必要な医薬品に分類されるため、基本的には医療機関を受診する必要があります。金額を抑えたいなどの理由から個人輸入を利用する方もいらっしゃいますが、むやみに医薬品を個人輸入で購入すると、効果がない偽造品を飲んでしまったり、副作用が起きた際に医師の処置を受けられなかったりといった事態になりかねません。

AGA治療薬を用いた薄毛改善や予防を考えている場合には、必ず薄毛治療を診療科目として取り扱っているクリニックから処方してもらうようにしましょう。
 

まとめ

DHTの抑制方法は1つだけ行えば良いというわけではなく、いくつか組み合わせることによって効果が期待できます。食生活や生活習慣は本日から見直せるものですので、まずは日々の生活から改善していきましょう。

また、最も高い改善効果を持つAGA治療薬ですが、こちらの処方には医師の診断が必要になります。特に持病をお持ちの場合や他に薬を服用している場合には、必ず医師への確認を行ってから服用するようにしてください。

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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