最近、抜け毛が増えたと感じ、髪の毛をめくったら10円ハゲができていて驚いたといったことはありませんでしたか?
10円ハゲの部分は髪の毛で隠れているものの、風が吹いたときに見えてしまったら恥ずかしいと感じる方も多いでしょう。
10円ハゲは円形脱毛症による症状の1つで、髪の毛が部分的に一気に抜け落ちます。髪の毛が円形や楕円形に抜けてしまい、脱毛部分と髪の毛が生えている部分の境目がはっきりしているのが特徴です。 老若男女問わず発生する可能性があり、一般的に脱毛の前兆やかゆみなどを感じないため、気付いたら10円ハゲができていたということが多くあります。
10円玉サイズの脱毛以外にも、以下のように脱毛箇所が複数できたり、頭部全体に広がったりすることもあり、小さい脱毛だからと言って油断はできません。
円形脱毛症の種類
・単発型:円形もしくは楕円形に脱毛する
・多発型:円形の脱毛部分が2か所以上できる
・全頭型:円形の脱毛が全頭に広がる
・全身型:眉毛など、全身の毛が抜ける
・蛇行型:側頭部から後頭部にかけて脱毛が広がる
このような症状が出ると「なぜ10円ハゲができてしまったのだろう」「ストレスが原因かな」と疑問に感じる方も多いと思います。
結論から申し上げますと10円ハゲができてしまう原因は、精神的ストレスやアトピー素因、遺伝など様々な要因が引き金となって、髪の毛が生える部分を攻撃して抜け毛が起こります。そのため、まずは原因が何なのかしっかりと突き止めたうえで対処していくことが大切です。
そこでこの記事では、円形脱毛症の症状の1つである10円ハゲができる6つの原因について詳しく解説していきます。
10円ハゲが気になりつつも「小さい脱毛だから自然に治るかな」とそのままにする方もいるかもしれませんが、放置しておくと10円ハゲが複数できたり、全頭に広がったりする可能性もあり、重症化してしまうと治るまで時間がかかる場合もあります。早めに原因を突き止めて対応することがカギとなるので、しっかりと10円ハゲの原因を把握しておきましょう。
自己免疫疾患
自己免疫疾患によって、10円ハゲはを引き起こされる可能性が高いと言われています。
私たちは免疫機能が働くことにより、細菌やウイルスから体を守ることができて健康を保てますが、自己免疫疾患になると外からの異物と自分のものの判断ができなくなり、誤って自分自身を攻撃してしまうのです。
そうすると血液の細胞であるTリンパ球が、髪の毛を包み込んでいる毛包を攻撃することで、髪の毛が部分的にごっそりと抜けてしまいます。
自己免疫疾患は、ストレス・遺伝・感染症・怪我などの様々な要因で引き起こるとされており、以下の疾患を引き起こす場合もあります。
・関節リウマチ:関節の痛みや腫れ、こわばり
・バセドウ病:動悸、多汗、体重減少、疲れやすくなる
・橋本甲状腺炎:甲状腺が腫れる、体がむくみ、体重増加など
仕事などで過度なストレスを長期的に抱えていないか、家族に自己免疫疾患を患っている人はいないか、上記の症状が出ていないか、今一度確かめてみましょう。
参考:日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
精神的なストレス
精神的なストレスも10円ハゲの原因になるとされています。
過度なストレスが継続することで、代謝や体温などを調整する自律神経が乱れることで体に悪影響を与え、髪の毛が抜けていきます。
自律神経は心身を活発にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経がバランスを取ることにより、体の調子を整えています。しかし自律神経が乱れると、交感神経が優位になって睡眠不足や血行不良を引き起こすのです。
睡眠中は成長ホルモンが分泌することで、髪の毛が太く長く成長しますが、睡眠不足が続くと元気な髪の毛が育ちにくくなります。また、血行不良を起こすと、髪の毛に必要な栄養や酸素が運ばれにくくなり、もろい髪の毛となって抜けることもあります。
さらには、精神的ストレスが引き金となって、自己免疫疾患を引き起こし10円ハゲができてしまう可能性もあるのです。
不安やイライラ、精神的な疲れが長期的に続いていないか、仕事で過度なストレスを感じていないかを今一度振り返ってみましょう。漠然とストレスを感じているよりも、何がストレスなのか明確にすることで対処法を考えられます。ストレスとなるものから距離を置いたり、好きなことに没頭してリフレッシュしたりすると、気持ちが和らぐこともあります。
また、気分が激しく落ち込む・眠れない・気力が出ないなどの症状が続いている場合は、精神的なストレスが大きくなっているので、自分だけでどうにかしようとせずに心療内科の医師に相談するのも方法のひとつです。
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アトピー素因
アトピー素因を持っている場合、10円ハゲを引き起こす可能性が高いと言われています。
アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・ぜんそくなどのことで、近年日本でも増えている疾患です。
アトピー素因があることで自己免疫疾患を患い、髪の毛を包み込んでいる毛包を誤って攻撃することで、髪の毛が円形に抜けてしまいます。
日本皮膚科学会「円形脱毛症ガイドライン2017年版」によると、研究の対象となる円形脱毛症の患者のうち41%がアトピー素因を持っているという報告がありました。そして、円形脱毛症が重症化するほど、アトピー素因の合併率が高いと言われています。
中には、自分でも気が付かないうちにアトピー素因を持っており、花粉やホコリ、ダニなどが原因でアレルギー性鼻炎になっている場合もあります。サラサラとした水っぽい鼻水が出ることはないか、くしゃみが連続して出ていないか、かゆみなどの症状が出ていないかなどを振り返り、円形脱毛症の要因を確認しましょう。
遺伝
10円ハゲは、遺伝によっても起きてしまう可能性があります。
円形脱毛症になりやすい体質が似ることによって、脱毛が引き起こる場合があるのです。
日本皮膚科学会「円形脱毛症ガイドライン2017年版」の報告による、中国で行われた大規模疫学調査では、円形脱毛症の患者の8.4%は家族内に円形脱毛症を発症している人がおり、親と子供などの関係が近いほど発症率が高いことがわかりました。
また、欧米の調査によると、円形脱毛症の1親等内での発症は、一般に比べて10倍になり、一卵性双生児では55%の確率で円形脱毛症になるという報告があります。
一方で、家族に円形脱毛症の人がいたからといって、必ずしも自分が円形脱毛症になるわけではありませんが、体質が似ることで脱毛を引き起こす可能性は考えられるでしょう。そのため、家族に円形脱毛症になったことはないか確認してみるのも、原因を知る方法になります。
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ウイルスの感染
ウイルスの感染が引き金となって、10円ハゲの原因となる場合もあります。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどに感染し、細胞や臓器の働きが悪くなることにより、髪の毛にも影響が出てしまいます。
ウイルスに感染すると、体を守るために発熱や頭痛、咳などを引き起こし、免疫を活性化させることでウイルスを退治しようとします。そうすると体の痛みやだるさによって睡眠不足になったり、食欲がなくなることで髪の毛に必要な栄養や酸素が運ばれにくくなり、抜け毛が増えることがあるのです。
また、免疫が低下することで、自己免疫疾患を引き起こし、髪の毛の根元部分にある毛包を攻撃して、髪の毛が抜けてしまう場合もあります。
たとえ体調がそこまで悪くならず、症状が軽かったとしても円形脱毛症を発症してしまうといったケースもあるので油断は禁物です。
またウイルス感染して体調が悪いときに円形脱毛症が起こることは少なく、基本的には数日~数ヶ月経ってから現れます。インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなど、ウイルス感染したことがあったか振り返ってみましょう。
出産後の女性ホルモンの急激な減少
出産後に女性ホルモンが急激に減少することで、10円ハゲの原因となる可能性があります。
なぜなら、髪の毛を丈夫にして長く成長させるには、女性ホルモンが必要だからです。
妊娠中はお腹にいる赤ちゃんを元気に育てて、無事に出産するために女性ホルモンが多く分泌しますが、出産後は女性ホルモンが一気に減少するため抜け毛が引き起こります。また、育児の多忙さや睡眠不足によって、
さらに髪の毛への栄養が届きにくくなって抜け毛が増えることもあり、これを分娩後脱毛と言いますが、中には部分的に髪の毛がごっそり抜ける円形脱毛症を起こすこともあります。
出産後2~3ヶ月後に抜け毛が始まることが多く、半年~1年程度すると元に戻り始める方が多いと言われていますが、その期間を経ても症状が回復しない場合は医師に相談した方が良いでしょう。
さいごに
今回は10円ハゲができてしまう6つの原因について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
円形脱毛症の症状である10円ハゲは、自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患や精神的なストレス、遺伝など、様々な要因で引き起こる可能性があるとわかりました。
また、私たちが身近に感じるアレルギー性鼻炎などのアトピー素因や、ウイルス感染も円形脱毛症の引き金になる場合もあると知り驚いた方も多いでしょう。
急にできてしまった10円ハゲに驚き、育毛剤や市販薬を使用しようと思う方もいるかもしれませんが、円形脱毛症になっている頭皮はとても敏感なので、合わないものを使用するとかえって円形脱毛症を悪化させてしまうことも考えられます。
自己判断で市販薬を使用せずに、必ず専門家がいる皮膚科などの医療機関を受診して相談をしましょう。
円形脱毛症の治療には、内服薬・外用薬や免疫機能を抑える注射をするなどの様々な方法があり、症状に合わせた治療が行われます。早めに治療を行うことで、症状が治まるのも早くなると言われていますが、重度になると治るまでに時間がかかるので、なるべく早い段階で専門家に診てもらう方が良いでしょう。