新たな美容療法として注目!若返り効果絶大なPRP療法とは

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2021/02/09 更新日:2020/11/27

「PRP療法」をご存じでしょうか。
PRP療法は自分の血小板由来成分を使う方法で、若返りなどの美容治療に利用されています。
従来の方法よりも、若返りを実感する場合が多く効果が高いです。
この記事では、PRP療法の特徴や関連する用語である血小板と成長因子について説明します。
また、PRP療法のメリットやデメリット・ヒアルロン酸注入との違いなども説明しますので参考にしてみてください。

PRP療法とは

PRP療法とは
PRP療法は、採血した自分の血液から血小板を抽出し、血小板を多く含んだ「多血小板血漿」を体内に注入する方法です。
PRPは「Platelet-Rich Plasma」の頭文字で、多血小板血漿を指します。
美容医療として、皮膚の再生や若返りを図ることが目的です。
高濃度の血小板を含んでいる血漿は、注入することで、自分の組織を再生させられます。
つまり、しわやたるみなどに効果をもたらし、見た目を改善できるのです。
また、PRPは修復機能にも優れています。
PRPの注入によって、コラーゲンやエラスチンなど、肌の弾力やハリに必要な成分の生成が活性化されることも特徴です。

PRP療法は、40代以降の人に効果が期待されています。
老化した弾力性がない皮膚に注入しても、再生能力が高いため、弾力などが戻る可能性も高いです。
つまり、水分保持力が衰えた皮膚であっても、再生効果によって、弾力のある肌を取り戻せるでしょう。
PRP療法は皮膚が薄い部位の目元の小じわや目じりのしわ・口周りのしわ・額のしわにも効果が期待できます。
首や手の甲のしわにも効果的です。
また、育毛や薄毛治療にも用いられています。
水光注射を用いた場合の美肌治療にも効果を出せます。

血小板の働きとは

血小板の働きとは
血小板(Platelet)は、血液の中に含まれる細胞の一つです。
血液には赤血球や白血球・血小板などが含まれます。
その中でも、小さい有形成分が血小板です。
血小板は、化学的または物理的な刺激を加えると、活性化するという特徴があります。
血管が損傷した時、血小板が傷口に集まります。
そして、粘着と凝集によって傷口を塞ぎ、出血を止めるように働くのです。
つまり、血小板は細胞や血管を治す働きがあり、再生医療分野でも注目されています。

血小板の中には、血管新生や繊維芽細胞活性化・コラーゲン産生などをサポートする成長因子が入っています。
細胞の老化が進んだ皮膚は、高濃度の血小板を注入することで、さまざまな成長因子が放出することが特徴です。
つまり、高濃度の血小板などで刺激を与えると、成長因子が出て、特定の細胞増殖や分化を促進できるでしょう。
その結果、肌が活性化され、コラーゲンを増やすことも促します。
そして、最終的にシワの軽減に繋がるのです。

成長因子とは

成長因子とは
成長因子とは、血小板の中に入っている細胞を増殖・成長・活性化させる成分です。
肌細胞が損傷を受けてしまうと、成長因子が働き、修復しようとします。
しかし、加齢が進んでいると成長因子も減っているため、修復しにくくなるのです。
その結果、細胞の修復や成長・活性化が遅くなり、シミやしわ・たるみなどの老化現象も進みます。
一般的に、成長因子が多く分泌されるのは、子供や若年者です。
18歳~24歳が分泌のピークとされ、徐々に減少してしまいます。
ただし、成長因子は皮膚の外部から補充することが可能です。
成長因子の減少が著しい人でも、外から成長因子を補充することで、効率的に症状を改善できます。

具体的には、「PDGF」「EGF」などがあります。
PDGFは「platelet-derived growth factor」で、「血小板由来増殖因子」です。
血管が損傷を受けた時、血液が固まる際に放出されます。
また、PDGFは血小板以外にも含まれ、マクロファージや平滑筋細胞・繊維芽細胞・内皮細胞からも分泌されることが特徴です。
PDGFは、組織が傷付いた時に放出される物質で、創傷治癒に関わっています。
PDGFが増殖作用を発揮させるためには、EGFなどと共存することが必要です。
EGFは「epidermal growth factor」で「上皮細胞成長因子」といいます。
血小板から分泌されるもので、チロシンキナーゼを活性化して、DNAの合成と細胞増殖を促すのです。

PRP療法のメリット

PRP療法のメリット
PRP療法にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的には「適応部位が多い」「半永久的な効果が得られる」「安全性が高い」が挙げられます。
これから、それぞれのメリットについてご紹介します。

適応部位が多い

PRP療法は適応部位の多さが特徴であり、メリットの一つです。
従来の治療では、目の下の小じわやたるみなど、皮膚が薄い部位の施術は困難でした。
また、大きい粒子を使うヒアルロン酸注入や白さが目立ってしまうコラーゲン注入なども、難しいとされています。
つまり、皮膚が薄い部分を改善させるためには、外科的な手術が選択肢だったのです。
また、口の下にあるマリオネットラインは、頬のたるみが関係しています。
よって、注入治療をしても、根本的な治療とは言えなかったのです。

一方、PRP療法は多血小板血漿を患部に注入すると、成分が周囲の皮膚組織に馴染んでいきます。
そして、患部だけでなく周辺組織も効果が得られ、全体的にハリを出す治療ができるようになったのです。
また、適応部位は顔だけではなく、手の甲や首など、体のあらゆる部位で施術できます。
手の甲や首はしわができやすく、ハリがなくなると、血管やスジが見えやすくなってしまうでしょう。
ハリがなくなると老けた手や首に見えるため、PRP療法で全体的にハリを出すのが効果的です。

半永久的な効果が得られる

PRP療法のメリットは、効果が半永久的であることです。
PRP療法は高濃縮した血小板と成長因子を白血球に添加しているため、コラーゲンの生成を活発にさせます。
自分の力でコラーゲン生成を活発にできると、肌のハリや弾力が蘇りやすいのです。
そして、たるみやしわが治り、治療効果を実感できます。
今まで行っていた注入方法の効果は、成分が吸収されるまででした。
つまり、状態を継続させたい場合は、吸収される前後に再度の注入療法が必要です。
一方、PRP療法は「本来の自然治癒力」を呼び覚まし、組織を新生させます。
よって、従来の方法よりも大幅に治療効果が持続すると言えるでしょう。
医学的根拠に基づいても、半永久的な治性効果が得られるでしょう。

安全性が高い

PRP療法は安全性が高いこともメリットです。
血小板などの再生に必要な成分は、自分の血液から抽出しています。
従来の注入方法は、自身の血液由来ではなかったため、不適合などもありました。
PRP療法は必要な成分を正確に抽出してから注入するため、不適合やアレルギー・感染症などの心配がないのです。
また、PRP療法は、潰瘍治療や歯科インプラント治療など、美容分野以外でも実施されています。
また、アメリカの米国食品医薬品局(FDA)など、安全性や品質の国際的基準を満たしていることが特徴です。
よって、PRP療法は安全性が高い方法と言えます。

ヒアルロン酸注入とPRP療法の違いは?

ヒアルロン酸注入とPRP療法の違いは?
しわの治療として、PRP療法以外にヒアルロン酸注入があります。
美容効果を期待して実施する場合は、それぞれの特徴や違いを理解しているといいでしょう。
そこで、ヒアルロン酸注入とPRP療法の特徴や違いをご紹介します。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入は、ポピュラーなしわの治療方法です。
PRP療法とは、効果を出す時のメカニズムが異なります。
しわは、皮膚の内部にあるコラーゲンが少なくなり、弾力が弱まってしまうことで、ひずみが生まれるのが原因です。
そこで、ひずみがある部分にヒアルロン酸を注入して、ひずみを少なくします。
ヒアルロン酸を注入すると、注入部位はふっくらとするため、見た目はしわが目立たなくなるのです。
内部からの膨らみによって、肌の弾力やハリも戻ります。
ヒアルロン酸注入のメリットは、施術方法が簡単なことです。
また、他のしわやたるみ治療よりも、施術費用が安価とされています。
ダウンタイムやアレルギーを起こす可能性も低いです。

ただし、ヒアルロン酸注入は粒子が大きいことが特徴です。
皮膚が薄い部位や浅いしわに注入すると、膨らみが不自然になる場合もあります。
人体に安全かつ効果的な治療方法ですが、触った時には少し固い感触が残るのはデメリットです。
脂肪と同じ性質ではないため、盛り上がりが不自然になってしまう可能性もあります。
また、徐々にヒアルロン酸が分解されて、吸収されてしまう仕組みです。
つまり、ヒアルロン酸による肌の弾力を保ちたい時には、その都度に追加注入しなくてはならないでしょう。

PRP療法

ヒアルロン酸療法は、肌のひずみにヒアルロン酸を注入し、内部からふっくらとさせる方法ですが、PRP療法は多血小板血漿を注入する方法です。
PRP療法は注入した部位だけでなく、広範囲に働きます。
また、自己治癒力を活性化させ、成長因子などを増やすことで、自分の力でしわを改善していくのです。
つまり、広範囲に浸透し、自己修復能力によってコラーゲン繊維にハリをもたせられるのは、ヒアルロン酸治療との違いになるでしょう。
さらに、PRP療法は適用部位が多く、浅いしわや皮膚が薄い部位に施術することも可能です。
自分の血液由来の若返り治療でもあり、異物は一切入れていません。
感触は自分の皮膚そのもので、固い感触や不自然な膨らみができることもないでしょう。

デメリットはある?

デメリットはある?
PRP療法のデメリットは、効果に個人差が出ることです。
基本的にPRPを注入すると、効果が得られるまでに1ヶ月~2ヶ月かかります。
しかし、自己治癒力などを利用するため、効果が遅い人もいるのです。
また、PRPが吸収しにくい部位もあります。
美容目的である顔や首・手の甲は、一般的に成分が吸収されやすい部位です。
ただし、吸収されにくい体質の人や部位に施術した場合は、効果を発揮しづらいまたは遅れるなど、個人差が出てしまいます。

施術を受けるクリニックによって、持続時間や治療効果に差が出るのもデメリットです。
PRPの精製は、採血した血液を遠心分離機にかけて、必要な成分を抽出します。
その方法がそれぞれのクリニックで異なるため、効果や時間に差が出てしまうのです。
日本では自費治療になっていて、クリニックごとに料金設定も異なります。
また、PRP療法は適用外になる人もいるため、注意が必要です。
例えば、妊娠している人や子供・脳梗塞や心臓病の既往がある人・肝臓疾患がある人は受けられません。
血液が固まりにくくなる薬を服用している場合も施術できないため、しっかりと医師の診察を受け、相談することが大切です。

施術の流れ

施術の流れ
PRP療法を受ける時には、最初にクリニックで診察を受けます。
診察やカウンセリングを受け、「適応しているか」「どの部位に施術するといいか」などを話し合いましょう。
持病や服用している薬がある時には、その説明も必要です。
また、PRP療法の特徴やメリット・デメリットが理解できていない時には、十分に説明を受けましょう。
診察やカウンセリング後に適応と診断されたら、採血を行います。
採血は初診の日に行う場合もありますが、後日にしても構いません。
採血量は約16ccで通常の採血と同程度ですが、体調がいい日に行いましょう。

採血後は、クリニック側で血液を遠心分離機にかけます。
一般的には約10分間、1,800回転させ、遠心力で血小板と赤血球を分離するのです。
そして、特殊フィルターに通し、分離された血小板から、さらに濃度が高い多血小板血漿(PRP)を採取していきます。
基本的な流れでは、採血した当日に施術するため、患者さんは患部に麻酔クリームを塗って、遠心分離するのを待ってもらいます。
遠心分離が完了したら、ニキビ痕や気になるしわなどの該当部位にPRPを注入していくのです。
最後に注射した部位を綺麗に拭き取れば、終了になります。

採血から注入までを1日で行う場合、施術時間は30分程度です。
施術当日から、化粧をしても構いません。
ただし、フェイスパックやマッサージなど、施術部位を刺激する行為は控えます。
また、血の巡りが良くなる温泉・サウナ・飲酒・運動も当日は避け、翌日からにしましょう。
当日は入浴ではなく、シャワーにするのが望ましいです。
注入した部位の赤みは、約2時間~3時間で消えます。
腫れも、次の日には沈静化する場合が多いです。
ただし、赤みや腫れは個人差があるため、なかなか戻らない時にはクリニックに相談するといいでしょう。
注入した部位が内出血を起こす場合もありますが、通常は3日~4日程度で落ち着きます。

自然で若々しい肌を取り戻せる!

自然で若々しい肌を取り戻せる!
PRP療法の美容効果は、お分かりいただけたでしょうか。
PRP療法は今までの美容療法とは異なり、自然で綺麗な肌を取り戻せる画期的な方法です。
自分の血液成分を使っているため、自然な仕上がりだけでなく、アレルギーや感染症の心配もありません。
よって、肌に異物を入れることが不安だった人でも、安心して受けられるでしょう。
PRP療法に興味を持った方は、お気軽にご相談ください。