ボトックス注射は本当に安全?失敗例と失敗を避ける方法を紹介

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2019/10/07 更新日:2020/11/25

ボトックス注射で失敗しないかどうか心配ではないでしょうか。

ボトックス注射は肌のシワやたるみの改善効果を期待できます。
エイジングケアとして世界中で実施されている美容医療です。

しかし、失敗や副作用により表情が不自然になってしまったり、合併症を引き起したりする可能性もゼロではありません。
この記事では、ボトックス注射がどのようなものか、具体的な失敗の事例や注意すべき点について詳しく解説していきます。

施術をする前に知っておこう!ボトックス注射はどんな施術?

ボトックス注射はどんな施術?
そもそもボトックス注射は、シワの改善ではなく
「予防」
を目的として誕生した治療方法です。
まずは、ボトックス注射がどんな施術なのかご紹介します。

ボトックス注射はボツリヌス菌の成分からできている

ボトックス注射の「ボトックス」とは、ボツリヌス菌がつくり出す「A型ボツリヌス毒素」のことです。
食中毒の原因にもなるほど毒性が強い成分です。

しかし、治療で使用するものは生理食塩水で薄められています。
そのため、人体に投与しても安全で副作用もほとんどないといわれています。

A型ボツリヌス毒素は、1977年に斜視の治療として使用されたのが初めです。
それ以降さまざまな疾患に用いられてきました。

その後、アメリカのアラガン社が現代のボトックス注射を開発しました。
眼瞼痙攣や片側顔面麻痺、痙性斜頸、さらに眉間の表情シワの適応で、厚生労働省の認可を受ける製剤となったのです。
そのためボトックスは、保険適用の疾患はもちろん、シワ治療や痩身効果、制汗効果などの幅広い治療に用いられる安全な治療方法だと言えます。

ボトックス注射の施術時間は5分程度

ボトックス注射の施術は、希望の部分にボトックス注射をするだけなので難しいものではありません。

まず、クリニックに施術の予約を行います。
その後、看護師または看護助手がカウンセリングを行い、その内容をもとに医師が診察を行うというのが一般的です。
診察では筋肉の状態を確認するほか、ボトックス注射で本当に悩みが改善されるのかなども丁寧に説明します。
診察ではご自身の不安や希望をしっかりと伝えることが大切です。

施術内容に納得できれば、あとは麻酔をしてボトックス注射を行うだけです。
施術時間は一部位5分程度です。
麻酔をするため痛みを感じることも少なく、注射直後にメイクをして帰ることも可能です。

美容に嬉しいボトックス注射の効果とは?

美容に嬉しいボトックス注射の効果とは?
幅広い治療に用いられているボトックスですが、一体どんな効果を期待できるのでしょうか?
ここでは、ボトックス注射に期待できる4つの効果について紹介します。

小顔効果

ボトックス注射は、エラを小さくして小顔にする効果が期待できます。
エラが張ってしまう原因のひとつに「咬筋の肥大」があります。
ものを噛む筋肉が発達することでエラが張って顔が大きく見えてしまうのです。

咬筋にボトックス注射をすることで、咬筋の動きを抑制してエラが小さくなり、小顔効果を期待できます。
その際、咬筋の筋力を弱めることになりますが、食事をとるのに支障が出るほどではありません。

咬筋へのボトックス注射は、3回ほど繰り返すことで効果が高くなり、約半年から1年ほど効果が持続します。
針を刺した部分が一時的に赤くなったり内出血を起こしたりする場合もあります。
ですが、時間の経過とともに気にならなくなるのが一般的です。

シワの改善

ボトックスに含まれるA型ボツリヌス毒素は、シワ治療に大きな効果が期待できます。

顔の表情をつくるときにできる表情ジワは表情筋と連動しています。
表情筋が動くことで表情筋の上にある皮膚が波打ちシワになります。

年齢が若ければシワができるのは表情をつくったときだけです。
ですが、年齢を重ねるほど元の状態に戻りにくくなり、額や眉間、目尻、口元などにシワができやすくなるのです。

こういったシワが気になる部分にボトックス注射をすると、その部分表情筋が一定期間動かなくなるため、表情ジワの改善につながります。
ただ、ボトックス注射はほうれい線やマリオネットラインには向かない傾向があるので、担当医師によく相談するようにしましょう。

ワキガや多汗症の改善

ボトックス注射は、ワキガや多汗症の改善にも効果を期待できます。

汗を出す汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。
全身にあるエクリン腺からはほとんど匂いのないサラサラとした汗が出ます。
一方、アポクリン腺は脂肪分やアンモニアなどを含んだ汗が出るため、菌が繁殖しやすいのが特徴です。

そして、エクリン腺から必要以上に汗が出ることを多汗症といいます。
主に両脇や額、手、足、うなじなどが多汗症の部位となります。

ボトックスには神経の末端から分泌される伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑える働きがあります。
そのため多汗症部位にボトックスを注入することで、エクリン腺の働きを抑制することができるのです。
また、汗の量が減ることにより、ワキガの匂いが拡散するのも防ぐことも期待できます。

ふくらはぎを細くする効果

ボトックスは、スポーツなどで筋肉が発達したことにより、太くなってしまったふくらはぎを細くするのにも効果を期待できます。
筋肉量が多い場合、どうしてもふくらはぎが張ってしまい、きれいなラインを出すことは簡単ではありません。
しかも、足の筋肉は常に使う筋肉となるため、ダイエットや運動で細くするのが難しいとされています。

しかし、ボトックス注射をすることにより、ふくらはぎの筋肉の働きを抑制し、自然に細くすることが可能です。
最初の持続期間は約6カ月程度です。
効果がなくなりはじめるタイミングで追加注入していけば効果を持続できるほか、効果を高めることも可能です。
筋肉ではなく脂肪でふくらはぎが太くなっている場合は、ボトックスではなく脂肪溶解液の注入が効果的とされています。

ボトックス注射での失敗事例を部位ごとに紹介

ボトックス注射失敗
さまざまな効果を期待できるボトックス注射ですが、ボトックスは製剤となるため高い効果が期待できる一方で、不具合が起こるおそれもあります。
ここでは、ボトックス注射の失敗例を身体の部位ごとに紹介します。

エラのボトックス注射

エラのボトックス注射では、ものを食べるときに顎に疲労感を覚えたり、注入部分が内出血を起こしてしまったりする失敗例があります。
そもそも顔面には皮膚や筋肉などのさまざまな層が存在しており、筋肉までしっかりとボトックスを注射しなければなりません。
しかし、注入量や注入箇所が適切でない場合、食べ物が噛みづらくなることがあるのです。

また、筋肉の付き方は人によって違うものです。
施術前のカウンセリングや医師の診察時に、筋肉のつき方などをしっかりと把握することがとでも大切になります。

額や眉間のボトックス注射

額や眉間にできる表情ジワを取るボトックス注射では、失敗例としてスポック・ブロー(眉毛が不自然に上がってしまう症状)があります。

ボトックスは表情筋を緩めて、額や眉間のシワを改善する施術です。
表情筋同士のバランスが崩れることにより、眉尻が過度に上がってしまう可能性があるのです。

そのため、担当医師のさじ加減が非常に重要となります。

スポック・ブローを起こさないためには、医師が患者の状態や注入方法を正確に把握するとともに、施術技術も求められると言えるでしょう。
また、表情が豊かな方や、眉間・前額部に余剰皮膚の多い方、65歳以上の方は注意が必要です。

シワのボトックス注射

目尻や口元など、顔のシワ改善としてボトックス注射をした場合では、表情に違和感が出るという失敗例があります。
シワ治療の場合はボトックスを表情筋に注入するのが一般的です。
注入する場所や角度、注入量が適切でないと表情筋が動かしにくくなるほか、笑顔が不自然になってしまう可能性もあるのです。

ボトックス注射の効果は数カ月です。
永久的に不自然な表情になるわけではありませんが、お金と時間をかけて施術を受けていることを考えると、やはりきれいに仕上がるのが望ましいと言えます。
シワのボトックス注射で失敗しないためには、経験や知識がある医師の施術を受けるようにするのが良いでしょう。

脇のボトックス注射

ワキガや多汗症の治療としてボトックス注射をする場合は、治療をしたのに効果がないというのが主な失敗例になります。
脇のボトックス注射の場合は、脇の皮膚のごく浅いところに何カ所か注入するというのが一般的です。
複数カ所にボトックスを注入する場合はボトックスの量を均一にし、一定の深さに注入する必要があるため、医師の技術が重要となります。

ほかの部位と比較すると、脇は比較的失敗が少ない施術といわれていますが、医師の技術不足や患者がしっかりと理解していない場合などは、思ったような効果が出ない可能性が高いと言えるでしょう。
また、ワキガの場合は汗の量を抑えることで匂いの広がりを防ぐことはできますが、根本的な治療を行うのであれば、ボトックスではなく手術を受ける必要があります。

ふくらはぎのボトックス注射

ふくらはぎのボトックス注射は個人差にもよりますが、つま先立ちがしづらくなるという事例があります。
ふくらはぎのボトックス注射は、筋肉で発達したふくらはぎを細くするのに効果的ですが、脂肪で太くなったふくらはぎに施術してしまうと不恰好にふくらはぎがしぼんでしまい、美しい脚にはなりません。
また、注入の仕方を誤ると、走ったり階段を登ったりといった、ふくらはぎの筋肉を使う運動をしたときに違和感が出る可能性があります。

そのため、ふくらはぎに通っている神経や血管、筋肉の構造を理解したうえで、ふくらはぎが太い原因の正確な判断を医師にしてもらうことが大切です。

後悔しないために!ボトックス注射の副作用を知っておこう

ボトックス注射には失敗事例のほか、副作用のリスクがあるのも事実です。
安全性が高い美容医療のため可能性は極めて低いですが、ゼロではありませんのでどんな副作用があるか知っておくと安心でしょう。

ボトックス注射は筋肉のコリや神経の緊張からくる片頭痛などにも効果的ですが、もともと頭痛持ちでない人がボトックス注射をした場合、筋肉バランスが崩れたり精神神経系に異常をきたし、頭痛を起こしたりすることがあります。
人によっては、頭痛ではなく皮膚のかゆみや発心が現れることもあるので注意が必要です。

また、ボトックス注射はデトックス成分が体の中に入るため、施術後に痛みを感じたり内出血したりするおそれもあります。
ただし、内出血については時間をおけば目立たなくなるのが一般的です。

ボトックス注射の失敗を避けるには?


ボトックス注射の施術料は決して安くはありませんので、失敗や副作用を起こさずきれいに仕上がることが理想的です。
それには医師の腕だけではなく、自分で気をつけるべきポイントもありますので、ここではボトックス注射の失敗を避ける方法を紹介します。

注射の製造元を確認する

デトックス注射の失敗を避けるには、まず注射を製造したメーカーを確認することが大切です。
そもそもボトックスとは、アメリカのアラガン社の国際商標医薬品となっているのですが、クリニックによってはアラガン社以外の薬品を使用しているところも少なくありません。
そのため、ヒアリングの際にしっかりと確認するのが安心です。

特に、アラガン社の「ボトックスビスタ」は日本の厚生労働省からも承認を得ており、品質・効果ともに優れているといわれています。
ボトックス注射できれいな仕上がりを求める場合は、こういった国際商標医薬品や、厚生労働省の承認がある安全なボトックスを使用しているクリニックを選ぶようにしましょう。

実績や経験のあるドクターを選ぶ

ボトックス注射の仕上がりは、施術をする担当医師の腕によるといっても過言ではありません。
濃度や量、注入の位置が適切でないと、顔の筋肉が硬直してしまったり、表情が変わってしまったりする可能性があります。
きれいに仕上げるためには、繊細な医療技術が求められるほか、その人に適した処置をしてもらうことが大切ですので、実績や経験のあるドクターを選んだほうが安心です。

また、すべてを医師に任せるのではなく、自分でもある程度の知識をつけておくことも大切なので、カウンセリングの際には自分のなりたいイメージはもちろん、施術時間や痛み、不安などをしっかりと相談し、安心して施術を受けられるようにしましょう。

ボトックス注射は信頼できる銀座禅クリニックで

ボトックス注射にはさまざまな用途があり、シワの改善だけではなく小顔効果や多汗症・ワキガの改善、ふくらはぎを細くする効果を期待できます。
しかし、副作用や失敗事例があるのも事実で、ボトックス注射の濃度や容量が適切でない場合は、思うような表情ができなくなったり、顔の筋肉が硬直したりするおそれがあるのです。
そのため、ボトックス注射の失敗を避けるためにも、信頼できるクリニック選びがとても重要になります。
ただ単に有名なクリニックを選ぶのではなく、ホームページでの解説も確認し、自分が信頼できるクリニックを選ぶようにしましょう。