【費用】幹細胞を培養する治療はいくらくらいかかる?保険は適用されるの?

新たな美容法として幹細胞治療が注目を浴びています。
ただ、登場して間もない施術法であるため、美容の一環で幹細胞治療を受ける場合、どれくらいの費用が必要になるのか知りたいという人もいるでしょう。
そこでこの記事では、そんな人のために幹細胞治療にかかる費用はいくらなのか、保険は適用されるのかなどについて解説します。

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幹細胞治療の費用はいくら?

幹細胞治療の費用はいくら? 幹細胞治療の費用は診療方法や保険が適用されるかどうかによって変動します。
それでは、保険が適用される場合と適用されない場合の両方のケースにおける幹細胞治療の相場を見ていきましょう。

保険適用の場合

保険が適用される場合は一般的な医療サービスと同じで、医療費のうち2~3割負担することとなります。
幹細胞治療は大体数百万円~1500万円程度が相場なので、保険が適用された場合は500万円以内に収まるものと思って良いでしょう。
ただ、保険が適用されたとしても、幹細胞治療にかかる治療費は高額です。
そんな時年収によっては高額療養費制度を利用することで治療費を安く抑えることが可能です。
ただし、高額療養費制度は一旦患者が医療費の支払いを行ったうえで申請することで受け取れるものなので注意しましょう。

保険適用にならない場合

自由診療や治験で幹細胞治療を受ける場合、保険が適用されません。
幹細胞治療は治療内容によって価格が変動しますが、安くても数十万円は必要と思っておくべきでしょう。
高額なものでは1000万円以上必要になることもあります。
ただ、治験の場合は大学の研究の一環として行われるので、大学の研究費が下り、基本的に治療費はかかりません。
ただし、治験中に服用する薬や検査費用は患者の自己負担となるので注意しましょう。
ちなみにこれらの費用に関しては保険が適用されます。

基本的に間葉系幹細胞を用いた幹細胞治療はほとんどの治療が自由診療です。
したがって、この際に発生する治療費は保険が適用されず、全額を自分で支払わなければいけません。
ちなみにこの際に発生する費用相場に関しては、幹細胞を遠心分離機などで取り出して体内に戻す治療だと数十万円~数百万円程度、取り出した幹細胞を培養・増殖したうえで体内に戻す治療は1000万円以上必要になるのが一般的です。

幹細胞治療が保険診療になる場合って?

幹細胞治療が保険診療になる場合って?幹細胞治療で保険が適用される例には、造血幹細胞移植や脊髄再生治療などが挙げられます。
まず造血幹細胞移植とは、ドナーから造血幹細胞を患者に移植して、正常な血液を作れるようにする医療法のことを言います。
ちなみいに骨髄移植も造血幹細胞移植の一種です。
この治療を受ける場合、数百万円かかるのが一般的ですが、保険が適用されるうえに、高額療養費制度も利用することができます。
また、日本国内でドナーが見つかり、骨髄移植が成功した場合は15万円程度で治療を受けることが可能です。

次に脊髄再生治療では、脊髄損傷を起こした患者の幹細胞を取り出して培養し、それを注入して脊髄の再生を目指します。
かつて人間をはじめとする哺乳類の脊髄は一度損傷すると再生することができないと言われていましたが、2019年頃にこの治療法の臨床仕様の許可が下りたことで、損傷した脊髄が治療によって回復する見込みが出てきました。
ちなみに脊髄再生治療で用いる薬は1回分で1500万円であり、保険が適用されて2~3割負担で大体300万円~450万円程度と思っておきましょう。
もちろんこちらも高額療養費制度が適用されます。

治験で負担がゼロになる場合も

治験とは医療の発展のための実験を兼ねたものであり、先ほど解説したように、治験にかかる費用は大学の研究費で支払われるので原則無料です。
ただし、治験期間中に服用する薬や検査費用は保険の範囲内の金額を支払うこととなります。
ちなみに山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで話題となったiPS細胞も幹細胞治療に分類されます。
iPS細胞はどんな細胞でも作ることができるため、様々な病気を改善する効果が期待されており、iPS細胞が骨髄損傷などの怪我や再生不良性貧血などの血液疾患などにおける幹細胞治療の現場に活用される可能性は高いでしょう。

ただし、治験は実験であるということも忘れてはいけません。
治験を受ける際には、治験のリスクを理解したうえで受ける必要があります。

病気や痛みの緩和でも保険適用にならないものも

幹細胞治療のような治療法の場合、大規模な二重盲検試験を行わなければいけません。
また、様々なケースを想定して治験を行う必要もあることから、治験には相当な時間を要します。
そのため、幹細胞治療による効果が科学的に立証されていないケースも多いです。
その場合、病気であったとしても保険が適用されません。
ちなみに幹細胞治療に保険が適用されないケースに関しては、変形性膝関節症などの慢性疼痛の治療や動脈硬化症治療、認知障害治療、脳梗塞など脳血管障害の後遺症による運動障害・認知障害への治療などが挙げられます。

美容医療における幹細胞治療

幹細胞治療は医療だけでなく美容医療の現場でも若返り効果が期待されています。
そこでこの段落では、幹細胞治療で若返ると言われる理由や、美容において幹細胞治療が期待されている理由について解説します。

幹細胞治療で若返ると言われる理由

元々幹細胞は、幹細胞そのものを増殖させる能力に加えて、臓器や血液など様々な組織の機能を維持するために必要な細胞に変わる能力を持っています。
しかし、この幹細胞は年齢を重ねるとともに衰えていくものです。
幹細胞の増殖能力が衰えるということは、臓器や血液など身体の様々な部位を構成する細胞の数が減ってしまいます。
逆を言えば、幹細胞が増えれば老化を防ぐことができると言えるでしょう。
美容における幹細胞治療はこの点に着目したものであり、幹細胞を培養し、体内に注射することで細胞が若返ると考えられています。

美容において幹細胞治療に期待できること

美容において幹細胞治療に期待できること美容において行われる幹細胞治療は、主に皮膚に関する治療が中心です。
患者から採取した脂肪細胞由来の幹細胞を培養し、皮膚組織に注入することで、皮膚組織の幹細胞が若返り、皮膚の厚みに加えてコラーゲン産生量も増え、しわやたるみが改善できると言われています。
また、皮膚組織の細胞が若返ることによってこれだけでなく皮膚に潤いやハリを取り戻すことも期待されています。
また幹細胞治療は自分の体内にある細胞を培養したものを治療に用います。
したがって、アレルギー反応を起こす可能性は低く、比較的安全な治療法と言えるでしょう。

ただし、人間の老化現象は原因が解明されていません。
そのため、美容における幹細胞治療に関しても不明な部分が多く、この点を理解したうえで幹細胞治療を受ける必要があると言えるでしょう。
また、先ほど幹細胞治療は安全性が高いと解説しましたが、幹細胞を培養する環境が不衛生だと、細菌やウイルスに感染した幹細胞が体内に入り込んで感染症を引き起こす可能性があります。
そのため、必ず厚生労働省にて幹細胞培養を行う届出を出している医療機関にて幹細胞治療を行いましょう。

幹細胞治療の流れ

幹細胞治療の流れ幹細胞治療1回にかかる期間は、細胞を採取して培養するまでに1ヶ月、そこから培養した幹細胞を体内に注入して効果が出るまで3ヶ月の計4ヶ月と言われています。
それでは、幹細胞治療がどのような流れで進んでいくのか見ていきましょう。

まず幹細胞治療を行う前には必ず問診が行われます。
そこで治療に関する事前説明を受け、内容に納得できたら幹細胞治療の契約を結びましょう。
また、この問診の際には持病や現在罹患している病気が無いかを確認されます。
そこで、病気があるとわかると幹細胞治療を断られてしまう可能性があるとは言え、持病などがある場合は隠さないようにしましょう。
万が一持病を隠した状態で幹細胞治療を受けると、医療トラブルに繋がる可能性があります。
持病があるけれどもどうしても幹細胞治療を受けたいという場合はかかりつけの病院へ行き、検査を受けて医師から許可を受け、検査資料を持参したうえで相談しましょう。

問診を行ったうえで契約を結んだら幹細胞を採取します。
一般的に美容における幹細胞治療においては、脂肪が多いヘソの下あたりを5cmほど切開し、そこから脂肪組織を10g~20g程度採取します。
採取ができたら培養液の中で幹細胞を培養するので、1ヶ月ほど待ちましょう。
そして採取から1ヶ月ほど経過したら、培養した幹細胞を静脈内に点滴したり、直接治療する部位に注射します。
すると、幹細胞が血液に乗って体内のダメージを受けた部位を3ヶ月ほどかけて回復させてくれます。

幹細胞治療1回の流れは上記の通りです。
ただし、1回限りよりも複数回行った方が効果が出やすいとされており、3ヶ月~4ヶ月に1回ペースで幹細胞を注入するケースが多い傾向があります。

幹細胞治療の費用の詳細

幹細胞治療の費用の詳細美容における幹細胞治療は先ほど解説したように自由診療であり、保険が適用されません。
美容治療の中でもかなり高額な治療となるので、しっかり予算を立てたうえで治療を受けましょう。
あるクリニックの幹細胞治療の費用は、初回費用が300万円、3ヵ月に1回周期で幹細胞治療を1年間行うプランだと800万円となっています。
ちなみにこの料金には、診察料や問診・採決料などといった幹細胞治療に必要な工程全ての料金が含まれてこの価格となっています。

また、肌などの老化を抑えることはできても、一切老けない身体を手に入れるということはできません。
そのため、少しでも若く見える状態を長く維持したいと考えているなら幹細胞治療も1回きりではなく、定期的に行う必要があると言えるでしょう。
そこで、例に挙げているクリニックでは、2~3年かけて2~3ヶ月に1回ペースで幹細胞治療を行うプランも用意されています。
ちなみにこのプランの料金は1,800万円となっています。

幹細胞治療にかかる料金を一括で支払うのは難しいと言えるでしょう。
クレジットカードの分割払いを利用したくても、料金が高すぎて利用できないというケースも多いので、幹細胞治療を行うことを考えているなら、医療ローンが用意されているクリニックを利用するのがおすすめです。

他の美容医療との比較

他の美容医療との比較 幹細胞治療は顔をはじめとする皮膚のしわやたるみに注入して症状を改善し、若返りが期待できる治療法です。
これと同じ目的で用いられる治療法にはヒアルロン注射やボトックス注射が挙げられます。
それでは、ヒアルロン酸注射・ボトックス注射を費用や効果の持続期間などを見てみましょう。

ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸はほうれい線をはじめとするシワや、肌のたるみなどが目立って気になる場所に注入します。
保水性が高い物質であることから、シワを目立ちにくくするだけでなく、肌のハリを取り戻すことも可能です。
ヒアルロン酸は元々身体に存在している成分であるため、アレルギーなどの副作用が無いという点も良いでしょう。
ちなみに、ヒアルロン酸注射は1回につき1万円~10万円ほどであり、注入する部位によって価格が変動します。
また、効果の持続期間は半年程度であることから、定期的に注入する必要があります。

ヒアルロン酸注射の施術時間は10分程度です。
施術時に多少の痛みを伴うので麻酔クリームを塗って、麻酔が効いたらヒアルロン酸を注入することとなります。
美容関連の治療で心配なのがダウンタイムですが、ヒアルロン酸注射の場合は数日程度で注入箇所の腫れが引くうえ、治療直後からメイクができるので仕事に支障が出ることがありません。

ボトックス注射

ボトックス注射は、ボツリヌス菌が作るボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を注入します。
ボツリヌストキシンは毒素であり、この成分が緊張状態になっている筋肉を弛緩させ、局所的に筋肉の動きを弱めることから、表情シワや目尻の笑いシワなどに有効です。
こちらの料金に関しては1回の注射に付き3万円~5万円程度が相場となっています。
また、注入後2週間~1ヶ月程度で効果が出始め、3~4ヶ月程度持続します。

ただ、ボトックス注射は回数を重ねれば重ねるほど、ボツリヌストキシンに対する耐性ができてしまうので効果が薄くなっていく傾向があり、利用する際には注意が必要です。
また、ボトックス注射は効きすぎると、筋肉が緩みすぎて表情が作りにくく、笑うと不自然になってしまうというリスクもあります。
したがって、ボトックス注射を利用するにあたっては注射を行うクリニック選びが重要です。

安くない治療だからこそよく調べて納得の上で始めよう

安くない治療だからこそよく調べて納得の上で始めよう 美容目的の幹細胞治療は自由診療であり、保険が適用されないので高額です。
また、幹細胞は元々体内にある物質ではありますが、安全性の高い環境で行わないと感染症にかかるリスクを伴います。
そのため、厚生労働省に届出を出しており、カウンセリングやサポートがしっかり用意されているクリニックにて幹細胞治療を受けましょう。