ヒアルロン酸注射は安全なのか?気になる副作用や痛みについて徹底解説!

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日: 2019/09/25 更新日: 2021/12/18

ヒアルロン酸注射は、主に顔のしわの改善や関節の痛みを和らげるための治療に用いられます。
美容と医療、両面で広く使用されているため、自分もヒアルロン酸注射を検討しているという人も多いのではないでしょうか。
一方、どれだけ認知度が高くても、体内に注入するという行為であることには変わりなく、安全面が気になる人も少なくないでしょう。
施術を受けるかどうかを冷静に判断するためには、ヒアルロン酸注射を正しく理解することが必要です。
ここでは、ヒアルロン酸注射の施術時やその後の痛み、起こり得る副作用などについて解説します。

この記事のポイント
  • ヒアルロン酸の副作用
  • ヒアルロン酸の安全性
  • ヒアルロン酸の痛み

体内に注入しても大丈夫?ヒアルロン酸注射の安全性

体内に注入しても大丈夫?
ヒアルロン酸は元から体内にある成分なので、注射をするといっても完全な異物を注入するわけではありません。
そのため、ヒアルロン酸そのものは体に悪影響を及ぼす物質ではないという認識で問題ありません。

アレルギー反応が起きる確率も極めて低く、体内に注入しても数カ月~2年程度で体に吸収され、異物として残ることはありません。
一方、ヒアルロン酸にはさまざまな種類があり、なかには安全性が認められていない質の悪いヒアルロン酸もあるので注意しましょう。

質の悪いヒアルロン酸が体内に注入されると、すべて吸収されずに異物として残ってしまうこともあります。
見分け方のポイントは、厚生労働省もしくはアメリカのFDAの認可が取れていること、ヨーロッパのCEマークが付いていることなどです。
どの種類のヒアルロン酸を使うのが医師に確認することが重要だと言えるでしょう。

ヒアルロン酸注射による副作用にはどんなものがあるの?

ヒアルロン酸注射による副作用にはどんなものがあるの?
人体にとって安全とされているヒアルロン酸でも、注射による副作用が全くないというわけではありません。
ここでは、ヒアルロン酸によって起きる可能性がある副作用について説明します。

重篤な副作用

最も重大な副作用として挙げられるのが、血管閉塞です。
施術の際、誤って血管内にヒアルロン酸を注入すると、その血管やつながっている血管を塞いでしまいます。
その結果、栄養が送られなくなって塞がった先が壊死してしまうというものです。
眉間や上眼瞼内側周辺への注射では、目に関連する血管が閉塞して失明するおそれもあります。
また、ほうれい線やマリオネットライン周辺には血管が複雑に走っており、知識のある施術者でも閉塞させてしまう例があることも事実です。

何事においても絶対の保証はありませんが、大切なのはその後の処置です。
血管を閉塞させたときは、すぐにヒアルロン酸の溶解剤を注入して分解させる処置がとられます。
この処置がスムーズに行われれば、重篤な容態に移行する確率は低くなるでしょう。

稀に起こる副作用

ヒアルロン酸注射には、血管閉塞などの人為的なミスによるもの以外でも、稀に副作用が起こることがあります。

感染

ヒアルロン酸注射が安全とされるのは、健康体に施術した場合です。
重度の糖尿病を患っている場合や免疫抑制剤を内服している場合は、感染が起こりやすいとされているので注意しましょう。
また、重度の虫歯や副鼻腔炎、慢性扁桃腺炎などの慢性病巣感染、HIV感染症などで免疫が低下している場合も、ヒアルロン酸注射後の感染確率を上げてしまいます。
これらの病気が確認できていなくても、顔に嚢胞や化膿したニキビがたくさんあるときは、ヒアルロン酸注射は避けたほうがいいでしょう。

これらの症状があるなかでヒアルロン酸を大量に注入することは安全とは言い切れません。
感染は、注入したヒアルロン酸の周りに菌膜ができてしまうことにより起きるものです。
万が一、感染が起きた場合は溶解注射でヒアルロン酸を溶かして抗生物質で治療をします。
感染を極力防ぐためには、万全の体調で背術を受けることが大切です。

アレルギー

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分であり、ヒアルロン酸そのものに対するアレルギーが起きることは稀です。
品質の保たれた安全なヒアルロン酸であれば、過剰に心配する必要はないでしょう。
しかし、自分自身がどのようなアレルギーを持っているか詳細に把握している人は少ないのが現状です。
ヒアルロン酸注射に使用される製剤には、安全性を保つための添加物が含まれています。
なかには、この添加物にアレルギー反応が出ることがあることも覚えておきましょう。

見た目が左右非対称

ヒアルロン酸注射は、どれだけ事前の計画をしっかり立てて施術に臨んでも仕上がりが100%保証されているわけではありません。
特に、美容目的でのヒアルロン酸注射では、イメージとは異なる仕上がりになってしまうこともあります。
その代表的な例が、見た目が左右非対称となることです。
顔の左右に同じ量のヒアルロン酸を注入したとしても、左右差が出ることがあります。
左右差が出た場合はなるべく早く医師に相談しましょう。
医師によっては、最初の施術から1週間程度間を置いたうえで再度ヒアルロン酸を注入し、左右差をなくすなどの対応をとるケースもあります。
左右非対称な顔は不自然にも映ってしまうので、施術後はしっかりと自分の顔をチェックしましょう。

腫れ・痛み・内出血

ヒアルロン酸注射は針を刺すという性質上、施術個所の腫れや痛み、むくみ、内出血、かゆみ、発疹、硬化などの症状が出ることがあります。
これらの症状は、施術直後から数時間後に起こることが多く、ほとんどの場合は1~2週間で治まる症状です。
見た目が気になる場合は、メイクやコンシーラー、マスクなどで隠してやり過ごしましょう。
時間が経過しても症状が緩和されず長引く場合は何らかの問題が考えられます。
医師に相談して判断を仰ぎましょう。

ヒアルロン酸注射をするときは痛い?

ヒアルロン酸注射によって期待できる効果
ヒアルロン酸注射は注射針を刺すため、全く痛みがないわけではありません。
また、血管注射とは異なり、ヒアルロン酸を注入する際にもある程度の痛みが伴います。
人によってはこれを耐えがたいと感じることもあり、痛みへの怖さからヒアルロン酸注射を断念する人もいるでしょう。
しかし、痛みは適切な方法をとることによりコントロールできます。
施術前にテープ麻酔やクリーム麻酔を使うことで痛みは大幅に軽減されるでしょう。

痛みが気になるという人は、マイクロカニューレを採用しているクリニックを検討してみるのもいいでしょう。
マイクロカニューレは、一般的な注射針と比較して先端が丸く研磨されている特殊な極細針です。
施術中の痛みや内出血を減らすことができるといわれており、少ない穿刺での施術が可能とされています。
そうはいっても、痛みの感じ方には個人差があるので、不安な点は必ず医師に相談しましょう。

ヒアルロン酸注射は何度も打たなければいけないのか?

ヒアルロン酸注射は何度も打たなければいけないのか?
ヒアルロン酸注射は、一度打って終わりという性質のものではありません。
しかし、症状や状態によっては、何度も打つ必要がない場合もあります。
ここでは、ヒアルロン酸注射を何度も打つ必要性があるのかについて説明します。

顔に打つ場合

ヒアルロン酸注射を顔に打つ場合、多くは一回の施術で終わりとはなりません。
それは、ヒアルロン酸が体内に吸収されていくことに理由があります。
ヒアルロン酸でしわやたるみを膨らませると、一瞬にして肌はハリを取り戻します。
しかし、注入したヒアルロン酸が体内に吸収されると、元に戻るだけでなく以前よりもしわやたるみが目立つことも少なくありません。
ヒアルロン酸の注入は、いわば風船のようなもので、一度伸ばした皮膚はしぼむと以前よりもしわしわになってしまいます。
そのため、効果を持続させるためには定期的な注射が必要になるのです。
一方、期間限定で鼻を高くしてみたいというような希望であれば、何度もヒアルロン酸を打つ必要はありません。
体内に吸収され、元に戻るのを待ちましょう。

膝に打つ場合

変形性膝関節症の治療としてヒアルロン酸注射を行う場合は、1週間おきに5回続けての注入が標準とされています。
この頻度で効果がある場合は、その後も一定期間ごとに注射をしていく治療プランが提示されるでしょう。
しかし、症状の重い人にはヒアルロン酸注射は効きにくいとされています。
効果が実感できないのであればヒアルロン酸注射は中止して、医師と相談しながら他の治療を検討しましょう。
この場合も、ヒアルロン酸注射よりも効果がある治療法が見つかれば、何度も注射を打つ必要はありません。
より自分に合う治療法で早期の治癒を目指しましょう。

ヒアルロン酸注射の疑問や副作用の不安は事前に解消しましょう

ヒアルロン酸注射の疑問や副作用の不安は事前に解消しましょう
ヒアルロン酸注射は、適切な施術であれば多くのメリットを実感できます。
しかし「副作用があるらしい」といったあいまいな情報を耳にすると、施術を受けるのが怖くなってしまうでしょう。
怖さの原因は、確実な情報を得られていないことにあります。
医師とのカウンセリングを通して、どのような副作用が起きる可能性があるのかを理解することで不安は解消できるものです。
また、直接話を聞くことは、自分にとって本当にヒアルロン酸注射が必要であるか否かという判断材料にもなります。
自分が信頼できる医師やクリニックを選び、納得したうえでヒアルロン酸注射の施術を受けましょう。