ヒアルロン酸注射は膝関節の痛みに効果あり!副作用や料金も解説

「膝の痛みを和らげたい」
「膝の痛みにヒアルロン酸が効くの?」

このようなことでお悩みではありませんか?
実はヒアルロン酸注射で膝の痛みを和らげることは可能です。
注意するべき点としてあくまでも痛みを和らげるだけで根本的な治療方法ではありません。

ですが、膝に痛みがあると、階段の上り下りや歩いたりなど日常生活にも、支障をきたすこともあります。
治療の期間中に一時的に膝の痛みを和らげるためにも用いられます。

ヒアルロン酸注射で膝の痛みはどの程度緩和されるのか、料金はいくらぐらいかかるのか。
この記事では、ヒアルロン酸注射の膝の痛みへの効果、副作用、費用に関して解説いたします。
あなたの悩みの解決にお役立てください。

この記事のポイント
  • 膝・肩へのヒアルロン酸注射の痛み緩和について
  • 膝・肩へのヒアルロン酸注射費用・保険適用

この記事を読んでいただければヒアルロン酸注射の膝の痛みへの効果についてわかるはずです。
膝の痛みでお悩みの方は選択肢の一つとしてぜひご覧ください。

ヒアルロン酸注射は重症な膝痛には効かない

重症な膝痛には効かない
ヒアルロン酸注射は比較的即効性がある治療法ですが、残念ながら重度の膝の痛みには効果が期待できません。
また、あくまでも運動療法と並行して行う治療であり、単独で高い効果を求めるものではないことも覚えておきましょう。
それらの理由について、以下で解説していきます。

ヒアルロン酸注射が効かないと感じる理由

膝の痛みの多くは、年齢を重ねることによって起こる変形膝関節症です。
膝関節には関節液という液体が存在し、この液体が関節を滑らかに動かし、衝撃を吸収して軟骨に栄養を補給します。

関節液の主な成分はヒアルロン酸です。液中のヒアルロン酸濃度が低下すると関節液の粘度と弾力性が低下し、膝の動きから滑らかさが失われ、膝がきしむようになってしまいます。

注射によって関節内にヒアルロン酸を補うことで得られる効果は、ヒアルロン酸濃度を上げ、軟骨の摩耗を少なくして痛みをやわらげるものです。
残念ながら、軟骨そのものを再生する治療ではありません。

運動療法と並行して行う

関節痛の進行を防止して症状を改善するためには、ヒアルロン酸注射のような薬物療法だけではなく、運動療法を並行して行うことが求められます。

  • 軽度の膝・肩痛には効果あり
  • 重度の痛みには根本治療ではないので効果が期待できない

ヒアルロン酸注射の膝への効果

膝への効果
ヒアルロン酸注射の膝への効果は、以下のようなものです。

  • 膝の痛みをやわらげる
  • 膝関節の炎症をおさえる
  • 膝の動きを良くする
  • 膝軟骨の変形やすり減りをおさえる

それぞれの項目について解説していきます。

膝の痛みをやわらげる

変形性膝関節症を発症すると、炎症によってヒアルロン酸濃度が減少し、粘り気や弾力性が低下します。

直接膝関節にヒアルロン酸を注入。
これによって膝関節の関節液のヒアルロン酸濃度が上昇し、関節液の粘度と弾力性が補強されます。

関節液の粘度と弾力性がアップすれば関節の動きは滑らかになります。
軟骨は保護され、治療前の膝のきしむ感じは減少し、膝の痛みがおさえられます。

膝関節の炎症をおさえる

膝に負担がかかると、その負担によって膝の中で炎症が起きてしまいます。
この炎症によって痛みや腫れといった症状が起きます。

ヒアルロン酸注射は、軟骨・関節液の重要な潤滑成分であるヒアルロン酸を増やし、軟骨表面を保護し、炎症をおさえます。

膝の動きを良くする

ヒアルロン酸注入で関節液の粘度と弾力性がある程度回復するので、痛み・炎症の軽減とともに、関節の動きが良くなり、クッションの役割も高くなります。
膝の動きはある程度滑らかさを取り戻し、衝撃を吸収する作用も復活します。
膝の動きが良くなることが期待できます。

膝軟骨の変形やすり減りをおさえる

年齢を重ねるに従い膝関節の軟骨がすり減り、変形するのが変形性膝関節症。
中高年における膝の痛みの原因として、とても多い病気と言われています。

軟骨が変形、あるいはすり減っているため、歩き始めや動き始め、立ち上がったときや階段を下りるときなどに、特に強い痛みを感じる病気です。
ヒアルロン酸はその高い保湿効果で、関節軟骨の表面で関節の衝撃を吸収し、結果的に軟骨の変形やすり減りの進行をある程度おさえてくれます。

膝へのヒアルロン酸注射による副作用

副作用
膝へのヒアルロン注射の効果は非常に高いものです。
ただし、どんなに効果が期待できる治療でも、リスク副作用はあります。
ヒアルロン酸注射の副作用の可能性について、以下で解説していきます。

副作用はほとんどない

ヒアルロン酸は、人間の軟骨や眼球など、もともと人の体のさまざまな部位に存在します。
関節の痛みの治療としてのヒアルロン酸注射は、注射によってヒアルロン酸を補充し、正常な関節液に近い状態を作ります。

それによって潤滑と衝撃吸収作用を増加させ、痛みの軽減を図ります。
基本的に副作用は非常に少なく、一般的には注射箇所に少し痛みを感じるくらいだと言われています。

その他の副作用

ただし、ヒアルロン酸注射はリスクがゼロというわけではありません。
以下の副作用の可能性がありますので、十分注意する必要があります。

  • 感染症
  • 関節内出血
  • ショック症状
  • 過敏症

感染症

黄色ブドウ球菌の感染が発生し、疼痛・腫脹などの症状が出る可能性があります。
変形性膝関節症の治療でヒアルロン酸注射を受けていた患者が感染し、死亡したケースも報告されています。

参照:注射による細菌感染防止策

関節内出血

関節の違和感、痛みや腫れ、熱感などが主な症状です。

ショック症状

血圧低下、体温の低下、意識障害などが認められ、重症の場合、命にも関わる場合もあります。

過敏症

発熱・発汗・寒気、ふらふら感・しびれ、呼吸困難、かゆみ・発疹・紅潮、粘膜部分周囲(口や目)の腫れ、意識障害が見られるケースです。

上記の副作用は起こるケースはほとんどなく、全体の0.5%程度とされています。
事前に医師と相談の上不安に思うことを解決しましょう。

ヒアルロン酸注射にかかる料金と回数目安

料金と回数目安
ヒアルロン酸注射にかかる料金・回数の目安をご紹介します。また、保険の適用状況も併せて確認しておきましょう。

注射にかかる料金目安

膝の痛みを緩和する目的のヒアルロン酸注射は、整形外科で受けられます。
変形性膝関節症の場合、ヒアルロン酸の両膝への注射は初診料・レントゲン撮影料・シップ費用込みで3,300円程度です(3割負担の場合)。

治療目的は保険適用

ヒアルロン酸は、膝や肩の関節痛に関して、科学的データに基づき有効性が立証されています。
そのため、関節内への注射投与に関しては、膝関節と肩関節は保険適用が認められています。

ただし、股関節の治療は保険適用外です。

ヒアルロン酸の経口摂取の有効性は、現在のところ科学的根拠がなく、有効性は立証されていないので保険適用はありません。

同様に、サプリメントとして販売されているものも、科学的データとして有効性が認められていないため、保険適用外です。

ヒアルロン酸注射の回数目安

ヒアルロン酸注射は、現在1週間ごとに連続5回注射が標準的な治療法です。
重い副作用は少ないですが、注射した部位が少し痛むことが多いようです。

5回程度継続注射で効果を判定し、必要と判断された場合、2~4週に1回の注射を5~10回続け、それで痛みに改善がない場合、週1回に戻すなどして3~4か月程度様子を見ます。
副作用が少ないこともあり、効果があると実感される方は、連続5回注射した後も、一定の間隔で引き続き注射を受ける方が多いようです。
ヒアルロン酸注射は、残念ながら重症の膝痛には効果が期待できません。
しかし、軽度な膝痛であれば、以下のような効果が期待できます。

  • 痛みをやわらげる
  • 膝関節の炎症をおさえる
  • 膝の動きを良くする
  • 膝軟骨の変形・すり減りをおさえる

まとめ

ヒアルロン酸はもともと人間が身体に持っている成分ということもあり、注射による副作用はほとんどありません。
膝痛の場合、ヒアルロン酸注射は保険が適用されます。
料金・回数の目安、効果の程度を考慮しながら、運動療法など他の両方と併用して治療を受けることが大切です。
>