目の下のクマやたるみってどうやって解消できる?PRP療法とは?

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2020/10/30 更新日:2020/11/27

歳を重ねるにつれ、目の下のクマやたるみが気になるようになった、という人は少なくありません。
目の下にクマやたるみがあると、どうしても実年齢より老けて見えたり、疲れた印象を与えてしまいます。
気になる人は早めに解消した方が良いでしょう。
ここで紹介するPRP療法は、目の下のクマやたるみを治すのに効果的な治療方法です。
この記事ではPRP療法についてと、クマの種類と種類別の対処法について詳しく説明していきます。

PRP療法について

PRP療法について
そもそもPRP療法とは一体どういうものなのでしょうか。
PRP療法の特徴やどのような人が受けたらいいのか?その他、治療後の気になるダウンタイムについても説明していきます。

PRP療法とは

PRP療法は血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、人間の自然治癒力を最大限に引き出して行われる治療法です。
PRPとは多血小板血漿(Platelet-rich plasma)の略で、血液中の血漿を遠心分離させて調整した、血小板を多く含んでいる成分のことです。
血小板は主に、血管が壊れた時に傷口に凝集し出血を止める働きをしますが、同時に成長因子を放出し損傷した部分を修復する働きも担っています。
そのためPRP療法は、皮膚科の床ずれややけど、糖尿病などによって起こる壊疽、そしてスポーツ選手に起こるひざの痛みや筋肉の損傷などにも再生促進の治療法として使われてきました。

では、美容医療においてPRP療法はどのような効果があるのでしょうか?
血小板の成長因子の働きは加齢とともに減少していきます。
そして、細胞の活性化や修復が遅れることによって、しわやシミなどの老化症状の原因となります。
一般的に20歳ごろをピークに徐々に成長因子は減少していきますが、自身の血液から抽出した成長因子を外から補充することにより、細胞の活性化や修復を促し、コラーゲンやエラスチンの生成が活発になることで、気になる部位のしわ、たるみ、クマなどを改善して若々しいお肌へと導く効果があるのです。
また、自分自身の血液から抽出したPRPを使用することから安全性も高く、アレルギー反応も少ないという特徴があります。

PRP療法を受けた方が良い人

PRP療法は、皮膚の老化を最小限に抑えたい、肌の組織そのものを再生して、自然な印象で若々しく蘇らせたいという人に向いている治療法です。
PRP療法では顔全体の治療が可能ですが、特に、目元であれば、目の周りに細かいしわがある、乾燥気味でツヤ、ハリがなくなってきた、目の下がたるんでクマが目立つようになった、という人にお勧めできます。
また、老化によるこめかみのしわや頬のしわが気になる人、 目頭のあたりから頬の中央に沿って斜め下にのびるゴルゴラインが目立ってきた、という人は、範囲が他と比べて広いこともあり、PRP療法を受けると効果を感じやすいでしょう。

そして、口周りの皮膚がくすんで弾力がなく、乾燥気味で悩んでいる方、口周りの小じわや縦じわが気になる、という人にもお勧めできます。
お肌の悩みは人それぞれですが、40代以降になると肌のたるみやハリのなさなど、目で見て分かる変化を感じる人も多く、それらの気になる部位にPRP療法を受けることで、皮膚の内側から活力を取り戻し、顔全体を若々しい印象に変えることができるでしょう。

水光注射とは

PRP療法といっても、クリニックにより注入方法は様々ですが、中でもおすすめなのは水光注射による治療法です。
水光注射は、専用のマシンで美肌成分やコラーゲン活性のPRPを、表皮のすぐ下の真皮と呼ばれる浅い層へダイレクトに注射します。
一人ひとりの皮膚の状態に合わせ、針の長さや注入する量を精密にコントロールできるため、仕上がりが凸凹になる心配がなく、まんべんなく均一に、そして素早く注射することができるのが特徴です。
また、使用される針は非常に細く、痛みをほとんど感じません。

水光注射では極細の針を肌に注射しますが、注入した美肌成分やPRPとは別に、皮膚を傷つけることによって自然治癒力(創傷治癒作用)が働きます。
傷がつくと皮膚と皮下組織で出血しますが、同時に血小板の成長因子が放出されます。
そうするとコラーゲンやエラスチンの生成が活発になり、潤いやハリ、弾力のある美肌へと導いてくれるのです。
PRP療法の自然治癒力を最大限に引き出すとは、PRPを注入するだけでなく、創傷治癒作用をも利用することにあります。

PRP療法のダウンタイム

PRP療法を行うにあたって、どのくらいのダウンタイムが必要になるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
PRP療法では、治療後、個人差はあるものの、腫れや赤みが出る場合があり、およそ3日から2週間は続きます。
治療後の腫れが心配になる人もいるかと思いますが、腫れは肌本来の自然治癒力が活性化されている証拠であるため、あまり心配する必要はありません。
1~2週間ほどは、内出血が出る場合もありますが、治療した日の数時間後、もしくは翌日にはメイクが可能なので、コンシーラー等で隠すことができます。

人によっては注射したことにより患部に軽度の炎症が起こり、痛みが2、3日続く場合もありますが、こちらも時間の経過とともに消失していきますので、心配はいりません。
治療後は、激しい運動や数日間お酒を控えるなど、いくつか注意点もありますが、日常生活に大きな影響が出るほどの制限はありません。
ただし、目元など皮膚の薄い部位にPRP療法を行った場合は、腫れなどの症状が長引く傾向にあります。
連休や長期休暇を使うなど、他の部位よりもダウンタイムを長めに用意しておくと安心です。

クマの種類

クマの種類
ここからは、疲れた印象や老けた印象をあたえてしまうクマの種類について説明していきます。
クマと一口に言っても、クマには「茶クマ」と「青クマ」「黒クマ」の3種類があり、それぞれ原因や見た目も異なります。
各クマの特徴を知り、自身がどの種類のクマなのか把握しておきましょう。

茶クマ

茶クマは色素沈着や、角質の肥厚、小さなシミが集まることで目の下が茶色く、くすんだように見えるクマのことです。
シミやそばかすができやすい体質の人や、しっかりアイメイクする人に多いクマです。
茶クマかどうかの判断基準は、クマのある部分の皮膚を引っ張った時に、クマが皮膚ごと動くかどうかで判断することができます。
皮膚ごと動く場合には茶クマであると判断できます。
また、下を向いたりしても薄くならないのが茶クマの特徴です。
茶クマができてしまう主な原因は、花粉症やその他のアレルギーで目を頻繁にこする、または、メイク落としの際に目をこすってしまうことです。

目元をこすることで皮膚が刺激され、色素沈着が起こってしまうのです。
その他、紫外線のダメージや肌のターンオーバーの乱れによって、色素沈着や角質の肥厚が起こることもあります。

青クマ

青クマは寝不足や目の疲れ、血行不良により目の下が青黒くなっているクマのことです。
冷え性や頭痛の悩みを持つ人、デスクワークの人に多いクマです。
茶クマと違い青クマは、皮膚を引っ張った時にクマは動かず、皮膚の周りだけが引っ張られてやや薄くなったように見えるのが特徴です。
運動不足やストレス、睡眠不足の状態が続くことも、血管が縮まり血行が悪くなる原因となります。
特に冬場は血行不良が原因で青クマが発生する人が増えると言われています。
その他、パソコンやスマートフォンなどを長時間見る事による眼精疲労も青クマの原因とされています。
目の下の皮膚はとても薄いため、血流の悪くなった青黒い血管が透けて目立ってしまうのです。

黒クマ

黒クマは加齢によるたるみや小じわによって目の下に影ができ、黒く見えるクマのことです。
目元や口元が乾燥しやすく、ほうれい線の目立つ人に多いクマです。
顔のむくみもあるとさらに黒クマが目立って見えてしまいます。
黒クマの場合は皮膚を引っ張るとクマ自体が消えるのが特徴です。
仰向けに寝たり上を向いたりしてクマが消えれば黒クマであると判断できます。
黒クマの主な原因は、加齢よる目の周りの眼輪筋の衰えやコラーゲン不足です。
コラーゲンは25歳ごろをピークに少しずつ減少していき、40代ではピーク時の半分程度にまで低下してしまうのです。
コラーゲン不足で肌のハリがなくなった皮膚はたるみ、影ができて黒クマとして現れます。

眼輪筋の衰えは加齢だけでなく、パソコンやスマートフォンなどの画面の見過ぎによって瞬きの回数が減り、筋肉が使われなくなることも原因とされています。
また、もともと涙袋の大きな人も黒クマが現れやすい傾向にあります。

クマの種類別の対処法

クマの種類別の対処法
次は、クマの種類がわかったところで、どのように対処していけばクマの症状を抑えられるかについて紹介していきます。
クマによって対処法が異なりますので、適切なケアを行いクマを改善していきましょう。

茶クマ

茶クマの主な原因は色素沈着によるものです。
そのため、皮膚を新しいものに生まれ返させるターンオーバーを活性化させることが重要になります。
ストレスや偏った食事、睡眠不足によって肌のターンオーバーは乱れてしまいます。
ターンオーバーを整えるためには、バランスの取れた食事と規則正しい生活、ストレスフリーな生活を基本とし、ターンオーバーに有効なビタミンCを多く含むレモンやアセロラ、キウイフルーツを摂取することが効果的です。
日頃のスキンケアでは、保湿をしっかりと行うことで、目の下の皮膚を新しいものに交換させる作用を促します。
基礎化粧品に加え、ビタミンC誘導体が配合されたアイクリームや美容液を使用して保湿することもお勧めです。

アレルギーなどでついつい目をこすってしまうという人は、室内環境を整えたり、医師に点眼薬などを処方してもらい、かゆみの発生そのものをおさえるようにすると良いでしょう。
メイク時や、メイクを落とす際にもついつい目をこすってしまいがちですが、目元はやさしく扱うようにしましょう。
また、紫外線の強くなる季節だけでなく、年中紫外線対策をすることで色素沈着を防ぐことができます。
茶クマは他のクマに比べ、性質上解消するまでに時間がかかります。
気長にじっくり治していきましょう。

青クマ

青クマの主な原因は血行不良によるものです。
そのため、血流を良くする食生活や生活習慣へと意識して変えていくことが重要です。
現代人は昔よりも基礎体温が低く、月経異常や栄養不良が多い傾向にあると言われています。
体温が低いと血流が悪くなり免疫力も低下してしまいます。
日頃から運動や入浴を積極的に行って体温を上げ、血の流れを良くしていきましょう。
免疫力アップにも繋がります。
食生活においても、冷たいものや甘いものは控えて、タンパク質やミネラルを摂るようにすると良いでしょう。
また、アントシアニンというカシスやブルーベリーなどに含まれるポリフェノールは血の巡りを良くすることで知られています。
積極的に摂取しましょう。

入浴時や入浴後のリラックスタイムにマッサージを行ったり、目元に温かいタオルをおいて血流を良くするのも効果的です。
また、パソコンやスマートフォンを長時間見る習慣のある人は、適度に休憩をとったり長時間にならないよう習慣を変えていくことも大切です。
疲れているとクマが悪化してしまうのでストレスをため込まないようにしましょう。

黒クマ

黒クマの主な原因は、たるみや眼窩脂肪が飛び出てくることです。
これらをおさえるために、眼輪筋など顔の筋肉を鍛えてたるみを改善することが重要です。
眼窩脂肪は、眼輪筋の内側にある脂肪のことで、眼輪筋の衰えによって支えられなくなると前に飛び出てきてしまいます。
そのため、眼輪筋を鍛えることが眼窩脂肪の飛び出しを抑えることにつながります。
目をぎゅっと5秒間閉じ、ゆっくりと大きく開けるエクササイズや、目を大きく見開いて八の字を描くように、瞳をくるくる回すエクササイズが効果的です。
繰り返し行ってみましょう。

日頃のスキンケアでは、肌のハリをサポートするセラミドやレチノールの含まれた美容液を使用して保湿することがお勧めです。
また、コラーゲンの生成を促すビタミンC誘導体を配合したアイクリームや美容液は、茶クマにも黒クマにも有効です。
先ほど説明したPRP療法では、全てのタイプのクマに対して効果がありますが、特に、加齢により若さを失った目の下の黒クマは変化を感じやすく、黒クマの悩みを持つ人にお勧めです。

PRP療法でクマの悩みを解消しよう!

PRP療法でクマの悩みを解消しよう!
PRP療法は目の下のたるみやクマ、目の周りの小じわに悩みを持つ人に有効な治療法です。
治療後はダウンタイムとして3日~2週間ほど必要になりますので、2週間ほど休みを取ってから治療を行うと良いでしょう。
また、自分のクマの原因を知り、しっかりと向き合うことでクマの悩みを解消していくことができます。
あらかじめ自分のクマの種類を把握し、ここで紹介した対処法に取り組んで、理想の目元に近づけていきましょう。