医療レーザー脱毛とは?その効果や仕組みを徹底解説

近年テレビや電車などでも目にしない日がないと言っても過言ではない「医療脱毛」の広告。
永久脱毛をしたいという人は、女性だけでなく男性にも増えてきており、今やメジャーな美容行為の一つになっていると言えるでしょう。

そうした中で混乱しやすいのが、病院やクリニックで行う医療脱毛と、エステサロンなどで行うエステ脱毛の違いです。
どちらも脱毛とついていることから同じ種類のものと勘違いされがちですが、その中身は全くの別物。
一般的に医療脱毛というのは、専用のレーザー機器を用いた医療レーザー脱毛のことを指しています。

そこで今回は、「医療レーザー脱毛とは?その効果や仕組みを徹底解説」していきます。

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医療レーザー脱毛とは

医療レーザー脱毛とは
毛は皮膚から上の部分を毛幹、皮膚より下の部分を毛根と呼びます。
そしてその毛根部分の一番下にあるのが毛乳頭と呼ばれる部位で、髪の毛はそこから栄養を吸収し、毛を成長させています。
つまり、この毛乳頭がある限りは、毛はいくら抜いても次々に生えてきてしまうということ。
医療レーザー脱毛とは、この毛乳頭をレーザーの力で焼き切り、処分することによって、発毛・育毛のサイクルを起こさせないようにする脱毛方法なのです。

このレーザーは非常に強力なパワーを持っており、使い方を誤ってしまうと人体に悪影響を及ぼす可能性もゼロではありません。
ですので、医療レーザー脱毛は必ず医師免許をもった専門医が施術に当たらなければいけないルールになっており、脱毛とは言え、外科や内科などと同じ、一つの医療行為として扱われています。

医療脱毛とエステ脱毛の違いとは

対してエステサロンなどで行われるエステ脱毛では、光脱毛やワックスを用いた脱毛が主流になっています。
光脱毛は医療レーザー脱毛と似たような機械や方法で毛の処理をしていくのですが、レーザーのように毛乳頭にまでパワーを届かせ、根元から毛を退治することはできません。
光脱毛後、一見すると表面から毛は無くなりますので、脱毛が完了したように思えてしまうのですが、皮膚の中にはまだ毛が残っており、時間とともに毛は再び生えてきてしまいます。
ワックスなどを用いた場合も同様で、毛を抜くことができたとしても、毛乳頭やそこで毛を生み出す働きをする毛母細胞が存在しているかぎり、毛は一定のサイクルで必ず生えてきてしまうのです。

つまり、永久脱毛を希望するのであれば、医療レーザー脱毛以外にその方法はないということです。
よくよく読めばわかるのですが、エステ脱毛系の脱毛には永久脱毛という言葉が使われていません。
それはその効果が一時的なものであり、皆さんが脱毛と聞いて期待するような永続的な効果が無く、定期的な施術を必要としているからなのです。
ですので、ことエステ系の脱毛に関しては、「初回○円」や「全身施術で○円」といったような、安価であるという部分をアピールしがちになっており、人々もそれに釣られてしまっているのですが、結局は何度も通わなければならなくなり、また永久に毛が生えてこなくなるわけでもない、ということを覚えておきましょう。

またレーザーであれ光であれ、皮膚組織へ干渉することによってその効果を発揮するものですから、一時的とは言え、少なからず肌へのダメージがあるものです。
場合によっては肌トラブルなどを引き起こす原因になってしまうこともあるでしょう。
そうした際、医療レーザー脱毛を行うのは医療機関ですから、万一のトラブルに対し、適切かつ迅速に医師の診察が受けることが可能になります。

医療レーザー脱毛で用いるレーザーの種類

レーザーの種類
ここからは、医療レーザー脱毛で用いるレーザーの種類について解説していきましょう。
そもそもレーザー脱毛とは、レーザー光線が特定の色に吸収される性質を利用し、毛に含まれるメラニン色素(黒い部分)を攻撃。
毛の再生をつかさどる組織や機能を破壊することによって永久的な脱毛を目指す方法です。

医療レーザー脱毛の世界では、主に「アレキサンドライトレーザー」と「ヤグレーザー」、そしてその中間に位置する「ダイオードレーザー」という3つの波長が違うレーザーを用いて施術を行っていきます。
以下に、それぞれの特徴を紹介していきます。

アレキサンドライトレーザーの特徴

755nmという波長を用いたレーザーで、医療レーザー脱毛では最も一般的と言えるのがこのアレキサンドライトレーザーと言えるでしょう。
日本人の肌のメラニン量との相性が良いため、特にロングパルスアレキサンドライトレーザーは多くのクリニックで採用されています。
皮膚したおよそ1.8mmの位置までレーザー光線を届かせることができるため、どの部位の毛に対しても高い効果が期待でき、皮膚に冷却ガスや冷却風を吹き付けながらレーザーを照射しますので、痛みの緩和も期待することができます。

レーザーが届く深さに関してもそこまで深くはありませんので、初めてレーザー脱毛をするという人にも向いています。
またアレキサンドライトレーザーにはコラーゲンの再生を促すとも言われており、肌のハリや毛穴の引き締めにも効果を発揮するでしょう。さらに、メラニン色素を攻撃するという特性上、シミやそばかすといった皮膚の黒ずみ解消にも活用できます。

しかしその一方で、比較的浅い部分にレーザーを照射するため、日焼けをし過ぎてしまい肌が黒くなり過ぎていると、本来効果を出したい毛根部分以外の箇所にもレーザーが影響することもありますので、施術前はできるだけ肌を焼かない方が良いでしょう。
元々肌の色が黒い黒人の方などには使用できません。
また男性の髭など、毛根の位置がかなり深いところにまで達している場合には、その効果を100%発揮できない場合があります。その場合は、通う回数を増やしたり、違う種類のレーザーを用いることで対策を行います。

ヤグレーザーの特徴

1064nmという波長を用い、アレキサンドライトレーザーよりも深部にレーザー光を届けることができるのがヤグレーザーです。
皮膚の下深くに光を当てるため、先ほど紹介したような肌の黒い人や日焼け後の肌にも使うことができ、さらに髭などの毛根が深いところにある部分への照射でも高い効果を期待できるのが最大の特徴と言えるでしょう。
また波長が長いおかげでメラニン色素が薄い毛にも効果を届けることができ、アレキサンドライトレーザーでは効果があまりない産毛にも対応することが可能です。

一方で、深い位置にレーザーを当てることから、その痛みがかなり強いと言われており、人によっては途中で施術を断念してしまう人もいるぐらいです。
どちらかというと、アレキサンドライトレーザーでメインとなる部分を脱毛したのち、足りない部分やもう少し攻めたいと思う箇所にピンポイントで使っていくのがおすすめです。

ダイオードレーザーの特徴

800~810nmの波長を用いるダイオードレーザーは、アレキサンドライトレーザーにくらべて、やや柔軟に日焼けに対応することができるとされています。
他のレーザー脱毛ヘッドと比べて照射範囲が広く、短時間で効率よく脱毛することが可能で、レーザーが届く深さもヤグレーザーほど深くはないため、痛みも少なく、低刺激で安全にケアができるでしょう。

医療レーザー脱毛の副作用について

医療レーザー脱毛は、レーザーの照射によって毛や皮膚組織を攻撃することによって脱毛を行う行為ですので、皮膚への一時的なダメージを避けることはできません。
代表的な副作用が毛嚢炎と呼ばれるもので、いわゆるニキビのような皮膚の炎症が起こる場合があります。
またレーザーの力によって火傷に近い症状が出てしまったり、逆にその火傷を防ぐための冷却が効きすぎて、凍傷のような症状が出ることもあります。

そこまでひどい症状にはならなくとも、肌のダメージは確実にあるものですので、ひりつきや赤みなどは比較的出やすくはなるでしょう。
しかし、医療レーザー脱毛を実施しているのは医師免許を持った専門医ですので、こういった症状に対するケアもスピーディに行うことが可能です。
もしも施術後にこのような症状が出てしまった場合は、すぐに医師に相談し、早めに対処をすることでそのダメージを最小限に留めることができるはずです。

ごく稀な副作用の例として、レーザー脱毛を行った結果、逆に毛が硬くなってしまったり増えてしまったりするケースがあります。
これは硬毛化と呼ばれる現象なのですが、そのメカニズムや原因は正確には解明されていません。
一説には、本来レーザー治療で破壊されるはずの組織が、その刺激によって逆に活性化をしてしまい、通常以上に毛を生成してしまうようになるからだとも言われていますが、脱毛を目指してきた人にとってはかなり怖い副作用と言えますね。
とはいえ、発症する確率は1%以下しかなく、また発症したとしてもレーザーの波長を変えたり、照射するパワーを変えるなどの対策法がありますので、あまり重く考える必要はないでしょう。

医療レーザー脱毛でも、何回も通わないといけない?

何回も通わないといけない?
永久脱毛であり、レーザーを照射して組織を破壊しているのだから、1度施術をすればもう2度と行かなくても大丈夫と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、医療レーザー脱毛においても定期的な施術は必要になります。

というのも、毛には毛周期という毛の成長サイクルがあり、成長期、退行期、休止期の3つの状態に分かれています。レーザー脱毛は毛乳頭にレーザーを当て、毛そのものと周りの組織を一緒に攻撃することによってその効果を発揮するものですので、そもそも毛が抜け落ちてしまっている休止期や、毛は生えているものの周りの組織と繋がっていない退行期にレーザーを照射しても効果がありません。基本的には成長期にある毛に対してのみ、その効果を発揮するのです。

このサイクルは2~3ヶ月ごとに一周し、腕やワキと言った同じ部位であっても毛穴ごとにその周期にバラつきがあります。ですので、例えばワキに対して一度レーザーを照射しても、成長期の毛はそれである程度処理をすることはできますが、退行期や休止期の毛はそのまま組織が生き続けていますので、そこが成長期のサイクルに入った段階で再び毛が生えてきてしまうのです。

脱毛をする人の気持ちとしては、「施術後は一本の毛も生えてこない」というのが理想ではあると思いますが、医療の世界や施術者の立場としては、「最終脱毛をしてから一ヶ月後の毛の再生率が20%以下であれば永久脱毛と認める。」という米国電気脱毛業界が定めたルールがあるため、その差をしっかりと理解しておくことが大切ですね。

医療脱毛の回数と期間

先ほど紹介した通り、毛には毛周期という成長サイクルがあるため、一度にすべての毛を処理することはできず、また部位によって毛の密度も異なっていますので、医療レーザー脱毛を行う場合は、1~2ヶ月程度の期間をあけながら、定期的に施術を行う必要があります。
永久脱毛をする部位として人気のワキなどは、産毛などは多少残るものの、自分の手でケアする必要がほとんどないという状態を目指すのであれば、5~6回程度の施術と、1年程度の期間を必要とするでしょう。VIOなどへ範囲を広げると、回数も7~10回程度、期間も1年半程度を目安にしておくと良いですね。産毛すらもほとんど残っていない状態を目指すのであれば、この倍程度の期間と回数を重ねなければなりません。

こう考えると金額面や期間面での負担が大きくなってしまうように感じるかもしれませんが、医療レーザー脱毛は終わりの有る治療です。エステなどで行う脱毛に関しては、何度続けても毛が無くなるということはありませんので、自分が満足できる段階に達することができるまで、と考えれば、医療レーザー脱毛の方が効果的と言えるでしょう。

永久脱毛を目指すなら医療レーザー脱毛で

医療レーザー脱毛で
医療脱毛とは何なのか?そして、それらの施術の際に使われるレーザーの種類や効果に関して解説してきました。永久脱毛への道は決して楽なものではありませんが、その効果を最大限に発揮し、希望通りの成果を出すためには、エステ脱毛ではなく医療レーザー脱毛を実施、毛の元から処理をしていかなければなりません。専門的な機械を使い、高度な技術を必要とする施術だからこそ、料金や知名度といった広告のインパクトだけで決定するのではなく、医師の雰囲気やクリニックの考え方なども参考に、ぜひ自分にあったところを見つけるようにしてくださいね。