涙袋にヒアルロン酸を注入するという整形術が注目されています。
いわゆるプチ整形ですが、施術後はすぐに顔の印象が変わります。
この記事では、涙袋にヒアルロン酸を注入する整形術について、施術が向いている人やヒアルロン酸注入後の経過、ヒアルロン酸の持続時間、さらに術後に起こり得るトラブルなどについて紹介します。
銀座禅クリニックのヒアルロン酸注入について下記ページで解説しています。
目次
涙袋とは
涙袋とは涙堂とも呼ばれ、下まぶたの縁の丘のようなぷっくりとした膨らみの事を言います。
涙袋の袋の中身はほとんどが筋肉で、目をつぶるときに収縮する眼輪筋によって生み出されます。
目の周りを取り囲んでいる眼輪筋は同心円状に3つのパートに分かれており、その中の中央に位置する部分が盛り上がって涙袋として形成されるのです。
ちなみに涙袋は個人差があり、笑った時だけ膨らみが強調される人もいれば、何もしていない状態でも目立つ人もいます。
そもそも筋肉のため、普段から力を入れる癖がある人なら自然に鍛えられ、涙袋も目立つようになるのです。
また人によっては左右差が見られる事もあります。
涙袋を強調したい、大きくしたいと整形を希望する人が増えているのは、涙袋があると顔の印象が大きく変えられるからです。
例えば目の大きさ自体は変わりませんが、涙袋によって目の存在感が広がり、結果的に目も大きくなったように感じられます。
さらに涙袋は常に笑みを浮かべているような、優しくて愛らしい雰囲気を作り出してくれます。
ただし、涙袋もいつまでも綺麗な状態を維持できる訳ではありません。
加齢の影響で下に垂れ下がり、涙袋上にも小じわが寄りやすくなります。
また眼輪筋が衰えると、いつの間にか涙袋が消えてしまうケースもあります。
涙袋の整形がおすすめな人
涙袋形成の施術に向いているのは、女性らしい優しい目元にしたい、目元全体を立体的に大きく見せたい、目元に若々しさを出したい、可愛らしい印象を作りたい、色気や女性らしさをアップさせたい、涙袋を作るために涙袋メイクを施している人などが挙げられます。
元々涙袋が目立つ人を除き、涙袋を大きくしたいと思っても、何もせず放置している状態では変化はありません。
自力で作りだすには眼輪筋を鍛えるトレーニングをするか、メイクで疑似涙袋を作るしかないのです。
トレーニングで作り出すにはそれなりの時間を要し、メイクであれば洗顔すれば消えてしまいます。
そのため、早く確実に涙袋を作るには整形が効率的な方法と言えるのです。
涙袋の整形する方法
涙袋の整形術にはどのような方法があるのでしょうか?
ヒアルロン酸を注入
涙袋形成にはヒアルロン酸注入法が効果的です。
注射のみの施術なのでメスを使う必要もありません。
いわゆるプチ整形となりますが、施術前には必ずカウンセリングを受けておきます。
仕上がりのイメージや希望を医師に伝えますが、口頭で説明するのが難しい場合は、有名人の写真などを持参すると自分の理想が伝わりやすくなります。
またクリニックによっては、希望を聞いた上で術後のイメージを画像でシミュレーションしてくれる所もあります。
施術方法は、下まつ毛の下部5~8ミリ周辺にヒアルロン酸を注入していきます。
片側につき3~4箇所針を刺していき、注入量は片側0.3~0.5cc程度にするのがポイントです。
注入量はカウンセリングで決まった涙袋の大きさによって調整しますが、ヒアルロン酸の量を多くすれば自分の理想通りに仕上がるとは限りません。
不自然な大きさになる可能性もあるため、必ず適量を守る必要があります。
また施術の所要時間は両目で10分程となっています。
ヒアルロン酸注入のメリットは、まず手軽に施術が受けられる点です。
注射自体も極細針が用いられるので、ほとんど痛みも感じません。
ただ人によっては、針を刺す時にチクッとした軽い痛みや注入時に何かが入ってくるような感覚を感じる事はあるため、希望すれば麻酔を使っての施術も可能です。
さらにヒアルロン酸は元々体内にある成分のため、アレルギー反応を起こす心配がありません。
ちなみに注入されたヒアルロン酸は、時間の経過とともに徐々に体内に吸収されていくため、効果を持続するには再施術を受けていく必要があります。
外科的治療方法
ヒアルロン酸注入以外には脂肪注入や、脂肪切除と自家組織移植といった方法もあります。
例えば脂肪注入は、お腹から吸引して採取した脂肪を、下まぶたに注入していきます。
脂肪の生着率は注入量の半分程度になりますが、一度生着すると半永久的に無くなりません。
ヒアルロン酸注入よりくっきりとした涙袋が形成出来るのもメリットです。
一方で限られた量の脂肪を均等に注入していくのは難しい作業で、凸凹した形になる可能性も否めません。
もし失敗して涙袋を取り除くとなった場合は、切開手術が必要になります。
脂肪切除と自家組織移植とは下まぶたの目袋の脂肪を切除し、下まぶたの筋肉を目尻の部分で引っ張った状態で固定し、縫合するという方法です。
脂肪を取って筋肉を引っ張る事で目袋の膨らみがへこみ、涙袋が強調されるのです。
もし涙袋が膨らまない場合は、下まつ毛の際の皮膚と筋肉の中に、自身の真皮や脂肪を移植するといった方法もあります。
仕上がった時の大きさや形の調整が難しく、余った皮膚も切除しなければならないので、1週間は糸がついた状態です。
その他、下まぶたの筋肉である切開眼輪筋を縫縮し、丘を造って涙袋を形成させる方法を行うクリニックもあります。
いずれにしてもヒアルロン酸注入以外の涙袋形成術を採用しているクリニックは、あまり多くありません。
一人ひとりのまぶたの状態は違い、顔全体のバランスを考えながらアプローチしていかなければいけないので、医師には高度な技術が求められるのです。
ヒアルロン酸注入後の経過
ヒアルロン酸注入後、どのような経過をたどっていくのでしょうか。
内出血
ヒアルロン酸注入はプチ整形ですが、少なからずダウンタイムは発生します。
ただメスを使った施術よりは軽く済みます。
術後の症状として代表的なものが内出血で、およそ10人に1人の割合で発生します。
内出血が起こる原因は血管に針が触れて傷つくためで、皮膚の下で出血して肌が紫色になるのです。
打撲した時と同じような症状ですが、通常なら徐々に赤みが消えて黄色くなり、軽いものなら1週間程度、強い内出血なら2週間程度で治まります。
基本的には完治までそれほど時間はかかりませんが、施術後の行動によって内出血が酷くなるケースもあります。
例えば施術直後に筋トレやランニングなど激しい運動をする、熱いお風呂に長時間入る、お酒を大量に飲むといった行動は、血行を促進させるので控えた方が無難です。
また、内出血で人目が気になる場合はメイクで隠す事も可能です。
施術の数時間後には普段通りにメイクが出来るようになり、コンシーラーやファンデーションを使えば内出血もしっかり隠れて目立たなくなります。
ちなみにクリニックによっては、マイクロカニューレを使用している所もあります。
マイクロカニューレとは針の先端が丸くなっており、何度も針を刺さずに、挿入する1か所だけ針を刺して処置していきます。
一つの穴から多方向へヒアルロン酸を注入していく方法で、針が血管に刺さるリスクも減らせます。
目元付近は血流が豊富で、元々内出血を起こしやすい場所であるため、マイクロカニューレは涙袋形成に最適と言えます。
腫れ、赤み
内出血同様に起こり得る症状が腫れや赤みです。
ヒアルロン酸を涙袋に注入した直後は、注射した箇所に腫れや赤みが数ヶ所発生します。
一般的には2~3日で症状は治まっていきますが、同時に内出血や感染症が起きた場合は長引く可能性もあります。
もし腫れが気になる場合は、アイスノン等を使って冷やしてみるのも良いかもしれません。
患部を冷やす行為は絶対に必要という訳ではないですが、多少は症状も改善されます。
また赤みは、メイクをすれば綺麗に隠れます。
施術直後のメイクに関しては、針穴からの出血が無ければ問題なく、洗顔も可能です。
ただしリキッドタイプのファンデーションは針穴から菌が入り込んで、感染症を引き起こす可能性があります。
安全面を考えると施術当日のリキッドファンデーションは避けた方が無難で、クリニックから帰宅する際にメイクをしたい場合は、パウダータイプのファンデーションを持っていくと安心です。
ヒアルロン酸の持続時間
ヒアルロン酸を注入した後、2~3日間は涙袋が注入直後より大きくなります。
これはヒアルロン酸が水分を吸収するためで、時間が経てば落ち着いていきます。
通常1週間もすれば理想通りの涙袋となり、その後はしばらく魅力的な涙袋を維持できます。
ただヒアルロン酸注入の効果は永遠ではなく、いずれ効果が消失するのがデメリットと言われる点です。
持続時間には個人差があり、平均は1年程度となっています。
短く感じられるかもしれませんが、目元のヒアルロン酸は他の部位に比べても吸収されにくく、比較的効果も長いと考えられています。
もちろんヒアルロン酸の注入量や製剤の種類も、持続時間に影響します。
注入する量が少ないと、たった3~4ヶ月で涙袋が消えて無くなったと感じられるかもしれません。
逆に一度に多くの量を注入すると、ヒアルロン酸が塊となって持続期間が長くなります。
また粒子が大きく硬いヒアルロン酸を選ぶと、効果が長持ちする傾向にあります。
ただし手触りが硬くなって見た目がボコボコしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
注入直後の美しい状態を維持するには、1年に1回、効果が切れる頃に再施術を受ける事です。
また少しでも持続期間を伸ばしたい場合は、2年以上の持続効果が期待出来る製剤を選ぶという方法もあります。
整形後に起こる可能性があるトラブル
基本的には安全なヒアルロン酸注入法ですが、施術後に起こり得るトラブルがいくつかあります。
まず一つ目がアレルギー反応です。
そもそもヒアルロン酸は体内に存在する多糖類の一種で、本来ならアレルギーは起こらないと考えられています。
ただ稀にアレルギー症状が出る人もいるため、もし異変を感じたらすぐに医師に相談した方が安心です。
アレルギーの具体的な症状は異常な赤みや腫れ、熱感などで、注入後から2週間の間に見受けられます。
アレルギーに対しての対処法は抗アレルギー剤の内服や点滴で、注入したヒアルロン酸をヒアルロン酸分解注射で溶かす処置も行われます。
施術後にしびれが生じる場合は、神経に注射針が当たった事が考えられます。
この場合は特に有効な処置方法はなく、自然に回復するのを待つしかありません。
回復するまでの期間は早ければ1ヵ月、長ければ3ヶ月以上かかる事もあります。
痛みを伴うトラブルとしてもう一つ、何らかの菌による感染で起こる化膿です。
注入した部位の熱感、痛みや腫れ、赤みは本来なら数日で治まる症状ですが、長引く場合は感染している可能性が高いです。
化膿に対しての処置はヒアルロン酸分解注射でヒアルロン酸を溶かす、内服薬の処方や抗生剤の投与、そして症状が酷ければ切開して膿を出すケースもあります。
希望通りの形にならないといったトラブルもあり得ます。
例えば注入部位が膨らみすぎと感じる場合は、浮腫みやヒアルロン酸の偏りが原因になっているかもしれません。
浮腫みは1~2週間で自然に解消され、ヒアルロン酸の偏りに関しては2週間ほど様子を見て、その後注入部位をマッサージします。
早く解消したい時は、ヒアルロン酸分解注射で膨らみを小さくする方法もあります。
また左右差が生じている場合は、原因は左右で吸収の度合いが違っているためです。
この場合は大きい方のヒアルロン酸を溶かす、小さい方に追加注入するなどして対処します。
注入部位の凸凹は、目の周りの皮膚が薄いが故に生じるトラブルです。
注入したヒアルロン酸の形が皮膚の表面に浮き出ている状態ですが、通常は1週間もすれば馴染んで滑らかになっていきます。
マッサージすると馴染みも早くなりますが、改善しない場合はヒアルロン酸分解注射を用います。
その他にも目袋が目立つ、しこりが触れるといったトラブルが起こる事もあります。
自然に治癒するケースもあれば、なかなか症状が改善されないケースもあるため、気になる時は遠慮せずに医師に相談する事が賢明です。
信頼できるクリニックで美しい涙袋を手に入れよう
ヒアルロン酸注入法による涙袋成形術は手軽に受けられ、かつ目元のイメージを大きく変える事が出来ます。
ダウンタイムがほとんどなく、安全性が高いのも魅力です。
ただし簡単な施術とは言え、繊細な部位であるため医師の技術力も求められます。
印象的な目元を手に入れるには、まず信頼できるクリニック選びから始める事が大切です。