内出血するって本当?涙袋のヒアルロン酸注射の特徴と内出血の防ぎ方

顔周りの美容医療は人気が高く当院でも多くの方が施術を受けており、特に「涙袋へのヒアルロン酸注射」が人気です。
しかし目元というデリケートな部位への施術による副作用が気になるという声も多く寄せられています。
ヒアルロン酸注射による代表的な副作用は内出血がよく知られていますが、これは正しく対処すれば予防する事が可能です。
今回は涙袋へのヒアルロン酸注射についてその特徴や副作用に予防策をご紹介します。

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ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸注射とは
涙袋にヒアルロン酸を注入する事で、目元を希望の形に整える事が出来ます。
目元のしわを埋める、溝を持ち上げるなど使い方は様々です。
このように皮膚の下へ注入しボリューム感を調整するために用いる物質を「皮膚充填材」または「注入材(フィラー)」と呼ぶ事も併せて覚えておきましょう。
なお、現代の美容医療で使用される皮膚注入材はヒアルロン酸の他にも「コラーゲン」「ハイドロキシアパタイト」など、合成注入材と呼ばれるものがあります。

上記のように皮膚注入材には様々な種類がありますが、その中でもヒアルロン酸は1996年のヨーロッパで初めて製品として認可が下りて以来最もポピュラーなものとして浸透しています。
なお、日本では2014年に初めて厚生労働省が承認した製剤が発売されました。
皮膚の深いしわや溝に対して直下に注入する事で、そのしわや溝を目立たなくさせる事が可能です。
さらに、ヒアルロン酸は注入部位の水分を保つ効果が出来ます。

ヒアルロン酸注射の特徴は?

ヒアルロン酸注射の特徴は?
皮膚注入剤として用いられるヒアルロン酸やコラーゲンは体内でも自然に生成されるものであり、加齢に伴って生成量が減少する傾向があります。
元々体内にも存在する成分であるため外部から注入しても皮膚に馴染みやすく、安全に使用出来ると言われているのです。
コラーゲンはヒアルロン酸よりも早い1980年代から皮膚注入材として用いられて来た歴史があり、現代の美容医療では一般的にウシ由来のコラーゲンが使用されています。
ただし、コラーゲンはたんぱく質の一種であり体質によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
通常、コラーゲン注入による施術の場合は1ヶ月以上前にアレルギー検査を行い、安全性に問題がない事を確かめます。

一方、1990年代になって採用されたヒアルロン酸はたんぱく質を主成分としていないので事前にアレルギー検査を行う必要がありません。
利用が始まった当時はトリ由来のヒアルロン酸が主流でしたが、バイオテクノロジーの発達によって動物由来のヒアルロン酸は少なくなりました。
たんぱく質には不純物となるものもありますが、ヒアルロン酸にはその心配が極めて少ないという点が大きな特徴と言えるでしょう。
アレルギー反応の可能性が低いヒアルロン酸は、すぐに施術を始められる皮膚注入材なのです。

涙袋について

涙袋について
人の目は下まぶたの縁に沿って丘のような膨らみが形成されており、これを一般的に涙袋と呼びます。
目の周りにある眼輪筋(がんりんきん)という筋肉が発達したものであり、笑った時にこのふくらみが強調されて顔の印象を左右するのです。
涙袋は加齢によってハリが無くなって垂れてしまう事も多く、ヒアルロン酸注射以外にもプチ整形を施す部位として知られています。
これは涙袋のふくらみを取り戻す事で若返った印象を与えられるためです。

涙袋は涙袋テープと呼ばれるアイテムを使用したり、普段のメイクでアイシャドウを入れる事で見た目を整える事が可能です。
しかしこれらの方法はあくまで一時的なものであり、テープやメイクを取り除いてしまえば見た目は元に戻ってしまいます。
プチ整形であれば恒常的に涙袋のふくらみを維持する事が出来るので、人気が集まっているのも頷けるでしょう。
また、テープやメイクではあくまで涙袋のふくらみを「演出」するというのが限界ですが、ヒアルロン酸注入では実際に涙袋がふくらむため本物の立体感が手に入ります。

涙袋のヒアルロン酸注射のメリット

涙袋のヒアルロン酸注射のメリット
涙袋へのヒアルロン酸注入には様々なメリットが期待出来ます。
例えば涙袋が笑顔の時に強調される部位である事は前述の通りですが、ヒアルロン酸注入によって涙袋がふくらんだ状態をキープ出来れば普通の顔をしている状態でも明るい印象になるでしょう。
加えて、涙袋がふくらむ事で下目蓋の辺りが持ち上がるため、結果的に少しタレ目のような目元に仕上がります。
タレ目は笑顔を可愛らしく見せる効果があるので、これも涙袋へのヒアルロン酸注射によるメリットです。

人間は誰かの目を見る時、涙袋から二重まぶたにかけて注視すると言われています。
涙袋がふくらんでいる事で目元に立体感が出るため、目を大きく見せる事が可能です。
適度にインパクトのある目元は第一印象や会話の際に良い影響を及ぼすでしょう。
また、ヒアルロン酸注射は施術直後に涙袋がふくらむので即効性が期待出来ます。
注入するヒアルロン酸の量や元々の涙袋の状態にもよりますが、基本的には自然な仕上がりで周囲にプチ整形がバレるリスクも低いという点も魅力です。

ヒアルロン酸注射の副作用はある?

ヒアルロン酸注射の副作用はある?
魅力的な目元の形成に多くのメリットが期待出来る涙袋へのヒアルロン酸注射ですが、一方で気をつけておきたい副作用もいくつか存在します。
予期せぬトラブルを避けるためにも、ここでヒアルロン酸注射によって起こりうる副作用の種類をしっかりと確認しておきましょう。

内出血

涙袋へのヒアルロン酸注射で最もよく報告される副作用が内出血です。
デリケート部分への施術なので細心の注意を払っていますが、ヒアルロン酸注入は注射器で行うため場合によっては皮膚の下で出血を起こす事があります。
しかし、注射による内出血は皮膚の薄い部分や毛細血管が集中している部位への施術では珍しい事ではないので、焦る必要はありません。
内出血したからと言って施術が失敗したという訳でもないので安心してください。
こうした注射による内出血は、そのまま放置しておいても一週間から二週間程度で目立たなくなります。
どうしても気になるようであれば、日常のメイクに使うコンシーラーやファンデーションなどで隠すのが自然な仕上がりなのでおすすめです。

むくみ・腫れ

注射した際の刺激によって目元の皮膚や筋肉が反応してしまい、むくみや腫れが起きるケースもあるので留意しておいてください。
また、ヒアルロン酸の注入量が多すぎた場合も一時的にヒアルロン酸が水分を吸収して過度にふくらむ事があります。
脚や顔のむくみであれば血行を促進させるマッサージを行う人も多いでしょう。
しかし目元は身体の中でも特にデリケートな部位であるため、むくみや腫れが起きている場合はむやみに触らないというのがベターです。
一般的にヒアルロン酸注射によるむくみや腫れは、そのまま放置しておけば一週間程度で収まります。
万一腫れやむくみが起きた際は、腫れ上がった部位を押したり強い刺激を与えたりしてしまわないように注意しながら日常生活を送ってください。

違和感・痛み

ヒアルロン酸を注入する部位によっては、多少の痛みや違和感を覚える人も少なくありません。
目元のようにデリケートな部位であれば気になる人は多いでしょう。
特に施術当日は注射による刺激で肌が突っ張ったように感じるというご相談も多いです。
こうした痛みや違和感は基本的に打撲に近い症状ですので、数日で治まるケースが一般的と言えるでしょう。
当院では一週間以上痛みや違和感が取れない、または看過出来ない痛みを感じるようであれば担当医への相談と受診をお願いしています。

チンダル現象

聞き慣れない言葉かもしれませんが、ヒアルロン酸注射の副作用には「チンダル現象」と呼ばれるものがあります。
チンダル現象とは皮膚の下に注入したヒアルロン酸が透けてしまい、青っぽいくまのように見える現象です。
目の周りのように皮膚が薄い部位にヒアルロン酸を注入した場合によく見られます。
実はヒアルロン酸とひとくちに言っても細かく種類が枝分かれしており、施術部位や体質に合わせて適したものを選ぶ事が重要です。
また、施術者の技術力によってもチンダル現象は未然に防ぐ事が出来ます。
ヒアルロン酸が皮膚に透けない程度の深さにしっかりと注入する事も、チンダル現象の防止において重要なポイントなのです。
施術前には担当医のヒアリングがありますので、チンダル現象が不安な場合はその際に詳しくご相談ください。

内出血を防ぐには?

内出血を防ぐには?
ヒアルロン酸注射による内出血は注射器を使用する以上、完全に無くす事は難しいというのが現状です。
ただし、限りなく内出血のリスクを下げる事は「マイクロカニューレ」という鈍針の注射針を用いる事で可能になります。
一般的に使用されている注射針は先端が尖った形状をしていますが、マイクロカニューレは先端が丸みを帯びた形状になっているのが大きな特徴です。
また、通常の注射針よりも柔らかい素材が使われているため、肌への刺激を和らげる事に成功しています。

先端が尖った通常の注射針は皮膚への刺激が比較的強く、血管に刺さった場合に大きな内出血を起こしてしまうリスクがあります。
特に涙袋周辺には血管が集中しているため、こうしたリスクをなるべく抑える工夫が重要になるのです。
先端が丸くしなる程に柔らかいマイクロカニューレであれば、こうした内出血のリスクを抑える事が出来ます。
また、通常の注射針は成分を注入するための穴が先端に設けられていますが、マイクロカニューレは針の側面に注入口があるのも特徴です。
これによって一回の注射で均一にヒアルロン酸を行き渡らせる事が可能になるので、血流障害などのリスクも抑えられます。
マイクロカニューレはヒアルロン酸注射に適した医療器具なのです。

施術後の過ごし方のポイント

施術後の過ごし方のポイント
涙袋へのヒアルロン酸注射は比較的手軽に利用出来る効果的なプチ整形として好評ですが、あくまで注射器を用いる医療行為という事を念頭に置いてください。
施術後のトラブルを避けるためには、施術後に適切な生活を送る事も重要になるのです。
当院では施術後の日常生活で以下の様なポイントに気をつけるようお願いしています。

激しい運動は禁止

ヒアルロン酸注射による内出血は体内の血流状況によって発生確率が変動します。
例えば施術直後には内出血が起きていなくても、施術後に激しい運動を行う事で血流が良くなると内出血を誘発してしまう可能性があるのです。
もちろん普通に歩く程度の運動や家事、重い荷物を運んだり走ったりなど激しい運動を伴わない仕事であれば行っても問題はありません。
施術当日には筋力トレーニングやランニングといった負荷の大きい運動は避けるようにしましょう。

なお、激しい運動以外でも血流が良くなるケースはあります。
例えば熱めのお風呂に長時間浸かるといった行動も血流を促進する代表例です。
内出血を抑えるためには、施術当日はなるべく温めのシャワーで済ませるのがベターと言えるでしょう。
食生活においては飲酒が血流促進に効果があると言われています。
晩酌で適量を摂取するのであれば問題ありませんが、施術当日に飲み会に行くといった予定があるようであればキャンセルしておくのがおすすめです。
もしくはその日の予定と相談して、安全に施術出来る日を選ぶようにしましょう。

メイクについて

女性として気になるのはやはり「メイクは施術してからすぐにしても良いのか?」という点でしょう。
メイクによる刺激でも内出血や腫れを誘発してしまう可能性はあるので、施術後にはアイスノンや氷のうなどで10分ほど施術箇所を冷やして一時的に血流を鈍くしておくのがおすすめです。
10分冷やして針穴から出血がない状態であれば副作用のリスクを抑える事が出来るので、施術後にメイクを施しても問題ありません。
また、メイク前やクレンジングのための洗顔もOKです。
出来るだけ肌への刺激が少ない自然由来の成分が多い洗顔料を使うのが理想的でしょう。

ただし、血流は鈍くなっていても皮膚に小さな針穴が残っている状態である事には変わりありません。
リキッドタイプの化粧品を使用している場合、メイクの際に針穴からバイ菌が入り込んで炎症や感染症など予期せぬ肌トラブルを招く可能性があるので施術当日の使用はなるべく控えるようにしてください。
比較的遠方から通院される方や施術後に予定がある方でメイクしてから帰りたいという場合には、パウダータイプの化粧品をおすすめしています。

マイクロカニューレを使おう

マイクロカニューレを使おう
涙袋へのヒアルロン酸注射は目元のしわや溝を持ち上げる効果があり、顔の印象を明るくしたい人におすすめのプチ整形です。
内出血など副作用を招くリスクもありますが、施術部位を冷やすなどの対処でリスクを抑える事も出来ます。
針先が丸いマイクロカニューレを用いる事で内出血のリスクを大きく下げる事も可能です。
内出血など副作用の防ぎ方を理解した上で涙袋へのヒアルロン酸注射を利用してみてください。