ボトックス注射の痛みは副作用?対処法と安心できるクリニックの選び方

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2020/05/12 更新日:2020/05/06

ボトックス注射は、美容整形などの人気の高まりとともに注目を集めています。
しかし、確率は低いとはいえ、痛みなどの副作用も報告されているため、ボトックス注射をためらっている人は多いのではないでしょうか。
以下では、痛みや副作用が現われたときの対処法を中心に、ボトックス注射について解説します。
ボトックス注射は手軽で効果が高い手法です。
詳しく知れば、前向きに検討してみたくなると思います。

ボトックス注射で痛みがでた場合は医師の診断を!

ボトックス注射で痛みがでた場合は医師の診断を!
ボトックス注射は比較的安全な施術として世界中で行われています。
患者の負担も軽く、施術にかかる時間も短いため、美容に興味がある方には手軽で選びやすい手法です。
しかし、副作用や痛みがともなう事例が報告されているので、施術を希望する場合には、副作用のリスクを把握しておかなければなりません。
ボトックス注射の副作用のリスクとはどの程度のものなのでしょうか。
また、痛みが出た場合にはどう対処するべきなのでしょうか。
以下では、ボトックス注射の副作用の程度と、万が一痛みや副作用があった場合についての対処を説明します。

ボトックス注射の副作用はまれなもの

ボトックス注射で使用される「ボトックスビスタ」は副作用の率が低いとされています。
しかしながら、最近ではボトックス注射の副作用が多く報告されるようになりました。
この背景には、美容整形が広く行われるようになり、ボトックス注射を希望する人が増えたことがあげられます。
希望者の増加にともない「ボトックスビスタ」やボトックス注射の知識や経験が不足している医師が、施術する機会が増えたからだと考えられます。
なぜなら「ボトックスビスタ」の副作用を伴ったケースは安全解析対象症例のうち1.2%しかないからです。

しかも、内訳の多くを占めているのは注射部位疼痛です。
注射部位疼痛は「ボトックスビスタ」を注射する際に、極細針で注射するか麻酔剤を使用することで防げます。
患部の痛みなら塗る麻酔剤を、注射が刺さる痛みならば貼る麻酔剤を選ぶとよいでしょう。
このように痛みは和らげる手法があるため、問題になることは滅多にありません。
にもかかわらず、注射部位疼痛の対処をしながらも痛みが長く続くのなら、それは「ボトックスビスタ」に問題があるのではなく、医師の技術や知識といった経験不足が、痛みなどの副作用を生み出している可能性が高いといえるでしょう。

痛みがでたら医師の診断を受けよう

ボトックス注射による痛みなどの副作用は、薬が強く作用したことで現れると考えられています。
そのため、ほとんどの副作用は、時間が経つとともに、自然に回復していきます。
特に痛みは、後々まで残ることはまずありません。
しかし、どれだけボトックス注射が安全であっても、施術によって顔の筋肉や神経に傷が付いていることは確かです。
また、自分では副作用に気づいていない場合も考えられます。
そのため、痛みが続く場合やなにかおかしな変化を感じたら、すぐに担当医に連絡をし、診断を受けるようにしましょう。

なお、痛みの強さや感じる期間は、皮膚や筋肉の部位や厚さによっても変わります。
注射による痛みが気になる人は、痛覚が敏感な場所に施術されるかを担当医に質問しておくとよいでしょう。

ボトックス注射の副作用とは

ボトックス注射の副作用とは
ボトックス注射は手軽で安全に受けられる施術ですが、副作用が起こる可能性はあります。
主な副作用は、施術後に表情に違和感を感じるといった感覚的な症状、全身の倦怠感などの体調を崩す症状、注射部位の腫れや赤み、内出血や痛みのような、ボトックス注射の施術箇所に起こる症状があります。
ボトックス注射をするにあたっては、副作用が起こるリスクを無視することはできません。
施術を受けることを決める前に、それぞれの副作用がどのようなものか認知しておくことが重要です。
以下では主だった副作用の症状ごとに解説しているので、1つずつチェックしておきましょう。

表情が不自然になる・違和感

ボトックス注射には筋肉を弛緩させる効果があります。
そのため、顔の複数箇所に同時に注射をした場合や、使った薬剤の量が多いときには、顔に違和感を感じるかもしれません。
予定していたよりも薬剤の効果が強く現われた場合には、表情筋の動きに支障がでるトラブルが報告されています。
表情筋の違和感によって、笑顔を作ろうとしても顔が引きつる、口角が左右で上がり具合が異なる、口角が下がってしまうなどです。
また、実際には施術が成功していても、表情に違和感を感じたり、瞼が普段よりも下がる感覚を持つなど、顔に不自然さを感じることがあります。
これは感覚的な症状で、多くの場合は術後の感覚に慣れると解消されます。

倦怠感

ボトックス注射の効果が強く現れすぎると、風邪のように体が重くだるいといった、倦怠感を起こすことがあります。
症状は一般的に数時間の安静で改善がみられます。
倦怠感は症状の程度に個人差が少なくありません。
人によっては倦怠感にともなって、めまい、吐き気、頭痛などを同時に引き起こします。
特に頭痛は、数日感続くことがあるため、注意しておかなければなりません。
ほとんどの場合、倦怠感と頭痛、他諸々の症状は数日のうちに収まります。

注射部位の腫れ・赤み・痛み

注射部位の腫れ・赤み・痛み
ボトックス注射は、注射時に強い痛みを引き起こし、注射部位に内出血、腫れや赤みを起こす場合があります。
注射は針を刺すので当然に皮膚や筋肉を傷つけることは避けられません。
特に、あまり技術が高くない医師の手でボトックス注射をすると、内出血や赤みといった症状が1週間ほど続く可能性があります。
しかし、最近では極細の針や麻酔クリームを用いることで、痛みや注射部位へのダメージを最小限にするよう務めているクリニックが増えているので、過度な心配は不要です。

また、注射部位の痛みや内出血は、時間経過とともに目立たなくなる一時的なものでしかありません。
赤みが目立つ場合には、ファンデーションなどで目立たないようにするとよいでしょう。
万が一、施術後に、ひどい痛みや腫れ赤みなどの症状が現れたり、症状の改善が進まないときは、担当医に相談するようにしましょう。

ボトックス注射後の注意点

ボトックス注射を受けたあとは、見た目には大きな変化はありません。
患部に赤みや黄色がかる程度で、それらもファンデーションなどで隠せる程度です。
しかし、ボトックス注射の効果を十分に発揮させ、副作用を引き起こさせないために、いくつかの注意点があります。
中でも注意したいのは、注射部位を揉んだりこすったりしない、治療後は横にならず、しばらくは激しい運動を控えるという点です。
これらの注意点はどのような理由から、施術後は控えるように注意されているのでしょうか。

注射部位を揉んだりこすったりしない

ボトックス注射をした後は、注射部位を触らないようにしましょう。
ボトックス注射は効果を与えたい部分に薬剤を直接注入する方法です。
そのため注射部を揉んだりしてしまうと、薬剤が狙った場所から拡散してしまいます。
薬剤が拡散してしまうと、ボトックス注射で期待していたほどの効果が得られなくなったり、広範囲に効果を及ぼして副作用を引き起こす可能性があります。
では、どの程度の間、患部を触らないようにすればよいのでしょうか。
ボトックス注射の効果は、体質によっての違いが稀にありますが、おおよそ処置後1時間から2時間程から現れ、2週間から3週間ほどの時間をかけて徐々に変化していきます。

そのため、ボトックス注射をしてから効果が現れるまでの1時間から2時間は、注射部位周辺に全く触れないようにしましょう。
無用な浸潤を避けるためにも、処置後数時間は注射部位を揉んだり、こすったりしてはいけません。
同様の理由で注射部位付近のマッサージも控えましょう。
薬剤の浸潤が安定するまでおよそ3日から4日の間は、注射部位やその周辺へのマッサージや刺激は避けましょう。
化粧や洗顔程度の刺激なら構いません。
ですが、化粧を落とす際や肌をケアするときには、注射箇所付近をマッサージしないように注意しましょう。

ボツリヌス注射は、術後に注射部位をいかに刺激しないようするかが大切です。
揉んだりこすったり以外の刺激も、なるべく避けるようにすることが無難です。
例えば、寝る際には注射部位を枕などで圧迫しないように、必ず仰向けで眠るようにしましょう。

治療後は激しい運動はしない・横にならない

治療後は激しい運動はしない・横にならない
ボトックス注射後は血液の流れが促進されるような行動は控えるようにしましょう。
血行が促進すると、注射部位が腫れやすくなるからです。
そのため術後しばらくは、血行を活性化させる激しい運動やアルコールの摂取も控えるべきです。
特にボトックス注射を受けた当日の運動や飲酒は厳禁です。
なるべく安静に過ごし入浴もシャワーで手短に済ませるようにしましょう。
また、術後は体温が高くなりすぎる行動も、ボトックス注射の効果を弱め、副作用を引き起こす可能性があります。

なぜなら、ボツリヌス毒はとても熱に弱い物質で構成されているからです。
注入後1週間ほどの期間は、サウナ、ホットヨガ、岩盤浴はおすすめしません。
なお、入浴時にボツリヌス注射をした部位に腫れや内出血がみられるときは、石鹸や洗顔フォームを使わずに水やお湯で洗い流す程度にしましょう。
なぜなら、石鹸などのアルカリ性の成分によって、ボトックス注射に使われているボツリヌス毒素の効果が失われる場合があるからです。
特に施術後にまだ注射針を刺した穴が残っている状態のときは、絶対に石鹸などを使わないようにしなければいけません。

安静にする場合にも注意点があります。
術後しばらくは横になってはいけません。
施術後に横になってしまうと、注射箇所にとどまるはずだった薬剤が思ってもない箇所にまで広がってしまう可能性があるからです。
広範囲にボトックス注射の効果が及ぶと、狙った箇所での効果が弱まり、施術の仕上がりに影響がでます。
表情に不自然さがでたり、シワが上手く消えなくなるかもしれません。
そのようなことにならないためにも、術後3時間は横にならないようにしてください。

ボトックス注射で痛みはある?

ボトックス注射には以上で紹介したような痛みや副作用が起こる場合があります。
しかし、痛みや副作用の多くは医師の技術や経験不足によることが理由で、ボトックス注射自体は安全性が高い方法です。
一般的にトラブルが起きる確率は低く、施術によって痛みや副作用を引き起こすことは基本的にありません。
また、施術の際には注射をする場所に麻酔をかけることもできます。
注射針によるチクッとしたわずかな痛みを感じる程度です。
小さな痛みも気になる注射が苦手な人は、希望すれば施術箇所に麻酔テープを張ってもらうことも可能です。
そのため、痛みを心配する必要はありません。

ボトックス注射のクリニック選びのポイント


ボトックス注射を受けたい方は、どのようなポイントに注視してクリニックを選ぶとよいのでしょうか。
クリニック選びで必ずチェックしたいポイント2つあります。
1つ目は、どんな医師が務めているかです。
ボトックス注射の実績や経験だけでなく、ボトックスビスタ認定医と名乗っている医師を選ぶとよいでしょう。
そして2つ目は、カウンセリングを重視しているクリニックを選ぶことです。
なぜ、この2つのポイントを重視しなければならないのか、それぞれの理由について次に解説します。

ボトックスビスタ認定医がいるクリニックを探す

クリニック選びのまず重視したいポイントは、希望するクリニックにボトックスビスタ認定医がいるかです。
ボトックスビスタ認定医とは、ボトックスビスタを使った治療の施注資格を認定する制度で、アラガンジャパンが実施しています。
より安全で失敗なく施術できるよう、ボトックスビスタの注入技術や知識を有していることを認定しています。
なお、アラガン・ジャパンとは、ボトックス注射で使われるボトックスビスタを製造する主流のメーカーであるアラガン社(Allergan、Inc.)の日本法人です。
ボトックスビスタ認定医であることにくわえて、術後の保証が充実しているクリニックであれば、より安心してボトックス注射を任せられます。

カウンセリングを重視するクリニックを選ぶ

ボトックス注射では保険適用外の治療もあるため、施術内容を詳しく説明できるクリニックを選ぶことが大切です。
不安なくボトックス注射を受けられるようにするためには、治療の有効性だけでなくデメリットについてもしっかりと説明ができる、カウンセリング体制の整ったクリニックを選ばなければなりません。
ボトックス注射で高い効果を得るためには、施術希望者の目的や適性を深く理解することが欠かせないからです。
術式に適性が合ってなければ効果も少なく、ボトックス注射を受ける目的が達成できない可能性があります。

なお、有効性や副作用について直接説明が受けられるだけではカウンセリングが重視されているとはいえません。
不明な点だけでなく、本人の悩みや心配事を率直に質問ができる、カウンセリング体制が整っているクリニックを選ぶとよいでしょう。

ボトックス注射は経験豊富な医師が在籍するクリニックへ


ボトックス注射は安全性が高く負担が小さい手法です。
若干の痛みや副作用が報告されていますが、その多くは医師の経験や知識の不足によるところが多いといわれています。
そのため、ボトックス注射を受けるにあたって、経験抱負な信頼できる医師が在籍するクリニックを選ぶようにしましょう。
万が一、施術で違和感を感じた場合には、速やかに治療を受けたクリニックの担当医に知らせ、判断を仰ぎ状態を調べてもらうことが大切です。