レーザーでたるみを解消!段階に応じた治療方法とは?

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2020/04/06 更新日:2020/05/06

シミ、シワ、たるみなど、年齢を重ねるごとに生じる肌悩みには様々なものがあり、しかもこれらが同時に現れてきます。
美容医療ではこうした加齢による肌の変化に対応した治療を行っていますが、今回はこの中でもたるみに着目します。
たるみはなぜ起こるのか、それに対しどのような美容医療が行われているのかを具体的に説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

顔まわりのたるみをチェック

顔まわりのたるみをチェックたるみとは、重力によって顔の形状が下垂した状態のことをいいます。
加齢とともに顔の様々なパーツで起きてきますが、特に頬や目の下で発生しやすく、老けて見える原因となります。

では、パーツ別に見ていきましょう。
頬の下部ではまず口角の横にくぼみができ、だんだん下に伸びて溝のようになり、いわゆるマリオネットラインという状態に。
頬は垂れて膨らみ、輪郭をはみだした状態になります。
頬の上部では鼻の横にほうれい線ができます。
これは頬の一番高いところがたるんで、鼻の横にくぼみができたものです。
進行するとほうれい線は口角付近にまで達し目立つようになります。
頬の外側は年齢とともにたるみ、やがてフェイスラインがあいまいになります。

目の下もたるみが目立つ部分です。
目頭の下が膨らみ、その横がくぼみ、やがて膨らみが下垂してたるみとして目立つようになります。

たるみはなぜ起きるのか

たるみはなぜ起きるのかたるみは加齢に伴い肌の様々な組織が衰えることで起きるものです。
まず肌では、ハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少して弾力が失われます。
皮下脂肪は代謝機能の低下によって厚くなり、重力に負けて下がってきてしまいます。
さらに肌や皮下脂肪を支えてきた顔の筋肉も衰え、支えが利かなくなってたるみが起きてしまうのです。

たるみの原因

たるみを引き起こす原因としては3つのことが考えられます。
まず1つは外的要因で、その主なものに紫外線と乾燥があります。
紫外線では特にUVAが問題で、これは波長が長いため肌の奥まで届き、真皮にダメージを与えコラーゲンやエラスチンを破壊してハリを失わせてしまうのです。
また、肌が乾燥するとターンオーバーが乱れるほかバリア機能も低下し、これもまたハリが低下する原因となります。

次に内的要因です。
体内にある活性酸素はウイルスから体を守る有用な働きもありますが、増えすぎるとコラーゲンにダメージを与えてしまいます。
最後は生活習慣によるものです。
睡眠が不足したり栄養が偏ったりすると肌に必要な酸素や栄養分が十分に行きわたらなくなり、新陳代謝の低下を招きます。
また、タバコは体内に大量の活性酸素を発生させ、コラーゲン生成に必要不可欠なビタミンCを破壊してしまいます。

たるみを抑制する有効成分とは

たるみを抑制する有効成分とは加齢や環境などの影響で、肌の潤いやハリ・弾力を保つ成分はどんどん減少していきます。
そうした成分を補うことが、たるみの抑制には重要です。

肌のハリと弾力を保つために必要不可欠なのがコラーゲンとエラスチン、それにヒアルロン酸です。
コラーゲンはロープ状の物質でネット構造を作っており、それをエラスチンが支え、ヒアルロン酸が隙間を満たしています。
コラーゲンが体内で生成される過程ではビタミンCが重要な役割を果たし、またエイジングケア成分として知られるコエンザイムQ10もコラーゲン生成に関与しており、この2つもたるみの予防や緩和には重要な成分です。

また、代謝機能の衰えもたるみの原因となりますが、この代謝を助けるのがビタミンEです。
血行をスムーズにして新陳代謝を促すのはもちろん、老化の原因となる活性酸素を抑制する働きもあります。

顔のたるみの症状

顔のたるみの症状顔の組織は表面から順に皮膚、脂肪、表情筋、顔面骨で構成されています。
このすべての層が加齢によって変化した結果、複合症状として起こるのが顔のたるみです。
では、それぞれの組織はどのように変化していくのか見ていきましょう。

皮膚を構成するのは表皮・真皮

皮膚は表面の表皮と内側の真皮から成ります。
表皮は加齢に伴ってターンオーバーが衰え、若いころに比べて厚みとしなやかさを失っていきます。
真皮はコラーゲンやエラスチンといった繊維組織とヒアルロン酸などの基質、そしてそれらを生み出す線維芽細胞から構成されるものです。
肌のハリと弾力は繊維組織とヒアルロン酸によって支えられていますが、加齢とともにこれらは減少し、また真皮が劣化してこれらの産生能力も低下するため、肌のハリと弾力は失われていきます。
シワというのは、このように肌深部の組織を維持できなくなるために生じる症状です。

皮下脂肪は複数のコンパートメントから成る

皮下脂肪はコンパートメント、すなわち複数のお部屋から成るものです。
若いときは平らに並んでいますが、年齢を重ねるにしたがって一つ一つが委縮し下垂して並びが乱れ、表面のなだらかさは失われます。

頬は浅層・深層の2層になっていて片側7つのコンパートメントがありますが、加齢に伴い頬中央の6つのコンパートメントはボリュームが減少、一方ほうれい線を覆う位置のコンパートメントはボリュームが増えます。
その結果、フェイスラインや口元のたるみが生じ、マリオネットラインが目立つようになったり、あるいは顔が縦に大きく見えるようになったりするのです。
一方、こめかみや瞼ではボリュームが減少して、へこみや落ち窪みが目立つようになります。

表情筋は数十種類の筋肉から成る

表情筋は場所によって使い方に違いがあり、よく使うところは筋肉が肥厚し、あまり使わないところは筋肉が萎縮していきます。
たとえば眉間にしわを寄せる癖のある方は、皺眉筋(しゅうびきん)が肥厚して盛り上がり、眉間に縦ジワができます。
また、口角をあげて笑うことの少ない方は、大・小の頬骨筋や笑筋が衰え、への字口や顔のたるみを引き起こしてしまうのです。
年齢と共に目立ってくる表情ジワは、表情筋の向きに対して直角に起こるもので、皮膚の老化も相まってはっきりと刻まれるようになってしまいます。

また、顔には表在性筋膜群(superficial muscular aponeurotic system:SMAS)というものがあり、表情筋と一体となって顔を支えていますが、これも加齢によってゆるみ、下垂してくるため対策が必要です。

骨は加齢とともに骨吸収がすすみ委縮する

年齢と共に骨吸収が進み、減少する骨密度。
この現象は骨粗鬆症の原因として知られていますが、顔の骨で起きた場合は上顎骨が縮小・後退し、下顎骨は減少・短縮して骨格が変わり、見た目に大きな影響を及ぼします。
また、顔の解剖学の発展からその存在が明らかにされたリガメント(靭帯)も、加齢により弛緩していくことがわかっています。
リガメントは骨膜から真皮の間にあって皮膚や脂肪・筋肉を重力から支えており、これが弛緩するとすべてが下垂してしまうわけです。

たるみの深度と変化のレベルによって治療方法が異なる

たるみの深度と変化のレベルによって治療方法が異なるたるみの治療には4つの方法があり、たるみの深度はどれくらいなのか、どの程度の改善を期待するのかによって選ぶことになります。
ここではその4つの治療法についてご紹介します。

照射治療

美容医療を始めて受ける方にとって、メスを使った治療は抵抗があるもの。
そんな方にまずおすすめなのは、腫れや傷の残りにくい照射系の治療です。
一般的によく知られているものには、RF(ラジオ波)を使うサーマクールと、HIFU(高密度焦点式超音波)を使うウルセラがあります。

サーマクールは、真皮層に作用して衰えたコラーゲンの再構成を促すものです。
日本に上陸した当初は400ショットで30万円程度とかなり高額でしたが、現在は普及したため7万円程度で行うクリニックもあります。
ウルセラは⽪膚の筋膜層(SMAS)を引き締めてリフトアップするものです。
「ウルセラ」「ウルセラ3D」「ウルセラ4D」といったグレードがあり、それぞれ料金が異なります。

注入治療

注入治療といえば、シワ治療に用いられるボトックスやヒアルロン酸が有名ですが、実はこれらはたるみの治療にも効果を発揮します。
口角や目尻が下がることで起きるたるみは、筋肉の動きをコントロールすることで改善できるのです。

マイクロボトックスリフトは、浅い層にボトックスを広く注入するものです。
ほうれい線の横や目の下、顎から首にかけてのたるみは、ボトックスで筋肉の表面線維の働きを弱めることで目立たなくすることができます。
ヒアルロン酸注射では、委縮して減った顔の骨のボリュームを補ったり、表情筋と骨をつなぐリガメントを補強して、顔全体のたるみ解消を狙います。

どちらも必要に応じて複数個所に注射をし、また併用することも多いです。
大変繊細な治療ですので、結果は医師の技量によることが多く、経験豊富で定評のある医師に治療を受けることが大切です。
費用は薬剤の単位量あたりに針代をプラスしたものになることが多く、面積やたるみの進行具合によって変わってきます。

糸で引き上げるスレッドリフト

スレッドリフトは、皮膚の下に糸を通して引っ張り上げることでたるみを引き上げるものです。
こめかみや頭皮に穴をあけ、マリオネットラインやほうれい線の近くまで糸を通し、皮下組織ごと引き上げます。
糸にはアンカーやコブがついており、これが皮下脂肪をつかんで引き上げるという形です。
ほうれい線やマリオネットライン、顎下から顎にかけてのたるみにはフェイスリフト手術よりも有効とされていますが、効果のほどは明らかでなく、あまり一般化しているとは言えない治療法です。

メスで切開するサージカル治療

サージカル治療は、いわゆる外科手術です。
上瞼の下垂やたるみ、下瞼のたるみやふくらみは、照射系で治療しても進行に伴って変化が見られなくなることがあります。
そこで次の段階として外科手術を行うという選択肢があるのです。
これは上瞼が下がったまま上がらず視界が狭まる「眼瞼下垂」などには有効ですが、美容目的であれば近年切らない治療法が進化しているので、切るという決断はなるべく遅くしたいものです。

なお、クリニックの中には保険適用となるところもありますが、保険外の治療に比べると美的レベルでの違いが生じてしまうケースが少なくないので注意しましょう。

レーザーでのたるみ解消

レーザーでのたるみ解消ご紹介した4つの方法に加え、近年ではレーザーによる治療も行われています。
外科的侵襲を伴わないレーザー治療は、効果はマイルドであるものの痛みやダウンタイムが少なく、費用も比較的少なくて済むものが多いことから高い人気を集めています。
では、様々なレーザー治療の特徴とメリットについて、具体的に見ていきましょう。

ポラリス

ダイオードレーザーとRF(高周波)という2つの異なるエネルギーを同時に照射することで、その相乗効果により真皮層のコラーゲンの生成を促すものです。
小さな照射口からピンポイントで線維芽細胞を刺激するもので、施術中は肌をつままれる感覚がある程度です。
麻酔クリームを使えば痛みを感じることはほぼなく、やけどのリスクも低いのが特徴。
たるみに即効性があることに加え、浅い部分の筋肉を引き締めることで毛穴が締まる効果もあります。

費用はおおむね5万円前後、痛みは少なめです。

リファーム

こちらも2つの異なるエネルギーを同時に照射しますが、レーザーではなく赤外線とRFの組み合わせになっているのが特徴です。
この組み合わせで真皮の深層にまで熱が届き、コラーゲンの活発な産生を促します。
肌の引き締めに対して即効性が高いものの、パワーはマイルドで痛みや刺激が少ないのが魅力です。
たるみに関しては照射数を増やすことで効果を発揮していきます。

費用は3万円前後、痛みはほとんどありません。

ジェネシス

ロングパルスレーザーを皮膚から離して照射し、コラーゲンを増産させる治療法です。
刺激を与えるのが真皮層の上部なので、大きなたるみを改善するというよりは肌を引き締めてキメを整え毛穴を目立たなくしたり、全体の印象をふっくらとさせる効果に優れています。
またピーリング効果もあり、古い角質を取り除くことで肌のターンオーバーを促進する働きも。
痛みがほとんどないため人気の治療法となっています。

費用は3万円前後で、痛みはごくわずかです。

タイタン

赤外線を照射して真皮層のコラーゲンを熱変性させ、収縮させて肌を引き締めると同時に、線維芽細胞を刺激してコラーゲンの増産も促す治療法です。
即効性と持続性の両方が期待できるのが特徴です。
価格はそれほど安くはないものの、麻酔クリームを使わず手軽に行えることから、たるみ治療の入門編として人気を集めています。
肌の色を問わないので色黒の方や男性にも施術が可能です。

費用はおおむね5~10万円、痛みは中程度です。

サーマクール

RFを照射して皮膚の脂肪層に作用するもので、2003年の日本上陸以来、半年~1年という持続力の高さで根強い支持を獲得しているたるみ治療のスタンダードともいえる治療法です。
当初は痛みの強さも話題になりましたが、最新型の「サーマクールCPT」は肌を振動させることで照射時の痛みを大幅に軽減し、麻酔無しで施術することも可能になっています。
即効性は控えめですが、1カ月ほどで顔が引き締まってきます。
費用は他の方法に比べると高額です。

費用は30万円程度(顔全体か部分使用かで異なる)、痛みは中程度です。

アイサーマ

目元専用のサーマクールで、振動はしませんが痛みは弱めになっており、鍋の蓋のような専用のアイガードを眼球に装着して施術します。
即効性があり、施術直後に瞼が引き締まり眉毛が上を向く方も。
年齢による瞼のたるみであいまいになった二重をはっきりさせたい、目力をアップしたいという人におすすめです。

費用は10万円前後、痛みは中程度です。

レーザーシャワーによるたるみ治療

レーザーシャワーはロングパルスヤグレーザーを顔全体に照射していくもので、細かいレーザーのシャワーを浴びているような感覚になります。
このレーザーは波長が長いので肌の深部にまで届き、真皮層に熱を加え、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンの産生を促します。
その結果肌にハリが戻り、小じわやたるみを改善してリフトアップが図れるというものです。
繰り返し行うことでリフトアップ効果が高まるほか、血中のヘモグロビンに反応して毛細血管を縮小し、肌の赤みを軽減する効果もあります。

たるみの治療には様々な手法がある

たるみの原因や、美容医療での様々な治療方法などについてご紹介しました。
たるみを改善するために、いきなり高額な治療に飛びつくのではなく、まずは日々の生活習慣をあらため必要な成分を取り入れるなど、日頃の地道な努力が大切です。
そのうえでさらなる効果を求めるのであれば、今回ご紹介した内容を踏まえ、自分に合った治療法を見つけるのがおすすめです。