肌の悩みと言えばシミやシワが代表格ですが、肌のたるみも老け顔と深い関りがあります。
たるみは放置するともっと深くなる可能性があり、さらなる肌トラブルに発展することもあります。
ほほのたるみの原因を理解することで効果的にトラブルにアプローチすることができ、キレイなフェイスラインを手に入れることができるでしょう。
今回は肌のたるみで悩んでいる人に向けて、たるみの原因やリフトアップ方法などについて紹介します。
目次
ほほのたるみの原因と改善方法とは?
見た目は同じたるみだったとしても、原因によってやるべきことや対処法というのは大きく変わってきます。
間違ったケアをしていると、なかなかなおらないどころか、症状を悪化させる可能性もあります。
ほほのたるみを上手に解消できるよう、ここからはたるみの原因や改善方法について紹介しましょう。
乾燥
たるみの原因を引き起こすものの一つに、肌の乾燥があります。
乾燥肌は、肌の潤いや水分が不足している状態のことを言います。
肌が乾燥していると肌のハリが失われ、たるみやシワが目立つようになるのです。
水分不足による乾燥肌に最も有効なのが、保湿ケアです。
お風呂上りに保湿力の高い化粧水を塗り、その後乳液やクリームなどの油分でフタをして、保湿成分をできるだけ逃がさないように工夫をしましょう。
化粧品の3大保湿成分と言われるているものに、「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「セラミド」があります。
化粧品を選ぶ時は、これら3つの成分がたっぷり入ったものを選ぶようにしてみましょう。
また、洗顔時に肌を強く擦ったり、化粧水を浸透させるために肌をパンパン叩いたりすると、たるみやシワを悪化させる原因になります。
そのため、肌ケアをおこなう時は、できるだけ肌に刺激を与えないようにすることが大切です。
洗顔料はしっかり泡立ててから肌に塗り、ソフトタッチで優しく洗い上げましょう。
洗浄力が強い洗顔料は、必要な油分まで取り除いてしてしまい、肌の乾燥を悪化させることがあります。
洗顔料によっては、いっそう乾燥が進んだり、新しい肌のトラブルが起きたりするので、たるみを解消したいならば自分の肌コンディションに合ったケアをおこなうことが必要です。
筋肉の衰え
顔にはたくさんの筋肉があり、筋肉の衰えは顔のたるみやシワを生じさせる原因になります。
ほほは重力によって常に下に引っ張られており、筋肉が衰えると皮膚を支える力が弱まり、顔の形が変わってしまいます。
そのため、顔のたるみを解消したい時は顔の筋肉の柔軟さや強靱さを取り戻すことが重要になるでしょう。
全身の筋肉は膜で包まれており、この膜が隣接している筋肉や皮膚にくっついて固くなってしまうことを筋肉の癒着と言います。
筋肉が癒着すると筋肉の動きが制限され、血行不良を起こしてしまいます。
筋肉が動きにくく、そして血の流れが悪いと老廃物もたまりやすく、皮膚がたるんだり、むくんだりしてしまうのです。
筋肉の癒着は、日常的に長時間同じ姿勢を続けるなど、使う筋肉に偏りがあると引き起こしやすくなります。
ですから、筋膜の癒着を元に戻したいならば、適度に姿勢を変えたり、表情筋を動かしたりしてみましょう。
また、自律神経の乱れは、筋肉のこわばりを引き起こします。
したがって、リンパマッサージをし、コリをほぐしたり、自律神経のバランスを整えたりすることで、筋膜の癒着を解消することに繋がるでしょう。
人の皮膚は筋肉によって支えられており、筋肉が衰えると顔のたるみやこわばりが発生します。
表情筋を鍛えることが、顔のたるみを改善したり、トラブルの不調を未然に防いだりするために重要です。
表情筋を鍛えるためには、笑うことが効果的です。
笑うことで表情筋を動かすことができ、ハリや弾力が感じられる肌を目指すことができます。
また、噛むことで表情筋を鍛えることができるので、食事をとる時は噛む回数を増やし、よく噛んで食べることを意識してみましょう。
食の乱れ
肌というのは、自分が食べた物から作られています。
そのため、食事バランスが崩れると、肌に悪い影響を与えることになってしまいます。
肌のハリや弾力に深く関わっているのは、真皮層にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸です。
これらの成分は歳と共に生成スピードが落ちることがわかっています。
加齢による変化をできる限り小さくしたいならば、これらの成分を食べ物などから摂取することが重要でしょう。
コラーゲンはたんぱく質の一種なので、たんぱく質を多く摂取することが大切です。
たんぱく質を多く含む食材には、卵、豚肉、鶏肉、魚、大豆製品、乳製品、ゼラチンなどがあります。
コラーゲンの合成には、たんぱく質の他に鉄やビタミンCなども必要になります。
鉄はレバーやひじき、海藻類、ほうれん草、ビタミンCは果物や緑黄色野菜に含まれているので、体内でコラーゲンを作りたいならば、こられの食材を同時にとるのがおすすめです。
エラスチンやヒアルロン酸も、食べ物から摂取することができます。
食材の中でエラスチンを多く含むものには、鳥の手羽先、牛すじ、煮魚、軟骨など。
ヒアルロン酸は、納豆、オクラ、鳥の皮、豚足、魚の目玉、ふかひれなどに豊富に含まれています。
食事から必要な栄養素を全て摂取するのが理想ですが、献立を考えたり、毎日料理をしたりするのは大変です。
調理する時間が取れないならば、肌のハリや弾力に効果的な成分が入ったサプリメントなどを活用すると、効率よく有効成分を摂取することができるでしょう。
老化と深い関りがあるのが、活性酸素です。
体内で発生した活性酸素は身体をサビさせ、細胞を傷つけて老巧化を進めてしまいます。
活性酸素の暴走を防ぐためには、抗酸化作用のある食べ物を食べることが大切です。
活性酸素を抑える食材は、緑黄色野菜(トマト、ブロッコリー、ほうれん草、にんじん)、フルーツ(キウイ、リンゴ、いちご、アボガド)、種実類(ピーナッツ、ゴマ、アーモンド)などがあります。
糖分や脂質が多いものは活性酸素の動きを抑制する抗酸化物質を必要とするので、甘いものや脂っこいものの食べ過ぎには注意しましょう。
できるだけバランスのいい食事を意識することが大切です。
40代以降の更年期では、美髪、美肌など、女性らしい美しさを作るホルモンであるエストロゲンの分泌が減少していきます。
大豆イソフラボンはエストロゲンと似た働きをするので、女性ホルモンを増やしたいならば大豆製品を多くとるようにしてみましょう。
肩こり
一見顔のたるみに関係なさそうですが、肩こりは顔のたるみの原因になることがあります。
首や肩がこっているということは、筋肉が緊張して血の流れが悪くなっている可能性があります。
血行不良は肌の大敵であり、血の流れが悪いと栄養が肌の細胞に行き届かなくなるだけでなく、老廃物が肌にたまって乾燥や吹き出物、むくみなどを引き起こしてしまうのです。
また、肩の筋肉がこると顔の筋肉が下に引っ張られてフェイスラインがはっきりしなくなるというような変化が現れます。
肩がこっているだけで、顔の筋肉や血流にも影響が出てしまうことがあるので、注意しましょう。
肩こりの原因の代表的なものには、重いものを持つ、同じ姿勢で長時間作業する、眼精疲労などがあります。
インターネットの普及により、パソコン作業の肩こりが増えています。
パソコンを操作する時は正しい姿勢で操作するよう心がけ、そして作業中は定期的に休憩をとるということが大切です。
また、こり固まった筋肉をほぐしたり、血行を良くしたりするためには、筋肉のストレッチや、軽い屈伸やウォーキングなどの運動も効果的です。
肩こりは、胃の不調が原因で引き起こされることもあります。
胃腸の動きが悪くなると、胃の周囲の筋肉を緊張させ、背中や首、肩の筋肉の柔軟性を低下させてしまいます。
朝起きた時に首や肩にだるさを感じる、それは胃腸の働きが弱くなっていることが引き金になっている可能性もあります。
たるみを防ぐためには、胃の調子を良くし、胃を健康状態に保つことも大切です。
肩こりは疲労などの体的ストレスだけでなく、悩みや不安などの精神的なストレスも原因になることがあります。
ストレスによって交感神経が働きすぎると、血管が収縮して血流を悪化させてしまいます。
肩のこりを防ぐならばなるべくストレスをためこまないようにし、心がリラックスできる時間を多めに作るということが必要です。
紫外線
老化は加齢だけでなく、光の影響も大きいことがわかっています。
そのため、肌の老化を防ぎたいならば、紫外線対策が必要不可欠です。
紫外線は波長の長さによって、UV-A、UV-B、UV-Cがありますが、波長が長いUVAは、肌の真皮まで侵入し、ダメージを与えます。
UV-Aはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分を生み出す線維芽細胞を傷つけてしまうため、シワやたるみの原因になってしまうのです。
紫外線を対策するならば、日焼け止めを使用することが大切です。
PAの後の+が多いほどUV-Aに対する防御効果が高くなるので、+が多い日焼け止めを購入するようにしましょう。
UV-Bは波長が短いですが、UV-Aよりも肌へのダメージが強いです。
繰り返しUV-Bを浴びるとシワやシミなどを引き起こすので、SPFの後の数値が高い日焼け止めを使用しましょう。
SPFの後の数字はUV-Bの防止効果を表しており、数値が大きいほど防止時間が長くなります。
紫外線量は曇りの日でも60パーセント~70パーセントほど降り注ぐだけでなく、部屋のなかにも入ってきます。
天気が良い日だけでなく、曇りの日や部屋の中にいる時も、日焼け止めを使うと安心です。
紫外線対策には日傘も有効ですが、紫外線は反射する性質があるので、横や真下からの散乱光には注意しましょう。
黒の日傘は紫外線を吸収してくれるだけでなく、地面から照り返した光も防いでくれるため、おすすめです。
自宅でできる!ほほのたるみをリフトアップする方法
顔の筋肉の衰えや、たるみを改善したい時はリフトアップがおすすめです。
ここからは、自宅で簡単にできるほほのたるみをリフトアップする方法をいくつか紹介しましょう。
顔全体をほぐして血流を良くする
顔全体をほぐし、血流を良くすることで老廃物の蓄積を防ぎ、生き生きとしたハリ肌へと導くことができます。
前頭や側頭は、指の腹や手のひらの肉厚な部分を使い、頭皮を持ちあげるようにして揉みほぐしていきます。
顔の中でもっともこりやすい輪郭にある咬筋は、こぶしでグリグリと軽く円をかくように回し揉みをしていきましょう。
目頭や眉頭は、頭の重みを指にのせるようなイメージで圧をかけ、ほぐします。
最後に、小穴脇のくぼみを親指の第一関節を当てながら指圧することで、顔全体の血流をアップさせることができます。
手を使ってマッサージする
下顔をほぐし、キュッと上がったほほを目指したいならば、手を使ってマッサージ。
ほほの下を手で持ち上げ、こめかみに向かってグーっと力強く圧をかけてリフトアップ、持ち上げたほほをこめかみから顔の輪郭に沿って下へと滑らせる、これを4~5回繰り返します。
体が温まっている状態でおこなうと、マッサージの効果が高まります。
入浴後、化粧水や保湿クリームを塗ってから、筋肉を揉みほぐすマッサージをおこないましょう。
手を使わずに口角周りを鍛える
顔や口元のたるみは、口角周りを鍛える顔筋トレで改善させることもできます。
口を尖らせた状態で3秒停止し、ゆっくりと口元を元に戻す、これを数回繰り返すことで、口輪筋を鍛えることができるでしょう。
ウインクの後に目を閉じている方の口角を笑うよう少しずつ上げ、上げきった所で5秒ほどキープしてからゆっくり元に戻す、繰り返すことで小頬骨筋や目の周りの筋肉を鍛えることができます。
最後に大頬骨筋を鍛える方法の紹介です。
口を「せ」の形にし、できるだけ大きく開けて5秒キープした後、時間をかけてゆっくりと元に戻します。
むやみに顔を動かすとシワが増える危険性があります。
眉間と目尻などにはシワを寄せないように意識しながら、エクササイズをしましょう。
表情筋を鍛えることで自然と口角の上がった状態にすることができ、見た目の印象もアップします。
美顔器でリフトアップする
美顔器には様々な機能があり、自宅で気軽に本格的な肌ケアが可能です。
ラジオ波(RF)が使える美顔器は体の芯を温めることが可能で、電磁波の効果で顔全体のハリをアップさせることができます。
低周波(EMS)が使える美顔器は微弱な電流で表情筋に刺激を与え、鍛えることでフェイスラインを引き締めることができます。
ローラータイプの美顔器は物理的に筋肉を刺激することができ、その結果血流が良くなって肌のハリやむくみを改善することができるでしょう。
入浴後は血行が良く、肌がやわらかくなっているので美顔器の効果もアップします。
美顔器は入浴後に使うのがおすすめです。
ただ、美顔器を使いすぎると顔の筋肉に大きな負荷がかかり、新たな肌トラブルを招くこともあります。
そのため、それぞれの美顔器の適切な使用頻度や使用時間は必ず守るようにしましょう。
ほほのたるみを改善する美容皮膚科の施術メニュー
メスや針を使っておこなう外科的治療はどうしてもダウンタイムが長くなってしまいますし、手術的な方法でたるみを改善することに抵抗を感じる女性も多いでしょう。
ここでは、ダウンタイムが短く日常生活に支障が少ない、内科的治療法を紹介します。
マイクロボトックスやヒアルロン酸注入は、気になる部位へ有効成分が溶解した薬剤を注射し、たるみやシワの改善を目指します。
また、スマスセラは高密度超音波(HIFU)を照射して、リフトアップさせる治療法です。
超音波により筋肉や線維芽細胞を刺激し、肌に良い影響を与えます。
レーザーシャワーやレーザーフェイシャルなど、レーザーを使った治療も、肌の悩みを改善する原理はスマスセラと同じです。
レーザーで肌の真皮に熱を加え、コラーゲンやエラスチンの増生を促し、肌のリフトアップをすることができます。
ほほをリフトアップして若さを取り戻そう
若々しい印象を与えるためには、ほほの高さが重要です。
ほほのリフトアップすることでたるみが改善され、キュッとしまった小顔を目指すことができます。
自宅のケアも良いですが、自分だけの力でたるみを改善させるのは難しいこともあります。
セルフケアに限界を感じていたり、確実に素早くほほのたるみを改善させたりしたい場合は、美容皮膚科での治療も考えてみましょう。