美容に関心のある人にとってシミやくすみ、赤ら顔などの肌トラブルは悩みのもとでしょう。
紫外線が原因になっていると言われるシミは多くの女性が悩みにしているトラブルの一つです。
しかし、どうやったら治せるかわからずに苦しんでいる人もいるでしょう。
今回はシミに対する有効性が期待されるフォトフェイシャルという治療方法について詳しく紹介します。
目次
フォトフェイシャルとは?
フォトフェイシャルは光を使う肌の治療方法の一つです。
光による美容施術にも色々なものがありますが、フォトフェイシャルの特徴はマイルドで様々な波長を持つ特殊な光を照射することです。
肌の内部に光が入り込んでいくことで様々な細胞組織が活性化されることにより、肌トラブルを改善の方向に向かわせるという特徴があります。
かなり幅広い肌トラブルに対して効果があることが知られていて、シミもその一つとして改善に成功している事例も少なくありません。
フォトフェイシャルの光治療としての特徴は色調に関わる肌のトラブルに強いことです。
肌にはメラニン色素と呼ばれる黒系の色素があり、血液中の赤血球にはヘモグロビンと呼ばれる赤い色素があります。
このような色素と反応して活性化させることが可能な幅広い波長の光を照射するので、同時に色々な色調の部分を活性化できます。
そのため、色調に関連のある肌トラブルをまとめて改善することが可能です。
また、フォトフェイシャルはダウンタイムがほとんどありません。
施術を受けても日常生活に支障が出ない点からも多くの人から注目されるようになっている治療方法です。
フォトフェイシャルはIPL治療と呼ばれる様々な波長の光を使用する治療方法としても知られています。
フォトフェイシャルという名前自体は日本ルミナス株式会社の登録商標になっています。
そのため、同じようにしてIPL治療による肌の治療をしていたとしても、本当にフォトフェイシャルと呼んで良いのは日本ルミナス株式会社が開発した「M22」か「NatuLight」を使用した光治療だけです。
それ以外の美容機器を使用して治療をしている場合にはフォトフェイシャルとは違う名前を付けています。
美容機器によって同じ原理の治療方法であっても効き目には差があるので注意しましょう。
フォトフェイシャルの仕組みとは?
フォトフェイシャルは異なる波長の光を幅広く肌に照射する施術で、肌の内部にまで透過していった光がメラニン色素などの体内にある色素に吸収されて活性化を受けます。
そのエネルギーが細胞組織を活性化させて肌の状態を改善するというのが基本原理です。
この活性化の意味を理解するには光の波長と効果の関係を確認することが必要になります。
波長が長い赤色の光は肌の真皮層にある線維芽細胞と呼ばれる細胞に届いて作用します。
真皮層が光による刺激を受けるとエラスチンやヒアルロン酸、コラーゲンなどの肌の細胞をつなぎとめる細胞外マトリックスの形成に欠かせない成分の合成を促進し、ハリがあってみずみずしい肌の形成を進めます。
また、もう少し波長が短い黄色の光は酸化を受けたヘモグロビンやメラニン色素に強く反応することが知られていて、強いエネルギーの影響によって分解を起こすことが可能です。
するとくすみやそばかすなどの改善を期待することができるでしょう。
一方、波長が短い青色の光は浸透性が高く、肌の奥深くまで到達していきます。
青色の光は肌へのストレスによって発生することが知られている活性酸素を減らせるのが特徴です。
酸化ストレスによる老化の原因ともいわれているのが活性酸素で、コラーゲンなどの肌を作り上げるのに必要な成分を破壊してしまうことがわかっています。
皮脂として分泌される脂質も酸化してしまうため、皮脂の状態が悪くなってしまう原因としても知られています。
利用できるコラーゲンの量が増えてハリのある引き締まった肌が作られると皮脂の分泌がうまくコントロールされるようになり、肌の状態が改善するでしょう。
もう少し波長が長めの黄緑色の光はメラニン色素に吸収されて反応することがわかっています。
メラニン色素が薄くなっていくことで肌が白くなり、色素沈着による肌トラブルの改善に効果的です。
このように様々な波長の光がヘモグロビンやメラニン色素などの色素に当たることで活性化をしますが、その大半は熱エネルギーへの変換です。
目標物に当たった光は熱によって目標物にダメージを与えますが、フォトフェイシャルでは素肌にダメージを与えません。
そのため、フォトフェイシャルの光を使うと肌トラブルの原因になる色素だけをターゲットにすることができ、トラブルの解消に向けて選択的な効果を示すのがメリットです。
また、この刺激はコラーゲンなどの増生も促すため、きめ細かな肌や質感の整った肌ができるようになります。
このように光に対する肌の応答を巧妙に利用しているのがフォトフェイシャルの特徴です。
フォトフェイシャルによって得られる効果とは?
フォトフェイシャルの施術を受けることで得られる肌のトラブルに対する効果は多岐にわたっているのが特徴です。
光の色と色素との関係を見てみるとその効果の広さが詳しくわかるでしょう。
フォトフェイシャルでは照射する光の中に含まれている赤色の光によって真皮層の線維芽細胞が刺激されることでコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が作られていき、肌のうるおいとハリを生み出します。
また、黄緑色の光によって新陳代謝が活性化され、肌のターンオーバーが促進されることもわかってきました。
古い角質層が剥がれ落ちていって、新しい肌の細胞が表面に出てきます。
するとシミやくすみなどの原因として知られるメラニン色素が排出されて肌の色が白に近づいていくでしょう。
黄色い光には古いヘモグロビンやメラニン色素の分解作用もありますが、毛細血管の収縮作用もあることが知られています。
毛細血管が拡張していると肌が赤くなってしまって赤ら顔になる原因にもなるので注意が必要です。
しかし、フォトフェイシャルの黄色い光はしっかりと毛細血管を引き締めて肌の赤みを改善できます。
この他にも青色の光には活性酸素の除去作用があるなど、波長によって色々な効果があることが判明しています。
幅広い光を照射することで同時にこのような一連の効果が発揮されるのがフォトフェイシャルの魅力です。
シミを取るのに適している治療方法は何?
シミの悩みを抱えている人にとって、本当にベストな治療方法は何なのかというのが気になるでしょう。
シミを取るには何が必要なのかをシミができる原因から考えてみましょう。
シミの最大の原因として知られているのが紫外線です。
紫外線が皮膚を通って肌の奥深くまで入って体にダメージを与えてしまわないように、肌でメラニン色素を過剰生産しています。
本来であれば肌のターンオーバーによって角質層が剥がれ落ちていき、一緒にメラニン色素もなくなっていきます。
しかし、肌のターンオーバーも乱れてしまっていて、メラニン色素が落ちずに肌に残ることが肌の変色によるシミが発生する原因です。
メラニン色素に対策をするのがシミを取る治療をする上で重要になりますが、フォトフェイシャルはうってつけの方法です。
シミの原因になっているメラニン色素は赤色や茶色も含んでいるので、メラニン色素にもよく反応します。
原因に直接的にアプローチできるので高い効果を期待できるのがフォトフェイシャルで治療を目指すメリットです。
シミ取りをしたいときには同じように光を利用しているレーザー治療を選ぶことも可能です。
レーザーは強力な出力を持っているので一回の照射でかなりシミを薄くすることができます。
しかし、治療に際して痛みを伴うリスクが高いことや、ダウンタイムがあることが施術を受ける人にとって悩みになる点です。
フォトフェイシャルとレーザー治療はどちらも優れている治療方法で、どちらの方が良いかは考え方次第です。
シミを取るのにどのくらいの期間までなら良いか、ダウンタイムの有無についてどう考えるかによってベターなのがどちらかが異なります。
自分なりに考えて納得できる方法を選ぶようにしましょう。
フォトフェイシャルで施術を受ける実際の流れとは?
フォトフェイシャルに興味を持った人のために施術を受けるときの流れを紹介しておきます。
まずは電話をかけるか来院してカウンセリングを受け、自分の抱えている肌の悩みを医師に打ち明けましょう。
問診を受けて肌の状態を実際に見てもらい、クレンジングをしてメイクを完全に落とします。
そして、フォトフェイシャルの施術について詳細な説明を受けて、施術を受けると決めたら準備が始められます。
ジェルを塗って肌の保護、アイカバーによって目の保護をしたら光の照射を始めるというのが基本的な流れです。
まずは肌のトラブルを防ぐためにもすぐに全面的に照射をするのではなく、シミに反応する波長の光を選んで照射して肌の反応を見ます。
そして、患部の状態を観察しながら適切な波長の光を選んで照射していきます。
この際には輪ゴムで弾いたような刺激がある場合もありますが、大きな痛みを伴うことは通常はありません。
このようにして施術を終えたら敏感になっている肌を保護するために保冷剤による冷却や炎症予防のクリームの塗布によってクールダウンをします。
最後に美容液などを使って保湿ケアをしたら施術完了です。
フォトフェイシャルを受けるうえでの注意点は?
フォトフェイシャルを受けるときには押さえておきたい注意点もあります。
フォトフェイシャルでは施術を行う医師の技術によって効果やトラブルの有無が左右されやすいのが特徴です。
操作ミスや照射設定の間違いによって副作用が起こることには留意しておきましょう。
ただ、もともと状況から考えてフォトフェイシャルに適さないこともあり、術者の技術ミスではなく判断ミスのこともあります。
妊娠中の人や光アレルギーの人はフォトフェイシャルを適用しないのが基本です。
また、患部に日焼けをしている人やてんかんを持病として持っている人などはフォトフェイシャルができないことがあるのでカウンセリングのときに申し出て相談しておきましょう。
フォトフェイシャルを受けるうえで自分自身が注意しておかなければならない点もあります。
光の照射による治療は肌に多かれ少なかれ刺激があり、施術後は乾燥しやすくなるのが一般的です。
照射をした後は普段よりも保湿ケアを徹底して行うようにするのが大切です。
自宅での保湿ケアに加えて、紫外線にも弱くなりがちなので外出のときには紫外線ケアもしていくようにしましょう。
また、シミについてはレーザー治療のように即効性があるわけではありません。
1クールに5回程度のフォトフェイシャルを受けることによって改善を期待できます。
治療しているシミには改善していきますが、途中でやめてしまうとシミの老化が進むので注意が必要です。
定期的に治療を受けていくことも前向きに検討しましょう。
クリニック選びで気を付けたいことは?
フォトフェイシャルは安全性が高くてダウンタイムもない魅力的な治療方法です。
しかし、どのクリニックで施術を受けるかは慎重に検討することが必要で、医療行為として本当に高い水準の対応をしてくれるかを重視すると安心でしょう。
フォトフェイシャルに限らず、医療行為を受けるときにはカウンセリングの質が重要です。
内容を説明するだけでなく、施術を受けるときのリスクについて理解できるまで説明してくれる医師やクリニックを選ぶと納得して申し込めるようになります。
実際にカウンセリングを受けてみて本当に良いクリニックかどうかを判断するのが良い方法です。
フォトフェイシャルの効果は前述のように施術をする医師の経験値によって大きく左右されます。
肌がどのような状態にあるかを見極め、丁寧に照射をして効果を最大化しつつ、トラブルのリスクを最小化してくれる医師なら安心です。
それによって受けなければならない施術回数が変わることも珍しくありません。
単純に1回あたりの費用が安いことを重視してしまうのではなく、トータルでどのくらいメリットがあるかで判断するのが大切です。
詳しく施術の実績などの情報を得て安心してフォトフェイシャルを受けていけるかどうかを見極めるようにしましょう。
目的に応じて治療方法を選ぶことが大切
フォトフェイシャルについて基本的な特徴や期待される効果、受ける上での注意点など解説してきましたが、詳しく理解することができたでしょうか。
シミなどの肌トラブルに悩んでいる人にとってフォトフェイシャルは魅力的な候補ですが、どの治療方法にもメリットもデメリットもあります。
カウンセリングを受けて詳しい内容を知り、自分の目的や状態と照らし合わせて最適な方法を選びましょう。