公開日:2023/09/25更新日:2023/10/13

痩せたいのに太っていく17の原因【食事編・生活習慣編】と太らない対策

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「食事に気を遣っているのに体重が増えてしまう」「ダイエットを頑張っているけど逆に太っている気がする」このような悩みはありませんか?
思うように体重が落ちないときには、食生活や生活習慣に何か問題があるのかもしれません。
この記事の前半では「体重が増えるメカニズム」を解説します。後半にかけて、日常生活の中にある「太っていく原因」と「太らないための対策」を紹介します。

最後まで読んで太りにくい生活のヒントを手に入れてダイエットを成功させましょう!

人間の身体が太っていくメカニズム

人間の身体が太っていくメカニズム
人間の身体が太っていく原因は大きく分けて以下の3つです。

太っていく原因
  • カロリーの摂り過ぎ
  • 脂肪細胞の肥大
  • 血糖値の急上昇

それぞれのメカニズムをわかりやすく解説します。

カロリーの摂り過ぎ

食べ物から摂取するエネルギーが消費エネルギーを上回ると肥満のリスクは高まります。たとえば「食事の量が多すぎる」「運動量が少なすぎる」という方では、体内のエネルギーを使いきれない状態になっているのです。

人間のエネルギー消費量はおもに「基礎代謝量」と「身体活動量」で表されます。
基礎代謝は性別や体格によって決まるため、個人の努力で変えることが難しいでしょう。
一方、身体活動量は個人の運動習慣によって大きく異なるため、肥満を防ぐためには後者を高める意識を持つとよいでしょう。

身体活動は総エネルギー量のおよそ3割を占めるとされています。
ここでの身体活動とは、ジョギングや水泳のような激しいスポーツのみをさすものではありません。
家事や畑仕事のような日常生活によって消費量は増加するため、とくに運動習慣が無い方でも消費エネルギーを高めることができます。

太らないためには
「必要以上に食べ過ぎない」
「生活の中で運動量を確保する」

という両面からエネルギーバランスを最適化していくことが肥満の予防になります。

脂肪細胞の肥大

消費し切れなかったエネルギーは中性脂肪となり、身体に蓄積されていきます。

脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があり、これらは中性脂肪によってできた細胞によって構成されています。
この細胞は「脂肪細胞」と呼ばれており、白色・褐色の2種類があります。脂肪細胞のうち、肥満の原因になるのは「白色脂肪細胞」です。

白色脂肪細胞は体内で余ったエネルギーを蓄えて肥大していきます。
一方「褐色脂肪細胞」は正反対の役割を持ち、脂肪を燃焼する作用があります。

従来、褐色脂肪細胞は新生児のみが持つとされていましたが、最近の研究では成人にも見られることがわかっています。褐色脂肪細胞の分化メカニズムを明らかにすることが肥満予防につながるとして期待されています。

血糖値の急上昇

血糖値の変動が激しい人は、脂肪がつきやすく肥満のリスクが高いとされています。
これには血糖値を下げるために分泌されるインスリンの作用が関わっているのです。

食事により糖質が体内に取り込まれると、血糖値が上昇します。このとき、膵臓からはインスリンが分泌され、血中の糖分を脂肪に換えて体内に取り込んでしまいます。
血糖値の変動がゆるやかであれば、糖代謝はスムーズに進むため問題ありません。ただし、血糖値が急に上昇してしまうと、身体は必死にインスリンを出して血液の糖分濃度を下げようとします。
その結果、インスリンが大量に分泌されて脂肪がつきやすい状態ができあがるのです。

また急に上がった血糖値は、急激に下がる傾向があります。
これは「血糖値スパイク」と呼ばれ、このときに眠気や強い空腹を伴うのが特徴です。
他にも血糖値の変動は「集中力できない」「イライラする」といった精神不安定性を招き、脳はさらに糖分を求めるようになるでしょう。
その結果、一回の食事量や間食の機会が増え、太りやすい環境ができあがってしまいます。

肥満予防のためには、食事のバランスや食べ方に気をつけ、血糖値の変動を抑えることが必要です。

痩せたいのに太っていく9つの原因【食事編】

痩せたいのに太っていく9つの原因【食事編】
食事は肥満と密接に関係しています。ここでは、太る原因になる食事の摂り方を紹介します。自分の食べ方にあてはまるところがないかチェックしながら読んでみてください。

① 食べる量が多すぎる

食べる量が多いと、摂取したエネルギーを消費しきれません。

記事の冒頭でも紹介したように、体重管理のためにはエネルギーにおける摂取量・消費量のバランスが大切です。「運動をしているのに太っていく」という方は食事や間食の量をチェックしてみましょう。たとえダイエットのために激しい運動をしても、それを上回るエネルギーを消費していては太ってしまうのです。

麺類や丼などの外食メニューは、一人前のカロリーが多めになっています。カロリーオーバーには注意しましょう。

② 食べるのが早い

早食いは満腹中枢が上手く働かず、食べ過ぎの原因になります。

食事によって血糖値が上がると、脳は食べるのをストップさせるために「満腹」のサインを出します。ただ、食べるのが早いとサインが届く頃には食べ過ぎてしまうのです。

早食いをすると、食べたものが消化されにくく胃や腸に負担がかかります。その結果、代謝されずに残った食べ物が脂肪となり、体内に蓄積されるのです。

③ ながら食べをしている

「スマホを触りながら」「テレビを観ながら」といった「ながら食べ」は過食の原因です。

何かをしながら食事をすると、食べていることから意識が離れてしまいます。
食べることに集中できていないため、同じ量を食べていても満足度が下がり、噛む回数も少なくなってしまうでしょう。

また、満腹感を得られないため、ダラダラと食事の時間が伸びてしまい、食事の終了時間が遅くなりがちです。とくに夕食を終える時間が遅れると、食事を消化しきれず、脂肪がつきやすくなる恐れもあります。

④食べる時間が遅い

夜遅くの食事は肥満の原因になります。

ふつう、夜間は活動量が落ち、エネルギー消費は少なくなります。
日中に比べると、消化に時間がかかるでしょう。
ここで消化しきれない分は、脂肪として体内に取り込まれてしまうのです。

夜遅い時間帯(とくに22時から深夜2時の間)は脂肪合成が進むため、この時間は太りやすくなっています。また「夕食のウエイトが高いとBMIが上昇しやすい」とする報告もありました。[3]

⑤食事のバランスが悪い

糖質・脂質にかたよった食事は肥満の原因になります。
たとえば、揚げ物や天ぷらといった「脂質を多く含む食べ物」を好んで食べる人は太りやすいとされています。

太らない食事のためには栄養バランスの取れた食事が大切です。
たんぱく質や野菜を意識的に摂るようにしましょう。

「朝食のたんぱく質の割合を高めることで食欲を抑え、食べ過ぎを防ぐことができる」とする面白い報告もあります。

⑥無理な食事制限をしている

無理な食事制限は長期的に見ると、肥満の原因になります。

ダイエットの中には「特定のものだけを食べる」「食べる量や回数を減らす」といった極端な食事制限を課すものもあります。
そのような方法でも、一時的に体重が落ちることはあるでしょう。
ただし、長期的に見るとリバウンドのリスクが高いため、おすすめできません。

無理な食事制限は栄養不足を招き、身体は節約モードに入ってしまいます。
少ないエネルギーで活動できるように最適化した身体は代謝が落ちるため、太りやすくなります。
また、食事の回数自体は減らせても、間食の回数が多くなったり一回の食事量が増える可能性もあります。

長期的な視点を持ち、健康的な食事を続けていきましょう。

⑦ 毎日お酒を飲んでいる

お酒は糖質を多く含むため、飲み過ぎは肥満の原因になります。

消費しきれないエネルギーが脂肪になるだけでなく、お酒と一緒に食べる揚げ物やシメのラーメンが内臓脂肪になりやすいのです。
ビールだけでなく、甘いカクテルやチューハイには大量の糖分が含まれています。ついついお酒が進んでカロリーオーバーになってしまうため、普段からお酒の量を控えるようにしましょう。

⑧ 外食が多い

外食が多い食生活は太るリスクが高いといえるでしょう。

外食で提供されるメニューの多くは味付けが濃く作られているものが多いです。塩分の摂り過ぎはむくみや体重増加の原因になります。
たとえば、丼や麺類などの単品メニューは量が多くなりやすく、その中でバランス良く栄養素を摂るのは難しいのです。

⑨ ご褒美のカロリーが高すぎる

ダイエットを頑張ったご褒美のスイーツが太る原因になっています。

甘いお菓子やジュースはたくさんの糖質を含んでいます。「ちょっとくらいいいか」という気持ちのゆるみがカロリーオーバーに直結してしまうのです。

ご褒美を用意しなければ耐えられないほどの厳しい食事制限をするのではなく、バランス良い食事を適量摂り、運動と組み合わせてダイエットに取り組むのがよいでしょう。

痩せたいのに太っていく8つの原因【生活習慣】

痩せたいのに太っていく8つの原因【生活習慣】
食事以外にも太ってしまう原因はたくさんあります。ここでは、日常生活の中に隠れている「太る生活習慣」を紹介します。

① 運動不足

一日の活動量が少ないと、少し摂取エネルギーが多くなっただけで太ってしまいます。

ここでの「運動不足」はジョギングや筋トレといった激しい運動に限りません。「在宅ワークで通勤がなくなった」「短い距離でもタクシーを使う」「休日は家でゴロゴロしている」という生活では、ほとんどエネルギーを消費できません。

例に挙げたような「活動量の低い生活」を続けていると、筋肉量はすぐに減ってしまうため、動くのが億劫になってしまうでしょう。できることから運動量を確保することが大切です。

② 睡眠不足

睡眠時間の短さは肥満のリスクを高める要因になります。

睡眠不足は食欲をコントロールするメカニズムに作用し、食欲を高めてしまうのです。具体的には、睡眠時間が短くなると食欲を亢進させる「グレリン」が増え、食欲を抑える「レプチン」が減少するとされています。

また睡眠時間が十分に確保できないと、日中に「疲労感」や「眠気」を感じやすくなります。結果、活動の意欲が下がり、一日に消費するエネルギーも少なくなってしまうでしょう。一見、無関係に見えるものの、睡眠と肥満はつながっているのです。

③ 水分不足

ダイエット中に「水を飲むと体重が増えるから」といって水分を控えるのは逆効果です。

身体は水分不足に気づくと、血液やリンパの流れを滞らせて体内に水分を蓄えようとします。その結果、尿量が減ってむくみが起きやすく、体重が増えてしまうのです。
とくにダイエットで食事量をコントロールしているときには、食事からの水分が失われやすいため、意識的に水分を摂るようにしましょう。

④ ストレス

ストレスによるさまざまな作用も肥満の原因になります。

ストレスを解消するための「やけ食い」は過食を招くだけでなく、食べてしまった自分への罪悪感からさらにストレスを感じる、という悪循環に陥りやすいでしょう。
また、ストレスを感じたときに出る「ドーパミン」というホルモンは食欲を抑える「レプチン」の分泌量を低下させます。結果として、食欲を強く感じるようになり、食べ過ぎてしまうのです。[4]

⑤ 加齢

高齢になるにつれて、肥満のリスクは高まります。

加齢によって筋肉量は減少し、基礎代謝量が低下します。そのため、若い頃と同じ食事を摂っていると、消化しきれずに脂肪となってしまうのです。また、女性では女性ホルモンの分泌量が低下します。これに伴い、コレステロール代謝はスムーズにいかなくなり、内臓脂肪がつきやすくなってしまいます。

体力の低下から日常生活における家事や仕事の負担を感じやすく、活動量が低下することも高齢者が太りやすい理由と言えるでしょう。

⑥ 便秘

便秘気味の方は余分な水分が身体全体に留まるため、体重が増えやすい状態になっています。

お通じに問題があると、体内の消化活動は鈍くなります。結果、消化しきれない食べ物が増えて、余ったエネルギーは脂肪として身体に蓄積されやすくなります。また、便の中には吸収しきれなかった糖質や脂質がわずかに含まれています。いつまでも便が体内に残っていると、内容物は水分と一緒に再吸収されて皮下脂肪になってしまうのです。[5]

ダイエットにおける食事制限で適度な油分や食物繊維の不足が便秘の原因となることもあるため、便秘の改善に努めましょう。

⑦ 生理前

生理前はプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が盛んになります。

これは妊娠に備えて栄養を蓄えようとする身体の本能であり、このホルモンの作用により食欲が高まります。また生理前のイライラ感の影響もあり、ストレス解消のために過食になる方もいます。

生理前の期間は無理に体重を落とそうとせず、身体に無理のない生活を心がけるようにするとよいでしょう。

⑧ 薬の副作用

処方されている薬の副作用で体重が増えることもあります。

うつ病や統合失調症などの「精神疾患治療薬」や「低容量ピル」「ホルモン薬」などの副作用の中に「体重増加」があります。
他にも糖尿病治療薬でインスリン分泌を促進させる働きのある薬の服用には太るリスクがあります。

太っていく原因になりうる病気

太っていく原因になりうる病気
ここまでに紹介した「太る食事習慣」「太る生活習慣」にあてはまるものがないのに体重が増えていく、という場合には何らかの病気が隠れている可能性があります。

たとえば、

  • 心不全
  • 腎不全
  • 肝硬変
  • クッシング病
  • 下垂体腺腫
  • ネフローゼ症候群
  • 甲状腺機能低下症
  • 卵巣腫瘍
  • 子宮筋腫
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 高血圧

などの疾患は体重増加のリスクファクター(病気の発生や進行の原因となる要素)です。

他にも「動悸」や「むくみ」「食欲不振」を伴う疾患では体重増加として症状が現れる場合もあります。
気になるようであれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

痩せたい人が太らないための対策7選

痩せたい人が太らないための対策7選
この記事では、食事面・生活面における「太ってしまう原因」を解説してきました。ここではダイエットを成功させるために太る原因を避けるための対策を紹介します。

① 太る原因を分析する

まずは「なぜ太っていくのか」という原因を探って見ましょう。

ダイエットをしているのに体重が増えていくときには、誤った方法で取り組んでしまっている可能性があります。体重が増える原因を知り、それに対する正しいアプローチが必要です。

自分一人で原因を見つけるのが難しいならかかりつけ医を受診して、相談してみるとよいでしょう。

② 適度な運動を取り入れる

体重をコントロールするためにはエネルギーの摂取量・消費量のバランスが大切です。

無理な食事制限に頼るのではなく、少しずつ運動量を増やしていきましょう。まずは「エレベータを使わない」「1駅分歩く」というように生活の中でできることから始めるのがおすすめです。余裕が出てきたら、1日20~30分の有酸素運動を取り入れると効果的です。

適度な運動は筋肉量を増やし、基礎代謝量アップにもつながります。無理ない範囲で運動を継続してみてください。

③ 生活習慣を見直す

自分の生活習慣を見直し、規則正しい生活を心がけましょう。

「睡眠不足」「ストレス」「水分不足」はどれも食欲を高め、食べ過ぎの原因になります。
記事の内容を参考に、自分の生活の中で問題となっている部分を探してみてください。

④ バランスのよい食事を摂る

バランス良い食事を1日3回、できるだけ同じ時間に食べるのが理想的です。朝食を抜いたり極端な食事制限をすると、間食でカロリーを摂り過ぎたり一回の食事量が多くなったりします。

栄養面では糖質・脂質・たんぱく質をメインとし、ビタミンやミネラルも補える食事内容を心がけましょう。とくにたんぱく質は筋肉の材料になり、水溶性の食物繊維は血糖値の上昇を抑えるため、これらを意識的に摂ることをおすすめします。

⑤ アルコールを控える

体重を落とすためにはできるだけお酒を控えましょう。

どうしても飲みたい方も毎日飲むのは避けて、飲む量も1日1合(缶ビール500ml分相当)までとしてください。
また、お酒と一緒に食べるおつまみにも注意が必要です。糖質や脂質が多いスナック菓子やソーセージではなく、枝豆やナッツ類をおすすめします。

⑥ 間食をうまく活用する

「どうしても食欲が抑えられない」という方は間食を使うとよいでしょう。

間食の摂取カロリーの適正量は1日200kcal程度です。これはシュークリーム1個分のカロリーに相当します。間食で食べ過ぎないポイントは、あらかじめ小分けにしておくことです。「干し芋」や「ナッツ」などは噛みごたええがあり、食物繊維やミネラルが豊富でおすすめです。

どうしても甘いものが食べたい時には糖質や脂質の多い洋菓子よりも和菓子を選びます。このとき、飲み物からの糖分摂取には注意しましょう。

⑦ 寝る3時間前までに食事を終える

できるだけ早い時間に夕食を追えるようにしましょう。

食べてすぐ寝ると、摂取したカロリーを消化しきれません。また、22時から深夜2時には脂肪を溜め込む作用を持つBMAL1(ビーマルワン)というホルモンが多く分泌されます。これが深夜に食事を摂ると太りやすいとされる理由です。

どうしても夜に食事を摂る場合にはなるべく消化の良いものを少量摂るようにしましょう。たとえば、うどんや野菜スープなどがおすすめです。

まとめ

まとめ
今回の記事では「痩せたいのに太っていく原因」を紹介しました。
肥満の原因として多いのは誤った食事の仕方です。
一方、生活習慣の乱れが食欲増進や過食を引き起こしている可能性もあります。
ご自身の生活を見直すことでダイエットの成功への鍵が見つかるでしょう。記事の後半で紹介した「太らないための対策」にも取り組んでみてください。

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