公開日:2024/03/21更新日:2024/03/21

ダイエット中に食欲が止まらない!3つの原因と3つの対処法

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ダイエットをしたいのに異常な食欲を感じ、我慢できず食べ過ぎてしまったことはありませんか?
その結果、自己嫌悪に陥ったり、ダイエットそのものが嫌になったりする女性は少なくありません。
ダイエット中に訪れる異常な食欲の原因を知り、正しく対処しなければ理想的な体型を手に入れることはできないでしょう。

この記事を読むことで、食欲が止まらないときに身体の中で起きていることが理解でき、適切な対処ができるようになります。
最後まで読んで食欲をコントロールするコツを身につけ、食欲をコントロールしてダイエットを成功させましょう。

食欲が止まらない3つの原因

食欲が止まらない3つの原因

食欲が止まらない原因はさまざまあります。
ここでは3つの原因を取り上げました。

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • ホルモンバランスの乱れ

それぞれについて、見ていきましょう。

ストレス

ストレスと食欲の間にはさまざまなホルモンが関係しています。
副腎皮質から分泌されるコルチゾールはストレスにより体内に増加するため、ストレスホルモンと呼ばれることも。

コルチゾールの量が増えると、食欲を抑えるホルモンであるセロトニンの働きを低下させるため、食べ過ぎてしまうのです。
日々のストレスが慢性化し、ホルモンバランスが崩れることで食べ過ぎを招く恐れがあります

睡眠不足

十分な睡眠が確保できないと、レプチンとグレリンという2つのホルモンのバランスが崩れ、結果として食欲のコントロールが難しくなります。

レプチンは満腹感を促し食欲を抑制するホルモンです。
睡眠不足により体内のレプチン濃度が低下すると、体が飢餓状態だと勘違いします。
一方、グレリンは食欲を増加させるホルモンで、睡眠時間が足りていないと過剰な空腹感を引き起こすことも。

加えて、睡眠不足は前頭前皮質の機能低下を招き、衝動的な欲求を抑えられなくなります。
夜遅くまで起きて作業をしていると、夜食を摂りたくなることがありませんか。
このとき、レプチンの低下とグレリンの増加が起きており、特に高カロリーなものが食べたくなってしまうのです。

睡眠は単に身体を休めるだけでなく、ホルモンバランスと食欲を正常に保つための重要な役割を果たしています。

ホルモン

女性の体は月経周期に伴い、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンのレベルが定期的に変動します。

とくに月経前症候群(PMS)の期間中にはこれらのホルモンの変動が激しくなり、多くの女性が異常な食欲を感じるのです
これは女性ホルモンの変動がストレスや感情の変化を引き起こし、それらを食べ物で解消しようしているからです。

女性が周期的に食欲を制御できなくなるのは生理的な現象であり、避けるのは難しいと言えるでしょう。
ただし、この理解を持っておくことで、食欲の変動を受け入れることができますよね。
「生理中は仕方ない」と開き直り、無理に食事を制限したり、自己嫌悪に陥ったりしなくてよいのです。

ダイエット中に食欲が爆発してしまう5つの理由

ダイエット中に食欲が爆発してしまう5つの理由
ダイエット中は普段と異なる生活リズムや食生活になることが多くなります。
それらはストレスとなって食欲を刺激することも。
そんなダイエット中ならではの「食欲が爆発してしまう5つのパターン」について紹介します。

カロリー制限による体の抵抗反応

ダイエットのために極端なカロリー制限をすると、身体は飢餓状態になったと勘違いします。
ここで、エネルギー不足になってはいけないので、身体は節約モードに入ります
消費エネルギーを節約するために代謝を落とすのです。

代謝が低いとカロリーの燃焼スピードも低いため、食べ物からのエネルギーを十分使えないまま体脂肪として蓄積されやすくなります。
また身体はエネルギー不足を感じやすく、結果的に食欲が増してしまうのです。

プレッシャーによる精神的ストレス

ダイエットが心身の負担になることもあるでしょう。
ハードなダイエットによるプレッシャーはストレスをためる原因となります。

このストレスが食欲を刺激して、間食が増えたり夜食で大食いしたり、といった異常な食欲が起こるのです
その結果、なかなか体重は落ちず、悪い循環に陥ってしまいます。

極端な食事制限による反動

極端な食事制限により、一定のダイエット効果を得られるかもしれません。
ただし、あまりに厳しい制限は食べ物への欲求を強くし、結果的に過食につながる可能性があります

たとえば、「1日1食でダイエットに成功したものの、友達と外食に行ったときに自制心を失い食べ過ぎてしまった」というパターンが典型的です。
我慢できているうちはいいものの、何かをきっかけに一気に食欲が流れ出してしまうこともあるので注意しましょう。

無理な目標設定が招く挫折感

ダイエット目標は現実的なものを設定する必要があります。
あまりにも現実離れした目標は挫折感を生み、ストレスとなります。

このストレスが結果として食欲を増大させるのです。
順調に体重が落ちていたとしても、目標が高すぎて燃え尽きてしまっては続かないため、現実的な目標設定をしましょう。

栄養バランスが悪く満足感のない食事

とくにダイエット中には「何を食べるか」が重要です。
食事制限により栄養バランスが偏ると、身体は栄養素や満足感を求めて食欲を増加させます

とくに炭水化物の摂取量をギリギリまで落とすダイエットでは最初は体重がガクンと落ちるものの、次第に何かを食べたい衝動に駆られて、結果的に間食が増えることがあるようです。
逆に栄養バランスが整った食事は食欲を自然に抑えてくれるでしょう。

食欲を抑える実践方法5ステップ

食欲を抑える実践方法5ステップ

食欲が止まらない方におすすめの5つの対策は以下の5つです。

  • 食事のタイミングを固定する
  • 間食を正しく摂る
  • 水分をこまめに摂る
  • エモーショナルイーティングについて知る
  • 定期的な運動を取り入れる

それぞれについて見ていきましょう。

食事のタイミングを固定する

食事には体内時計をリセットさせる刺激としての役割があるとされています。
一日の食事のタイミングを一定にすることで体内時計のリズムが整い、食欲が自然と調整されるでしょう
逆に日によって朝食を抜いたり、夕食が遅くなったりしていては食欲の管理が難しくなります。
食事の回数やタイミングを固定することで、過食・間食もしにくくなりますよ。

参考:時間運動学と時間栄養学 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2022年 第31巻 第 1 号 30- 34

間食を正しく摂る

「間食はすべてNG」というのは間違いです。
タイミングや量、質を吟味すれば、食欲を抑えるのにも役立ちます。

基本的に1日200kcal程度の間食が適切とされていますが、ダイエットをしている方はより低カロリーで栄養価の高いものを選ぶとよいでしょう。
たとえば、ナッツやフルーツ、牛乳などは満足感を得つつ、カロリーオーバーを防ぐのに役立つおすすめの間食です。

参考:間食のエネルギー(カロリー) | e-ヘルスネット(厚生労働省)

水分をこまめに摂る

水分不足が「偽の空腹感」を演出するといったことも言われています。
原因のひとつは、血液の粘度が上がってしまうことです。
すると、血管内の状態が高血糖のときと近くなり、それに伴い空腹感を感じてしまうという説があります

適切に水分を摂ることで胃腸の動きもよくなり、吸収率がよくなることで満腹感が続くという効果も期待できるでしょう。
摂り過ぎもよくありませんが、水分を摂ることで偽の空腹感が出にくくなります。

エモーショナルイーティングについて知る

エモーショナルイーティングとは、身体ではなく心を満たすために食べてしまうことです。
たとえ満腹でも、不安やストレスから「異常な食欲」が起こるとされています。

このとき、バランスの摂れた食事よりも特定の食べ物を好む傾向があるのが特徴です。
たとえば、ケーキやアイス、ポテトチップスのようにカロリーの高く栄養価の低い、いわゆる「ジャンクフード」が食べたくなるのはエモーショナルイーティングのひとつでしょう。
これが本来食べる必要のない「偽の食欲」から来ていることを知っておけば、適切に対応できます

衝動的な食欲を感じたときには読書や散歩、ストレッチなどで気を紛らわせることができればムダなカロリー摂取を避けられますよ。

定期的な運動を取り入れる

適度な運動は自然に食欲をコントロールしてくれるでしょう。
「運動後にグレリンやペプチドYYといった食欲を制御するホルモン分泌に作用し、食欲を一時的に低下させる」という報告もあります。

一方、マラソンや長時間のスポーツなど、高強度な運動の後には食欲が増加するとも言われています。
運動強度や頻度を調整すれば、運動が心身の健康につながり、バランスの取れた食事を摂りやすくなるきっかけとなるでしょう

異常な食欲が起こりにくい食事のコツ

異常な食欲が起こりにくい食事のコツ

いつも異常な食欲に悩まされている方は食事の摂り方を工夫する必要があります。
「食事のバランス低GI食品」「色と食欲の関係」について、詳しく見ていきましょう。

食事の栄養バランスを意識する

栄養バランスの偏った食事では、血糖値の変動が大きくなります。
それぞれの食事の中で「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」をバランス良く摂るのがおすすめです。
とくに食物繊維を豊富に含む野菜は血糖値の上昇を遅らせてくれます。

<食物繊維が豊富な食材の例>
  • オートミール
  • こんにゃく
  • りんご
  • ひじき
  • いんげん豆

上のような食材を積極的に選ぶようにするとよいでしょう。

できるだけ低GI食品を選ぶ

すぐに空腹感を抱き、食べ過ぎてしまう方は「低GI食品」を選ぶのが効果的です。
GI値とは、血糖値の上がりやすさを示す指標であり、一般的に55以下の食品を「低GI食品」と呼びます。
GI値が低い食品では糖の吸収が遅いため、血糖値の上昇もゆるやかです。

<低GI食品の例>
  • 玄米
  • 全粒粉のパン
  • そば
  • 豆類
  • 野菜類

例えば、白米を玄米へ替えたり、ラーメンをそばへ替えるだけでも血糖値の変動を抑えられるため、空腹感に悩まされることも少なくなるはずです。
とはいえ、いきなり全部GI値の低い食品に変えるのは大変ですよね。
まずは普段の主食をGI値の低いものに替えてみてください。

参考:青江 誠一郎監修. GIについて学ぼう. 大塚製薬公式HP

色と食欲の心理的影響を知る

実は色と食欲には密接な関係があるとされています。
「色の力」を借りることで、食欲を強制的に抑えることができる可能性があるのです。
色彩識別と味覚の関係について調査した研究では、男女ともに8割以上が「食べ物の色が食欲に影響する」と回答しました。

また、この研究の中で、食欲を増進させる色は「赤」「オレンジ」「黄色」であり、逆に食欲を減退させるのは「黒」「茶」「紫」「青」という結果だったようです。
どうしても食欲を抑えるのが難しい場合は、食欲をなくす色の食材を選ぶように工夫してみるのもよいでしょう。

参考:食品の色彩と味覚の関係 日本の20歳代の場合 奥田ら 日本調理科学会誌 2002 年 35 巻 1 号 p. 2-9

食欲が止まらず食べ過ぎたときの正しい対処法

食欲が止まらず食べ過ぎたときの正しい対処法

食欲が止まらず、食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。
そんなときでも焦る必要はありません。
過食の後の正しい行動について「食事面」と「精神面」で解説します。

【食事面の対処】食べ過ぎてから48時間以内にリセット

一回の食事で食べ過ぎてしまったからといって、ダイエットが台無しになるわけではありません。
食べた直後は一時的に体重が増えるかもしれませんが、その時点ではまだ脂肪になっているわけではないのです。

食事によって取り込まれた食べ物は糖として肝臓に貯蔵され、入りきらなかった糖が脂肪として蓄えられるのです。
このときに脂肪になるまでの期間が「48時間」とされています。
そのため、食べ過ぎた食事から2日以内に帳尻合わせをするとよいでしょう
脂肪になるまでの猶予があるとはいえ、できるだけ早く過食をリセットするように心がけてくださいね。

参考:ダイエット中に食べ過ぎた時の対処法…暴食した次の日に! [食事ダイエット] All About

【精神面での対処】自分を責めずに客観的に分析

食べ過ぎてしまった後は「また食べてしまった」「こんな自分は嫌だ」と罪悪感に苛立ちを感じることもあるでしょう。
ただし、こうしたネガティブな感情はストレスになり、さらなる過食のきっかけになる恐れもあります。

過食を自覚したら、食事内容だけでなく、メンタル面のリセットにも取り組みましょう
そのためには「異常な食欲を起こした原因」を明確にすることが必要です。
ダイエット中に食べ過ぎてしまうと、人間はどうしても自分のことを攻めがち。
そこで自分ではなく、環境のせいにしてしまうのです。

「食事のバランスが悪いのかな」「一回あたりの食事量が多いのかも」と客観的に原因を分析できるようになります。
自分を責めるのではなく冷静に対処できれば、よりダイエットもスムーズに進みやすくなるでしょう。

参考:食べ過ぎちゃったときの罪悪感リセット法 | あすけんダイエット

食欲が止まらない人のためのダイエットマインド

食欲が止まらない人のためのダイエットマインド

目標を細分化して成功体験を得る

食欲をコントロールするのが難しいと、どうしてもダイエットは思うように進まないでしょう。
ダイエットを成功させるためのポイントは、ダイエットを辞めないことです。
逆にあきらめずにモチベーションを保ち続けられているなら、それはダイエットの失敗ではありません。

そのためにもダイエットにおける長期的な目標を設定し、そこから逆算した細かい目標を意識するようにしましょう
いきなり「絶対に20kg痩せる!」と息を巻いても、目標が遠く感じられるため、なかなか続かないのです。
「今月末までにあと2kg」のように小さな目標のステップを用意すると、一つずつクリアしていくことで成功体験からやりがいを感じられるでしょう。

ストレスになりにくい方法を選ぶ

ダイエット中の過食を引き起こす主な原因がストレスです。
極端なダイエットは短期的には結果が出て、体重が落ちるかもしれません。

しかし長い目で見ると、無理なダイエットのせいで心身ともに負担を感じ、過食のきっかけになってリバウンドする恐れもあります
仮に「りんごだけダイエット」で成果が出たとしても、何年も続けられるものではないですよね。
自分にとって無理のない範囲で行えるダイエット方法を選ぶことで、食欲をコントロールしやすくダイエットも上手くいきやすくなるのです。

規則正しい生活を送る

本来、ダイエットという言葉の意味は「体重を落とすこと」ではありません。
「バランスの摂れた食事」「適度な運動」「規則的な生活」によって、適正な体重を維持するための手段です。

食事だけ、運動だけ、といった偏ったものではなく、日々の生活をバランス良く過ごした結果、ダイエットは上手くいくのではないでしょうか。
「栄養」「運動」「睡眠」などの何かが欠けると、食欲をコントロールするのは難しくなってしまいます
何か特別な「裏技」のようなものを探すのではなく、日々の生活を規則正しく送れるように心がけてみてください。

まとめ

まとめ
ダイエット中に食欲が止まらない原因はストレスや睡眠不足にあることが多く、女性ではホルモンバランスの乱れも主な原因の一つです。
とくに無理なダイエットはそれ自体がストレスになることも多く、無理のない方法を選ぶことがダイエットを成功させるカギになります。

たとえ、食べ過ぎてしまったときも自分を責める必要はありません。
食事と運動、そしてメンタル面を上手く整えながら、規則正しい生活を送ることがダイエットへの近道です。
まずは生活の中でストレス担っている部分がないかチェックしてみましょう。

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