脂肪吸引のメリット・デメリットとは?みんなの気になることを解説
脂肪吸引に興味があっても、どんな施術なのか、リスクはないのか、気になって踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
まずは、脂肪吸引のことを正しく知り、メリット・デメリットを確認することが大切です。
今回は、ダイエット方法の中でも効果が実感しやすいといわれている理由や、どの部位に施術できるのかなど、脂肪吸引の気になるポイントを解説します。
目次
脂肪吸引とは
脂肪吸引は「カニューレ」という吸引器具を使って皮下脂肪を除去する痩身治療です。
数mmほどの切開で済み、傷跡が目立ちません。
脂肪吸引ができる身体の部位は、顔や二の腕、お腹など、皮下脂肪が蓄積されやすい場所。
具体的には次のような部位があります。
・頬、あご
・二の腕
・胸
・背中
・腰、お腹
・太もも、ふくらはぎ
脂肪吸引が可能な量は人や部位によって異なるため、どれくらいの量という目安はありません。
ただし、一度に取れる量は3,000~4,000ccが平均的な量だとされています。
一般的には、腹部全体で1,500~1,800cc、太ももの表側と後側がそれぞれ1,000~1,500cc、ふくらはぎや二の腕で400~800cc、頬やあごが100~200cc程度の吸引を行うことが可能。
また、一度に5,000cc以上吸引すると、術後の脱水、貧血などのリスクが高まるので、それ以上吸引したい場合は2回以上に分けて行う必要があります。
脂肪吸引のメリット
脂肪吸引には、術後の目立ちにくさや、全身にわたって多くの箇所に施術できることなど、たくさんのメリットがあります。
ここでは、主な脂肪吸引のメリットを詳しく見ていきましょう。
リバウンドしにくい
脂肪吸引は一般的なダイエットと違い、リバウンドのリスクが少ないのが大きなメリットです。
食事制限や運動によるダイエットでは、脂肪自体の量を減らして痩せますが、脂肪細胞の数は減りません。
肥満は脂肪細胞が肥大化して起こる現象。
そのため、ダイエットのためにしていた食事制限や運動を止めるとリバウンドする可能性があります。
一方、脂肪吸引は脂肪細胞自体を除去するので、術後も普通の生活をしていればリバウンドする可能性が低いのです。
一度施術を受けて普通の生活を送るだけで理想の体型をキープできるのは、脂肪吸引の最大のメリットといえるでしょう。
部分痩せが可能
ダイエットで困るのは、痩せたい部分だけでなく思わぬ場所まで痩せてしまうこと。
例えば、落としたくないバストまで小さくなってしまったり、お腹やヒップがたるんでしまったりして、がっかりすることがあります。
通常のダイエットではこうした問題が起きやすいのですが、脂肪吸引では痩せたいパーツだけ痩せる「部分痩せ」が可能です。
さらに、通常のダイエットでは痩せるのが難しい「まぶた」や、「足首」、「ふくらはぎ」も、脂肪吸引の施術ができます。
全身のバランスを見ながら理想のボディラインに近づけられるのは、他のダイエットにはない利点です。
運動や食事制限なしで痩せられる
一般的なダイエット方法は、食生活の見直しが中心です。
しかし、食事の量を減らしたり、油や炭水化物を制限したりするだけでは、理想の体型を目指すのは難しいのが実情。
適度な運動と組み合わせ、数ヶ月単位で取り組まなければなりません。
痩身マッサージなども複数回にわたる施術が必要で、効果が現れるまでには長い期間を要します。
一方、脂肪吸引は、術後すぐに痩せたかった部位への効果を実感できます。
ダイエットで挫折する原因になりがちな運動や食事制限がないことも、脂肪吸引ならではのメリットです。
脂肪吸引のデメリット
大きなメリットがある一方で、脂肪吸引にもデメリットはあります。
手術の一種である脂肪吸引は費用がかかったり、痛みを感じたりといったデメリットや、場合によっては手術が死亡の要因となることもあるので注意しなければなりません。
ここからは、脂肪吸引のリスクや、避けることが可能かどうかなど、詳しく解説します。
どのようなデメリットがあるのかを知っておくことで、できるだけリスクを避けられるようにしましょう。
費用がかかる
脂肪吸引では、1回あたり30万円ほどの費用がかかります。
これは、運動によるダイエットや痩身エステなどと比較しても群を抜いて大きな金額です。
しかし、脂肪吸引と同程度の効果を得るために、運動であればジムに数ヶ月通い、痩身エステならば複数回施術を受けることを考えると、最終的な費用はさほど変わりません。
1度の施術で済みリバウンドも少ない脂肪吸引は、他のダイエット法と比較して総合的には高くはないといえます。
失敗することがある
脂肪吸引は、手術が失敗するリスクもあります。
失敗とは、施術した部分の皮膚がたるむなど希望の仕上がりにならないことや、全身のバランスが悪くなってしまう状態など。
具体的なリスクの例は以下の通りです。
・身体のバランスが崩れる:脂肪には吸引しやすい箇所があり、その部分だけを吸引しすぎてしまうと身体の左右でバランスが崩れることがあります。
・お尻が垂れる:太ももの脂肪は、お尻を支える役割も担っています。
そのため、太ももの脂肪吸引を行うと、お尻が垂れることがあります。
・吸入部位が思ったより痩せない:吸引しやすい箇所と吸引しにくい箇所があり、思ったような効果が得られないことがあります。
・顔面まひ:ごくまれに頬やあごの脂肪吸引で生じるケースがあります。
手術中に痛みを感じる
脂肪吸引は、手術の際に麻酔を使用します。
手術で使われる麻酔には4種類があり、麻酔によっては痛みが伴う場合があるかもしれません。
・局所麻酔:痛み止めを注射して部分的に麻酔が効くようにする方法です。
身体への負担が少ない一方、手術中に意識があるため怖いと感じる方もいるかもしれません。
・硬膜外麻酔:背骨の中の脊髄を包む膜の外側に、細い管で麻酔薬を注入します。
手術中に意識があるうえ、管の挿入に強い痛みと恐怖を感じる人が少なくありません。
・全身麻酔:意識がなくなる麻酔方法です。
呼吸器で麻酔薬を吸入するため、手術中は呼吸の管理がされます。
恐怖や痛みは感じませんが、術後に吐き気・めまいを伴う場合があります。
・静脈麻酔:麻酔薬を点滴で注入します。
全身麻酔と違い自発呼吸ができますが、意識はなくなるので痛みや恐怖を感じません。
また、吐き気やめまいも少ないのが特長です。
術後のダウンタイム
「ダウンタイム」とは、施術を受けてから回復するまでにかかる期間のこと。
脂肪吸引には、このダウンタイムがあります。
吸引する箇所によってダウンタイムは異なり、むくみや腫れ、内出血など症状も人によってさまざま。
こうした症状の多くは、術後1〜2週間ほどで引きます。
吸引する部位によっては、ほとんどダウンタイムがない人もいます。
そうした場合、術後その日のうちに帰宅して、翌日からシャワーを浴びることができます。
中でも、顔などの吸引はダウンタイムが軽いことがほとんどです。
ダウンタイムの期間中は激しい運動を避け、安静に過ごしましょう。
食事は、身体に負担がかからない範囲でなら、普段通りで問題ありません。
死亡事故のリスクがある
脂肪吸引も手術のひとつなので、死亡事故がまったくない訳ではありません。
死亡事故につながる要因として、主に次のようなことが挙げられます。
・麻酔の中毒症状:手術の際に使う麻酔が身体への負担になることがあり、血中濃度が高くなれば呼吸停止のリスクがあります。
・脂肪塞栓:脂肪吸引で血管が損傷した場合、脂肪成分が血管内に混入して末梢血管が詰まってしまう「脂肪塞栓」が発生することがあります。
肺などの器官に詰まると、最悪の場合死亡することもあります。
・カニューレのミス:皮下に細い管を挿入するため、内臓を傷つけてしまう場合があります。
脂肪吸引は手術であるため、トラブルが死亡事故につながる可能性はゼロではありません。
しかし、脂肪吸引の手術による死亡事故は非常にまれです。
脂肪吸引による主なダウンタイム
脂肪吸引する部位によって、ダウンタイムの症状や期間はさまざまです。
痛みやたるみのほか、次のような症状があります。
・むくみ:むくみのピークが来るのは術後1〜2週間ほど。
その後長い場合は、約3ヶ月続くこともあります。
ガードルや着圧タイツなどの圧迫固定はむくみに有効なだけでなく、ダウンタイムの軽減、仕上がりの良し悪しにも少なからず影響します。
むくみがなくてもこうした対策をしておくと安心ですね。
・内出血:吸引した部位が内出血した場合は、その部位を冷やすことが有効です。
・拘縮:吸引を行った部位の皮膚が硬く、デコボコした状態になることがあります。
時間が経てば元に戻りますが、マッサージをするとより早く皮膚がなめらかな状態に改善できます。
脂肪吸引の効果は?
吸引後数週間は、ダウンタイムのため腫れなどが出ている期間。
すぐには効果を実感しにくいかもしれません。
すぐに効果が現れないからといって、食べ過ぎたり生活が乱れたりして、太ってしまう場合もあるので気をつけましょう。
脂肪吸引による効果は個人差があるものの、どの部位でも施術から1ヶ月ほどで現れることがほとんど。
腫れが収まると吸引した部位は急激に細くなり、その後は緩やかに変化します。
このように経過を知っていると、効果が現れるまでに時間がかかって焦ることも、急激な変化に驚くことも少ないでしょう。
ダウンタイムの期間にしっかりと施術箇所を圧迫して、脂肪が除去された部分の隙間を埋めるようにすることで、痩身効果がアップ。
効果が出るまでは、気を抜かないことが大切です。
脂肪吸引はクリニック選びが重要
脂肪吸引ができるクリニックは数多くあり、中には経験の浅い医師もいます。
術後に強い痛みが出たり、内出血の範囲が広がったり、後遺症をもたらすリスクを避けるためには、クリニック選びをしっかり行うことが大切です。
そのためにも、費用だけでクリニックを選ばず、無料のカウンセリングなどを利用して、施術方法やリスク、金額なども確認しましょう。
メリットだけでなくデメリットも踏まえ、経験のある医師がいるクリニック選びができると安心です。