そのフケと脱毛症状、ひこう性脱毛症の可能性大!対処方法を今すぐ確認

薄毛予防
そのフケと脱毛症状、ひこう性脱毛症の可能性大!対処方法を今すぐ確認
監修者 阿部有寛(院長)

 

目に見える形で頭皮に現れてしまう「フケ」。

かゆみを伴ううえに見た目も悪く不潔に見えるという側面から、代表的な頭皮トラブルとして悩みを抱えている方も意外と多くいらっしゃると思います。

現状、頭に「大量のフケ」があり、さらに「抜け毛や薄毛が気になってきた」と感じる方は、『ひこう性脱毛症』の可能性があります。

「ひこう性脱毛症」とは、大量に発生したフケが毛穴を塞ぎ、髪の毛に栄養が行き渡らなくなることで弱った髪が抜け落ちてしまう脱毛症のことです。

この記事では、ひこう性脱毛症の原因や特徴について詳しく解説していきます。

現状フケや脱毛症状のお悩みがある方は、【確認チェック項目】を参考にしてひこう性脱毛症の可能性を確認することもできますので、現状の頭皮や髪の状態を見比べながら適切な対処方法を取れるようにしていきましょう。

フケと脱毛症状が同時に見られる場合、「ひこう性脱毛症」の可能性がある

現状ご自身の頭にフケが出てきており、髪質の変化や脱毛症状を感じている方は「ひこう性脱毛症」を疑った方が良いでしょう。

この章ではあなたの頭皮状態をチェックすることで、ひこう性脱毛症の可能性を確認していきます。

同様にフケが発生する脱毛症として「脂漏性脱毛症」の可能性も考えられますので、スマートフォンで写真を撮るなどして頭皮やフケの特徴を見ていただき、まずはご自身で判断を行ってみましょう。

 

「ひこう性脱毛症」の特徴はフケの大量発生とかゆみ

ひこう性脱毛症の「ひこう」は「粃糠」と書きます。粃糠とは米ぬかの意味を指し、米ぬかに似たようなフケが大量に発生したり、かさぶた状になったりすることからひこう(粃糠)性脱毛症と呼ばれているそうです。

フケ症との違いは、毛穴を塞いでしまうほどのフケが発生することによって脱毛症状を伴うところです。進行性の脱毛症ですので、放置するとフケがさらに溜まっていき、脱毛症状は次第に悪化してしまいます。

下記のイラストは、ひこう性脱毛症が疑われる方の頭皮をイメージした図です。

頭皮や髪に少量の白いフケが落ちているのではなく、以下のような状態が見受けられる場合には、ひこう性脱毛症の可能性が高いと言えるでしょう。また、頭皮に炎症が起きている場合は赤みや痒みを伴う可能性もあります。

<ひこう性脱毛症が疑われるフケの特徴>
・薄毛や脱毛症状が見られる疾患部分の髪の毛に余すことなく乾燥したフケが付着している
・パラパラとしたフケが髪の毛や肩に散らばって落ちている
・フケが広がって固まり、かさぶたのような状態になってしまっている

脱毛症状を伴う仕組みとしては、まず乾燥した細かいフケが大量に発生することで毛穴を塞いでしまい、毛穴にいる常在菌のマラセチア菌(真菌)がフケをエサに繁殖していきます。マラセチア菌が増殖すると毛穴に炎症が起きて髪の成長が阻害され、髪質が細く弱く変化します。
その結果、成長できなくなった髪の毛が徐々に抜け落ちていくことで、脱毛症状へと繋がってしまうのです。

 

ひこう性脱毛症の確認チェック項目

続いては、チェック項目を参考に現在の頭皮状態を確認することで、「ひこう性脱毛症」の可能性を判断していきます。

ただし、フケや痒みの症状があるからといって、必ずしも「ひこう性脱毛症」とは限りません。素人には判断の難しい脱毛症でもあるため、チェック項目に該当する症状が多い方は、一度皮膚科で診断してもらうことをおすすめします。

また、頭部はご自身で確認しづらい場所でもあるため、実際にチェックを行う際には難しさを感じる方もいらっしゃると思います。

ご家族や友人に協力いただける方は、一緒に頭皮を診てもらったり、患部をカメラで撮影してもらったりして確認するのがおすすめです。1人で行う場合には、実際に患部を触ったり、スマホのカメラで頭皮の状態をセルフ撮影したり、鏡を2つ使ってその場で確認するなどの工夫をしながらチェックを行いましょう。

①フケの量

まずは現状のフケの量を確認しましょう。頭皮の軽い乾燥によって少しだけフケが出ている分には単なるフケ症の可能性が高いですが、一目見てわかるような量のフケが発生している場合、ひこう性脱毛症の可能性が高いです。

②頭皮にかゆみがある

続いて、頭皮にかゆみが伴う場合もひこう性脱毛症の可能性が疑われます。
頭皮のかゆみは何らかの炎症によって引き起こされている可能性が高く、掻きむしることでさらにフケの発生量を増加させます。大量に発生したフケが頭皮の毛穴を塞いでしまうと、髪の毛は十分な栄養を受け取ることができなくなり、やがて抜け毛の症状へと発展します。

③頭皮にかさぶたができている

頭皮の炎症により、血液や膿などが乾燥して固まることでかさぶたになっている可能性があります。頭皮を触ってみてかさぶたがあると感じた方は、そのまま放置すると髪の成長を妨げてしまうため注意が必要です。

④脱毛症状がある、毛量が減ったと感じる

上記①~③のどれかを伴いつつ、髪質が細くもろく変化していたり、脱毛症状を感じていたりする場合、ひこう性脱毛症状を発症している可能性が高いです。逆にフケの症状やかさぶたがない、かゆみも感じていないが脱毛症状や髪質の変化が気になるという方は、ひこう性脱毛症よりもAGAを疑ったほうが良いかもしれません。

 
冒頭でもお話したように①~④の症状があったからといって、自己判断のみでひこう性脱毛症と断定することはできません。ひこう性脱毛症である可能性が高いと感じた方は、必ず皮膚科などのクリニックを受診し医師の診療を受けましょう。

 

アレルギー体質や肌が弱い方はひこう性皮膚炎になりやすい

元々肌が弱い方は、季節の変わり目などに肌トラブルが起こりやすく、少ない刺激でも頭皮が過敏に反応して炎症やフケができやすいと言われています。

また、最近の研究では、マラセチア菌が分泌するタンパク質がアトピー性皮膚炎患者にアレルギー反応を起こすことも判明しました。

大量なフケの発生は皮膚炎や皮膚の免疫異常が原因で起こる可能性が高いので、比較的アレルギー体質の方や肌の弱い方はひこう性脱毛症になりやすいといえるでしょう。

※参考:「アトピー性皮膚炎患者における汗アレルギーの原因物質を同定」

 

頭皮のベタつきも気になる場合は「脂漏性脱毛症」の可能性あり

ひこう性脱毛症と同じような症状を持つ脱毛症として「脂漏性脱毛症」があります。
脂漏性脱毛症は、ひこう性脱毛症と同様に大量のフケやかゆみを伴いますが、その他の特徴として頭皮のべたつきや湿疹などの症状も併発します。

<脂漏性脱毛症>
脂漏性脱毛症とは、「脂漏性皮膚炎」が原因となって起こる脱毛症です。
 
何らかの事情で頭皮の皮脂の分泌が多くなると、皮膚に常在しているマラセチア菌(真菌)が増殖し、かゆみや湿疹などを伴う脂漏性皮膚炎が起こります。
 
脂漏性皮膚炎を放置すると、頭皮の炎症だけでなく、皮脂が毛穴を塞いで髪に十分な栄養を届けることができなくなるため、髪の成長は阻害されて脱毛症状へと繋がります。

ひこう性脱毛症と脂漏性脱毛症は非常によく似ているので、自己判断ではなく必ず医師に診断してもらいましょう。

放置は厳禁!誰もがなり得る脂漏性脱毛症を徹底解説

 

ひこうせい脱毛症の原因①:外的刺激、頭皮負担

ひこう性脱毛症を発症する原因の1つとして、「外的刺激による頭皮への負担」が挙げられます。

日常的に使用しているシャンプーの種類や洗髪の仕方、ヘアカラー剤などによって頭部へ外的な刺激が加わると、頭皮環境の悪化を招いてフケの大量発生や頭皮の炎症を引き起こす可能性があります。

 

高洗浄力のシャンプーを使用

フケが気になるからといって、洗浄力の高いシャンプーでフケを抑えようとしていませんか?

これは逆効果であり、さらに頭皮への刺激を与えてフケの症状が悪化する可能性があります。洗浄力の高いシャンプーは頭皮に必要な皮脂までも洗い流してしまうため、余計に頭皮を乾燥させてフケを作り出す要因に繋がります。

 

頭皮汚れの洗い残しやシャンプーのすすぎ残し

髪や頭皮に合ったシャンプーを使用することはもちろん大切ですが、髪の洗い方まで気にかけたことはありますか?

日中活動した髪や頭皮には、埃や整髪料などの汚れがたくさん付着しており、雑な洗髪で髪や頭皮をしっかり洗えていなかったり、シャンプーなどのすすぎ残しがあったりすると、乾いたフケが発生しやすくなります。

頭皮では肌と同じようにターンオーバーが行われ、通常古くなった角質は自然と剥がれて新しい細胞に変わっていきますが、頭皮環境が悪化するとターンオーバーのサイクルが乱れ、その結果フケとして頭皮の垢が出てきてしまうのです。

 

肌に合わないヘアカラー剤の使用

ブリーチ剤やヘアカラー剤を使用したからといって、必ずしもひこう性脱毛症になるわけではありません。しかし、こうした薬剤は刺激の強いものが多く、髪や頭皮にかなりのダメージを与えてしまいます。

特に市販のヘアカラー剤は、誰が染めても綺麗に仕上がるように強い薬剤を使用している場合が多く、美容院の薬剤に比べて髪や頭皮に与える負担が大きいと言われています。

そのため、頭皮に赤みやフケ、かゆみなどの炎症が起きている状態では、さらに頭皮の炎症を悪化させてしまう危険性もあることから、染色剤の使用は避けた方が良いでしょう。

また、頭皮に炎症が起きていない場合でも、髪や頭皮へダメージを与えることに変わりはありません。日ごろから頻繁にヘアカラーやブリーチをしている方は、髪を染める頻度の見直しやダメージの少ないカラー剤の選択を意識することで、髪や頭皮へ与える負担をできる限り減らしてあげましょう。

 

ひこうせい脱毛症の原因②:ホルモンバランス

ひこう性脱毛症が発症するもう1つの原因には「ホルモンバランスの乱れ」が挙げられます。

ストレスや偏った食生活、睡眠不足といった生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れを招き、血行不良や成長ホルモンの分泌を妨げて頭皮環境を悪化させます。

 

食生活の乱れによる栄養の偏り

ジャンクフードや加工食品ばかりの栄養バランスが偏った食事は、皮脂を過剰に分泌させ、ひこう性脱毛症の原因であるマラセチア菌(真菌)の増殖を促してしまいます。

また、食生活が乱れることでホルモンバランスにも乱れが生じ、肌荒れの原因や頭皮の炎症を悪化させる可能性もあります。

さらに、栄養バランスが偏った食事を摂取し続けてしまうと、髪に栄養が行き渡らず弱々しい髪の毛しか生えてこなくなるため、薄毛の観点から見ても、食生活の乱れは直ちに改善すべきでしょう。

 

睡眠不足による成長ホルモン分泌量の減少

紫外線などの外的刺激を受けた髪や頭皮のダメージは、寝ている間に分泌される「成長ホルモン」によって修復が行われます。また、成長ホルモンは健康な髪を育てるためにも欠かせない存在です。

成長ホルモンは、就寝後1~3時間経過してから分泌され始めるため、睡眠時間が少ない場合ダメージの修復が十分に行えません。すると、修復しきれなかった髪や頭皮のダメージはどんどん蓄積されていき、ひこう性脱毛症の症状へと繋がってしまいます。

 

運動不足による血流の悪化

運動不足になると、筋肉量の低下から血行が悪くなり、新陳代謝が乱れて頭皮環境の悪化に繋がります。

皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)とは、古くなった肌や頭皮が一定期間で剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わるサイクルのことを指します。

筋肉は血液を全身に押し流す役割を持っているため、運動不足が続くと筋肉量が低下して血行不良に陥り、新陳代謝の正常なサイクルを乱して頭皮環境の悪化に繋がります。

血行不良により新陳代謝が正しく行われずにいると、古い皮膚がいつまでも剥がれ落ちなかったり、新しい皮膚が作られる前に古い皮膚が剥がれ落ちてしまったりすることで、フケや炎症を発生させてひこう性脱毛症の原因になります。

 

ストレスの蓄積

人は過度なストレスを受けると、自律神経やホルモンバランスに乱れが生じます。ホルモンバランスの乱れは、新陳代謝に影響を与えてひこう性脱毛症の原因になります。

また、その他にもストレスによって男性ホルモンの分泌量が増加することで、皮脂が分泌される量も増えてしまいます。

皮脂はひこう性脱毛症の原因であるマラセチア菌(真菌)を増幅させる傾向があるため、ストレスを抱えていると感じる方は注意が必要でしょう。

 

ひこう性脱毛症の疑いがある場合はすぐに皮膚科へ

ひこう性脱毛症の疑いがある場合は、皮膚科を受診して治療を行う必要があります。

治療をせずに自己判断で放置してしまうと、頭皮環境が悪化する可能性や脱毛症状が進行する可能性が考えられるため、できるだけ早めに処置を行うことが大切です。

また、頭皮環境が改善したにも関わらず脱毛症状が続く場合には、AGAを発症している可能性もあります。万が一、AGAの発症が疑われる場合には、「薄毛治療」を専門に行っているクリニックへ一度相談するのがおすすめです。

 

皮膚科の診療を受ける

ひこう性脱毛症の疑いがある場合は、皮膚科で頭皮の治療を行うことが最優先です。

抜け毛が気になるからと言ってAGAの専門クリニックで薄毛治療を始めても、ひこう性脱毛症の根本的な原因解決には繋がらず、頭皮のフケと炎症を治療しない限り脱毛症状を止めることはできません。

髪が抜けていく現状に焦る気持ちもあるかと思いますが、まずは皮膚科で頭皮の状態を確認してもらい、ひこう性脱毛症であるかの判断を仰ぎましょう。

 

皮膚科で処方されるお薬の種類

市販でも頭皮の乾燥を和らげるローションや頭皮専用のかゆみ止めを手に入れることはできますが、正しくひこう性脱毛症を改善していくためには、皮膚科でお薬を処方してもらうのが効果的です。

ひこうせい脱毛症の治療として、皮膚科では主に以下のお薬が処方されます。

ステロイド外用薬や抗生物質
→ 頭皮の炎症を抑える

抗真菌外用薬
→ ひこうせい脱毛症の原因菌となるマラセチア菌(真菌)の増殖を抑える

抗ヒスタミン薬
→ かゆみを抑える

ビタミン剤
→皮脂量をコントロールして過剰な皮脂の分泌を抑える

症状の改善には個人差があり、症状の進行具合によって処方されるお薬の量も変わってきます。確実に改善していくためにも、処方されたお薬の用法用量を守って正しく使用しましょう。

 

皮膚の炎症を抑えても脱毛症状が治らない場合はAGAを併発している可能性がある

ほとんどの場合、治療によって皮膚の炎症が改善すれば脱毛症状はなくなるでしょう。頭皮環境が正常に戻り毛穴の炎症が治まれば、自然と髪の毛も健康に生えてくるようになります。

しかし、「頭皮環境が改善されたにも関わらず脱毛症状が続く」「元気な毛がなかなか生えず薄毛になってしまっている」という方は、AGAを併発している可能性があるので注意が必要です。

AGAとは男性型脱毛症とも呼ばれ、思春期以降の男性に薄毛・抜け毛が発症します。進行性の脱毛症なので、一度発症してしまうと進行を止めることができません。

AGAを発症している場合は、AGA治療のできるクリニックで治療を受ける必要があります。皮膚科や美容クリニック、AGA治療専門のクリニックなど「薄毛治療」を診療科目としているクリニックにて、今度は皮膚疾患を治療するのではなく、抜け毛の抑制と発毛の促進をする治療をしていくことになります。

もし、ひこう性脱毛症が完治した後に脱毛症状が見られる場合は、AGAを疑ってください。
クリニックには実店舗型やオンライン型など様々な種類があり、無料のカウンセリングなどを受けることも可能です。ひこう性脱毛症と同様に、放っておくと手遅れになる可能性があるため、症状を感じた場合はなるべく早めにクリニックを受診しましょう。

 

【至急】フケ・かゆみの症状を抑えるためにできるセルフケア3選

ひこう性脱毛症を改善するためには、すぐに皮膚科を受診して治療を始めることが肝心です。しかし、頭皮のかゆみを我慢するのはつらいですし、フケは見た目の印象を左右します。
治療をしながらなるべく早く症状を改善していくために、日常生活ですぐにできるフケ・かゆみの改善方法についてご紹介していきます。

今日からできる簡単なものですので、ぜひ日常生活で取り入れてみてくださいね!

 

低刺激シャンプーや乾燥肌に適したシャンプーの使用

洗浄力の高いシャンプーを使用していると、頭皮に必要な皮脂まで洗い流す可能性があり、乾燥したフケを増幅させてしまいます。

従って、洗浄力の高いシャンプーを使用している方は、肌質に合ったシャンプーに変更するのが良いでしょう。

高級アルコール系シャンプーを避ける

シャンプーを選ぶ時は成分表を確認しましょう。洗浄力が高いとされている高級アルコール系シャンプーには、下記のような成分が配合されている可能性が高いです。

高級アルコール系シャンプーの成分表記
・ラキレス硫酸○○
・アルキル硫酸○○
・硫酸エステル○○

現在フケの症状がある方は、一度使っているシャンプーボトルの裏側を確認し、上記のような成分が入っている場合には使用を中止した方が良いかもしれません。

乾燥肌タイプの方にはアミノ酸系シャンプーがおすすめ

頭皮が乾燥しフケが発生する 乾燥肌タイプ の方には、アミノ酸系シャンプーがおすすめです!

アミノ酸系シャンプーは、頭皮をソフトに洗浄できるタイプのシャンプーです。低刺激シャンプーに分類され、いらない皮脂や汚れは洗浄して必要な皮脂は適度に残しながらやさしく洗いあげることが可能です。

アミノ酸系シャンプーの成分表記
・ラウリル硫酸
・ラウレス硫酸
・スルホン酸

表記の最初の方に上記の成分が記載された商品を選択しましょう!
※ベタイン系シャンプー(○○ベタイン)やアミノ酸系シャンプーとして販売されている商品が該当します。

プラスで頭皮の潤いや保湿効果を高めてくれる成分
・ヒアルロン酸
・グリセリン

シャンプーは毎日行うものなので、自分の頭皮に合ったものを選び、日常生活からもひこう性脱毛症を改善できるようにしていきましょう!

 

正しい洗い方でシャンプーのすすぎ残しを無くす

頭皮汚れの洗い残しやシャンプーのすすぎ残しも、ひこう性脱毛症の大きな原因の1つとして挙げられます。
頭皮を健康に保つためには、シャンプーを低刺激のものや自分に合ったものに変えるだけではなく、正しい洗い方で毎日洗髪を行うことが大切です。

シャンプーは、髪の毛ではなく頭皮を洗うイメージで行いましょう。少し手間に感じるかもしれませんが、なるべく意識して取り組んでみてください。

以下にて、正しいシャンプーの手順をご紹介いたします。

1.まずはお湯のみで髪を濡らしていきます。シャンプーはまだつけなくて大丈夫です。
お湯で事前に髪の毛についているスタイリング剤やホコリを落とすことで、シャンプー時の洗浄力がアップします。髪全体にお湯を馴染ませ、粗めのくしや手ぐしで優しく髪を梳かしましょう。

2.シャンプー剤を手のひらに取り、なるべく泡立つように馴染ませていきます。
泡立ちが良くなったら、頭皮へ浸透させるように洗っていきましょう。この時に強い力でゴシゴシ洗ってしまうと、自ら頭皮を傷つけるだけでなく髪を引き抜いてしまう可能性があるので、できるだけ優しく行ってください。
指の腹全体を頭皮に密着させ、優しく頭皮マッサージをするように洗います。生え際、もしくはうなじあたりから、トップに向かって丁寧に洗っていきましょう。急がず3~5分程度かけて、ゆっくりマッサージをしながら洗髪していくのがコツです。

3.最後にお湯ですすいでいきます。シャンプー残りがあると抜け毛の原因になるので注意しましょう。すすぎはシャンプーのぬるつきがなくなるまで丁寧に行うことを意識してください。

洗髪の仕方を少し意識するだけで、頭皮の負担が減るだけではなくしっかりと汚れやシャンプーを洗い流すことができます。
ひこう性脱毛症の予防として、または現在ひこう性脱毛症の治療を行っている方もすぐに実践できる洗い方ですので、ぜひ毎日のお風呂時間に試してみてくださいね!

 

抜け毛予防に最適なシャンプーは?症状別おすすめシャンプー5選

 

オメガ3脂肪酸、ビタミンA、ビタミンB群を摂取

身体は食事から摂取した栄養素によって作られています。頭皮や髪も同様に食事から得た栄養によって構成されるため、偏った食事を繰り返していると、頭皮がミイラのように乾燥したり、血流や新陳代謝の悪化によって肌荒れを起こしたりといった不調の原因に繋がります。

頭皮環境の悪化を防いでひこう性脱毛症の症状改善していくためにも、これから紹介する3つの栄養素を積極的に摂取していきましょう。

 

【オメガ3脂肪酸】アレルギーの抑制や血流促進に効果的

オメガ3とは、魚の油に含まれるDHAやEPA、亜麻仁油やエゴマ油といった植物油に含まれるαリノレン酸などの脂肪酸の総称を指します。健康のために意識して摂取すべき必須脂肪酸と言われており、アレルギーの抑制や血流の改善が期待されています。なお、体内では合成できないため必ず食事から摂取する必要があり、欠乏すると皮膚炎などを引き起こしてしまいます。
ひこう性脱毛症は、アレルギー体質の方が発症しやすいことや血流の乱れによる頭皮環境の悪化が原因とされることから、予防の一環としてオメガ3脂肪酸の積極的な摂取をおすすめします。

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、オメガ3(n-3系)脂肪酸の目安摂取量は、成人男性:2.0g~2.2g、成人女性:1.6g~2.0gが推奨されています。
摂取上限量は特に設けられていませんが、過剰摂取に気をつけながらバランスよく食事を摂っていくのが最善です。

<オメガ3(n-3系)脂肪酸を含む食材>

魚油 植物油
・サバ
・イワシ
・サンマ
・マグロ
・エゴマ油
・亜麻仁油
・なたね油
・大豆油

<オメガ3脂肪酸を摂取する際のポイント>
・オメガ3(n-3系)脂肪酸は熱に弱いので、加熱しないで接種するのがおすすめ。
・なたね油や亜麻仁油、大豆油などの植物油は、熱を通さずにドレッシングなどの用途で出来上がった料理にかけて摂取するのが好ましい。
・なたね油や亜麻仁油、大豆油などのαリノレン酸を含む油は、酸化しやすいので揚げ物などには向かない。
・サンマやサバなどの魚類も熱を通さず、刺身やカルパッチョにして摂取するのが効果的。

食事での摂取が難しい場合は、サプリメントを活用するのがおすすめです。

毎日青魚や植物油のドレッシングを目安量食べるのは難しいですよね。筆者はアトピーや様々なアレルギーを持っているのですが、オメガ3のサプリメントを服用するようになってから、皮膚炎や鼻炎のアレルギーの症状が悪化しにくくなりました。

※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会

 

【ビタミンA】皮膚のターンオーバーを促す

ビタミンAは皮膚の健康を保つために必要なビタミンです。油に溶けやすい性質をもった脂溶性ビタミンの1種であり、皮膚の形成や肌のハリ、潤いを保つ働きがあります。また、紫外線から肌を守るためにもビタミンAは大切なので、紫外線を浴びやすい頭皮にとっても必要な栄養素と言えます。

ビタミンAの過剰摂取は腹痛や吐き気、皮膚異常や頭痛などを引き起こす可能性があります。しかし、通常の食事の範囲でビタミンAを多く含む食材を意識的に摂取する程度であれば、過剰摂取の心配はそれほどないとされています。
これらを踏まえて、ただ闇雲に摂取するのではなく、目安量を守りながらバランスの良い食事を心がけていきましょう。

ビタミンAを含む食材

動物性食品 植物性食品
【肉類】
・鶏レバー
・豚レバー
・牛レバー
 
【魚介類】
・ウナギ
・ホタルイカ
・ギンダラ
・クロマグロ
・アナゴ
 
【その他】
・卵黄
・食塩不使用バター
・うずらの卵
・マスカルポーネチーズ
【海藻類】
・干し海苔
・干しわかめ
・干しひじき
 
【野菜類】
・にんじん
・しそ
・モロヘイヤ
・春菊

※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会

 

【ビタミンB群】頭皮の健康維持に欠かせないビタミンB6、ナイアシン

ビタミンB群には様々な種類がありますが、中でも積極的に摂取していただきたいのがビタミンB6とナイアシンです。それぞれは頭皮の健康を保つために欠かせない役割を持ち、ビタミンB6は健康な髪や肌を作る働き、ナイアシンは皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。

ビタミンB6・ナイアシンを含む食材

ビタミンB6 ナイアシン
・ピスタチオ
・ミナミマグロ(赤身)
・牛レバー
・鶏レバー
・ドライバナナ
・たらこ
・煮干し(カタクチイワシ)
・落花生
・クロマグロ(赤身)
・豚レバー

 

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さいごに

ひこう性脱毛症を放置すると、更なる症状の悪化や抜け毛の増加によって薄毛になってしまいます。
【確認チェック項目】と照らし合わせて、ひこう性脱毛症の可能性が高いと感じた方は、できるだけ早く皮膚科を受診するようにしましょう。

皮膚の炎症によって起こるひこう性脱毛症は、焦らずに頭皮環境を正して皮膚の炎症を治療することで改善が可能です。
しかし、万が一皮膚の炎症が治っても脱毛症状が続いている場合には、AGAを発症している可能性が考えられます。AGAはひこう性脱毛症と同じく進行性の脱毛症ですので、治療をせずに放置するとどんどん薄毛が加速していきます。早期治療を行うほど改善する可能性は高まりますので、少しでも不安に感じた方はAGA治療を行っているクリニックへ相談することをおすすめします。

ひこう性脱毛症は、フケの発生によって見た目に影響を及ぼすうえに、かゆみや脱毛などの非常に悩ましい症状が出てくる疾患です。治療中は我慢も必要になるかと思いますが、より治療の効果を上げるためにできることはたくさんあります。
自分の頭皮に合うシャンプーを使用して洗髪の仕方を工夫してみたり、栄養バランスの良い食事を意識してみたりするなど、ご自身でできるセルフケアも取り入れながら、できるだけ早期の改善を目指していきましょう!

※参考:「私の治療方針」

 

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ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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