薄毛予防

豆乳は髪の毛に良い?薄毛予防に効果が高い8つの栄養素を解説

監修者 阿部有寛(院長)

 

豆乳が髪の毛に良いという噂を耳にしたことはありませんか?
髪の毛のボリュームが減ってきたのが気になり、どうにかして薄毛対策したいと豆乳ドリンクを飲んだり、料理に豆乳を使用したりしているものの、本当に髪の毛に良いのか、薄毛に効果があるのか疑問に感じている方がいるかもしれません。
そして、本当に豆乳で薄毛予防ができたり、髪の毛が生えてくるのなら積極的に摂取したいと考える方が多いでしょう。

結論から申し上げますと、豆乳には髪の毛に良いとされる栄養素が豊富に含まれているため、薄毛を予防して、育毛と言う観点から健康な髪の毛を育てていくことは可能と言えます。

一方で、薄毛は男性ホルモンや遺伝が関係することが多いため、豆乳のみを飲んでも新しい髪の毛が生えてくるとは言い難いですが、薄毛予防として髪の毛を丈夫にして抜けにくくすることはできます。

そこで今回は、豆乳が薄毛に効果が高いとされる理由や、豆乳に含まれる髪の毛に良い8つの栄養素について解説していきます。効果的な豆乳の摂取の仕方や注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてください!

豆乳が薄毛に効果が高い理由

元気な髪の毛を育てていく上では、栄養バランスの整った食事をすることが大切ですが、そのためには様々な食材を摂る必要があります。
そのひとつとして、豆乳は髪の毛を作り、土台となる頭皮を健康に保つための栄養素が豊富に含まれているため、薄毛予防していくには効果的と言えます。

ここでは、豆乳が薄毛に効果が高いとされる理由について解説していきます。

大豆には髪を作る栄養素が豊富に含まれている

大豆には、髪の毛を作るために必要な栄養素が豊富に含まれています。
私たちが食事で摂った栄養素が消化・吸収され血液となって、毛根に運ばれることで髪の毛は育ちますが、その材料が足りなくなると、細く柔らかい髪の毛しか育たなくなります。もろい髪の毛は外部からの刺激に弱いため、切れやすくなりやがて抜け毛が増えてしまうのです。

大豆にはタンパク質・ビタミン類・脂肪酸などの髪の毛を構成する上で欠かせない栄養素が複数含まれているおり、丈夫な髪の毛を作っていくことができます。また、豆乳に含まれる栄養素には、お互いの働きをサポートできるものもあるため、さらに髪の毛を作るための相乗効果も期待できるのです。

美容だけではなく育毛の観点からも優秀な食材

豆乳は美容に良いと言われていますが、育毛の観点から見てもとても優秀な食材です。
豆乳のみを飲んで髪の毛をたくさん生やすことは難しいですが、頭皮環境を整えて今ある髪の毛を丈夫に育てていくことはできるのです。

髪の毛がもろくなって抜けやすくなったり、ボリュームがなくなったりするのは様々な理由があり、そのひとつとして生活習慣やストレスによって頭皮環境が悪化することがあります。フケが出ることや炎症が起こることで、抜け毛を引き起こす場合があるのです。

豆乳に含まれる栄養素は、頭皮を外部の刺激から守り、潤いを守ることで健康的な頭皮を作ることができます。また、睡眠の質や過度なストレスなどによる抜け毛も防ぐことができます。
このように、健康的な頭皮環境を整えて、丈夫な髪の毛を育てていく上では豆乳はぴったりな食材です。

豆乳に含まれる髪の毛に良い8つの栄養素

豆乳が薄毛予防や育毛の観点から髪の毛に良いことがご理解いただけたと思います。
そこで、ただ豆乳を飲むだけではなく、栄養素がどのように作用して髪の毛に良い影響があるのか把握することで、効果が実感しやすくなるかもしれません。また、髪の毛に大切な栄養素を知ることで、今後も食事をするときに意識して摂取することができます。

ここでは、豆乳に含まれる髪の毛に良い8つの栄養素について詳しく解説していきます。

タンパク質

豆乳には、髪の毛を作る材料になるタンパク質が含まれています。
髪の毛の約85%は、ケラチンと言うタンパク質で構成されているため、タンパク質が足りなくなると元気な髪の毛が育ちません。

食事でのタンパク質が不足すると、髪の毛の強さに関わるコルテックスの量が少なくなり、細く柔らかい毛しか育たなくなります。そして、外部からの摩擦に弱くなり、切れ毛や枝毛などが増えて抜けてしまうのです。また、髪の毛にハリコシや潤いがなくなり、ボリュームダウンして薄毛のように見えることもあります。

そのため、健康的な髪の毛を育てていくうえで欠かせないのがタンパク質と言えます。
特に豆乳は、植物性タンパク質なので脂質が少なく、血液の質を悪化させにくいと言われており、頭皮や髪に栄養を運ぶ血流に影響を与えないので、髪の毛を作る上では適しているのです。

タンパク質は豆乳以外にも肉類や魚介類、乳製品に多く含まれています。

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大豆イソフラボン

豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、頭皮環境を整えることや、男性の薄毛に多いAGA(男性型脱毛症)の予防が期待できると言われています。

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つことで、肌の新陳代謝を促進し、頭皮を乾燥から守り、髪の毛にハリやツヤを与えることができます。さらに、自律神経を安定させる働きもあるため、血行不良によるヘアサイクルの乱れを未然に防ぎ、抜け毛を増やさないこともできるのです。

また、もう1つの作用として、AGAを引き起こす原因である5αリダクターゼの働きを阻害する効果も期待されています。

AGAは、男性ホルモン(テストステロン)と5αリダクターゼが結合し、悪玉男性ホルモン(DHT)となって髪の毛が抜けてしまいます。この5αリダクターゼの働きを大豆イソフラボンが阻害すると言われており、AGAを防げる可能性があるのです。

一方で、AGAは遺伝も関係する脱毛症のため、大豆イソフラボンを摂ったからと言って必ずしも薄毛にならないわけではないですが、育毛という観点で見ると積極的に摂りたい栄養素と言えます。

大豆イソフラボンは、豆乳と同様に大豆製品の納豆や豆腐、油揚げなどに多く含まれています。

参考:日本人男性の前立腺がんと大豆製品とイソフラボンの摂取 |がんの疫学、バイオマーカー、予防 |米国がん研究協会(American Association for Cancer Research) (aacrjournals.org)

ビタミンB群

豆乳に含まれるビタミンB群は、頭皮を健やかに保ち、髪の毛を丈夫に育てていく作用があります。
ビタミンB群の中でもビタミンB2は、頭皮の機能を正常に保つことに加えて、過剰な皮脂分泌を防ぐことができます。男性は女性に比べると頭皮の皮脂分泌量が多いため、きちんと洗浄しきれていないと毛穴を詰まらせて抜け毛を引き起こす可能性もありますが、ビタミンB2を摂ることで皮脂分泌のバランスを整えてくれるのです。

また、ビタミンB6は、髪の毛を作り出す毛母細胞の細胞分裂を活性化させることができるため、丈夫な髪の毛を育てることができます。さらに、新陳代謝が活発になる作用もあり、血管が強化されて髪の毛に必要な栄養が運ばれやすくなるのです。

そして、ビタミンB6はタンパク質と一緒に摂取すると、タンパク質がアミノ酸に分解して再結合するのをサポートすることができます。豆乳にはタンパク質とビタミンB6の両方が含まれているため、丈夫な髪の毛を作っていくために積極的に摂ると良いでしょう。

他にもビタミンB2はアーモンドやわかめに、ビタミンB6はマグロやニンニクに多く含まれています。

ビタミンE

豆乳にはビタミンEが含まれており、頭皮環境を整える作用があります。
ビタミンEは、強力な抗酸化作用があるため、紫外線やストレスなどで増えてしまった活性酸素を抑えることで頭皮トラブルを防ぐことができます。頭皮の炎症やフケ、かゆみなどは抜け毛を引き起こす可能性があるので、ビタミンEで体の中から頭皮ケアをしていくことも大切です。

また、頭皮の血流をスムーズに流す作用もあり、髪の毛を作る上で重要な栄養をしっかりと届けて、丈夫な髪を育てることもできます。必要な栄養素を受けとることができれば、抜け毛を防ぐこともできます。

ビタミンEは、カボチャやほうれん草にも多く含まれます。

オリゴ糖

豆乳に含まれるオリゴ糖は、腸内環境を整えることで育毛効果が期待できます。
オリゴ糖は消化酵素ではほぼ分解されないため、そのまま大腸に届き、善玉菌であるビフィズス菌を増やすことで腸内環境が整います。

腸内環境が良くなると、健康的な体になるのと同様に髪の毛にも様々な作用をもたらし、頭皮が荒れるのを予防することで、健康な髪の毛を育てる土台を整えることができるのです。
また、睡眠の質が改善されることで、自律神経が安定し、頭皮にしっかりと栄養を届けることも可能です。さらに、精神の安定にも繋がり、ストレスによる抜け毛も抑えることもできます。

オリゴ糖は豆乳の他にも、ネギや玉ねぎ、ゴボウなどに含まれています。

リノール酸

豆乳に含まれるリノール酸は、頭皮のバリア機能を高めることや、髪の毛の乾燥を防ぐことができます。
リノール酸は私たちの体の機能が正常に働くために欠かすことのできない必須脂肪酸で、体内で生成することができないため、食事で摂取しなければなりません。

この脂肪酸の量は年齢とともに減少していき、頭皮や髪の毛の水分量が少なくなって、フケが出たりパサついたりします。また、シャンプーのしすぎや空気の乾燥によっても、頭皮が炎症を起こし、かゆみに繋がることもあります。
リノール酸を摂取することで、外部の刺激や乾燥から頭皮を守ることができ、ツヤのある髪の毛を育てられるのです。

リノール酸は、大豆油やごま油などの植物油にも多く含まれます。

大豆サポニン

豆乳に含まれる大豆サポニンは、元気な髪の毛に育てるための栄養を届ける血液や血管を強化させる作用があります。
大豆サポニンを摂取することによって、血液内のコレステロールを低下させることができ、血流を促進できるのです。血液の流れが良くなれば、髪の毛に必要な栄養や酸素が届きやすくなり、丈夫な髪の毛が育ちます。

髪の毛は毛根近くにある毛細血管から栄養をもらって育ちますが、頭皮の毛細血管は髪の毛の10分の1程度の
太さしかありません。とても細い血管は冷えやストレスなどによって、さらに細くなり栄養が届きにくくなるため、血液を促進できる大豆サポニンは育毛という観点で作用があると言えるのです。

大豆サポニンは、大豆製品の高野豆腐やがんもにも含まれています。

レシチン

豆乳にはレシチンが含まれており、血液や脳の健康に関与することで、髪の毛に必要な栄養素を届けやすくします。
レシチンは、血液中に長くとどまることで、コレステロールを低下させる作用があり、血液の流れをスムーズにして髪の毛に必要な栄養素を運びやすくします。

さらに、精神を安定させる作用もあるため、自律神経が整い、ヘアサイクルを正常にして抜け毛を防ぐことも可能です。
レシチンは体内で酸化しやすいものの、ビタミンEと摂ることで吸収を高めることができるので、両方が含まれる豆乳は育毛に最適と言えます。

レシチンは卵黄にも多く含まれています。

髪のために豆乳を摂取するなら無調整豆乳がオススメ

髪の毛を丈夫に育てて、抜け毛が増えないよう豆乳を摂取するのなら、無調整豆乳を選ぶのがオススメです。
一口に豆乳と言っても、豆乳飲料・調整豆乳・無調整豆乳の3種類に分けられていますが、以下のように無調整豆乳が1番大豆を多く含んでいるため、髪の毛を育てるのに効果的なのです。

豆乳飲料:大豆固形分4%以上。コーヒーやフルーツが含まれている。
調整豆乳:大豆固形分6%以上。砂糖や油脂などが含まれている。
無調整豆乳:大豆固形分8%以上。大豆のみでできている。

一方、無調整豆乳は大豆の風味が強く、豆の味が苦手な人は飲みにくいと感じる方もいるでしょう。そういった場合は、ココアパウダーやはちみつなどを混ぜたり、バナナをミキサーで細かくしてスムージーのようにしたりするとおいしく飲めます。また、粉末タイプのプロテインと無調整豆乳を割るのも、髪の毛に良いタンパク質を多く摂ることができてオススメです。

料理では、クリームシチューやクリーム煮のように、牛乳の代わりとして調理すると、おいしく豆乳を摂れます。豆乳鍋は簡単に調理できて、髪の毛に大切な野菜もたっぷり摂ることができます。

飲みすぎはNG。1日の摂取量200㎖を守る

豆乳が髪の毛に良いからと言って大量に飲むことは避けて、1日の約200mlの摂取量を守りましょう。
豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、頭皮環境を整える働きがあるものの、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用があるため、男性が過剰に摂取すると、女性らしい丸みのある体付きになったり、依然と比べて性欲が減退したりする可能性があるのです。

また、豆乳にはマグネシウムが含まれており、体の機能を助ける作用がありますが、大量に摂取すると下痢を引き起こすこともあるので注意が必要です。

そのため、豆乳をドリンクで飲むときはコップ1杯程度、店頭で購入する際は小さめの紙パック1つにしましょう。食事で豆乳を使うときは、ドリンクとして飲むのを控えるなど、工夫すると飲みすぎを抑えられます。

さいごに

今回は、豆乳が薄毛に効果が高いとされる理由や、豆乳に含まれる髪の毛に良い8つの栄養素について解説してきましたがいかがでしたか?

豆乳で新しい髪の毛を生やしていくことは難しいものの、健やかな頭皮環境を作り、丈夫な髪の毛を作る豊富な栄養素が含まれていることがわかりました。
また、豆乳には、お互いの働きをサポートし合う栄養素も含まれており、育毛に適した食材と言えます。

一方で、豆乳を過剰摂取すると下痢を起こすなど体調に影響が出る可能性があるので、1日コップ1杯を守ることが大切です。

薄毛予防や育毛と言う観点から見ると、豆乳以外にもおすすめの食べ物もあるのでぜひチェックしてみてくださいね!

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ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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