頭頂部の薄毛に比べて自分で確認がしやすいことから悩まれてしまう方も多い「M字ハゲ」。
市販の育毛剤やスカルプ商品も増えてきており、何かしら商品を使用して対策を取っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、残念ながらヘアケアを行うだけでM字ハゲが改善されることはなく、元の毛量まで回復するためにはAGA治療を直ちに始める必要があります。
「M字ハゲ」とは、生え際が後退することで額がアルファベットの「M」のように見えてしまう状態を指し、AGA(男性型脱毛症)における代表的な症状の1つに挙げられます。また、AGAは進行性の脱毛症とも言われており、髪や頭皮の健康状態が悪化することによって徐々に症状が進行していきます。
抜け毛を抑えて発毛を促すことで髪や頭皮を本来の健康状態まで回復させるためには、AGA治療を行う以外に方法がありません。さらに、薄毛は放置期間が長いほど手遅れになる可能性が高く、進行状態によってはAGA治療をしても改善できない場合があります。
この記事では「M字ハゲ」に対して悩みを抱えている方へ、最も効果的に改善していくための方法をご紹介します。
M字ハゲはAGA治療でしか改善できません
おでこの生え際が後退していく「M字ハゲ」の多くはAGA(男性型脱毛症)が原因によるものです。
従って、M字ハゲを改善するためには、AGAの原因に直接アプローチが可能なAGA治療を行っていく必要があります。
手っ取り早くM字ハゲを改善するために、市販の育毛剤やスカルプ商品を使用する方もいらっしゃいますが、正直なところ市販薬やヘアケア商品でM字ハゲを根本から改善することは非常に難しいと言えるでしょう。
「髪を生やす」ためにAGA治療が必須な理由
M字ハゲの原因の多くはAGA(男性型脱毛症)によるもので、20代後半あたりから徐々に症状が目立ってくるのが特徴です。AGAは進行型の脱毛症であるため、放っておいても自然に改善されることはなく、時間が経つほどに薄毛の症状は進行していきます。
【AGA発症のメカニズム】
①主要な男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼが結びつくことでDHT(ジヒドロテストステロン)を生成
②毛根内の毛乳頭細胞にある男性ホルモンレセプターという受容体がDHTを取り込むことで脱毛因子TGF-βが増加
③TGF-βがもう1つの脱毛因子TGF-5に伝達され脱毛指令を出す
④脱毛指令を毛乳頭細胞がキャッチし、抜け毛が増加 ⇒ AGA発症
AGAによるM字ハゲを改善するためには、AGAの根本的な原因にアプローチできる方法でなければなりません。
AGA治療は脱毛の原因となるDHTの生成を抑制し、ヘアサイクルを正常な状態に戻して発毛を促進することができます。簡単なヘアケアや生活習慣の改善だけではDHTの抑制効果などが見込めないため、薄毛改善にアプローチをしたいのであればAGA治療が必須と言えるでしょう。
市販の育毛剤・スカルプ商品でM字ハゲの改善はできない
M字ハゲを改善するために、ドラッグストアで購入できる市販の育毛剤やスカルプ商品を使用している方もいらっしゃると思います。しかし、残念ながら市販の育毛剤やスカルプ商品では、薄毛の症状を根本から改善し髪の毛を生やしていくことは難しいです。
なぜなら市販の育毛剤は、本来頭皮の血行促進や保湿などによって頭皮環境を整えることが目的であり、その名の通りいまある髪を元気に育てるために作られています。また、スカルプ商品に関しても同様に、頭皮の余分な皮脂や汚れを取り除き清潔な頭皮環境を維持することが目的ですので、これらの商品を使用しただけでM字ハゲを改善することは難しいでしょう。
しかし、薄毛を予防する目的やAGA治療と並行して使用することで効果を発揮する商品でもありますので、+αの薄毛対策として取り入れることをおすすめします!
※参考:新しい育毛剤の効果
生活習慣の乱れを正すだけでは効果を感じられない
不健康な生活は、身体だけでなく髪や頭皮にも悪影響を及ぼします。髪や頭皮の健康は食事からの栄養によって保たれていますし、運動不足で血行が悪くなると、ヘアサイクルが乱れて抜け毛の原因に繋がるとも言われています。
しかし、残念ながら生活習慣を改善したからと言ってM字ハゲ自体が改善されるわけではありません。十分な睡眠や栄養バランスの良い食事、適度な運動といった生活習慣の改善は健康な髪の毛を育てるために欠かせないことですが、生活習慣を改善するだけで満足していると、その間にも薄毛はじわじわと進行していくため注意が必要です。
M字ハゲ改善に効果のある治療薬
AGA治療に対して「本当に髪が生えるのだろうか?」と不安に思っている方は多くいらっしゃるでしょう。しかし、AGA治療で処方される治療薬は、実際にAGAによる薄毛の改善効果が実証されており、正しい治療を受けた方の90%以上が効果を実感できると言われています。
M字ハゲの改善効果が実証済「フィナステリド(プロペシア)」
フィナステリドは、抜け毛の原因となる5αリダクターゼの中でも、特にⅡ型の5αリダクターゼを阻害して抜け毛を抑制する効果があります。また、AGA治療薬の安全性や効果を示した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」において、最も推奨度の高いAランクと設定されているAGA治療薬です。
※5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、Ⅱ型の方がAGAに対してより大きく作用すると言われています。
【フィナステリドの効果】
● Ⅱ型の5αリダクターゼを阻害してジヒドロテストステロンの発生を抑制する
● ヘアサイクルを正常に整えて、抜け毛の防止や発毛を促進する
● M字ハゲ改善が実証されている
● QOLの向上
● 長期間の服用でより効果を発揮する
「男性における男性型脱毛症用薬5α-還元酵素II型阻害薬フィナステリド(プロペシア®錠0.2 mg・1 mg)の薬理学的特性と臨床効果」の試験においても、「フィナステリドという治療薬を服用して前頭部の薄毛(M字ハゲ)が改善した」という実証結果が報告されていることから、フィナステリドはM字ハゲ改善に強くおすすめできる薬と言えるでしょう。
※参考:「日本人の男性型脱毛症に対するフィナステリド長期投与801例調査」
※参考:男性における男性型脱毛症用薬5α-還元酵素II型阻害薬フィナステリド(プロペシア®錠0.2 mg・1 mg)の薬理学的特性と臨床効果
※参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
フィナステリドについて詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=1010″]
薄毛の悩み全般に効果のある内服薬「デュタステリド(ザガーロ)」
デュタステリドは、男性ホルモンと結びついてジヒドロテストステロンを発生させる5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型両方を阻害する効果のあるAGA治療薬です。M字ハゲが気になる前頭部をはじめ、頭頂部の薄毛などAGAの症状全般に改善効果が実証されています。
デュタステリドは2015年に日本で認められた比較的新しいAGA治療薬です。
そのため実証データはフィナステリドほど多くありませんが、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、フィナステリドと同等のAランクの推奨度と設定されています。
【デュタステリドの効果】
● 5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型両方を阻害する効果がある
● M字ハゲを含めAGA全般の症状に改善効果が実証されている
● 細くなった髪を太くする効果はフィナステリドよりも高い
※参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
M字ハゲに直接アプローチできる外用薬「ミノキシジル」
ミノキシジル外用薬は、M字ハゲの患部に直接塗布することで毛母細胞を刺激し、細胞分裂を活発化させて発毛を促す効果があります。実際にAGAの男性を対象に24週間ミノキシジルを投与した試験では、毛髪数の増加が見られ発毛効果が実証されているAGA治療薬です。
なお、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では最も推奨度の高いAランクと設定されています。
ミノキシジル外用薬の濃度は2~5%が主流ですが、AGA専門のクリニックではさらに濃度の高いミノキシジル外用薬を処方しているケースもあります。また、ミノキシジルには外用薬と比べて発毛効果が高いとされる内服薬も存在するため、AGAの進行状態によって外用薬と内服薬を使い分けることが可能です。
ただし、濃度のパーセンテージが高ければ効果が出やすいという訳ではありませんので、必ず医師の診断に従って服用を開始してください。
【ミノキシジルの効果】
● AGAを発症している男性で発毛効果が実証されている
● ミノキシジルの濃度は2〜5%が主流だが、クリニックではより濃度の高いミノキシジルを処方することも可能
● ミノキシジルの濃度が高いほど発毛効果も高くなるが、それに伴って副作用が現れる可能性も高くなる
※参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
M字ハゲの改善には一定の期間が必要
AGA治療はヘアサイクルを改善して健康な髪を生やしていく治療であるため、M字ハゲの改善効果を十分に実感できるまでには、最低でも半年から1年以上継続する必要があるとされています。
「AGA治療の効果は出ているのかな…?」と不安にならないためにも、AGA治療の効果が現れるまでに時間がかかる理由とM字ハゲ改善までの道のりについて、事前に理解を深めておくことが大切です。
効果が現れるのは早くて3~4ヶ月
AGA治療を開始してからM字ハゲの改善効果が現れ始めるまでには、早い方でも3~4ヶ月かかると言われています。なぜそんなに時間がかかるのかというと、乱れたヘアサイクルをリセットするために一定の準備期間が必要だからです。
【ヘアサイクル】
一定期間で髪の毛が生え変わる周期をヘアサイクル(毛周期)と呼びます。
ヘアサイクルは成長期(約2~6年)、退行期(約2~3週間)、休止期(約3~4ヶ月)という大きく3つの時期に分かれ、常に頭皮では発毛と脱毛が繰り返されています。
AGA治療の開始によってヘアサイクルが正常に戻ると、休止期の髪が押し出されて新たな髪が生え始めます。ヘアサイクルがリセットされるには休止期の髪が全て入れ替わらなければならないため、効果が現れ始めるまでに最短でも3~4ヶ月(休止期の期間)必要とされているのです。
発毛を実感できるペース
M字ハゲの治療を始めてから発毛するまでの道のりは、大きく以下の3段階に分かれます。
STEP①:一時的に髪が抜ける初期脱毛
STEP②:産毛が生え始める
STEP③:産毛を太い髪に育てる
ペースには個人差がありますので、変化がすぐに現れなかったとしても焦らずにAGA治療を継続していきましょう。
STEP①:一時的に髪が抜ける初期脱毛
AGA治療の開始後、乱れたヘアサイクルが正常に戻っていく過程で一時的な抜け毛が起こる症状を「初期脱毛」と言います。
せっかくAGA治療を始めたのに抜け毛が増えてしまうと不安に感じますよね。しかし、初期脱毛は新たに元気な髪の毛が生えてくる過程で自然に古い髪の毛が押し出されて抜けていく現象であり、AGA治療の効果が現れている証拠です。また、初期脱毛は必ずしも起きる現象ではなく、抜け毛の量や発症の有無には個人差があります。
STEP②:産毛が生え始める
AGA治療を開始して3~4ヶ月ほど経過すると、休止期の髪が入れ替わり生え際などに産毛が生え始めます。この段階で注意いただきたいのは、産毛が生え始めたとしてもヘアサイクルはまだ完全に正常時まで回復していないということです。ここで治療を中止すると十分な改善が見られず元の状態に戻ってしまう可能性が高いため、AGA治療は引き続き行っていきましょう。
STEP③:産毛を太い髪に育てる
産毛が生え始めたら、次は髪を太く丈夫に育てる段階に入ります。ここからは治療薬に頼るだけでなく、生活習慣の改善も大切になります。髪は寝ている間に最も成長すると言われていますので、1日7時間以上を目標に十分な睡眠時間を確保しましょう。また、栄養バランスの偏った食事を続けていると、髪の成長に必要な栄養素を毛根まで届けることができません。髪の成長に良いとされるタンパク質やビタミン、ミネラルの積極的な摂取を心がけ、常にバランスの良い食事を意識していきましょう。
髪に良い食事について詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=41″]
ヘアサイクルについて詳しく知りたい方はこちら↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=450″]
治療の継続と発毛の維持
AGA治療を始めて効果が実感できるまでの期間には個人差があり、始めて数ヶ月で効果が現れる方もいれば、半年以上の継続が必要な方もいます。
また、発毛を促す治療薬を使用しているとはいえ、際限なく永久的に髪が増え続けるわけではありません。基本的には、AGA治療を始めて約1年~1年半で発毛のピークを迎え、以降はその状態をキープしていくことになります。
AGA治療薬による発毛の限界値に到達した後は、AGAの進行を防ぎながらピーク時の毛量をキープしている状態ですが、AGA治療を中断すると再びDHT(AGAの原因とされる男性ホルモン)が増加してしまい、ヘアサイクルに乱れを起こして元の薄毛状態へと戻っていきます。
従って、元のM字ハゲに戻りたくなければ、維持していく段階まで達した後もAGA治療を継続していくべきと言えるでしょう。
元美容師が伝授!+αで行いたいM字ハゲ改善方法
M字ハゲの改善にはAGA治療が最も有効ですが、AGA治療を行う以外にも治療薬の改善効果をUPさせたり、M字ハゲを目立たなくさせたりする方法があります。
ここでは元美容師の筆者が実体験を踏まえ、M字ハゲを改善するために+αで取り入れたい2つの方法をお伝えします!
ヘッドスパで頭皮環境を整える
ヘッドスパとは頭皮をマッサージしながら、通常のシャンプーでは落としきれない頭皮の汚れを落としていくケア方法です。美容室をはじめ、最近ではヘッドスパ専門店でも施術を受けることができます。ヘッドスパを受けることで得られる効果には、主に以下の3つが挙げられます。
【ヘッドスパの効果】
・頭皮の汚れや余分な皮脂を取り除いて頭皮環境を整える
・頭皮の血行を良くする
・リラックス効果でストレスを軽減させる
ヘッドスパだけでAGAの根本的な原因を解決することはできませんが、頭皮環境を良くしてAGA治療の効果を高めることは大いに期待できます。実際に筆者が担当したお客様で、ヘッドスパを1年間続けて産毛が生えてきたというエピソードをご紹介します。
〈Sさん 50代男性〉
髪の状態:M字ハゲが進行してつむじまで薄くなったU字ハゲのお客様。AGA治療は受けずヘッドスパで薄毛を改善しようと取り組まれていました。
Sさんは薄毛と頭皮のベタつきが気になり、ヘッドスパを1ヶ月に1~2回の頻度で受けに来られていました。ヘッドスパを開始してすぐは頭皮の状態や髪に変化がありませんでしたが、Sさん曰く徐々に頭皮のベタつきが治まってきたとのこと。そして1年ヘッドスパを定期的に継続したところ、ようやく産毛が生えるようになってきました。しかしヘッドスパだけで産毛を太い毛に成長させることは難しく、その後、産毛が生える以上の効果は見られませんでした。
Sさんの場合、AGAの発症によって薄毛が進行している状態でしたが、頭皮に過剰な皮脂の分泌も見られることから、少なからず頭皮環境の悪化も薄毛に影響を与えていたと考えられます。
AGA治療はDHT(AGAの原因とされる男性ホルモン)にアプローチしたり、発毛を促進したりすることが可能ですが、頭皮のベタつきを取り除くような頭皮ケアまで行うことはできません。そのため、日ごろからシャンプーの際に頭皮マッサージを意識することやヘッドスパを利用することは、M字ハゲの改善をサポートする方法として非常におすすめです。
髪型を変えてM字ハゲを目立たなくする
M字ハゲは正面から見た時が一番目立ちやすく、セットの仕方によっては逆にM字ハゲを強調してしまう場合があります。元美容師目線から、最もM字ハゲが目立ちにくく、且つカッコよく見せるポイントは生え際を無理に隠そうとしないことです。
美容院へ行く際は、担当の方に以下の3点を伝えてカットしてもらうと良いでしょう!
①前髪短め
②サイドはすっきり
③無理にM字ハゲを隠さない
①前髪は短めがポイント!
長い前髪は逆にM字ハゲを目立たせてしまう場合があります。前髪を下ろした際にM字部分が少し隠れる程度で短く仕上げるのがおすすめです。
②サイドをスッキリ見せるツーブロック
M字ハゲが気になる方は、サイドをスッキリ見せるツーブロックがおすすめです。前髪と比べてサイドにボリュームがある状態ではアンバランスな印象を与えてしまいます。ツーブロックでサイドのボリュームを抑え、トップにボリュームを持たせることで全体的なバランスが良くなります。
無理にM字ハゲを隠さないベリーショート
あえてM字ハゲを隠さずにかなり短い長さのベリーショートもおすすめです。少し勇気がいるかもしれませんが、全体的に短くすることでM字ハゲは意外と目立たなくなります。
まとめ
M字ハゲはAGA治療を受けることで、改善の可能な脱毛症だということがお分かりいただけたと思います。AGA治療薬の「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」は、AGA改善に対する高い効果が実証されており、生え際の薄毛で悩む方にとって心強い味方と言えるでしょう。
確実にM字ハゲを治したければ、AGA治療を受けることが最善且つ最短のルートです。M字ハゲを含め、AGAは進行性の脱毛症と言われておりますので、いまよりも症状が悪化してしまう前にAGA治療のクリニックを受診しましょう!