育毛・増毛

「ハゲは遺伝する」は本当!遺伝する理由と薄毛に抗う方法を解説

監修者 阿部有寛(院長)

 
「ハゲは遺伝する」「父親譲りのハゲは治らない」など、薄毛と遺伝にまつわる噂を聞いたことのある方は多くいらっしゃると思います。

結論からお伝えすると、薄毛に遺伝が影響する可能性は高いと言えます。
しかし、父や祖父が薄毛だったからといって100%の確率で薄毛が遺伝するものではありません。その逆もまた然り、薄毛の血縁ではないから薄毛にならないというわけでもないのです。

薄毛の家系だからしょうがないと諦める前に、AGA治療と生活習慣の改善を行うことで遺伝に逆らうことは可能です。家系的にハゲる心配があるができればハゲたくない、まだまだハゲるわけにはいかないと思っている方は、まず薄毛と遺伝の関係性について知ることから始めていきましょう!

薄毛は遺伝する!「男性ホルモン」との深い関係性

薄毛が遺伝する理由には「男性ホルモン」が深く関係していると言われています。そこでまずは、男性ホルモンによって薄毛が発症する仕組みや遺伝しやすいとされている理由について詳しく学んでいきましょう。

 

薄毛が発症してしまうメカニズム

男性に見られる薄毛の多くはAGAと呼ばれる男性型脱毛症です。AGAは以下のようなメカニズムで発症、進行していきます。

(1)代表的な男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼが結合することで、抜け毛の原因となる悪玉男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)を生成
(2)髪根内の毛乳頭細胞にある男性ホルモンレセプターという受容体がDHTを取り込む
(3)髪の成長を抑える信号を発信する「TGF-β」が発生
(4)TGF-βから発信された、脱毛信号を根元の毛乳頭細部がキャッチ
(5)髪の成長が阻害され、細く抜けやすい髪になり抜け毛が増加

テストステロンもDHT(ジヒドロテストステロン)も男性の骨や筋肉を発達させるために欠かせないホルモンですが、過剰に分泌されると薄毛に影響を与えてしまいます。

髪は通常2~6年の歳月をかけて成長するものですが、TGF-βの信号を受け取ると髪の成長は数ヶ月から1年ほどで止まってしまいます。このように成長サイクルが乱れてしまうと、髪の毛は細く抜けやすい状態にしか成長できず、抜け毛や薄毛が徐々に増えてAGAが発症します。

※参考:「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」

 
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薄毛が遺伝する理由にはDHT(男性ホルモン)の働きが関与している

薄毛が遺伝するとされる最大の理由には、DHTの働きに関与のある「5αリダクターゼの活性度」と「男性ホルモンレセプターの感受性」が挙げられます。

「5αリダクターゼの活性度」が高い遺伝子を持っている場合は、AGAの原因となるDHTを発生させやすく、「男性ホルモンレセプターの感受性」が高い遺伝子を持っている場合は、DHTを過剰に取り込んで髪の成長を抑制させるTGF-βを増加させます。
つまり、5αリダクターゼの活性度と男性ホルモンレセプターの感受性のどちらか1つ、または両方を受け継いでいるとAGA発症の確率は高くなるのです。

 
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薄毛が遺伝する確率は81%という報告もある

両親や祖父母などの血縁者に薄毛の方がいた場合、どれくらいの確率で子どもは薄毛になってしまうのでしょうか。長年世界では薄毛に関する様々な研究が進められており、オーストラリアで行われた研究によると、対象者の81%が遺伝的影響に起因する可能性があると報告されました。

薄毛の遺伝子は特に母方から受け継がれやすいとされているため、母親の親族に薄毛の方がいればAGAを発症する確率はより高くなると言えるでしょう。必ずしも薄毛が遺伝するとは言い切れませんが、両親や祖父母に薄毛の方がいる場合は高確率で薄毛になると考えて良いと思います。

※参考:「男性型脱毛症の遺伝的根拠-調査皮膚科ジャーナル」
※参考:「Genetic Basis of Male Pattern Baldness.pdf」

 
 

薄毛の遺伝は父と母どちらも関係している

「父親の家族にハゲてる人はいないけど母親の家族はハゲてる人が多い」
このように父方と母方どちらの家系に薄毛の人がいるかによって、薄毛の遺伝しやすさは変わってきます。母親からしか受け継がれない薄毛の遺伝子もあるため、残念ながら父親がハゲていなければ自分も大丈夫というわけではありません。
父方と母方の親戚にどれくらい薄毛の方がいるか思い返しながら、ご自身が薄毛になる可能性を確認していきましょう。

 

薄毛の遺伝子は「母親」の家系からの方が遺伝しやすい

母親の家系に薄毛の方がいる場合は、父親の家系に薄毛の方がいるよりも薄毛になる確率が高くなると言われており、その理由には「男性ホルモンレセプターの感受性」が関係しています。

細胞の中にはX染色体とY染色体と呼ばれる性染色体が存在し、男性は母親の持つX染色体と父親の持つY染色体を受け継いで「XY」染色体になります。

薄毛の原因となる「男性ホルモンレセプターの感受性が高い遺伝子」はX染色体にのみ含まれており、尚且つX染色体は母親からしか受け継がれないという性質を持つことから、薄毛は母親からの方が遺伝しやすいと言われているのです。

また、「男性ホルモンレセプターの感受性」は、隔世遺伝によって受け継がれるため、母方の祖父母やさらに遠い先祖からも受け継ぐ可能性があります。
母親から男性ホルモンレセプターの感受性が高い遺伝子を受け継いだからといって、必ずしも全員が薄毛になるわけではありませんが、母親の家系に薄毛の方がいない場合と比較すると、AGAを発症する可能性は高いと考えた方が良いでしょう。

※参考:日本皮膚科医学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版』
※参考:「ヒトアンドロゲン受容体遺伝子の遺伝的変異は、一般的な早期発症アンドロゲン性脱毛症の主要な決定要因です」

 

母方に薄毛はいなくても父親が薄毛であれば遺伝する可能性はある

母方の家系に薄毛の方がいなくても、父親が薄毛であれば子どもが薄毛になる可能性は十分にあります。なぜなら、薄毛の原因と言われる「5αリダクターゼの活性度」は両親どちらからでも受け継ぐ可能性があるからです。

5αリダクターゼは「男性ホルモンレセプター」のように性染色体に存在するものではなく、常染色体に存在するものと考えられています。常染色体とは細胞内にある性染色体以外の染色体のことを指し、両親どちらからでも受け継がれます。そのため、父方に薄毛の方がいれば、父親の遺伝子に5αリダクターゼの活性度が高い遺伝子情報が含まれている可能性もあるのです。

「5αリダクターゼの活性度」は親から子に受け継がれる「顕性遺伝」によるものです。
父親と母親のどちらかが薄毛である、またはどちらかの家系に薄毛の方がいるのであれば子どもに高い確率で薄毛が受け継がれることが予想されます。そして、5αリダクターゼの活性度が高いとジヒドロテストステロンを大量に発生させてしまうため、AGAを発症する可能性が高まります。

 
 

薄毛はどこまで遺伝する?

薄毛が父親や母親の家系から遺伝しやすいということはわかりましたが、薄毛の進行タイプや薄毛が発症する年齢まで似てしまうことはあるのでしょうか?
結論からお伝えすると、薄毛の進行タイプと薄毛の発症年齢が遺伝するという根拠はいまのところ証明されておりません。つまり、「父親がM字ハゲだと自分も同じようにM字型で進行する」「父親は30代で薄毛になったから自分も30代で薄毛になる」といったような細かい部分まで遺伝する可能性は低いと言えるでしょう。

 

薄毛の進行タイプは遺伝しない

AGAによる薄毛の進行タイプにはいくつかパターンがあり、頭頂部から薄くなる方や額の生え際から薄くなっていく方がいます。父親から薄毛を受け継いでいたとしても、これらの薄毛の進行タイプまで似てしまうとは限りません。

AGA発症の原因に遺伝が大きく関わっているのは事実ですが、AGA発症の原因には生活習慣やストレスなど他の要因も影響しています。親子でも生活習慣が違えば体質も違ってくるのと同様に薄毛の進行タイプも違ってくるでしょう。つまり父親の薄毛の進行タイプが未来の自分の姿というわけではありません。逆に父親の生活習慣の中で薄毛に繋がる要因が隠れているのであれば、ご自身の生活においてその点を改善することで薄毛の進行を抑制できる可能性があるとも言えます。

 

薄毛の発症年齢まで遺伝するとは限らない

薄毛が遺伝したとしても、薄毛が進行するスピードまで同じという根拠は証明されていません。仮に父親が30代のころから薄毛になり始めたとしても、子どもが30代で薄毛になるとは限らないのです。

進行タイプと同様に薄毛になる原因は遺伝だけでなく生活習慣なども影響しています。ストレスや喫煙、ヘアケアの仕方などといった外的刺激や周りの環境によっても薄毛の進行スピードは変わってくるのです。そのため、父方や母方に薄毛の方がいたとしても薄毛にならない場合もあれば、反対に薄毛の方が家系にいないのに薄毛が発症する場合もあります。

ただし、生活習慣や体質が父親と似ていれば、父親が薄毛になり始めた年齢あたりで自分も薄毛になることはあるかもしれません。もしも父親が若くして薄毛になっているようなら、早めに薄毛の対策や予防をスタートさせておくのがベストでしょう。

 
 

薄毛の遺伝子を持っていなくてもハゲる可能性はある

男性の中には50代、60代になっても髪がフサフサな方もいますよね。薄毛でない方の特徴として、父親と母親両方の家系に薄毛の方がいないという点があります。それでは、父親と母親両方に薄毛の方がいない家系であり、薄毛遺伝子を持っていないという方は100%薄毛にならないのでしょうか?

残念ながら、その答えは「NO」です。薄毛遺伝子を持っていない方でも、髪や頭皮に悪いと言われる行動をとっていれば薄毛になる可能性はあります。

薄毛が発症する原因の約80%は遺伝と言われていますが、遺伝以外にも間違った生活習慣や行動をとることで薄毛の原因へと繋がってしまう場合があるのです。ここからは、日々の生活の中で薄毛に悪いとされる5つ行動とってしまっていないかご自身でチェックしてみましょう。

 

過度なストレスの蓄積

ストレスは自律神経を乱し、毛細血管を収縮させて血流を悪くしてしまう原因です。血流が悪くなると、頭皮に栄養が行き渡りづらくなり髪が栄養不足になって抜け毛や薄毛の原因となります。スポーツをしたり趣味を持ったりして定期的な息抜きを心がけましょう。

 
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栄養バランスの偏り

外食が多かったり食事を簡単に済ませていたりすると、知らず知らずのうちに栄養バランスが偏っていることがあります。髪の成長に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルを含む食材を意識して摂るようにしましょう。タンパク質は肉類や卵に、ビタミンとミネラルは野菜や海藻類などに多く含まれています。

 
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生活習慣の乱れ

睡眠不足や運動不足など生活習慣の乱れは髪の成長を妨げる原因です。髪は寝ている間に成長すると言われているため、1日7時間ほど睡眠時間を取るよう心がけましょう。また運動不足は血行不良を招いて髪の栄養不足に繋がります。軽い運動習慣を身につけることで運動不足を解消しましょう。

 
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喫煙

タバコに含まれるニコチンは毛細血管を収縮させて血流を悪くする原因です。血流が悪くなると、頭皮に栄養が届きづらくなり薄毛や抜け毛を招きます。また、喫煙をするとAGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を増加させることもわかっています。

 

間違ったヘアケア

夜のシャンプーに加えて朝シャンをしている方は、必要以上に頭皮を洗いすぎているかもしれません。頭皮の皮脂を奪いすぎると、かえって皮脂が過剰に分泌されてしまい毛穴詰まりの原因になります。毛穴が詰まると抜け毛になりやすくなりますので、シャンプーは1日1回にとどめるようにしましょう。

 
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薄毛の原因は遺伝以外にも存在し、もともと薄毛でなかった人も生活習慣や環境の変化によって薄毛体質に変わってしまう場合があります。ただし、薄毛の原因は約80%が遺伝とされているため、薄毛の遺伝子を持っている方に比べると薄毛になりにくいと言えるでしょう。

逆もしかり、薄毛の遺伝子を持っている方でも、生活習慣を改善したり早くからAGA治療で薄毛対策を始めたりすれば、薄毛の進行を遅らせること可能であるということです。親戚に薄毛の人がいる方は、何よりもまず薄毛になりにくい生活習慣を心がけましょう。

 
 

まだ諦めないで!遺伝による薄毛に抗う方法はあります

薄毛が遺伝したからといって、薄毛治療をしても治らないというのは大きな間違いです。遺伝によって起こる薄毛のほとんどはAGA(男性型脱毛症)と言われており、遺伝した薄毛であってもAGA治療を受けることで改善を目指すことができます。

「遺伝性の薄毛は治らない」と思われがちですが、早い段階でAGA治療を始めれば遺伝に抗うことは可能なのです。

 

薬の効果は遺伝の要因の強さではなく体質によって変わる

「父親と母親の祖父もハゲているし、父親自身もハゲている」このように薄毛遺伝子の影響を受ける可能性が高いと思われる方であっても、AGA治療の薬が効かないわけではありません。AGA治療薬に関わらず薬の効きやすさは体質的な問題であり、副作用の発症重度がそれぞれ異なるのと同じように薬の効果にも個人差があります。

「親族の多くが薄毛であり遺伝子が強力」=「AGA治療が効かないので意味がない」という考えは間違いであり、正しい治療で原因にアプローチを続けていけば薄毛改善の効果を実感することは可能でしょう。遺伝だからと諦めずに、AGA専門クリニックで早めにAGA治療をスタートさせてみてはいかがでしょうか。

 

早期の薄毛治療であるほど遺伝に抗うことができる

遺伝による薄毛治療を受けるうえで、最も大切なのは治療を始めるタイミングです。AGA治療は発症後できるだけすぐに治療を始めるほど、治療効果を実感するのも早いと言われています。

一方で薄毛がある程度進行してからAGA治療を始めると、治療効果を実感するまでに時間がかかる場合や、薄毛が広範囲にわたり発毛効果を十分に得られず手遅れになってしまう可能性もあります。

まだご自身には薄毛の症状が出ていなくても、親族を見渡して薄毛の方が多いと感じるのであれば、早期予防としてAGA治療を取り入れることでより確実に薄毛に抗っていくことができるでしょう。

 
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薄毛に抗うためにはAGA治療クリニックを受診する

薄毛に抗うための治療を受けるには、AGA治療が診療科目にあるクリニックを受診する必要があります。AGA治療薬と呼ばれる薬は個人輸入などで購入することも可能ですが、そういったものは安価でも成分が不明瞭であったり、処方においての危険を伴ったりする可能性が高いので、必ずクリニックで医師の診断を受けてお薬を処方してもらいましょう。

AGA治療では、投薬を中心に5αリダクターゼを抑制する薬などを服用することで、抜け毛を抑制したり発毛を促したりといった治療を行っていきます。

将来ハゲたくないという方は、少しでも髪の変化に気づいた時点でAGA治療をスタートさせることをおすすめします。なるべく早期のAGA治療を取り入れることで薄毛に抗っていきましょう!

 

さいごに

男性ホルモンには遺伝の影響が大きく関わっているとされており、薄毛の原因である悪玉男性ホルモンを作り出してしまう酵素の活発性が遺伝によって変動する可能性が高いことがわかりました。

しかし、遺伝だからといって薄毛に抗えないわけではなく、薄毛に繋がる男性ホルモンをAGA治療で抑制することで事前に予防していくことはできます。将来絶対にハゲたくないという方は、できるだけ早めにAGA治療をはじめましょう。

「まだクリニックに行くほどじゃないかも・・」と思った時がAGA治療を始めるベストタイミングです。AGA治療は早期であればあるほど効果の実感も早くなります。親族などを思い浮かべて薄毛になることに不安がある方は、一度クリニックの無料カウンセリングなどを受診して医師に相談してみましょう!

 

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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