育毛・増毛

発毛効果を実感したいなら、とにかくミノキシジルを使ってください

監修者 阿部有寛(院長)

 

最近はAGA治療や発毛剤のテレビCMや広告も増えてきた影響で、自然と「ミノキシジル」という単語を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

ミノキシジルは薄毛の治療薬であり、抜け毛を抑制し発毛を促す効果があるとされています。この効果が本当なら、薄毛の悩みを持つ方にとっては救世主になってくれるお薬でしょう。

では、ミノキシジルの効果は実際のところどうなのでしょうか?
この記事では、医学的に証明されている試験結果や実際の利用者の声などを踏まえて、ミノキシジルの効果について詳しくお話していきます。
「現在薄毛に悩んでいる」「実際にミノキシジルの服用を検討したい」という方は、ぜひ最後までお読みください。

発毛を促すことができる!ミノキシジルの効果

ミノキシジルはAGA治療で使用される治療薬の1つです。
元々は高血圧症治療のために米国で開発されたものですが、臨床試験中に服用者の多毛があったことから発毛効果が期待できることが判明し、のちに薄毛の治療薬としての販売が始まりました。

 

発毛の仕組み

髪を生やすためには、まず、髪がどのようにして生えているのかを知っておく必要があります。

髪の毛は、毛母細胞と呼ばれる細胞が分裂し、分裂する際に形成されるたんぱく質が積み重なっていくことで髪が成長していきます。髪の毛が抜けてしまっても、毛母細胞が活動をしている限り髪はまた再生し、育っていきます。

毛母細胞は自動的に活性して分裂している訳ではなく、活性化・分裂をするには栄養が必要不可欠です。この栄養を運び、分裂の指令に重要なのが毛乳頭です。薄毛状態になってしまうと、血液の巡りが悪くなっており、栄養が行き届かずに毛乳頭の活動が鈍ります。活動が鈍ることによって毛母細胞の分裂も減り、髪が育たなくなったり、再生しなくなったりしてしまうのです。

 

効果が実証されている発毛促進薬はミノキシジルだけ

そんな鈍ってしまった毛乳頭に直接働きかけ、活動を促進・毛母細胞を活性化し髪を育てることのできる薬がミノキシジルです。ミノキシジル同様に毛乳頭を活性化させ発毛を促す作用があるとされているお薬として、「カルプロニウム塩化物配合の発毛外用薬」という選択肢がありますが、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」において十分な有効性が証明されていないと記載されているので、発毛促進をしたいのであればミノキシジルを選ぶ方がベターと言えるでしょう。

 
 

薄毛に悩んでいるならいずれかのミノキシジルを使ってください

ミノキシジルには、内服薬と外用薬の2種類があることが特徴です。
より発毛効果を高めたいのであれば、内服薬と外用薬の両方を使用することをおすすめします。

しかし、「最初なのでまずは1つから始めたい」「そこまで酷い薄毛ではないのでどちらか1つから試してみたい」という方に関しては、内服薬と外用薬のどちらかから始めるのも良いでしょう。
両者は同じミノキシジルですが、中から摂取するのと患部に直接塗布するのでは発毛効果にやや差があるということや、起こる副作用の違いなどもあるため、その点に注目しながら選択をしていきましょう。

 

発毛効果が外用薬よりも高いとされている【内服薬】

内服薬は、身体の内部の血中から薬の効果を発揮するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できると言われていますが、2017年度に日本皮膚科学会が発表した「男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、発毛効果よりも副作用の強さなどが危惧され推奨はされていません。

しかし、2018年以降ミノキシジル内服薬のAGAへの効果と安全性についての報告が相次いでいおり、「アジア人男性のAGA治療」において、以下のような実験結果が実証されています。

【対象者】
AGAを発症している男性18,918人

【調査機関】
2011年~2017年

【実験概要】
ミノキシジル内服薬(2.5mgを1日2回服用)とフィナステリド(1mg)、ミノキシジル外用薬(5%)を1日2回、月1回の注射治療の併用実験

<実験結果>
・治療経過のデジタル写真において、すべての患者で優位な改善が観察された
・治療後6か月後の満足度は96%(12ヶ月後は80%)
・副作用が起きた人は全体の4.2%であり、その原因は注射によるものと判明
・治療に関連した有害事象は観察されなかった

この実験結果のみだとミノキシジル内服薬の副作用はほぼ0に等しく、発毛効果の有効性が高く安全なお薬という証明がされています。
ミノキシジル内服薬を推奨しないとしているガイドラインは毎年公開されている訳ではなく、2017年(最新版)の公開後にこのようなミノキシジル内服薬の有効性・安全性がわかる実験報告が多くされていることもお薬選びに注意しなくてはならない点でしょう。

実際、現在ミノキシジル内服薬を服用されている弊クリニックの患者様からも、副作用は特に感じられず発毛効果を実感できているという感想をいただいている他、下記参考文献の論文においても、ミノキシジル内服薬はAGA治療において高い効果を発揮し、副作用は少ないと記されています。

しかし、このような安全性や効果を実証されているお薬でも副作用を発症してしまうという可能性には個人差があります。この点を考慮して内服薬ではなく外用薬を使用するという方もいらっしゃいます。効果を実感してもらうためには内服薬と外用薬の両方を使用する事をおすすめしていますが、薄毛の専門家であるAGA治療の医師に相談し、適切に処方してもらう必要があります。

※参考:「AGA治療としての経口ミノキシジルのレビュー:完璧な用量を求めて」
※参考:「アンドロゲン性脱毛症の男性患者の治療における1日1回経口ミノキシジル5mgの有効性と安全性」
※参考:「脱毛に対する低用量経口ミノキシジルの安全性」

 

ドラックストアでも購入可能な手軽さ!扱いは慣れるまで難しい【外用薬】

ミノキシジル外用薬の特徴として市販されているという点が大きいと思います。クリニックで処方してもらえる濃度のお薬をドラックストアなどでも購入できるのでとても手軽に始められることが魅力かと思います。

日本皮膚科学会の「男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」においても最も推奨度の高いAランクに分類されています。ガイドラインにおける実証実験によると、ミノキシジル外用薬の効果は以下の点が証明されています。

・男性のAGA患者には1%ミノキシジルよりも5%ミノキシジルの方がより発毛効果が高まった
・皮膚の炎症、頭痛やめまいなどの副作用が見られる可能性がある
・長期にわたって使用したほうが多く発毛が見られた
・男性には5%、女性には1%のミノキシジル外用薬が効果的

しかし、薬品の性質から、塗布した直後は少しべたついた印象になってしまうため乾かすのに時間がかかってしまう点など、扱いの点で難しいという声もあり、より効果が高くて薬を飲むだけで良い内服薬を選ばれる方も多いです。

日本で取り扱われているミノキシジル外用薬は1%と5%があり、国外には10%等のさらに強い外用薬が存在しています。副作用に関しては、ミノキシジルの成分でアレルギー反応が見られると、かゆみや赤み、かぶれなどといった皮膚炎症が起きる可能性があるため注意が必要です。また、頭痛やめまいといった副作用も報告されていますが、軽度でありさほど強いものではないとされています。

下記の参考文献からも、高い発毛効果と安全性が見て取れます。しかし内服薬と同様に、副作用の発症やお薬との相性には個人差があるため、医師の診断のもと様子を見ながら治療をしていきましょう。

※参考:「ミノキシジルの発毛作用について」
※参考:「ミノキシジルのリスク区分について」

 
 

薄毛は「生やす」だけではなく、今ある髪を「守る」ことも大切

薄毛を改善するにあたって、なくなってしまった髪の毛を「生やす」ことも重要ですが、同時に今ある髪の毛を「守る」ことも必要です。AGAは進行性の脱毛症であり、一度発症してしまうと進行をし続けてしまいます。ミノキシジルによって発毛を促進することは可能でも、髪の毛を抜けないようにすることはできないので、より薄毛の改善効果を高めたいのであれば、抜け毛抑制を並行して行う必要があります。

 

ミノキとの併用で更に力を発揮!抜け毛抑制薬【フィナステリド/デュタステリド】

AGA治療薬は、ミノキシジルのような発毛を促進する「攻めタイプ」に加えて、抜け毛を抑制する「守りタイプ」のお薬があります。

フィナステリド、デュタステリドは【抜け毛抑制】の働きを持つお薬です。

抜け毛を引き起こしてしまう男性ホルモンを抑制し、これ以上抜け毛が起きないようにする守りのお薬であり、両者共に「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」において最も高い推奨度Aを獲得しているため、長期服用においても高い安全性があると言えます。ミノキシジルに加えて抜け毛抑制薬を並行して服用することによって更なる薄毛の改善効果が期待できます。

【注意点】
同種の薬は一緒に服用できないので、効果を倍増させるためにフィナステリドとデュタステリドの同じ抜け毛抑制の性質を持つお薬を同時に服用はしないようにしてください。

 
 

薄毛を本気改善!クリニックで治療薬を処方してもらうべき3つの理由

ミノキシジルの外用薬は市販もされているため、クリニックに行かずともご自身で気軽に購入することが可能です。しかし、薄毛を本気で改善したいと思っている方にはクリニックでミノキシジルを処方してもらうことを強くおすすめしたいです。

 

市販されているミノキは【予防段階の人】向け

ミノキシジル外用薬は、薬剤師さんの在籍しているドラックストアなどでも手軽に入手することができ、濃度やお値段に関してもクリニックで処方してもらえるのと同等のお薬を購入する事が可能です。
しかし、市販されているのは外用薬のみであり、内服薬は必ず医師の診断を受けないと処方してもらえません。

さらに、ミノキシジル内服薬だけではなく、抜け毛抑制のためのフィナステリド、デュタステリドも同様で、必ず医師の診断の元処方してもらう必要があります。
これらのことから、今ある髪を「守りながら生やす」が両方実現可能なのはクリニック処方だけと言えるでしょう。

「まだ薄毛の症状が出ていない」、もしくは「少し抜け毛が増えてきたような気がすると」いった軽度のお悩みを持つ方が予防として市販のミノキシジル外用薬を使用するのには、非常に手軽にできる予防策としておすすめできますが、現在本気で薄毛を改善したいと思っている方に関してはクリニックを受診して自分の現状の薄毛と向き合い、改善効果の高い方法で治療をしていくことをおすすめします。

 

安く購入できるが個人輸入は安全性がなく危険

より安くAGA治療薬を入手する方法として、海外からの個人輸入や輸入代行が挙げられますが、この方法は様々なリスクを伴うためおすすめできません。その理由として、国内で正規に流通している医薬品や化粧品、医療機器などは医薬品医療機器等法に基づいて品質や安全性が保障されていますが、個人輸入や輸入代行をする外国製品にはそのような保証はなく、偽物が届いてしまう可能性や正しい服用方法が把握できないなど、健康被害を引き起こす危険性があるからです。万が一、副作用が起きてしまった場合を考えても非常に危険な行為と言えるでしょう。

正規品を確実に処方してもらえるクリニックを受診することで、危険を回避し最善の治療を受けることができます。自由診療のAGA治療はクリニックによって治療費が異なります。同じ薬でもクリニックによって値段に変動がありますので、クリニックを比較するだけではなく、医師の診療を受けてご自身の症状に合ったお薬を処方してもらうようにしましょう。

 
 

まとめ

ミノキシジルの効果についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?
高い発毛効果が実証されているミノキシジルは、薄毛でお悩みの方にとって非常に心強い味方になってくれることがおわかりいただけたかと思います。ご自身の薄毛の状態や、薄毛のお悩みを改善する本気度によって選ぶお薬の種類や組み合わせも変わってきます。

治療効果や副作用などの安全面なども踏まえて、一度医師に現状の相談をしてからお薬を処方してもらいましょう! ぜひ発毛促進が叶うミノキシジルの使用を検討してみてください!

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
Recommend
こんな記事も読まれています!
記事URLをコピーしました