自然乾燥ははげる?自然乾燥が髪に悪影響を及ぼす5つの理由

薄毛予防
自然乾燥ははげる?自然乾燥が髪に悪影響を及ぼす5つの理由
監修者 阿部有寛(院長)

「極度の面倒くさがりで、ドライヤーを使ったことがない」「髪を乾かす習慣がなく、いつも自然乾燥をしている」という方いらっしゃいませんか?

特に髪の短い男性は、タオルドライをしただけしてすぐ乾くからと放置してしまうという方が多いです。確かに数分しか乾かさないのにわざわざドライヤーを使って乾かす気にならないというのもわかりますが、実は自然乾燥をしている人はドライヤーで乾かしている人に比べて髪や頭皮環境を悪化させ、抜け毛や薄毛を加速させるひとつの要因を作ってしまう可能性があります。

しかし、自然乾燥が直接的な原因となってはげる可能性は極めて低いと言えるでしょう。薄毛の原因は男性ホルモンや遺伝が原因で引きおこるため、自然乾燥をしただけではげてしまうようなことはありません。

この記事では、自然乾燥が髪や頭皮に悪影響を与えてしまう要因や、万が一頭皮環境が悪化してはげてしまわないように対策すべき正しい髪の乾かし方について詳しく解説をしていきたいと思います。

現在自然乾燥をしてしまっている方や、たまに面倒で自然乾燥をしてしまっているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

自然乾燥ではげることはないが髪には悪影響を与える

自然乾燥が直接的な原因となってはげてしまうことはありませんが、髪や頭皮に対して悪影響を与えてしまう可能性はあります。

自然乾燥をするだけではげることはないものの、髪が濡れたまま放置をすることでダメージが起きやすくなったり、ボリュームがない髪に見えてしまったり、雑菌の繁殖や皮脂の過剰分泌による頭皮環境の悪化や血行不良など、今薄毛の症状が出ている人には薄毛を加速させる要因になってしまうということはあり得ます。

そこで、まずは自然乾燥と薄毛の関係性、自然乾燥によって起こり得る髪や頭皮への悪影響について詳しく解説していきます。

 

自然乾燥するだけではげる可能性は極めて低い

自然乾燥をするだけで抜け毛が増えて、はげてしまう可能性は極めて低いといえます。

薄毛(主に脱毛症)にはいろいろな種類がありますが、男性の薄毛で最も多いとされるAGAは男性ホルモンや遺伝を伴う酵素が原因で抜け毛が起きます。

健康な髪は新たな髪が生まれてから成長し、自然に抜けていくというヘアサイクルがありますが、薄毛になるとこのヘアサイクルは乱れて髪が十分に育たずに細くもろくなって抜け毛が増えてしまいます。

自然乾燥をすることによって抜け毛を促す男性ホルモンが増えてしまう訳ではないですが、頭皮環境の悪化や血流悪化が髪の状態やヘアサイクルを乱して、既に薄毛の兆候が見られる方の薄毛を加速させてしまうことは考えられます。

 

自然乾燥すると雑菌が湧きやすく臭いやかゆみの元になる

自然乾燥をすると頭皮に雑菌が湧きやすくなり、嫌な臭いやかゆみの原因になることもあります。

私たちの頭皮にはマラセチア菌という常在菌がいて、細菌などの侵入を防いで頭皮の健康を維持しています。しかし、髪を自然乾燥させていると頭皮が濡れたままの状態になり、湿度の高い環境を好むマラセチア菌が増殖してしまうことで、赤い湿疹やフケ、かゆみが出てしまい、嫌な臭いが発生することもあるのです。

また、そのままの状態にしておくと頭皮環境の悪化が進み、脂漏性脱毛症になって抜け毛が増えたり薄毛になったりする可能性もあります。

放置は厳禁!誰もがなり得る脂漏性脱毛症を徹底解説

 

自然乾燥は髪のダメージに繋がる

自然乾燥をすることによって、頭皮だけでなく髪のダメージにも繋がることがあります。

髪が濡れているときは、髪表面にあるうろこ状のキューティクルが開いている状態にあり、外部の刺激に弱くなっています。そのため、髪が濡れたまま放置したり寝てしまったりすると、髪を触ったときや枕で擦れたときに刺激となって、キューティクルが剥がれてしまい、髪が細くなって切れ毛が増えることがあるのです。

また、キューティクルが開いていると、髪内部の栄養が外に出やすくなってしまい、もろい髪となって頭皮が透けて見えやすくなったり、ボリュームのないヘアスタイルに見えてしまったりする可能性もあります。

薄毛が起きていなくても、ボリュームのなさで薄毛に見えてしまうといったような場合もあるので、極力髪へのダメージには気をつけていた方が良いでしょう。

 

頭皮が冷えて血流が悪くなる

自然乾燥をしていると頭皮が冷えやすくなり、血流が悪くなって丈夫な髪が育ちにくくなる可能性が考えられます。

私たちの髪は食べた物が消化・吸収され、血液となって頭皮に流れていき、毛根近くにある毛細血管から栄養と酸素を取り入れることで健康に育っています。

髪が濡れたままの状態でいると頭皮が冷えやすく、血管が収縮してしまうことで血行不良になり、必要な栄養と酸素が髪に運ばれにくくなってしまいます。ただでさえ、頭部は末端にあることで血液が運ばれにくい部分なので、頭皮を冷やすとさらに血流が悪くなってしまいます。

また、頭皮の毛細血管の太さは髪の10分の1程度しかなく非常に細いので、冷えによってさらに毛細血管が細くなってしまうと、髪の健康に必要な栄養が運ばれにくくなって、もろい髪になる可能性もあるのです。

中には、自然乾燥で髪が乾いていると思っている方もいるかもしれませんが、髪表面が乾いていて内側にある頭皮や根元部分は濡れたまま冷えていることもあります。湿っている箇所がないように十分に確認が必要でしょう。

 

頭皮が乾燥しやすくなり皮脂が過剰に分泌される

自然乾燥をすると頭皮が乾燥しやすくなって、皮脂が過剰に分泌されることにも繋がります。

頭皮が濡れたままの状態でいると、頭皮の表面についている水分とともに、頭皮自体の水分が蒸発してしまい乾燥しやすくなります。こうして頭皮が乾燥すると、肌を守る機能が働いて多くの皮脂が分泌されるようになる傾向があります。

べたついた頭皮は毛穴をふさいでしまったり、雑菌を増殖させてしまったりして、頭皮環境を悪化させてしまうこともあります。また、過剰な皮脂は髪の根元にまとわりついて、髪の立ち上がりを悪くしてぺたんとしたヘアスタイルとなって、薄毛のように見せてしまう可能性もあるのです。

空気が乾燥しやすい冬は、自然乾燥によってさらに頭皮も乾燥しやすくなり、湿度が高い夏もエアコンによって室内は乾燥しているので、頭皮環境が乱れやすくなっています。

 

はげたくないなら自然乾燥はしないようにする

自然乾燥が直接的な原因となってはげることはないものの、髪を乾かさないことは頭皮や髪にとって悪影響となることがご理解いただけたと思います。そのため、薄毛にならないようにするには、自然乾燥はしないようにして頭皮や髪を労わることが大切です。

一方で、「薄毛にはなりたくないけれど、髪を乾かすのは面倒くさい」という方も多いと思います。

ここでは、タオルドライとドライヤーで早く乾かし、頭皮を清潔にして丈夫な髪を保つポイントを紹介します。今日からすぐに始められる乾かし方ですので、今まで自然乾燥をしていた方はぜひチェックしてみてください!

 

お風呂から上がったらすぐにタオルドライする

お風呂から上がったら、すぐにタオルで頭皮と髪を拭き、しっかりタオルドライしましょう。
「髪が短いからあとで拭けばいいや」「タオルで頭を包んでおこう」という方もいるかもしれませんが、頭皮と髪が濡れている時間が長くなるほど、丈夫な髪を育てるための頭皮環境が悪化しやすくなります。

まずはお風呂から出る前にしっかりと水気を絞り、タオルで頭皮を揉むように水分を拭き取りましょう。タオルでゴシゴシする方も多くいますが、そうすると頭皮や髪への摩擦となってダメージが加わってしまうので、髪をかき分けながらやさしく拭くのがポイントです。耳上や襟足は水分が残りやすい部分なのでしっかりとタオルで拭くと、ドライヤーで乾かす時間も短くなります。

また、水分を良く吸収し、髪を早く乾かせるマイクロファイバー製のタオルもあるので、そういったものを活用するとより手間や時間をかけずに髪を乾かすことができます。

 

完全に乾くまでドライヤーをする

髪と頭皮が完全に乾くまで、しっかりとドライヤーをしましょう。

ドライヤーを半乾きで終わらせてしまうと、頭皮や髪の根元が濡れたままになり、頭皮環境が悪化する可能性が高いです。

髪の根元を中心に乾かし、終わったら中間、毛先を乾かすようにしましょう。熱が一部分だけに当たらないように、反対側の手で髪をかき分けながら、ドライヤーを左右に動かして乾かすと全体的に乾きやすくなります。また、髪とドライヤーの距離を20cm程度開けて乾かすと熱ダメージを受けにくくなり、髪がまんべんなく乾かせます。

そして、ある程度髪が乾いたら冷風を当てると、髪がしっかり乾いているか確認できることに加えて、キューティクルが引き締まり髪に元気なツヤを与えることができます。「早く髪を乾かしたい」という方は、ドライヤーの先についているノズルを外して髪を乾かすと、風が当たる部分は広がって髪が早く乾くので是非取り入れてみてください!

 

さいごに

抜け毛や薄毛の原因は、男性ホルモンや遺伝によって、ヘアサイクルの乱れや毛母細胞の働きを低下させてしまうことが多く、自然乾燥によって直接的にはげてしまう可能性は極めて低いことがわかりました。

一方で、自然乾燥している人はドライヤーで乾かしている人に比べて、髪はダメージを受けやすく頭皮環境は悪化しやすいことから、髪へ悪影響を与えていることになります。そのため、はげないようにするためにはドライヤーで髪を乾かすことが大切です。

「髪を乾かすのが面倒くさい」という方もいるかもしれませんが、男性がドライヤーで髪を乾かすのにかかるのは5分程度、短髪であれば3分あればしっかりと乾かすことができます。また、水分の吸収力が高いマイクロファイバー製のタオルや、風量が強いドライヤーを使えば時間を短縮することもできます。

将来はげないようにするためにも習慣になっている自然乾燥はやめ、この記事を参考にしっかり髪を乾かすようにしてみてください!

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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