薄毛予防

食べ物だけで発毛する可能性は低いが髪を育てることはできる!

監修者 阿部有寛(院長)

 

「ワカメなどの海藻類を食べれば髪が生える」
「豆腐に含まれるイソフラボンは薄毛に良いらしい」

このような噂を誰しも一度は耳にしたことがあると思います。食事で薄毛を改善できるのであれば、毎日積極的に摂取したいですよね。

しかし、残念ながら毎日特定のものを食べるだけで髪の毛が生えてくるということはありません。
薄毛の発症原因には遺伝やホルモンの影響が大部分を占めているため、薬でホルモンの働きを抑制する以外に発毛を促すことは難しいとされています。

けれど「ワカメや豆腐を食べても全く髪に効果がないのか?」というとそうではありません。
髪や頭皮は食事から摂取した栄養素で形成されており、元気で健康な髪を育てていくためには、海藻類に含まれるミネラルや大豆製品に含まれるイソフラボンの摂取が欠かせません。

従って、髪の毛に良いとされるワカメや豆腐の摂取は、薄毛予防や薄毛改善にとっても効果的な食べ物と言えるでしょう。

食べ物による発毛効果を示す明確な根拠は少ない

ここではいくつかの研究で証明された、食べ物と発毛や薄毛改善に関する論文を抜粋してご紹介します。

複数の論文で食べ物に関する抜け毛抑制や発毛効果についての研究が行われており、効果が実証されているものもありますが、いずれも研究実施期間の短さや試験方法の不十分さが見受けられることから、強い根拠を持って髪が生えてくる食材であると言い切るのは難しいでしょう。

 

抜け毛抑制効果が期待されるイソフラボンと発毛の関係性

Isoflavone supplements stimulated the production of serum equol and decreased the serum dihydrotestosterone levels in healthy male volunteers.
 
イソフラボンサプリメントは、健康な男性ボランティアの血清エクオールの産生を刺激し、血清ジヒドロテストステロンレベルを低下させました。
 
※引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19597532/

0~59歳の日本人28人に大豆イソフラボンサプリメント(60mg/日)を与えてホルモンの変化を調査したこちらの試験では、3ヶ月間の試験結果でジヒドロテストステロンの血清レベルが減少したと報告されています。

ジヒドロテストステロン(DHT)とは、テストステロン(男性ホルモン)が5αリダクターゼ(酵素)と結合することによって生成される男性ホルモンの一種であり、脱毛症状を引き起こす原因物質として知られています。

この試験からDHTの低下は確認できますが、薄毛患者が対象でないことや被験者の人数が少ないことを踏まえると、イソフラボンに抜け毛抑制効果や発毛効果があるとは言い切れないでしょう。
しかし、DHTの低下が見られたのもまた確かであるため、イソフラボンを積極的に摂取することにより育毛効果を得ることは十分可能であると言えそうです。

 

発毛促進効果が期待されるキムチとチョングッチャンの研究

In this study, we found that a kimchi and cheonggukjang probiotic product could promote hair growth and reverse hair loss without associated adverse effects such as diarrhea.
 
この研究では、キムチとチョングッチャンのプロバイオティック製品が下痢などの副作用を伴うことなく発毛を促進し、脱毛を逆転させることができるとわかりました。
 
※引用:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6920077/

この研究は、キムチと大豆の発行食品であるチョングッチャンから作った特製ドリンク80mlをAGAが発症している男性と薄毛に悩む女性計46人に1日2回飲んでもらい、1カ月後と4カ月後で効果を測定するというものです。

試験の結果、最終的に全患者の93%が毛髪に関して有益な効果を示しており、特性ドリンクに含まれるポリ-γ-グルタミン酸が5αリダクターゼの働きを抑制したのではないかと考察されています。
また、キムチに含まれるカプサイシンには胃の中で「IGF-1」というホルモンを作り出す働きがあり、IGF-1は頭皮の炎症を抑える作用や血行促進する作用を持っているため、薄毛改善に対して効果を示したとも考えられます。

ただし、この実験に関しても被験者数の少なさや観察期間の短さ、プラセボ効果(※1)を確認していないことなどを踏まえると、効果が見られたものの強い根拠と言い切れるまでには至らないでしょう。

 
※1:プラセボとは偽薬のことを指し、薬やサプリメントの効果を証明する際にグループを2つに分けて一方に本物、もう一方にプラセボを与え効果の違いを試していきます。

 
 

食べ物で「発毛」することは難しいが「育毛」はできる

残念ながら食べ物だけで発毛効果を得ることはできませんが、育毛(生えてきた髪の毛を健康に育てる)の観点から見ると、頭皮環境を正常に保つ効果のある食べ物や抜け毛の原因とされるホルモンの抑制効果を高める食べ物は複数存在することがわかっています。

食べ物による育毛効果を積極的に取り入れていただきたい方
・薄毛予防をしたい方
・髪や頭皮環境を整えたい方
・AGA治療の効果を上げたい方

髪の毛に良いとされる食べ物を積極的に摂取することで、髪や頭皮環境を健康に保つことができ、AGA治療の効果をより高めることが可能です。

 
積極的に摂取したい食材についてはこちらの記事をチェック↓↓
[clink url=”https://www.zenclinic.jp/aga/?p=41″]

 
 

まとめ

「発毛効果のある食べ物はない」ということをお話していきましたが、薄毛の改善や育毛に効果を発揮する食べ物はたくさん存在します。

どうせ毎日食事をするのであれば、できるだけ髪に良い食材を摂取していきたいですよね。バランスよく栄養を摂ることはもちろん大切ですが、中でも髪に良い成分が含まれる食材を意識的に選んでみてはいかがでしょうか。

 
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ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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