薄毛予防

誤った帽子の被り方でハゲに!?髪を守る正しい帽子の被り方・ケアの仕方とは?

監修者 阿部有寛(院長)

 

帽子を被るとハゲるという噂、皆さんは信じますか?
結論から申し上げると、帽子を被るとハゲるというのは迷信に過ぎません。普段、ただ帽子を被っているだけでは薄毛になることはないので安心してください。

しかし、誤った帽子の被り方を続けていると、髪や頭皮にダメージが蓄積されていってしまうのは事実です。

薄毛の原因は様々ですが、その中の1つとして「髪・頭皮へのダメージ」が挙げられます。紫外線や乾燥、ヘアカラー、頭皮の汚れの蓄積などによる外的ダメージは、髪や頭皮へ悪影響を及ぼし薄毛に繋がってしまうとされています。

・サイズの合っていない帽子やヘルメットを頻繁に被る
・汗をかいた状態で、長時間帽子やヘルメットを被る

こうした帽子の被り方をしている方は髪や頭皮への負担が大きく、ダメージが蓄積されて髪が抜けやすくなり、髪質を細く弱々しく変えて薄毛に陥ってしまう危険性があります。薄毛になってしまわないためにも、今すぐ対策を取った方が良いでしょう。

この記事では、間違った帽子の被り方が髪や頭皮へ与えてしまう影響について解説し、帽子を被ることで薄毛に繋がってしまわないように、帽子の選び方や頭皮ケアについて詳しくお話していきます。

誤った帽子の被り方で起きる、薄毛に繋がってしまうかもしれない3つの要因

帽子をただ被っているだけで薄毛になることはありません。しかし、誤った被り方を長時間にわたって頻繁にしている場合、髪や頭皮へのダメージによって髪が抜けやすく、栄養が行き渡らずに細く弱々しい髪の毛しか生えてこなくなってしまう可能性があります。

帽子を被ること自体が直接的に薄毛の原因になってしまうことはないですが、髪や頭皮に悪影響を与えるような誤った被り方をしていると、薄毛になってしまう可能性は0ではありません。

この章では、誤った帽子の被り方で起きる、薄毛に繋がってしまうかもしれない3つの要因についてお話していきます。

 

蒸れて菌が増殖!汗をかいたままの帽子で長時間過ごしている

お仕事やスポーツをしている際に、汗をかいたままの帽子で長時間過ごしていませんか?
帽子の中は非常に蒸れやすく、熱がこもりやすいと言われています。帽子の素材や通気性の良さによって異なりますが、帽子と皮膚との間に換気できる隙間がない場合、汗の蒸発が妨げられて帽子内の湿度・温度が上昇しムレ・熱がこもっている状態が作り出されます。こうした状況は帽子内に不快感が生じるだけではなく、細菌を繁殖しやすい環境になっています。

マラセチア菌というカビが繁殖してしまった場合、脂漏性皮膚炎を発症してしまう危険性があり、悪化すると脂漏性脱毛症に繋がってしまう危険性があります。

さらに、汗をかいたままの頭皮は、そのままにしてしまうと汚れとして蓄積していきます。毛穴に皮脂汚れが蓄積していくと、髪が健康に成長できず髪質に変化が現れます。シャンプーなどでしっかりと洗い流せば回復することは可能ですが、髪が細く弱くなってしまうことで薄毛に見えてしまう可能性は大いにあるので気をつけましょう。
汗をこまめにふく、通気性の良い帽子や換気を適度にするなど、熱を帽子内にとどめておかない工夫が必要です。

※参考:「帽子・ヘルメット着用の温熱生理学」

 

摩擦や締め付けで髪は傷んでいる!サイズの合わない帽子を被っている

髪が帽子と触れ合うことによって起きる摩擦で、髪はダメージを受けています。
帽子の着脱時に起きる摩擦は、主にサイズの合っていない帽子などを長時間・頻繁に被ることで起きる可能性があります。

髪や頭皮が引っ張られることで起きる牽引性脱毛症は、女性がポニーテールなどを毎日同じ場所で結ぶことになどによって起きてしまう脱毛症のイメージが強いと思いますが、実はサイズの合っていない帽子やヘルメットなどを被り続けることでも、長時間髪が引っ張られて牽引性脱毛症になってしまうと言われています。帽子を被る際は、サイズがご自身の頭と合っているかを必ず確認する必要があるでしょう。

 

血行不良は薄毛の原因に!小さな帽子を長時間被っている

サイズが合っておらず、小さいと感じる帽子を長時間被っていると、帽子の締め付けによって血行不良に陥ってしまう可能性があります。髪を健康に美しく保つためには髪への栄養が必要不可欠ですが、頭皮が締め付けられて血流が悪くなってしまうと、髪までしっかり栄養を届けることができずに、髪が弱って抜けやすくなり、薄毛の原因になってしまうと考えられています。
いつも被る帽子が小さいと感じる場合、無理をして被り続けるのはやめましょう。

誤った帽子の被り方で起きる、薄毛に繋がってしまうかもしれない3つの要因についてお話しました。ポイントは、誤った被り方を「長時間」「頻繁に」してしまうと、髪や頭皮のダメージへと繋がり、薄毛に繋がってしまうということです。

 
 

髪や頭皮にダメージを与えないための、帽子を被るポイント5選

前章で、誤った帽子の被り方を長時間、頻繁に継続してしまうと、髪や頭皮のダメージが蓄積されて薄毛に繋がってしまう可能性があるというお話をしました。
この章では、誤った帽子の被り方をしないために、どのような帽子を選び、どのように髪や頭皮のダメージを防いだらいいのかを詳しくお話していきます。今日からできる簡単なものがほとんどなので、ぜひ試してみてください。

 

紫外線対策のため、夏場はむしろ帽子を被るべき

先ほどまで帽子を被ることで薄毛になってしまう可能性があると言っていたのに、何故帽子を被ったほうが良いのか驚かれた方もいるかもしれません。
夏場頭皮に直射日光を浴びてしまうと、頭皮が日焼けしてしまいます。頭皮も肌と同じく紫外線によってダメージを受けてしまうので、髪や頭皮を守るために紫外線対策として、外にいる時はなるべく帽子を被るようにしましょう。

 

頭のサイズ+1㎝がベストな帽子のサイズ!自分にサイズの合った帽子を選ぼう!

薄毛になってしまう原因として、(1)帽子の締め付けによる血行不良、(2)摩擦による髪や頭皮のダメージの2つがあります。
この2つは帽子を被ることにより起きてしまうのですが、その要因としてサイズの合っていない帽子やヘルメットを長時間被っているという点が挙げられます。

頭のサイズを測ることってなかなかないと思いますが、1度サイズを計っておくと帽子選びに役立ちます。実店舗で実際に帽子を被ってから購入できたらいいですが、オンラインショップなどで帽子を購入する際は、ご自身の頭のサイズ+1㎝程度と覚えておくと、失敗がなく合わないサイズの帽子を被って髪や頭皮にダメージを与えてしまう危険を回避することができるでしょう。

 

キーワードは「吸湿速乾素材」通気性の良い帽子を選ぼう!

アウトドア用やスポーツ用の帽子は、吸湿速乾素材が使われていることも多く冷却性能に優れており、蒸れた状態を作り出さないように温度調節がしやすいのでおすすめです。さらに、洗濯しやすい形状や素材を使っているものが多いので、菌が沸かないようにケアがしやすいのもメリットでしょう。また、麦わら帽子なども非常に通気性が良いので、夏に被るのは理にかなっていると言えます。

※参考:「これからの快適機能肌着」

 

こまめに汗対策!帽子の長時間の着用は避けましょう

通気性の良い素材の帽子を選ぶことも大切ですが、蒸れないようにこまめに汗を拭いたり、適度に帽子を脱いだりして熱がこもらないようにするなどの工夫も大事です。ヘルメットなどは特に蒸れて汗をかきやすいと思いますが、速乾インナーキャップや汗を受け止める吸収シートをヘルメットの中に入れて被ると、汗での蒸れ防止に役立つでしょう。
また、今はドライシャンプーなども販売されているので、汗をかいて臭いやべたつきが気になる際はぜひ活用してみてください。

可能であれば、1~2時間に1回は帽子を脱ぎ、汗を拭いたり髪や頭皮を換気したりすることをおすすめします。汚れが蓄積し頭皮のダメージとならないように、予防と対策は怠らないようにしましょう!

 

毎日洗髪は欠かさず、頭皮を清潔に保つ

帽子を日常的に被るという方は、シャンプーを毎日して頭皮を清潔に保つ必要があります。汗をかいたりすることによって残る皮脂や汚れが頭皮に残ってしまうと、髪が十分に育たないだけではなく、べたつきやフケ、毛穴のつまりなどの頭皮トラブルを起こしやすくなってしまいます。これが原因で薄毛に繋がってしまう可能性はあるので、洗髪時に頭皮ケアを意識しながら洗って頭皮は日々清潔に保っていきましょう。

薄毛にならないためにできる帽子の被り方、ケアの仕方をお話しました。ついやってしまっているNG行動があった方、帽子をよく被るという方は気をつけてみてくださいね。

また、すでに薄毛が進行していると感じる方、現状の自分の髪や頭皮が心配という方は、一度薄毛治療が診療科目にあるクリニックで、髪や頭皮に詳しい医師のカウンセリングなどを受けてみるのもおすすめです。

 
 

さいごに

帽子と薄毛の関係性についてお話をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
帽子をただかぶっているだけで薄毛にはなりませんが、誤った帽子の被り方を続けていると、髪や頭皮にダメージを与え、薄毛の要因となってしまう可能性があります。
髪や頭皮に負担をかけないような帽子の被り方を実践して、帽子と上手く付き合っていきましょう!

ABOUT ME
阿部有寛
阿部有寛
医師 
2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許/日本医師会認定産業医 > 医院長紹介ページを見る
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