フィナステリドの初期脱毛はいつまで続く？期間や抜け毛の量を解説

抜け毛を抑制できるAGA治療薬として効果のある「フィナステリド」
見た目の変化に大きく影響を与えるAGAにとって、抜け毛改善効果の期待できるお薬があるのは心強いですが、服用を始めて初期脱毛に驚いた方はいらっしゃるのではないでしょうか？

初期脱毛とは、AGA治療薬の服用に伴ってヘアサイクルを正常に戻す過程で起きる初期の脱毛現象であり、1ヶ月～3ヶ月ほどで抜け毛は自然と治まります。

初期脱毛は抜け毛を起こすホルモンを抑制して発毛を促すために重要な期間であり、むしろ薬の効果が発揮されている証拠でもあります。薬の作用で一時的な脱毛症状が起きているだけなので特に問題のない抜け毛ですが、せっかく薄毛治療のために薬を服用し始めたのに、抜け毛が止まらずに不安になってしまう方は多いでしょう。

この記事ではフィナステリドの初期脱毛について詳しく解説していきます！

フィナステリドの初期脱毛は約1ヶ月〜3ヶ月間続く

フィナステリドの服用に伴い、初期脱毛が起きる可能性はあります。
薬の効果に個人差があるように、初期脱毛の期間にも個人差がありますが、大体薬を飲み始めてから約1ヶ月～3ヶ月ほど脱毛が続くとされております。

フィナステリドは抜け毛の原因となる5αリダクターゼの抑制をし、これ以上の抜け毛が起きないようにしてくれます。
AGAの状態ではヘアサイクルは乱れた状態になっており、フィナステリドを服用することで正常なヘアサイクルの状態に戻していきます。

そのために今ある髪が生え変わって新しい元気な髪の毛を生やす必要があるため、初期脱毛は起きてしまうのです。

※参考：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

初期脱毛の抜け毛量は1日約100～300本にのぼることも

初期脱毛の抜け毛ですが、毎日どのくらい髪が抜けているかチェックはしていますか？
「こんなに毎日毛が抜けてしまって大丈夫だろうか」「デュタステリドを飲む前よりも抜け毛量が増えた気がする…」と不安に思われる方は多いです。

一般的に1日の抜け毛量が100本を超えるとAGAを疑った方が良いとされていますが、初期脱毛でも1日に約100本～300本抜ける可能性が考えられます。

100本以上の髪の毛ってどれくらいの量？

こちらはショートヘア（約12㎝）の方を参考に本数別の抜け毛量を表したものです。ロングヘアの方は、自分の髪の長さに合わせて2倍、3倍の量をイメージしながら照らし合わせてみてください。

初期脱毛の量はヘアサイクルに伴って起きるため個人差が出ますが、抜け毛量が多い人では１日で500本ほど抜ける場合もあります。500本以内であれば特に問題のない初期脱毛として考えられますが、これ以上抜けてしまうと見た目にも大きく関わってしまうだけではなく、何らかの問題が起きている可能性が考えられるので、必ず医師の再診を受けましょう。

抜け毛量を把握できる場所やタイミング

抜け毛が最も起きやすいのが洗髪時と言われています。汚れを落とす際の指や水の摩擦によって髪は抜けるので、抜け毛量を確認するためには洗髪後に排水溝を確認するようにしましょう。
また、同じく抜け毛が発生するのが、髪の毛を乾かすドライヤーの後です。こちらも床に散らばった髪の毛を集めて確認してみましょう。

その他では、朝起床した際の枕元や、髪をセットする際にブラッシングした際のブラシに髪の毛がどれくらいつくかなどで抜け毛量を確認できます。一度に大量に髪が抜けるわけではないので、各所で大体の抜け毛の量を確認し、1日にトータルでどれくらい抜け毛が起きているかを把握しておきましょう！

フィナステリドの初期脱毛期間に注意すべき3つのポイント

フィナステリドの初期脱毛は一時的なものですが、初期脱毛が起きている際に気をつけなければいけないポイントがあります。
ここでは以下の3点をお話していきます。

（１）自己判断でフィナステリドの服用を中止しないこと
（２）抜け毛が気になっても髪を触らないこと
（３）育毛ではなく頭皮環境を整えること

自己判断の服用中止は薄毛を加速させる

初期脱毛で抜け毛が治まらず、薬が効かないと思って服用を中断しようとしてしまう方は多いです。
しかし、自己判断で服用を中止するのは薄毛をさらに加速させてしまう可能性があるのでやめましょう。

初期脱毛は有効成分の効果が出た証拠であり、ヘアサイクルを正常に戻すために必要な脱毛現象です。
初期脱毛が終わる前に自己判断で服用を中断してしまうと、せっかく正常に戻ろうとしていたヘアサイクルの変化が止み、新しい髪も生まれずにさらにヘアサイクルは乱れて薄毛の進行が加速する危険性があります。

初期脱毛があったとしても3ヶ月は耐えて服用を続けてほしいですが、その期間でどうしても抜け毛量が気になり服用をやめたいという場合は、必ず医師の診察を受けて中断するかを決めてもらいましょう。

抜け毛が気になっても髪をむやみに触らない

初期脱毛時の休止期の髪は、洗髪や髪を乾かす際、ブラッシングの際に自然と抜け落ちることが最も多いです。
特に抜け毛量に目が引きがちな初期脱毛は、抜け毛の不安から髪を頻繁に触ったりすることで無意識に髪を引っ張ってしまい脱毛の原因になっている可能性も高いとされています。

初期脱毛の起きている期間は、なるべく優しく洗髪することや強い刺激で髪をとかさないように気をつけましょう。

ガシガシと強い力で洗ったり爪で頭皮を傷つけてしまったりと、知らず知らずのうちに頭皮に強い刺激を与えて頭皮環境を悪化させてしまいます。髪を洗う時などは抜け毛が増えないように、強くひっぱったりせずに指の腹で優しく洗っていきましょう。

育毛よりも頭皮環境を整えることに力を入れる

初期脱毛が起きている期間は、今生えている髪を育毛剤で育てるよりも、栄養が行き渡った元気な髪が生えてくるように頭皮環境を整えることを最優先にしましょう。

ここでの頭皮環境を整えることの定義は、下記の2つを指します。

（１）頭皮の血行を良くすること
（２）頭皮を清潔に保ち、炎症などを起こさないようにすること

頭皮環境を整えるためには育毛マッサージが最適です。栄養が行き渡った畑から元気な作物が育つのと同様に、整った頭皮環境でないと元気な髪の毛は生えてきません。

初期脱毛が起きているうちに、早く元気な髪の毛が生えてくるように頭皮環境を整えておきましょう！

頭皮環境を整えるには育毛マッサージが効果的です。1万人以上の頭皮を見てきた美容師による、頭皮環境を整えるマッサージ方法についてはこちらをご覧ください！

 
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3ヶ月以上初期脱毛が続いている場合はすぐに再診を受ける

3ヵ月以上の初期脱毛が続く場合は、必ずAGA治療薬を処方してもらったクリニックで医師の再診を受けることをおすすめします。

フィナステリドの初期脱毛は一時的なものであるので気にする必要はありませんが、3ヶ月以上経っても抜け毛量が変わらなかったり、増え続けてしまっていたりする場合、他の脱毛症である可能性も考えられます。

これ以上薄毛を悪化させないためにも、早めに医師に相談して、今後服用をどうするか判断してもらいましょう。

さいごに

フィナステリドの初期脱毛について解説してきましたがいかがでしたでしょうか？
初期脱毛があることがわかっていても、抜け毛の治療をしているのにこんなに髪の毛が抜けてしまって大丈夫だろうかと不安に思うことはあると思います。

初期脱毛期間はに気をつけるポイントと抜け毛量の確認をしつつ、約1ヶ月～3ヶ月の初期脱毛を乗り越えましょう！

また、もし初期脱毛期間に少し不安な事があったら、お薬を処方してもらったクリニックに現状を相談してみるのも良いでしょう！せっかく始めたAGA治療と上手く付き合って、薄毛を改善していけるように頑張りましょう！

 
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阿部有寛

医師　

2007年山形大学医学部卒業。 一般内科、複数の企業、研究施設の産業医から、大手の美容クリニック、AGA・頭髪クリニックの医師を経て、一般社団法人日本美容医療研究協会ZENクリニック院長に就任。 【資格】医師免許／日本医師会認定産業医 ＞ 医院長紹介ページを見る