しわ防止として効果的なヒアルロン酸注射の特徴は?

ヒアルロン酸注射をするとしわを防止できるという話を聞いたことがあって興味を持っている人もいるでしょう。
しかし、ヒアルロン酸とは一体何なのか、注射するとどうなるのかといった形で色々な不安を持つ人も大勢います。
この記事ではヒアルロン酸注射の特徴やしわに対する影響について広く紹介します。
また、打ち続けたときの問題についても紹介するので参考にして下さい。

ヒアルロン酸注射って?

ヒアルロン酸注射って?
ヒアルロン酸注射とは肌を作り上げている成分の一つとして有名なヒアルロン酸を皮膚に注射する施術です。
しわの対策としてヒアルロン酸注射をするときには皮膚にできている深いしわや溝になっている部分に直接注射します。
これによって注射した場所のボリュームが増えるので、しわや溝が埋まったような状態になって目立たなくなるのが特徴です。
注射に使用している成分であるヒアルロン酸はもともと体が持っている成分なので安全性が高く、肌の水分を保持するのに重要な役割を果たしていることから肌の状態を向上させるのにも寄与すると考えられています。

このように注射によってボリュームを増やす方法は昔から注目されていていました。
皮膚に注入する物質のことを一般的に皮膚充填剤や注入剤、フィラーと呼びますが、ヒアルロン酸以外にもコラーゲンのように肌の成分としてよく知られているものも皮膚充填剤として使われています。
また、合成注入剤として知られるハイドロキシアパタイトなど、他にもいくつか使用できる皮膚充填剤がありますが、ヒアルロン酸は世界で最もよく用いられている注入剤です。
1996年にヨーロッパで最初のヒアルロン酸注入剤が承認されてから各国で使われるようになり、利用者も多いことから安全性についての知見も十分にあります。
結果として今ではヒアルロン酸注射が安全にできる標準的な施術として多くのクリニックに取り入れられています。

コラーゲンとの違いは?

コラーゲンとの違いは?
皮膚充填剤として名前が挙げられたコラーゲンも美容に詳しい人ならヒアルロン酸と同じくらい有名な成分として聞いたことがあるでしょう。
しわ対策としてもコラーゲンは注入剤としてよく用いられています。
コラーゲンもヒアルロン酸と同じように体内にある物質なので親和性が高く、安全に使用することができる注入剤として知られています。
また、コラーゲンも肌の調子を整えるのに重要な成分であり、ヒアルロン酸と同様に加齢とともに減少していくので注射による補充が肌質の改善につながることも期待できるでしょう。

ただ、コラーゲンはタンパク質の一種なのがヒアルロン酸との違いで、アレルギーを持つ人がいます。
コラーゲンが注入剤として承認されたのはヒアルロン酸よりも昔のことで、1980年代後半から使用されてきました。
現在ではウシ由来のコラーゲンが多く用いられています。
注射をする際にはアレルギー検査をして安全に使えるかどうかを確かめることが必要です。
それがコラーゲン注射によってしわ対策をするときの問題となっていました。
アレルギーがあったら怖いと考えて敬遠する人も多かったのは確かです。

ヒアルロン酸が注入剤として登場したのはこの後になってからのことで、ヒアルロン酸はタンパク質ではないことから、アレルギー反応を起こすリスクがないので安心して使用できます。
アレルギー検査をする必要がないのは手間もかからず費用も掛からないという点でメリットがあり、コラーゲンよりもヒアルロン酸が注入剤としてよく用いられるようになりました。
ヒアルロン酸はもともとトリ由来の抽出物が用いられていたため、タンパク質の混入が懸念されていました。
しかし、現在ではバイオテクノロジーにより生産が可能になった動物由来ではないヒアルロン酸が主流になっています。
これによってアレルギー源になるようなタンパク質由来の不純物がかなり少なくなり、アレルギー反応のリスクが大幅に低減されました。

しわはなぜできる?

しわはなぜできる?
しわ防止のためにヒアルロン酸注射を考えている人が理解しておきたいのがしわができてしまう理由です。
しわができる原因としてよく知られているのがコラーゲンの減少です。
コラーゲンは皮膚の弾力はハリを生み出すために必要な成分で、減少してしまうと皮膚の表面にある表皮を支える力が低下してしまいます。
肌を支えてしっかりとした弾力がある状態を維持できなくなると、しわができてしまうのはイメージできるでしょう。
コラーゲンが減少してしまう原因は主に紫外線と加齢です。
紫外線を浴びると損傷を受けてしまうことになり、加齢とともにコラーゲンの生産能力が低下してしまうことが知られています。
特に加齢による影響は大きく、50歳以上になるとほとんど作れなくなってしまうことから、年を取るとしわに悩まされやすくなるのです。

しわの種類

しわの種類
顔に皮膚がたるんだりへこんだりしたような部分があるとしわと一言で言ってしまうことが多いですが、実はしわには種類があります。
ここでは代表的なしわの種類と特徴を紹介するので参考にして下さい。
種類によってしわができる原因も少しずつ違っていて、年齢によってできるリスクが高いかどうかも異なります。
このような特性についても簡単に紹介していきます。

表情じわ

表情じわは笑ったり、顔をしかめたり、眉をひそめたりするなど、顔で表情を作ったときにできるしわのことを指します。
表情筋を動かすことによって自然にできるのが特徴で、目じりや眉間、口元や額などが表情じわができてしまいやすい部位として知られてします。
表情じわが気になるのも年齢を重ねてからの場合が多いですが、これはコラーゲンの不足や新陳代謝の低下などによってしわができたときに戻りにくくなって定借してしまうからです。
若い頃でも表情豊かな人はたくさんの表情じわができていますが、代謝が活発なのですぐに元に戻っているという場合がほとんどです。

ちりめんじわ

ちりめんじわは肌の表面にできる小さなしわで、細かくて浅いしわがたくさんできるのが特徴です。
ちりめんじわは目の周りにできることが多く、目じりや目の下が典型的な部位です。
ちりめんじわも加齢によって引き起こされることは多く、新陳代謝の低下やコラーゲンなどの保水成分の不足が原因になりがちです。
ただ、ちりめんじわは乾燥や紫外線による影響が蓄積しても発生することがあるため、若い人でもちりめんじわができることがあります。

真皮性しわ

真皮性しわは皮膚の表面にある表皮ではなく、その下にある真皮の部分にできているしわで小じわとよく呼ばれています。
真皮性しわは皮膚の溝と捉えるとわかりやすいもので、V字型に皮膚が陥没することでしわができています。
目じりや額に多いしわとして知られていて、やはり加齢とともに目立つようになる人が多く、だんだんと深くなってくる傾向があります。
真皮性しわもコラーゲンの不足による肌の弾力の低下が起こると陥没しやすくなるので発生率が高まります。
また、感想や紫外線によるダメージでも引き起こされることがあるため、若い人でも真皮性しわができていることもあります。

たるみじわ

たるみじわは真皮性しわのように皮膚が埋没するのではなく、逆に出っ張って垂れ下がるような形になって発生するしわです。
たるみじわは目じりや目の下、眉間や額、さらに口元にもできることがあります。
たるみが発生するのと基本的には同じ原理で、肌を支えている土台の結合組織が十分に機能しなくなって引き締まっていない状態になっているのが原因で起こるのがたるみじわです。
コラーゲンやエラスチンなどの不足や新陳代謝の低下によって引き起こされることから、加齢が原因で年齢が高い人ほどたるみじわができてしまう傾向があります。

ヒアルロン酸注射に副作用のリスクはある?

ヒアルロン酸注射に副作用のリスクはある?
ヒアルロン酸注射によってしわの対策ができるのなら試してみたいという人もいるでしょう。
ただ、ヒアルロン酸注射をしたら何か副作用が問題になることはないのかと心配になることもあります。
前述のようにコラーゲンを使うのと違ってアレルギー反応が起こるリスクは極めて低いのがヒアルロン酸の特徴です。
ただ、ヒアルロン酸注射にも発生するリスクがある副作用があることが知られています。
どんな副作用が問題になる可能性があるのでしょうか。

内出血

ヒアルロン酸注射の副作用として最も頻度が高いとされているのが内出血です。
ヒアルロン酸注射に限らず注射をするときには多かれ少なかれリスクがあるのが内出血で、毛細血管が多いところに注射するときには特にリスクが高くなります。
皮膚が薄いところに注射する場合にも内出血が起こることは少なくありません。
これは施術が上手か下手か、成功したか失敗したかという問題ではなく、鋭利な注射針を皮膚に入れるのでよくあることです。
皮膚の下で出血して広がりますが、徐々に代謝されてきれいになっていきます。
一般的には1週間から2週間でほとんど目立たなくなるので心配はいりません。

むくみ・腫れ

ヒアルロン酸注射の副作用として内出血ほどではないにしても頻度が比較的高いのがむくみや腫れです。
注射による刺激に体が過敏に反応したことによって炎症反応などが起こっているのが原因で、やはりヒアルロン酸注射でなくとも注射なら一般的に起こり得る副作用です。
むくみや腫れは刺激による一過的なものなので時間の経過とともに緩和されていきます。
個人差はありますが、1週間前後でほとんど気にならなくなるでしょう。
ただ、腫れている部分に余計な刺激を与えると治りにくくなるリスクがあるため、患部を強く押したり叩いたりしないようにするのが大切です。

違和感・痛み

注射をしたところやその周辺に違和感を覚えたり、注射針を刺したとき以外にも軽い痛みを感じる人もいます。
ヒアルロン酸注射によって違和感や痛みが生じる理由ははっきりとはしていませんが、基本的には打撲と同じようなことが起こっているのではないかと考えられています。
注射をした部分が気になってしまって精神的な影響で違和感を覚えている可能性もあるでしょう。
ただ、ずっと痛みが続いてしまうようなことはなく、数日後には症状がなくなるのが一般的です。
治るのが早い人は翌朝には違和感も痛みも気にならなくなってしまいます。

チンダル現象

ヒアルロン酸注射によって起こる副作用として比較的有名なのがチンダル現象です。
チンダル現象は一般的な物理用語としては透明な物質やコロイド溶液などに光を照射したときに、光の散乱によって光の通った道が見える現象を指します。
これが肌でも起こってしまうことがあり、ヒアルロン酸注射をした部分が青っぽく透けて見えるのが一般的な現象です。
ヒアルロン酸注射を皮膚が薄い部分や浅い箇所に行ったときに起こりやすいことが知られています。
典型的なのは目の周りで、目立ってしまうのが問題になりがちです。
ただ、ヒアルロン酸製剤の選択によって発生リスクがかなり下がることがわかっています。
また、ヒアルロン酸分解酵素によって解消することもできるので深く心配する必要はないでしょう。

打ち続けるとどうなる?

打ち続けるとどうなる?
ヒアルロン酸注射は一回に打てる量に限界があるので何回も打ち続けて深いしわを治したいと考える人もいます。
あちこちにしわがあるから何度も打ちたいという人もいるでしょう。
その際に気になってしまうのがヒアルロン酸を打ち続けたらどうなるか、注入量を守らずにたくさん売ってもらったらどうなるかということです。
結論から言えば、ヒアルロン酸の注入量は限度を守り、あまり打ち続けないようにするのが大切です。

ヒアルロン酸の注入を繰り返した事例では、施術をする前とは美的感覚がずれてしまったというケースがあります。
一度ヒアルロン酸注射をすると、しわがなくなって改善された部分に見慣れてしまってもっと美しくなりたいという気持ちが生まれがちです。
それで追加で注射をするとまた改善され、もっと美しくなれたら良いのにという気持ちが生まれてしまうのは想像できるでしょう。
このような問題が起こり得ることは気に留めておく必要があります。

ヒアルロン酸を適量を超えて注入すると仕上がりが不自然になってしまって後悔することもあります。
あくまで適量を守ることが自然な美しさにつながります。
また、ヒアルロン酸注射の結果はヒアルロン酸製剤の品質や医師の技術によって左右されるのも特徴です。
良質な施術を受けられるようにクリニックを厳選するようにしましょう。

適量の注射が大事

適量の注射が大事
ヒアルロン酸注射の特徴や副作用について説明をしてきましたが、内容を理解で来たでしょうか。
しわは加齢とともにできてきてしまうものですが、ヒアルロン酸注射によって目立たなくすることは可能です。
ただ、やりすぎは不自然さを生む原因になるので適量で改善をすることを目指しましょう。
安心して施術を受けられるクリニックを選び、適正な量のヒアルロン酸を使うのが大切です。