鼻や顎の整形で人気のヒアルロン酸注射とは?打ち続けるとどうなる

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2020/02/18 更新日:2021/03/05

ヒアルロン酸注射は顎を細くシャープにみせられる、鼻筋が通った美しい鼻になるなど、様々な効果が期待出来る施術法です。
メスを使わず注射1本で理想通りの容姿を手に入れられるとあって人気も高いですが、一方で副作用の心配をされている人も多いのではないでしょうか?この記事ではヒアルロン酸注射の副作用、また打ち続けるとどうなるかについて紹介していきます。

ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸注射とは
ヒアルロン酸注射とは、名前の通りヒアルロン酸を注入して、様々な顔のコンプレックスを解消していく施術法です。
ヒアルロン酸は元々体内で自然に作られる成分で、皮膚の細胞間物質として肌の水分を保つ役割を担っています。
年齢とともに減少していくため、加齢によって肌の水分量が少なくなって乾燥やシワが目立つようになるのは、ヒアルロン酸も大きく影響を及ぼしていると言えます。
ちなみにヒアルロン酸を用いた施術法で最もポピュラーなものがシワやたるみの改善です。
ヒアルロン酸注入剤をシワや溝の直下に注入すると、シワが埋められたり溝が盛り上がって目立たなくさせる事が出来ます。

ヒアルロン酸注射は、体内にあるヒアルロン酸をそのままの状態で注入している訳ではありません。
シワ部分に注入してボリューム感を持たせられるように作られており、皮膚充填材または注入材(フィラー)と呼ばれます。
ヒアルロン酸が美容医療で用いられるようになったのは、1996年に最初の製品がヨーロッパで承認されたのが始まりで、現在はより高い効果や持続性が期待出来るよう、コラーゲンやハイドロキシアパタイトなどを合成した注入剤も出てきています。

ヒアルロン酸注射の特徴

ヒアルロン酸注射の特徴
ヒアルロン酸やコラーゲンは体内で自然に作られる成分です。
年齢を重ねるにつれて生成量も減少していきますが、元々体内にある成分だけに皮膚との馴染みがよく、安全性も高いとされています。
コラーゲンは1980年代後半から皮膚注入材として使われており、現在はウシ由来のコラーゲンが多く用いられています。
肌にハリやツヤが与えられるとして人気がある成分ですが、コラーゲンはたんぱく質の一種であるため、人によってはアレルギー反応を起こす危険性があります。
つまり誰もが気軽に注入出来るという訳ではなく、治療1ヶ月前にはアレルギー検査を受けて問題ないかを確認しておかなければいけません。

一方、ヒアルロン酸は1996年から注入剤として使用されるようになりましたが、主成分がたんぱく質では無いためアレルギー検査をする必要はありません。
誕生した当初はトリ由来の抽出成分が用いられていましたが、近年の注入剤はバイオテクノロジーによって生産されたヒアルロン酸が使われています。
非動物由来製剤で感染などの心配もなく、不純物として含まれるたんぱく質の量もごく僅かなので、アレルギー反応を起こす可能性もほとんどありません。

メリット


美容外科、美容皮膚科の数あるメニューの中でも圧倒的な人気を誇るヒアルロン酸注射ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ダウンタイムが少ない

ヒアルロン酸注射は他の美容整形に比べて体への負担が軽く、ダウンタイムが少ないという特徴があります。
ダウンタイムとは施術が終わってから回復するまでの期間を指しますが、施術によっては壮絶なダウンタイムを経験する事もあります。
ダウンタイムが少ないなら、施術後に入院や安静にしておく必要もなく、すぐに帰宅出来ます。
またメスや麻酔を使わない施術なので傷が目立たず、術後の腫れや痛みも少なく済みます。
施術直後から普段通りに過ごせるため、日常生活への支障が出ないのも嬉しいメリットと言えます。

治療に時間がかからない

ヒアルロン酸注射は注射1本の治療です。
メスを用いる施術のように大掛かりな準備もありません。
注入する箇所や個人差はありますが、およそ10分程度で終了します。
仕事帰りに美容院へ行くような感覚で受けられ、術後に通院する必要もないため、忙しい人にも受けやすい施術です。

やり直しが利く

メスを使った美容整形で怖いのは、施術後に思い描いていた仕上がりにならず失敗だと感じてしまう事です。
もちろん手術を受けて元の状態に戻す事も可能ですが、何度もメスを入れると負担も大きく、元の顔を目指しても不自然になるリスクもあります。
その点、ヒアルロン酸注射なら思い通りに仕上がらなかった場合は、気軽にやり直し可能です。
ヒアラーゼという酵素を患部に注射する方法で、注入したヒアルロン酸だけに作用して溶かしていきます。
ヒアラーゼを利用すれば簡単に元の状態に戻せ、改めてヒアルロン酸注射を打ち直せば、理想の形を目指せるのです。

ヒアルロン酸注射の副作用は?

ヒアルロン酸注射の副作用は?
気軽に施術を受けられるとあって人気の高いヒアルロン酸注射ですが、一方で副作用のリスクもあります。
施術を受けるにあたって、どんな副作用に注意すれば良いのでしょうか。

内出血

注射による施術なので、まず内出血を起こす可能性があります。
病気予防のために打つ予防接種でもよく見られますが、内出血とは皮膚の下で出血している状態です。
内出血が見られても、決して施術が失敗している訳ではありません。
そもそも内出血は毛細血管が多い箇所や、皮膚の薄い部位に注射すると起こりやすいのです。
施術直後は痛々しく感じられても、一般的には1~2週間もすると目立たなくなります。
施術後にメイクも可能なので、気になるようであればコンシーラーで隠すという方法もあります。

ただ大事な行事やイベントを控えている場合は、万が一を考えて2週間前からは治療を控えた方が安全です。
またクリニックによっては、内出血をおこしにくい針を使っての注入も可能です。
従来の針に比べて先端部が丸くなっているので、血管を傷つけるリスクを減らせるのです。
特に血管の数が豊富な目元、重要な血管が走っているほうれい線への注入には有効です。

むくみ・腫れ

むくみや腫れも副作用の一つです。
ヒアルロン酸注入の刺激によって生じるもので、注入直後から感じるケースが多いです。
特に治療後2~3日の間はヒアルロン酸がなじんでいない状態なので、しこりのように硬い腫れが感じられる事もあります。
極細の針を使って注意深く注射しても起こり得るもので、基本的には1週間程度で症状も治まります。
むくみや腫れの症状が酷くならないように、また早く解消するためには、とにかく注入した部分を必要以上に触らないようにします。
腫れが気になって患部を強く押さえつけると更に痛みが増したり、注入した箇所からヒアルロン酸が流れて効果が薄くなる可能性もあるため注意が必要です。

違和感・痛み

注入した部位によっては違和感や痛みを感じる事もあります。
痛みは打撲に近い程度で、基本的には数日で症状も治まります。
もし1週間以上経っても違和感や痛みが続くようであれば、医師に相談した方が安心です。

チンダル現象

目の下のクマや笑い皺、縮緬皺の改善、涙袋を大きくするなど、目元の美容整形でもヒアルロン酸注射はよく使われます。
ただ目元の皮膚は体の中でも最も薄い皮膚と言われており、ヒアルロン酸を注入した時に透けて青っぽく見えるチンダル現象が起こる事があります。
基本的にヒアルロン酸の注入層は決まっており、例えば涙袋は眼輪筋内、目袋の下の深いシワは骨膜上といったように皮膚の深い部分に注入すれば問題ないですが、皮膚のすぐ下になる浅い層に注入すると、ヒアルロン酸が青く透けて見えてしまうのです。

クマの改善のために施術を受けたのに、さらにクマが目立つようになったと言うトラブルは、まさにチンダル現象によるものです。
このトラブルは医師が熟練した技術を持っていれば避けられるため、医師選びも重要です。
またヒアルロン酸も色々ありますが、たくさんの種類の中から施術部位に合ったヒアルロン酸を選ぶ事も大切です。

ヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?

ヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?
ヒアルロン酸注射は今や、美容医療の中でも定番の施術法となっています。
肌に刻まれたシワを目立たなくさせる、目の下のくぼみを膨らませてクマを目立たなくさせる、薄い唇に厚みを持たせてふっくらとした唇に変える、鼻や顎のラインに注入してシャープにするなど、様々な効果が期待出来るのです。
加えて手軽に施術が受けられるのも魅力の一つですが、効果は永遠ではありません。
時間が経てばいずれ体の中に吸収されていくもので、一般的な持続期間は半年から1年と言われています。

ヒアルロン酸の効果を持続させるには、繰り返し施術を受けなければいけません。
繰り返し打ち続けるとヒアルロン酸も全て体内に吸収されず、効果の持ちが良くなるのです。
つまりヒアルロン酸注射の施術を受けて、その効果を保つためには打ち続ける必要があるという訳です。
ただし何度も打ち続けると思わぬトラブルに繋がる可能性もあります。

施術を受けるにあたって注意したいのが、まず注入量です。
同じ部位に追加で注入するのは良いですが、適量を守らなければ不自然な仕上がりになります。
自分の予想していた通りにならなかったとしても、効果の出方には個人差があります。
注入量が多ければ理想通りに仕上がるという訳でも無いのです。
また最初の頃は効果に満足出来ても、見慣れてしまうと更なる変化を求める人がいます。
もっと肌にハリを与えたい、鼻を高くしたい、顎を尖らせたいと思いを募らせるようになり、適量を守らずヒアルロン酸を打ち続けてしまうのです。
この場合、自分は仕上がりに満足していますが、第三者から見ると不自然な仕上がりになっています。
つまり周りと美的感覚がズレてしまっているのです。
ヒアルロン酸は簡単に受けられる分、自分で自制していかなければ後で後悔する事にもなりかねません。

ヒアルロン酸の注入量、施術を受ける頻度を守るためには、信頼できる医師とクリニック選びが重要です。
安さばかりをアピールしているようなクリニックでは、ヒアルロン酸製剤の品質や施術を担当する医師の技術に問題があるかもしれません。
正しい知識を持っている医師は、患者の無謀な要望を簡単に受け入れるのではなく、何故問題があるかを説明し、適切な治療法を提案してくれます。
繰り返し打ち続けるにしても、施術部位に合った注入剤を選び、正しい注入量と治療頻度を守れば間違った方向には進みません。

施術後の過ごし方

施術後の過ごし方
ヒアルロン酸注射は即効性がある治療法です。
受けてすぐに効果が実感できるようになりますが、施術の経過には個人差があり、中には1ヵ月以上の時間を要するケースもあります。
また施術直後は、内出血やむくみ、腫れ、痛みや違和感、チンダル現象などの副作用が起こるかもしれません。
基本的には重い副作用の症状はなく、1~2週間もすれば症状も落ち着いてきます。
ただし2週間が過ぎても症状が改善されない場合は、早い段階で医療機関に相談しなければいけません。
場合によっては細菌に感染していたり、腫れがしこりのように硬くなっているケースもあります。
いずれ体内に吸収されて目立たなくなっていくにしても、状況によってはヒアラーゼを注入して再施術をした方が良いかもしれません。

施術当日は激しい運動と飲酒は禁止ですが、翌日以降は普段通りの生活をしても問題ありません。
ただし、せっかく受けた施術の効果を最大限に発揮するため、長持ちさせるためには、施術直後に注入箇所を強く擦ったり、刺激を与えないようにするのがポイントです。
治療を受けてどんな風に変わったのか確かめたいところですが、強く触ると形が変形して不自然になってしまいます。
施術2~3時間後にはメイクも可能となっていますが、なるべく患部は触らないように注意しなければいけません。
また少なくとも注入部位の腫れが落ち着くまでの1週間は顔のマッサージも厳禁で、フェイシャルマッサージやフェイシャルエステなどの施術も控えた方が賢明です。

そして美肌を保つためにも基本的な事ですが、食生活や睡眠時間も意識していかなければいけません。
食生活が乱れていたり、睡眠時間が少ないと、体内でヒアルロン酸の生成が追い付かなくなります。
つまり施術によって注入したヒアルロン酸がどんどん吸収されてしまう訳です。
治療効果を持続させるためには、注入したヒアルロン酸の消費を抑えなければならず、そのためにも規則正しい生活が鉄則となるのです。

打ちすぎに注意!

打ちすぎに注意!
副作用や打ち続ける事で生じるリスクについて理解出来たでしょうか。
副作用に重い症状はなく、それほど神経質になる必要はありません。
ただし過剰に打ち続けると、不自然な仕上がりなる恐れもあります。
効果を持続させるためにも繰り返し施術を受けていく必要がありますが、注射を受ける際は注入量や施術を担当する医師、クリニック選びにも注意していかなければいけません。