ボトックス注射は本当に安全?失敗例と副作用を避ける方法を紹介

「ボトックス注射に興味があるけど副作用がきになる」
「ボトックス注射で失敗したりしないのかな」

このようなことでお悩みではありませんか?
ボトックス注射は体内にない成分を注入するので副作用はゼロではありません。
ですが、副作用が発生する確率は1%以下でその中でもさらに重篤な副作用は極めてまれです。
多くの副作用は内出血や注射の痛みなどがほとんどです。

注射の失敗により表情が不自然になってしまったり、合併症を引き起したりする可能性もゼロではありません。
この記事では、ボトックス注射は安全なのか、デメリットや副作用・失敗例について詳しく解説していきます。

この記事のポイント
  • ボトックス注射の副作用
  • ボトックス注射の失敗例
  • 注射を受けられない人

この記事を読んでいただければボトックス注射の起こりうる副作用が理解いただけるはずです。
事前にリスクを理解して、治療を受けるようにしてください。

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ボトックス注射とは?

ボトックス注射はどんな施術?
「ボトックス」とは、ボツリヌス菌がつくり出す「A型ボツリヌス毒素」成分のことです。
美容治療で使用するものは生理食塩水で薄められています。

そのため、人体に投与しても安全で副作用もほとんどないといわれています。

ボトックス注射は、注入した箇所の筋肉の働きを止める作用で、しわの改善、エラの除去、リフトアップなどの効果が期待できます。
その他にも多汗症、肩こり解消などにも使用される製剤です。

ボトックス注射の副作用やデメリットは?

副作用
ボトックス注射は手軽で安全に受けられる施術ですが、副作用が起こる可能性はあります。

ボツリヌストキシンの注入治療の安全性の調査では、安全解析対象症例の全1566例のうち14例にしか副作用は報告されませんでした。
副作用の発生率は0.89%であり、特に多いものでは注射していないはずのまぶたに力が入らないと訴えたもの、注射した部分の痛みを訴えたものがそれぞれ3例あります。

他には帯状疱疹、口の感覚が異常となる例や、筋委縮が起こったり挫創、アレルギー性皮膚炎や湿疹がそれぞれ1例ずつ認められました。
それ以外は特に有害事象なく経過することが出来る、副作用の少ない薬であると言えるのです。

参照:再審査報告書

ボトックス注射の副作用
    • アレルギー反応が起こる
    • 内出血・赤み・腫れ・痒み
    • 注射の痛み
    • 表情が不自然になる・違和感
    • 倦怠感
    • 左右非対称になる
    • 眼瞼下垂(瞼のたるみ)
    • 嚙む力が弱まる
    • 効果が徐々になくなる

アレルギー反応が起こる

先ほどの調査結果でも例があったようにわずかですが、アレルギー反応が起こる可能性があります。
強いアレルギー反応が表れることはありませんが、アレルギーをお持ちの方は事前に医師にご相談ください。

内出血・赤み・腫れ・痒み

注射部位に内出血、腫れや赤み・腫れ・痒みを起こす場合があります。
注技術が高くない医師の手でボトックス注射をすると、内出血や赤みといった症状が1週間ほど続く可能性があります。
内出血は、時間経過とともに目立たなくなる一時的なものでしかありません。
赤みが目立つ場合には、ファンデーションなどで目立たないようにするとよいでしょう。

注射の痛み

ボトックス注射は麻酔をしてから注射することがほとんどなので、痛みは注入の部位や人によって差があります。
痛みが少ないカニューレ針のような細い針もあるので、痛みに弱い方は事前に相談することをおすすめします。

表情が不自然になる・違和感

ボトックス注射には筋肉を弛緩させる効果があります。
そのため、顔の複数箇所に同時に注射をした場合や、使った薬剤の量が多いときには、顔に違和感を感じるかもしれません。

表情筋の違和感によって、笑顔を作ろうとしても顔が引きつる、口角が左右で上がり具合が異なる、口角が下がってしまうなどです。
また、実際には施術が問題なくても、表情に違和感を感じたり、瞼が普段よりも下がる感覚を持つなど、顔に不自然さを感じることがあります。
これは感覚的な症状で、多くの場合は術後数週間で感覚に慣れると解消されます。

倦怠感

ボトックス注射の効果が強く現れすぎると、風邪のように体が重くだるいといった、倦怠感を起こすことがあります。
症状は一般的に数時間の安静で改善がみられます。
人によっては倦怠感にともなって、発熱、めまい、吐き気、頭痛などを同時に引き起こします。
ほとんどの場合、倦怠感と頭痛、の症状は数日のうちに収まります。

左右非対称になる

もともと人の顔は左右非対称です。左右で筋肉量が違うので、注入量も調整しなくてはなりません。
量の調整は医師が行うので未熟な医師が行うと左右非対称になりやすくなります。

眼瞼下垂(まぶたのたるみ)になる

眼瞼下垂とは、まぶたが垂れ下がっている状態のことです。
そのため視界が狭くなります。

ボトックスの注入箇所を誤ると、まぶたを引き上げる筋肉も弱めてしまうため眼瞼下垂になるケースもあります。

嚙む力が弱まる

エラボトックスの施術後は嚙む力が弱まったり、違和感を感じることがあります。
噛む力に必要な筋肉へ注入するので起こる副作用です。
ですが、ほとんどは一過性のもので、数週間で治まり、自然になります。

効果が徐々になくなる

ボトックス注射の効果は永続ではありません。
筋肉が徐々に戻ってくるので、ボトックス注射の持続期間は3,4か月とされています。

徐々に効果はなくなりますが、繰り返して打つことによってその効果が長持ちします。
また、しわに対しては注射をしたあとはしわができにくいので、結果的にしわが減ります。

なので、ボトックス注射は継続的に注入するのがおすすめです。

ボトックス注射での失敗事例を部位ごとに紹介

ボトックス注射失敗
さまざまな効果を期待できるボトックス注射ですが、ボトックスは製剤となるため高い効果が期待できる一方で、不具合が起こるおそれもあります。
ここでは、ボトックス注射の失敗例を身体の部位ごとに紹介します。

エラのボトックス注射

エラのボトックス注射では、ものを食べるときに顎に疲労感を覚えたり、注入部分が内出血を起こしてしまったりする失敗例があります。
そもそも顔面には皮膚や筋肉などのさまざまな層が存在しており、筋肉までしっかりとボトックスを注射しなければなりません。
しかし、注入量や注入箇所が適切でない場合、食べ物が噛みづらくなることがあるのです。

また、筋肉の付き方は人によって違うものです。
施術前のカウンセリングや医師の診察時に、筋肉のつき方などをしっかりと把握することがとでも大切になります。

額や眉間のボトックス注射

額や眉間にできる表情ジワを取るボトックス注射では、失敗例としてスポック・ブロー(眉毛が不自然に上がってしまう症状)があります。

ボトックスは表情筋を緩めて、額や眉間のシワを改善する施術です。
表情筋同士のバランスが崩れることにより、眉尻が過度に上がってしまう可能性があるのです。

そのため、担当医師のさじ加減が非常に重要となります。

スポック・ブローを起こさないためには、医師が患者の状態や注入方法を正確に把握するとともに、施術技術も求められると言えるでしょう。
また、表情が豊かな方や、眉間・前額部に余剰皮膚の多い方、65歳以上の方は注意が必要です。

シワのボトックス注射

目尻や口元など、顔のシワ改善としてボトックス注射をした場合では、表情に違和感が出るという失敗例があります。
シワ治療の場合はボトックスを表情筋に注入するのが一般的です。
注入する場所や角度、注入量が適切でないと表情筋が動かしにくくなるほか、笑顔が不自然になってしまう可能性もあるのです。

ボトックス注射の効果は数カ月です。
永久的に不自然な表情になるわけではありませんが、お金と時間をかけて施術を受けていることを考えると、やはりきれいに仕上がるのが望ましいと言えます。
シワのボトックス注射で失敗しないためには、経験や知識がある医師の施術を受けるようにするのが良いでしょう。

脇のボトックス注射

ワキガや多汗症の治療としてボトックス注射をする場合は、治療をしたのに効果がないというのが主な失敗例になります。
脇のボトックス注射の場合は、脇の皮膚のごく浅いところに何カ所か注入するというのが一般的です。
複数カ所にボトックスを注入する場合はボトックスの量を均一にし、一定の深さに注入する必要があるため、医師の技術が重要となります。

ほかの部位と比較すると、脇は比較的失敗が少ない施術といわれていますが、医師の技術不足や患者がしっかりと理解していない場合などは、思ったような効果が出ない可能性が高いと言えるでしょう。
また、ワキガの場合は汗の量を抑えることで匂いの広がりを防ぐことはできますが、根本的な治療を行うのであれば、ボトックスではなく手術を受ける必要があります。

ふくらはぎのボトックス注射

ふくらはぎのボトックス注射は個人差にもよりますが、つま先立ちがしづらくなるという事例があります。
ふくらはぎのボトックス注射は、筋肉で発達したふくらはぎを細くするのに効果的ですが、脂肪で太くなったふくらはぎに施術してしまうと不恰好にふくらはぎがしぼんでしまい、美しい脚にはなりません。
また、注入の仕方を誤ると、走ったり階段を登ったりといった、ふくらはぎの筋肉を使う運動をしたときに違和感が出る可能性があります。

そのため、ふくらはぎに通っている神経や血管、筋肉の構造を理解したうえで、ふくらはぎが太い原因の正確な判断を医師にしてもらうことが大切です。

デメリット

デメリット
ボトックス注射のデメリットは、効果が現れるまでに時間がかかることです。
効果の出方は施術部位によって異なりますが、目元やおでこは3日から2週間ほど、エラは1ヶ月ほど、ワキは2週間程度が目安です。
ただ、即効性がないぶん周囲の人に施術を受けたことがバレにくく、自然にに容姿を変えられるという点はメリットです。

受けられない人

を受けられない人
ボトックス注射の安全性の高さは認められているものの、誰もが受けて良いというわけではありません。
では、ボトックス注射が受けられないのはどのような人なのでしょうか。

妊娠中・授乳中の人

ボトックス注射は、妊娠中や授乳中の人には施術をしないという方針がとられています。
妊婦さんや妊活中、授乳中の女性に施術すること自体は問題ありませんが、卵子や胎児、乳児への影響は解明されておらず、100%安全性が確立されていません。
妊活中の人が妊娠していることに気づかずボトックス注射を受け、問題なく出産できたという症例もありますが、安全であると証明されているわけではありません。
妊活中、妊娠中、授乳中の方は施術できません。

神経筋伝達に影響のある薬剤で治療中の人

ボトックス注射は、神経筋伝達系の持病を抱え、薬を服用している人は注射できません。
ボトックス注射は注射した部位の筋肉を弛緩させる作用があり、神経筋にも影響を及ぼします。
薬の効果を相殺したり、作用が増強したりする可能性があります。
具体的な禁忌薬としては、スぺクチノマイシン・アミノグリコシド系・ポリペプチド系・テトラサイクリン系・リンコマイシン系の抗弛緩剤、抗生剤、抗痙攣罪剤、抗コリン剤、精神安定剤、ぺニシラミン、キニジン、カルシウム拮抗剤があげられます。

また、別のボツリヌス毒素製剤で治療を受けている人も、ボトックス注射はNGです。
併用すると過剰に筋肉が弛緩してしまい、咀嚼障害が現れることがあります。
これ以外でも何らかの薬を服用している場合は、医師にその旨を伝え併用できるかどうか事前に確認しておきましょう。

高齢者の人

高齢者の人がボトックス注射を打つことは推奨されていません。
厚生労働省によっても、ボトックス注射の効果は65歳以下の人に効果があると提示されており、高齢者に対しては有効性が低くなります。
また、高齢者は持病を抱える人が多くボトックスと併用できない薬を服用している可能性も高くなるため、ボトックスの効果よりも副作用の症状のほうが強く出る可能性が高くなります。

参照:A 型ボツリヌス毒素療法の小児科領域における医療上の必要性

保険診療が受けられる部位

ボトックス注射で保険診療が受けられるのは、
1.眼瞼けいれんや片側顔面けいれん
2.重度のわきが・多汗症
3.脳卒中などが原因の手足の麻痺や言語障害
などです。

眼瞼けいれんは、50代以降の女性に多く見られる目の開閉がうまくできなくなる病気で、片側顔面けいれんは、無意識に顔の片側がぴくぴくしてしまう病気です。
ボトックス注射の効果は3~4ヵ月程度で切れてしまうため、3~4ヵ月程度経ったら再び投与するか検討する必要があります。
重度のわきがや多汗症に対する治療として、ボトックス注射は2012年から保険適応となっており、発汗を抑制する効果は4~9か月持続します。
脳卒中の後遺症に対して行われるボトックス注射は、筋肉のつっぱりを改善するための治療の1つです。

注入後の注意点

ボトックス注射を受けたあとは、見た目には大きな変化はありません。
ボトックス注射の効果を十分に発揮させ、副作用を引き起こさせないために、いくつかの注意点があります。

注射部位を触ったりしない

ボトックス注射をした後は、注射部位を触らないようにしましょう。
そのため注射部を揉んだりしてしまうと、薬剤が狙った場所から拡散してしまいます。
薬剤が拡散してしまうと、ボトックス注射で期待していたほどの効果が得られなくなったり、広範囲に効果を及ぼして副作用を引き起こす可能性があります。

施術後1時間から2時間は、注射部位周辺に触れないようにしましょう。
無用な浸潤を避けるためにも、処置後数時間は注射部位を触ってはいけません。
ボツリヌス注射は、術後に注射部位をいかに刺激しないようするかが大切です。

治療後は妊娠を避ける

妊婦の方や妊活中、授乳中の女性にばかり注意喚起がされがちですが、男性がボトックス注射を受けた際にも注意が必要です。
ボトックス注射が精子に与える影響は解明されていないため、精子形成期間に注入した際の精子の安全性が確認されていません。
精子に何らかの作用があり、受精した際に胎児に影響を及ぼすリスクも否めません。
そのため、女性も男性もボトックス注射後は、少なくとも3ヶ月間は避妊する必要があります。

治療後は激しい運動はしない・横にならない

ボトックス製剤は、熱に弱いという性質があります。
そのため、ボトックス注射を受けた当日は、血流を増進させる行為は禁物です。
血行が良くなると体温が上がり、ボトックスの効果を弱めてしまう可能性があるからです。
激しい運動をしたり、飲酒をしたり、サウナに入ったりするのは避け、できるだけ安静に過ごすようにしましょう。

また、注入したボトックス製剤が正しい位置に定着するよう、注射してから3時間ほどは横になるのは避けたほうが良いでしょう。
ボトックス注射は、椅子に座った状態で施術を受けるのが一般的です。
その態勢で適切な位置に注入されるため、寝ころぶと薬剤が他の場所に流れてしまう恐れがあります。

注射部位をこすらない・マッサージしない

ボトックス注射の後は、注射部位をこすったり、マッサージしたりするのは禁物です。
ボトックス注射は注射した部位の筋肉や神経に作用するため、こすったりマッサージしたりすると薬剤が拡散して本来とどまるべき場所にとどまらず効果が薄れてしまったり、毒素がむやみに浸潤したりする可能性があります。
また、触ったり揉んだりすることで、内出血を引き起こしてしまう危険性もあるでしょう。
なんとなく気になって触ってみたくなるかもしれませんが、必要ない限り触らないのが一番です。
注射部位やその周辺は、少なくとも数日間はマッサージを避けるようにしましょう。
エステに通うのも、注射後1週間以上経ってからが賢明です。

ボトックス注射は信頼できる銀座禅クリニックで

ボトックス注射にはさまざまな用途があり、シワの改善だけではなく小顔効果や多汗症・ワキガの改善、ふくらはぎを細くする効果を期待できます。
しかし、副作用や失敗事例があるのも事実で、ボトックス注射の濃度や容量が適切でない場合は、思うような表情ができなくなったり、顔の筋肉が硬直したりするおそれがあるのです。
そのため、ボトックス注射の失敗を避けるためにも、信頼できるクリニック選びがとても重要になります。

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