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GLP-1の受容体作動薬の作用・効果は?日本と世界の違いなどを解説

抗加齢学会専門医/麻酔科認定医
コッツフォード良枝:監修

公開日:2021/10/27 更新日:2021/11/25

高血糖の改善などに効果が見込まれるGLP-1受容体作動薬は、近年、ダイエッターから熱い視線が集まる薬です。
クリニックでも扱われ、今後も需要が高まっていくことが予想されます。
しかし、国内と海外ではダイエット薬としての承認に関する事情は異なっており、今後の国内での認知動向などを把握しながら使っていくことが重要です。

使用方法や副作用、そしてダイエット効果が見込まれるメカニズムを理解し、計画的に使うことで薬に対する安心度や信頼感が上がります。

GLP-1受容体作動薬とは?

GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬は、すい臓や脳などに作用するホルモンのGLP-1と似た構造を持つ薬です。
注射や内服によって体内に取り入れます。

ダイエットに役立つ薬として注目度が上がっていますが、効果が出るまである程度の期間がかかり、作用時間も限られます。
各作用や効果が見込まれる期間などについて、説明します。

海外ではダイエット薬として承認

ダイエット薬

GLP-1は、すい臓に作用して血糖値をコントロールするインスリンの分泌を促したり、脳のGLP-1受容体を刺激し続けたりすることで満腹感を高めます。
GLP-1受容体作動薬はGLP-1受容体にくっつき、GLP-1と同様の働きをします。
さらにGLP-1と同様インスリンの分泌促進などの作用は、血糖値が高くなった時のみ働くため、使用しても低血糖が起きにくいというメリットも挙げられています。

GLP-1受容体作動薬は、海外では肥満症の薬として一部承認され、ダイエット薬として認められているケースがあります。
GLP-1が脳の満腹中枢に働きかけて、食欲を抑える効果から「痩せるホルモン」とも呼ばれているためです。
日本では、インスリン分泌作用が保持されている2型糖尿病患者の薬として、一部承認されています。

参照:週1回投与のGLP-1受容体作動薬「Wegovy」(セマグルチド2.4 mg)が米国で承認 世界初で唯一の体重管理のためのGLP-1

糖尿病薬として作られた

糖尿病薬として作られた

人間の体内に元々備わっているGLP-1は、分泌された後にdpp-4という酵素に一部分解されますが、GLP-1受容体作動薬はdpp-4に分解されにくいという特徴があります。
食後に血糖値が急上昇することを防ぐ効果から、日本では2型糖尿病の治療薬として作られました。

GLP-1は高血糖時に小腸から分泌されて、一部はすい臓に到達します。
インスリンの分泌を促すほか、血糖値を上げるグルカゴンを抑える作用があります。

GLP-1注射が体内でどう作用するのか

体内でどう作用するのか

注射によりGLP-1受容体作動薬が体内に入ると、GLP-1が分泌された場合と同様にすい臓に働きかけ、高血糖時には血糖値を下げる作用があるインスリンの分泌を促進し、逆に血糖値を上昇させる作用があるグルカゴンは抑制します。
また、胃をはじめとする消化器官の蠕動運動などを遅らせることができるため、消化スピードをゆるやかにし、食後に血糖値が急上昇することを防ぐ効果も見込まれています。
さらに、脳の視床下部へは食欲を抑えるように働きかけていきます。

食欲を減らす作用がある

食欲を減らす作用がある

GLP-1受容体作動薬は脳の満腹中枢に作用したり、胃の消化スピードを遅らせるなどの作用により、食欲を抑える効果があります。

食欲が減退することで、食欲を無理に抑えてストレスをため込んだり、過度な運動をする必要もなく、自然にダイエットを進めることが可能です。
GLP-1受容体作動薬により食欲の抑えられる状態が持続すれば、食事制限のつらさやリバウンドを気にせずにダイエットを続けられるようになります。

4種類あるGLP-1受容体作動薬に作用と効果の違いはあるのか

5種類ある薬

GLP-1受容体作動薬にはいくつか種類があり、経口薬のリベルサス、注射タイプのサクセンダ、ビクトーザ、トルリシティ、オゼンピックが挙げられます。
基本的に作用や効果は同様ですが、成分や使用法、作用時間などに違いがあり、国によっても認可されているかどうかが異なります。

4つのGLP-1受容体作動薬の作用と効果を紹介

4つのGLP-1受容体作動薬の作用と効果を紹介

それぞれの種類ごとのGLP-1受容体作動薬の特徴は、以下のとおりです。

<GLP-1受容体作動薬の種類>
リベルサス 成分(セマグルチド)、使用法(経口)、使用頻度(1日1回)
ビクトーザ 成分(リラグルチド)、使用法(注射)、使用頻度(1日1回)
トルリシティ 成分(デュラグルチド)、使用法(注射)、使用頻度(週に1回)
オゼンピック 成分(セマグルチド)、使用法(注射)、使用頻度(週に1回)

2型糖尿病を対象疾患として保険が適用されています。
ただし、ダイエット目的による使用の場合は自由診療となり保険適用外となります。

GLP-1受容体作動薬は注射と内服薬で作用と効果が違う?

効果が違う?

GLP-1受容体作動薬は、従来自身で注射器を使って投与する方法のみが用いられていましたが、2020年6月に経口薬のリベルサスの製造販売が承認されました。
注射による使用に限られていたのは、GLP-1作動薬は消化酵素に一部分解される特性があるためでした。
そのため、経口薬には酵素で分解されるリスクを防ぐために吸収促進剤が含まれています。

注射と経口で得られる作用や効果に基本的には違いはありませんが、注射に抵抗がある患者さんにとっては治療の選択肢が増えるというメリットがあります。
注射と比べると服用すること自体は気軽ですが、前後の食事の注意点や他に常用薬がある場合については、医師の指導をしっかり受ける必要があるでしょう。

リベルサスの作用と効果

リベルサスの作用と効果

リベルサスは世界初の経口タイプのGLP-1受容体作動薬です。
2型糖尿病の成人患者9543人が参加した臨床試験では、投与後26週間で注射によるGLP-1受容体作動薬のビクトーザと比べ、ヘモグロビンの糖化度合いに同程度の改善が見られたとのデータがあります。
2020年6月に国内での製造販売承認を得ており、食事や運動療法では十分な効果が得られない2型糖尿病治療の新たな選択肢として、注目を集めています。

承認を得ているのは3、7、14mgの用量の錠剤で、1日1回服用していきます。
最初は3mgから服用を開始し、その4週間以降は7mgに増量して維持します。
それでも効果が不十分な場合は、14mgまで増量して服用することも可能です。

副作用は?

副作用は?

GLP-1受容体作動薬は、いずれの種類も基本的に同じ作用や効果が見込まれます。
しかし、副作用として吐き気や下痢、便秘といった消化管に関連した症状が発生することもあります。
ただし、副作用自体はまれであり、多くの場合2カ月ほどの間に収まります。

また、インスリンなど他の薬と、GLP-1受容体作動薬を併用すると低血糖状態になります。
気持ち悪くなったり、手足のふるえ、ふらつきなどが起こったりするリスクが発生します。
低血糖が起きた際には、チョコレートなど甘いものを食べて、血糖値の調整を図ります。

GLP-1受容体作動薬は自由診療

自費診療

先に触れたGLP-1受容体作動薬のいずれの種類も、2型糖尿病の治療以外では保険は適用されません。
ダイエット目的で使用する場合は、自費診療で処方を受けることになります。
料金に不安がある方は、カウンセリング時に相談しましょう。

また、注射器を使う場合は自己注射が基本となります。
大まかな手順は以下のとおりです。

GLP-1受容体作動薬の注射の打ち方
  • 注射針の差込口を消毒し、付属の針を装着する
  • 投与量に合わせてダイアルをセットする
  • お腹に垂直に刺し、ダイアルが0mgになるまで注入する

使用を検討する際には医師の診断と処方を経て、注射などのやり方や用量の調節についてきちんと指導を受けましょう。
使っていて副作用などの不安を感じた際も、医師に相談しましょう。
なお、注射器や注射針は一般ごみとして捨てられないため、使用後は保管して後日クリニックなどで破棄する必要があります。

ストレスを掛けないダイエット

ストレスを掛けないダイエット

GLP-1受容体作動薬は、血糖値の上昇や食欲を抑えたり、消化スピードを遅くさせたりする作用があります。
つまり、少量の食事でも満腹感があり、自然に食事量を減らせるということです。
ダイエットの空腹ストレスからどか食いに走ってしまうといったリスクもありません。
定期的な通院も不要なため、気軽に継続することができます。

また、GLP-1受容体作動薬は内臓脂肪の燃焼を促す効果も期待できるため、わざわざ厳しいトレーニングやカロリー制限をする必要はありません。
「忙しくて運動する時間がなかなか取れない」「空腹を我慢するのがつらい」という人にもおすすめです。

ただし、未成年の方や高齢者の方、妊娠・授乳中の方、糖尿病患者の方の場合はGLP-1ダイエットができませんのでご注意ください。

無理なく健康的なダイエット

ダイエット

ダイエットをするなら、なるべくストレスフリーな状態で続けたいもの。
そんな要望に応えられるGLP-1受容体作動薬を適切に使い、計画的にダイエットを進めていきましょう。
医師の指導をきちんと受けながら、確実に続けていくことが重要です。

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