公開日:2022/10/25更新日:2022/12/16

食欲抑制剤って何?効果と気を付けることを解説!

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コロナ太りによる運動不足や食べすぎで体重が増加した人、身体の動きが鈍くなった人も多いのではないでしょうか。
ダイエットの基本は運動と食事ですが、飲むだけで痩せられる薬、いわゆる「痩せ薬」があったら、皆さんはどう思いますか。
怪しいサプリメントみたいで怖い?それとも興味がある?今回は食欲を抑える効果を国が認めた「食欲抑制剤」について、ダイエット効果と気を付ける点を紹介します。

食欲抑制剤とは

食欲抑制剤とは

食欲抑制剤は、食欲をつかさどる神経に働きかけ、食欲をコントロールする薬の総称です。
食欲をコントロールする神経は、脳の前頭葉にある接触中枢といわれる部分に存在します。

食欲抑制剤を飲むと、中枢神経が、ほんの少しの食事だけでも、お腹がいっぱいになったと感じ、「もっと食べろ」という信号を脳に送らなくなります。

その結果、自然と少食になり、体重が減る、という仕組みです。

だから、ストレスでドカ食いしてしまう人、食べるのを我慢できない人、おやつを食べる習慣が身に付いてしまった人などにはピッタリですよね。

さらに、うれしい効果が食欲抑制剤にあります。
それは、新陳代謝を上げる働きです。
ウォーキングやエアロビクスといった有酸素運動に、食欲抑制剤を組み合わせると、消費カロリーを増やすことができ、痩せやすい身体になっていくのです。

だから、身体を動かしても効果が現れにくい人にも適しています。

厚生労働省認可のサノレックス

厚生労働省認可のサノレックス

飲むだけで痩せる、夢のような「痩せ薬」ですが、実は国が正式に認可して効果を認めている食欲抑制剤が存在します。

サノレックスは、厚生労働省が正式に認可した食欲抑制剤です。

怪しげなサプリメントを飲まなくても痩せられる、しかも厚生労働省が食欲を抑える効果を正式に認めていて、保険適用で飲めると聞くと、試してみたくなりませんか。

サノレックスは個人差もありますが、飲み始めてから1ヶ月ほどで平均2~3kg、体重が減少する、といわれています。

サノレックスとは

サノレックスは高肥満症の治療薬で、厚生労働省が正式に食欲抑制剤として認めています。
治療として服用する薬のため、国内では医療機関でしか手に入れることはできません。

個人輸入代行やECサイトには出回っていない内服薬なので、万が一販売していたとすると、違法薬物もしくは偽物ということになります。

医師の管理でしか扱えない薬で、処方には厳格な規定があり、しっかりした治療法も確立しています。
最大処方期間も定められています。

Amazonなどで買って、好きなときにいつでも飲んでいい、というサプリメント感覚で飲むものではありません。
適用されるのは、医師が認めた患者で、どうしても痩せたい、食欲をコントロールしたいなどという人に限られています。

サノレックスの効果

サノレックスの有効成分は「マジンドール」です。
「マジンドール」は、脳の前頭葉にある接触中枢神経に作用して、食欲を抑えます。
サノレックスを飲むと、空腹状態でも「もうお腹がいっぱい。
食べられない」と脳が勘違いするイメージです。

食欲がなくなり、満腹感が続くことで、自然と大量に食事をとらなくても済むようになり、摂取カロリーを減らすことができます。
普通のダイエットでも食事の量を減らすのは至難の業ですが、サノレックスを使うことで、食べたくなる欲求とサヨナラできる、というわけですね。

運動療法とサノレックスの服用を一緒に行うと、運動療法の効果向上が期待できます。
それは、新陳代謝が良くなるためで、体重が落ちやすくなるのです。

サノレックスは病院での処方のみ

サノレックスに含まれる「マジンドール」という成分は、向精神薬と同じです。
向精神薬とは、中枢神経に作用し、精神に働きかける薬の総称で、抗うつ薬や睡眠薬なども、向精神薬の仲間です。

輸入が禁止されている薬物であるため、病院やクリニックなどの医療機関でしか手に入れることができません。

サノレックスを飲んで肥満を解消したい場合、肥満外来やダイエット外来に行くのが一般的ですが、美容外科や内科で取り扱っていることもあります。

それでは、肥満外来があるすべての病院でサノレックスを処方してもらえるのかというと、そういうわけではありません。
自由診療として扱っているクリニックや病院の方が多く、保険適用している病院は限られています。

サノレックスのメリット

サノレックスの最大のメリットとして、医師と相談しながら肥満治療できることが挙げられます。
医師が体調を確認しながら治療をするので、安心感が違います。

サノレックスは向精神薬の一種なので、厳格に取り扱う必要があります。
最大投与期間が3ヶ月と決められている理由は、長期間服用すると体が慣れてしまい、効き目がなくなるからです。

投与期間はできるだけ短くするように求められているのも特徴的です。
1ヶ月以内に効果がみられなければ投与を中止するなどの治療方法が確立しています。

ダイエットを1人で行うのは強い意思が必要ですが、サノレックスの肥満治療は、医師が一緒にタッグを組んで治療に当たるので、続けられないかも、という心配はいりません。

サノレックスのデメリット

サノレックスは化学構造上、アンフェタミン透導体に属しています。
アンフェタミン透導体には、薬を飲んでいる状態が普通の状態であるとみなし、止めると禁断症状が起きるという「身体依存」の副作用があるため、サノレックスにも身体依存が起こり得るリスクがあるといわれています。

また、「飲んでいないと不安になる」といった精神依存が問題となっています。

つまり、サノレックスの治療が医師とともに行うことが条件なのは、身体依存と精神依存が起こりやすい、という理由からです。
個人輸入が禁止されている向精神薬であり、万が一ECサイトに出ていたとしても、絶対に購入しないでください。

サノレックスのデメリットを見ると、医師の処方が必要な理由がお分かりになったことでしょう。

サノレックスの副作用

サノレックスは前頭葉の中枢神経に働きかけるため、約20%の人に副作用の症状が出るといわれています。
医師の指導のもと、用法・用量を守りながら服用することが大切です。
万が一、副作用が出たとしても、重い症状になることはほとんどないようです。
不安な点などあれば医師に相談してみましょう。

主な副作用は以下の通りです。
口の渇き、便秘、睡眠障害、頭痛、脱力感、めまい、けん怠感、いらいら感、眠気、ふらつき、むかつき、悪心・吐き気、胃の不快感、腹の膨満感、腹痛、下痢、頻脈、胸痛、血圧上昇、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、心停止、顔面潮紅、動悸、そう痒感、発疹、排尿困難、頻尿、口中苦味感、発汗、性欲減退、脱毛、さむけ

サノレックスの値段や保険適応は?

サノレックスの値段はいくらか、自分は保険適応になるのかなど、不安がある人向けに説明します。

保険適用の条件を満たすと、健康保険を使って治療を受けることが可能です。
条件を満たさない場合は、自費診療となり、全額自己負担となります。

サノレックスを処方している医療機関は限られているため、「サノレックス 処方」などと検索した上で公式HPをご確認ください。
取り扱っていたとしても、自費診療のみのケースもあるため、保険適用を希望する人は必ず調べましょう。

サノレックスの値段

サノレックスの服用は、1日1回、1錠となっています。
1錠(0.5mg)当たりの値段は1,000円が相場です。
1か月30日で計算すると、月30,000円ほどとなります。

自由診療だと、薬の代金のほかに、診察料も必要です。

高肥満症の患者は保険が適用されます。
保険適用となると、1カ月のサノレックスの値段は12,000円ぐらいです。

依存症と副作用のリスクがある薬のため、一度に大量の処方はできません。
1度に処方される目安は、7~10日分となります。

保険適用

病院での処方で保険適用となるには、一定の要件が必要です。

サノレックスの説明書によると、適用できる患者の要件として「食事療法及び運動療法をあらかじめ適用し、その効果が不十分な高度肥満症患者にのみ」と挙げています。

つまり、日本国内で、サノレックスを服用できる高度肥満症の患者の要件として、
1. これまで行ってきた運動療法も食事療法でも、満足のいく効果が得られなかった
2. 肥満度BMI35以上

この2つを満たす人に限られています。

BMI35は、身長160㎝で体重90kg くらいの人をイメージしてください。
この2つに該当しない限り、保険適用は認めませんよ、と宣言しているようなものです。

もちろんBMI35までには程遠いけど、サノレックスを使って、計画的なダイエットをしてみたい、という人は自由診療となります。

サノレックスのQ&A

サノレックスのQ&A

Q:サノレックスは個人輸入代行サイトで買うことはできますか。

A:個人輸入が禁止されている薬に該当するため、個人輸入代行サイトでも購入することはできません。
さらに個人で使用することだけが認められている薬であり、個人間で売買することも法律で禁止されています。

Q:サノレックスは夜に飲んでも大丈夫ですか。

A:サノレックスの副作用に睡眠障害があります。
夜飲むのでなく、昼食前に飲むことをおすすめします。

Q:サノレックスはリバウンドしますか。

A:サノレックスは食欲抑制剤で、毎日飲んでいると少食が習慣となります。
代謝が良くなり、運動しても効果があるため、リバウンドしにくい身体になる人が多いです。
しかし、3分の1の人がリバウンドするといわれています。

サノレックスは誰でも使えるわけではない

サノレックスは誰でも使えるわけではない

サノレックスはどんな人でも使えるわけではありません。
サノレックスには、インスリン分泌を抑制する働きがあるため、重度の膵障害の患者が飲むと命にかかわります。
重度の心障害や腎臓・肝臓に障害を持つ患者などは、症状が悪化する場合があります。

 サノレックスの成分に対し過敏症の既往歴のある患者
 緑内障の患者
 重度の心障害のある患者
 重度の膵障害のある患者
 重度の腎・肝障害のある患者
 重度の高血圧症の患者
 脳血管障害のある患者
 不安・抑うつ・異常興奮状態の患者
 統合失調症の患者
 薬物・アルコール依存・乱用歴のある人
 MAO阻害剤を投与中または投与中止後2週間以内の患者
 妊婦・授乳中または妊娠している可能性のある女性
 子ども

サノレックスはあくまで治療薬、普段の生活にも気を付けよう

サノレックスはあくまで治療薬、普段の生活にも気を付けよう

サノレックスは厚生労働省が正式認可した食欲抑制剤で、保険適用される患者には厳しい条件があります。
サノレックスはあくまで高度肥満症の治療薬です。
ダイエットの基本は食事と運動です。
普段の生活習慣にも気を付けましょう。

記事の参考URL
http://www.3016clinic.com/operation/sanolex.html
https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/bodyline/sanorex/
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1190008F1020_4_02
https://www.dapc.or.jp/kiso/28_psychotropic.html

サノレックスでどれくらい痩せる?値段、副作用は?効果はいつから?|医師監修

メディカルダイエット・メタボ対策


https://www.dazzyclinic.jp/stop-tabesugi/appetite%E2%80%90suppressants/

医師の管理のもと健康的に痩せる3つの方法


https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/bodyline/sanorex/
https://www.otsuka-biyo.co.jp/lineup/bodyline/sanorex/
http://www.3016clinic.com/operation/sanolex.html

医師の管理のもと健康的に痩せる3つの方法


https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1190008F1020_4_02