肌の若返りや小顔効果も!ボトックス注射の効果や副作用を徹底解説

肌の小じわが目立ち老けた印象になる。
エラがはっていて顔が大きく見えてしまう。
そのようなお悩みを解決できるのがボトックス注射です。
多汗症など医療目的の治療にも使われており、その安全性は確立されています。

しかし、副作用や失敗したときのリスクが不安な方も多いのでは。
ここでは、美容医療のプロがボトックス注射の治療の流れや効果、副作用、費用について徹底解説します。

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小じわ改善・小顔効果!ボトックス注射とは?

小じわ改善・小顔効果!ボトックス注射とは?
ボトックスとは、ボツリヌス菌が出すボツリヌストキシン(Botulinum toxin)という毒素のこと。
ボツリヌストキシンには筋肉を動かすための神経伝達物質アセチルコリンの伝わりを弱める役割を果たし、こわばった筋肉をリラックスさせる効果があります。
そのため、顔の小じわを滑らかにしたり、エラを小さくして小顔にしたりできるのです。

ボツリヌストキシンは、ペットボトル1本分の500グラムで全人類を殺せてしまうと言われるほど強力な毒素なので、
そんなものを顔に注射しても大丈夫なの?
と心配になるかもしれません。

しかし、美容や医療目的で使われるのは致死量の100分の1以下。
国によって安全性が承認されているので、安心して治療を受けることができます。

ボトックス注射は、小じわの改善や小顔効果といった美容目的はもちろんのこと、医療目的でも用いられています。
アセチルコリンの働きを弱めると汗腺の働きが抑制されるので、ワキなどの多汗症治療でもボトックス注射は活躍中。
脳梗塞後の手足のつっぱりの緩和や斜視の改善などにも使用されています。

注射で成分を注入するので肌にメスを入れる必要がなく、治療にかかる時間も5~10分程度と短いので、手軽に行えるのも大きなメリット。
費用は用いられるボトックス製剤の種類やメーカーによって異なり、安価なものは韓国製などやや信ぴょう性に疑問が残る製剤の可能性があります。
元々は毒素である成分を使用しているので、アラガン社製の「ボトックスビスタ」など、必ず国から認可されている安全性の高いボトックスを使用しているクリニックを選ぶようにしましょう。

ボトックス注射にはほとんど副作用はありませんが、筋肉の力が弱まるため少し治療部位が動かしづらくなる可能性があります。
ただ、咬筋や足、腕のように毎日動かす場所であれば、3週間程度で違和感はなくなります。
万が一ボトックスの注入量を間違ってしまった場合は、表情が硬くなったり眉毛の位置が変わってしまったりすることも。

内出血や腫れ、頭痛といった症状が見られるケースもあります。
このようなリスクを避けるためには、ボトックスの認定医を選ぶことが重要になるでしょう。
技術のある医師であれば、副作用や違和感はめったに生じません。

リフトアップ効果も期待できる

最近はマイクロボトックス注射と呼ばれる技術も登場しています。
皮膚に細かく浅く注射することで、顔全体のリフトアップ効果が期待できます。
筋肉の表面だけにボトックスが注入されるので、顔を動かしにくくならず、皮脂腺を抑えるためつややかな美肌効果もあります。

ボトックスは注射後2、3日たってから効果が表れ始め、2~3週間後には効果を実感できるようになります。
ダウンタイムはとくにないので、治療後すぐに化粧をしても問題ありません。

ボトックス注射の流れ・痛み

ボトックス注射の流れ・痛み
ボトックス注射を行う場合、まずはカウンセラーや医師によるカウンセリングを受けることになります。
改善したい場所や理想のイメージを伝え、認識をすり合わせていきましょう。

次に、麻酔クリームを塗ります。
麻酔クリームとは美容クリームの中に10%程度の麻酔薬が混ぜられたもので、皮膚に塗りサランラップをして20分ほどおき、しっかりと効果を浸透させます。
多汗症治療の場合、脇には毛細血管や神経が多数走っているので、より痛みを感じないように麻酔クリームではなく注射の麻酔を用います。

ボトックス注射ではマイクロニードルと呼ばれる極細の注射針を用います。
皮膚が薄い部分であっても、注射の痛みはほとんどないのでご安心ください。
麻酔クリームや麻酔注射は、クリニックによってはオプション料金が設定されていることがあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

そして、ボトックス注射で患部に成分を注入していきます。
1か所あたり5分~10分程度で完了するので、あっという間です。

ボトックス注射が終わったらすぐにお帰りいただけます。
その場でお化粧もできますが、患部が腫れてしまう可能性があるため、施術当日はお風呂やマッサージ、運動、お酒といった身体を温める行為は避けるようにしてください。

ボトックス注射の効果・メリット

ボトックス注射の効果・メリット
ボトックス注射は、注射部分の筋肉を弛緩させることによって、シワを引き延ばし新たなシワができないようにする治療です。
眉間の縦じわや額の横じわ、目じりのシワなど、表情を作ると現れてしまうシワに効果を発揮します。
皮脂腺を抑制するので、つややかで美しい美肌になる効果も期待できます。

一方で、身体本来の力を利用してシワを改善する治療なので、ほうれい線やマリオネットラインなど深く刻まれたシワの改善にはあまり向きません。
表情を作らなくても刻まれてしまっているシワは、ヒアルロン酸注射で目立たなくさせることをおすすめします。

また、特筆すべき効果は小顔を目指せるという点でしょう。
エラが張って顔が四角く大きく見えてしまう原因の一つは、食べ物を噛むときに使う咬筋という筋肉が発達していることにあります。
そこにボトックスを注入することで、エラの筋肉の収縮を抑制。
エラの張りが収まり、小顔効果が期待できるのです。

噛む筋肉を弱めてしまったら食べられなくなってしまうのでは?と心配になる方もいると思いますが、ご安心ください。
普段ものを食べるときは咬筋の力の半分も使っていないので、十分咀嚼することができます。
初めのうちは違和感があるかもしれませんが、毎日食べることでいずれ解消されていきます。

汗腺の働きを抑える効果もあるので、多汗症治療にもボトックス注射は用いられています。
シワの改善などは保険適用外ですが、多汗症は保険の対象となっているので安く治療を受けることができます。

ふくらはぎや二の腕の筋肉にボトックスを注入することで、筋肉を小さくしてほっそりと痩せた印象にさせることも可能。
こちらも歩いたり物を持ったりするのに支障は出ませんので、安心してください。
肩こりがひどい場合は、ボトックス注射で筋肉の緊張を和らげることもできます。

ボトックス注射の持続期間

ボトックス注射の効果は施術後2~3日目から現れ始め、2~3週間後から効果を実感できるようになります。
そして、その効果は約半年間持続します。
日々筋肉を動かすことで徐々に効果が薄れてきますので、定期的な施術がどうしても必要になってしまいます。
ただし、同じ個所に何度も続けて注射することで、ボツリヌストキシンに対する抗体ができてしまう可能性があります。
抗体ができると注射の効果が下がってしまうリスクがあるため、春と秋、夏と冬といった形で、年に2回程度の利用に留めておくようにしましょう。

ボトックス注射に適した部位

ボトックス注射は以下の部位で効果を発揮します。

シワ全般

額のシワ、眉間のシワ、目じりのシワ、口元のシワ、あごの梅干しじわ

小顔効果

エラの咬筋

痩せ効果

ふくらはぎの筋肉、二の腕の筋肉

多汗症

脇、手、顔など

肩こり

肩の筋肉

ボトックス注射の副作用・デメリット

ボトックス注射の副作用・デメリット
ボトックス注射は医学的にも安全性が認められている治療ですが、副作用のリスクはわずかに存在します。
皮膚や筋肉層へ注射することになるので、注射部の痛みや腫れ、内出血は比較的発生しやすいと言えます。
また、1%未満の発生率ではありますが、毒素を体内に入れることで皮膚に発疹や紅斑が生じる場合もあります。
これらの症状はボトックスの効果が予想以上に発揮されてしまった結果とも言えるため、基本的には時間の経過とともに症状は回復していきます。

また、5%未満の確率で過剰に筋肉が弛緩してしまい、まぶたや眉毛、頬の筋肉が垂れ下がってしまうという副作用も報告されています。
5%未満で頭痛が生じる場合もありますが、どの副作用も発生率としてはたいへん低いものとなっています。
「VST認定医」というボトックスの認定医師であれば、技術力があるため副作用が生じるリスクを限りなく低減させることができます。
ボトックス注射では、信頼できる医師やクリニックを選ぶことが重要になります。

万が一筋肉の違和感などの副作用が生じてしまったら、すぐに医師に相談しましょう。
何らかの症状が発生した際に再診してもらえるかは、事前に確認しておくことをおすすめします。

ボトックス注射が受けられない人

ボトックス注射は、基本的に65歳以上の方には推奨されていません。
65歳以上の日本人の眉間への使用実績がほとんどなく、目尻には使用実績がないためです。
海外の臨床試験では、65歳以上の方は効果が低く副作用の発生率が高くなるというデータがとられています。

また、妊娠中の方や授乳中の方もボトックスを投与することができません。
海外ではボトックス注射で胎児が死亡してしまったケースが報告されているため、妊娠の可能性がある場合でも必ず避けるようにしましょう。

重症筋無力症やランバート・イートン症候群、筋委縮性側索硬化症など、全身性の神経接合部の障害のある方もボトックス注射ができません。

参照リンク:医療用医薬品 : ボトックスビスタ

ボトックス注射の費用

ボトックス注射の費用
部位によって費用は異なりますが、1か所あたり3万円~5万円が相場となっています。
エラの咬筋であれば、5万円~6万円が相場です。

ボトックス注射はメーカーによって値段が異なり、アメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)から認定を受けたアラガン社製のボトックスなどは、安全性が高い分比較的高額な傾向があります。

韓国製のボトックスは安価ではありますが、デメリットもあります。
クリニックでどのメーカーのボトックスを使用しているのかは事前に必ずチェックしておくようにしましょう。

【Q&A】ボトックス注射でよくある質問

【Q&A】ボトックス注射でよくある質問

小じわの改善や小顔効果にはボトックス注射が最適

表情を作ると目立ってしまう額や眉間、目尻の小じわを目立たなくするには、ボトックス注射が最適です。
ほうれい線など深く刻まれたシワにはヒアルロン酸注射を打つことで、お顔全体に張りが出て若々しい印象になれるでしょう。
エラにボトックス注射をすることで、小顔効果にも期待できます。
多汗症でお悩みの場合は、保険が適用される場合があるので比較的安くボトックス注射を受けることが可能です。

副作用が発生するリスクもありますが、確率としては極めて低いものです。
ボトックスの認定医が所属する、信頼できるクリニックで受診するようにしましょう。
肌の小じわや顔の大きさ、多汗症にお悩みの方は、ボトックス注射を検討してみてはいかがでしょうか。